散骨の費用はどのくらいかかる?種類や注意点についても詳しく解説
この記事では、散骨の費用がどのくらいかかるのか詳しく解説します。注意点や手続きについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「散骨を考えているけど、費用はどのくらいかかるの?」と疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。散骨とは、墓地に埋葬せず、海や山に遺骨を撒いて手元に残さない方法のことです。
散骨の費用相場は、種類によって異なりますが、おおよそ10〜35万円が相場です。業者に依頼する場合は、複数社から見積りを取ってサービスを十分に比較した上で、依頼先を選びましょう。
この記事では、散骨の費用がどのくらいかかるのか詳しく解説します。注意点や手続きについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも散骨とは
散骨とは、遺骨を墓地に埋葬せず、海や山に遺骨を撒いて手元に残さないことです。海洋散骨(海に散骨すること)は、法律で禁止されていません。
お墓を無理に持つ必要がないことや、遺骨を自然に戻すことに意味を感じるといったことを踏まえて希望する方もいます。
ただし、散骨する場合、周囲に住んでいる方のことも考慮して、一定のルールや節度を守る必要があります。
自治体によって散骨場所や遺骨の状態にルールが設けられていることもあるため、自分の判断で散骨するのは避けましょう。
散骨の費用相場はどれくらい
散骨の費用相場は、散骨の種類によって異なります。
ここでは、海洋相場に関しての費用相場について詳しく解説します。
下記は、種類別の費用相場です。
・貸し切り型散骨:15~35万円
・合同散骨:10~20万円
種類ごとに費用の相場が異なることがわかります。ここからは、それぞれの種類別の特徴についてみていきましょう。
貸し切り型散骨
貸し切り型の海洋散骨は、1隻の船を家族で貸し切って行うタイプの散骨です。チャータープランや貸し切りプランなど複数の呼び方で呼ばれます。
貸し切り型散骨の費用相場は、15〜35万円です。費用には、以下の要素が含まれます。
・船のチャーターにかかる費用
・スタッフにかかる費用
・燃料費
上記の費用を負担する必要があるため、比較的コストがかかりがちです。
しかし、ほかのご家族に気をつかう必要がなかったり、自由度の高い散骨が実現しやすかったりします。希望があれば、スケジュールも柔軟に調節してもらえるでしょう。
合同散骨
合同散骨は、1隻の船を複数の家族で利用するタイプの散骨です。費用相場は、10~20万円で貸し切り型と同様、以下の要素が含まれます。
・船のチャーターにかかる費用
・スタッフにかかる費用
・燃料費
合同散骨は複数のご家族で費用を負担するため、貸し切り型と比較して費用を抑えやすいのがメリットです。
一方で、散骨時にほかのご家族に気をつかったり、乗船人数に上限がある場合は乗船できない人がでてきたりなどデメリットもあります。
日程や乗船人数なども踏まえた上で、どちらの散骨にするか選択が必要です。
散骨する際の注意点
散骨する際、以下のような守るべきマナーや注意点があります。
・動きやすい服装で参列する
・適切な場所で実施する
・自然に還らないものを撒かない
注意点は、事前に把握しておくことが大切です。それぞれの内容について詳しく解説します。
注意点1. 動きやすい服装で参列する
散骨を行う際、葬儀や法事のような喪服を着用することはあまりおすすめできません。海や山を散骨以外の目的で利用する方や近隣住民のことを配慮する必要があるためです。
また、海と山で行う散骨に関係なく、スニーカーなどの動きやすい靴の着用をおすすめします。
例えば、海であればデッキが滑りやすくなっている可能性がありますし、山も同様に山道が滑りやすくなっていることがあります。
ヒールなどの動きづらい靴や服装の着用を避けて、動きやすい服装で散骨に参列しましょう。
注意点2. 適切な場所で実施する
散骨する際、遺骨をどこにでも散骨してよいかといえばそうではありません。
厚生労働省が公表している「散骨に関するガイドライン」では、海岸から一定の距離が離れている場所で行うことや、住んでいる住民・土地の所有者の利益を害することがないように配慮することが定められています。
例えば、海洋散骨を行う場合、船で沖合まで行く必要があります。
山で実施する場合も、人目につかない、土地所有者に理解・許可を得ることが条件となるでしょう。
自分が所有している土地であれば、人目に触れたり民家に近かったりしなければ問題ありません。
参照:厚生労働科学特別研究事業「墓地埋葬をめぐる現状と課題の調査研究」研究報告書より散骨に関するガイドライン
注意点3. 自然に還らないものを撒かない
散骨では、遺骨のほかに献花や献酒を行うケースもあります。
故人の好物を一緒に撒くこともありますが、自然に還らないもの・環境に悪影響を及ぼす可能性があるものは、撒かないように注意してください。
例えば、お菓子であれば包装紙やビニールを外して中身以外を撒かないよう配慮することが大切です。
ほかにも、花であれば生け花のみにするというように配慮しましょう。花束の場合もゴム・ラッピングを外す必要があるため、ご注意ください。
散骨を進める際の主な流れ
1.ご遺骨を散骨する
2.献花・献酒などを行う
3.海洋散骨であれば、海域を周回してお別れする
4.散骨後、定期的に供養を行う
業者に依頼している場合は、業者の指示に従えば問題ありません。
先ほどご紹介したように、自然に還らないものを撒かないようにだけ注意しましょう。
散骨の業者に依頼する場合の流れ
散骨を業者に依頼する場合、どのように進めればよいのでしょうか。主な流れは、以下の通りです。
1.業者の候補を複数選ぶ
2.プランやオプションを比較する
3.見積りを複数社から取って1つに絞る
4.申し込んで散骨日を決める
5.決められた日にちになったら指示に従って散骨を行う
業者選びで大切なのは、複数社から見積りを取ることです。
1つの業者から見積りを取っても相場より高くないか、サービスの質は問題ないのかなどを比較できません。
複数社から見積りを取れば、サービスの内容や費用を比較しつつ、自分に適した1者を見つけやすくなります。
また、可能であれば業者の口コミや評判も確認しておきましょう。
口コミや評判は、実際に業者を利用した人の声なので、参考にすることで失敗のリスクを抑えられます。これらを踏まえた上で、散骨を依頼する業者を選んでみてください。
散骨を業者に依頼する際に必要な書類
散骨を業者に依頼する場合、業者によって必要書類が異なります。海洋散骨で必要な書類の一例は、以下の通りです。
・海洋散骨依頼書・同意書
・海洋散骨申込書
・火葬許可証・埋葬許可証・改葬許可証のうち、いずれかのコピー
・申込者の身分証明書のコピー
また、散骨に伴っては墓じまいをする際は、別の提出書類が必要になることも考えられます。事前にどのような書類が必要なのか確認しておくとよいでしょう。
まとめ
散骨することで、墓地を用意する必要がなかったり、遺骨を自然に戻すことに意味を感じたりできます。散骨する候補としては、山や海があるのが特徴です。
ただし、散骨する場合は、環境や周囲の人間に十分に配慮する必要があります。
厚生労働省が「散骨に関するガイドライン」では、海岸から一定の距離があったり住んでいる住民・土地の所有者の利益を害することがないように配慮したりすることが定められています。
また、散骨を請け負っている業者は複数あります。業者を選ぶ際は、費用相場に沿っているか見積りを取って確認することが大切です。
見積りを取る際は、1つの業者だけでなく複数の業者から取ってサービスの内容や質も比較しましょう。
この記事でご紹介した内容を踏まえ、自分に適した散骨の業者を選んでみてください。