長年連れ添った夫から突然「離婚したい」と言われ、戸惑いやショックを受けていませんか?これまで家族を支えてきたつもりでも、夫には長年の不満や心のすれ違いが溜まっていることも少なくありません。
では、なぜ熟年離婚を切り出されるのでしょうか?夫が感じる本音や、離婚を切り出されやすい妻の特徴にはどのようなものがあるのでしょう。本記事では、夫が離婚を決意する背景や一般的な理由を詳しく解説します。夫婦関係を見直し、これからの選択肢を考えるヒントとしてご活用ください。
熟年離婚を切り出す夫の本音「妻といても幸せじゃない」
夫が熟年離婚を切り出す最大の理由は、「妻と一緒にいることで幸せを感じられなくなった」ことです。
本気で愛し結婚をしたとしても、永遠に夫の愛情が続くとは限りません。
長年の結婚生活の中で、会話の減少やすれ違いが積み重なり、「夫婦としてのつながり」を感じられなくなることもあります。
具体的には以下のような心理が挙げられます。
・ 価値観の違いが埋まらない
・ 一緒にいることがストレスになっている
・ 家庭内での役割分担や感謝の欠如
例えば、妻の行動一つで離婚に直結することはないものの、夫へのないがしろにしている態度積み重なり、イライラが募ってしまえば、どんなに温厚な人でも「堪忍袋の緒が切れてしまう」のは当然のことでしょう。
旦那はなにをしても怒らない、何を言っても大丈夫と安心しきっている女性こそ要注意です。
特に、子供を巻き込んで夫を馬鹿にするというケースは少なくありません。
些細なことの積み重ねが離婚へと発展する可能性があるので、離婚を切り出された際には、今一度自分の言動を振り返ってみると良いでしょう。
夫から離婚を切り出されやすい妻の特徴とは?
夫から熟年離婚を切り出される背景には、夫婦間の関係性や妻の行動・態度が影響している場合があります。
以下に、夫が離婚を考えるきっかけとなりやすい妻の特徴をまとめました。
1. 感謝の欠如:
夫の努力や貢献に対して感謝の言葉や態度が少ないと、夫は自分の存在価値を見失い、疎外感を抱くことがあります。
2. 過度な干渉:
夫のプライバシーや行動に対して過度に干渉し、自由を制限すると、夫は窮屈さを感じ、ストレスを溜め込む可能性があります。
3. コミュニケーション不足:
日常的な会話や意思疎通が減少すると、夫婦間の絆が希薄になり、夫が孤独を感じることがあります。
4. 自己中心的な態度:
自分の意見や欲求を優先し、夫の考えや感情を軽視すると、夫は理解されていないと感じ、関係性に不満を抱くことがあります。
5. 外見や健康への無関心:
結婚後に自分の外見や健康管理に無頓着になると、夫は魅力を感じなくなり、夫婦関係のマンネリ化を招くことがあります。
これらの特徴がすべて当てはまるわけではありませんが、夫婦関係を見直す際の参考として、自身の行動や態度を振り返ることが重要です。
夫からの突然の離婚宣告に応じる義務はない
夫から突然「離婚したい」と告げられても、妻がすぐに応じる必要はありません。
基本的に両者の合意がない限り離婚は成立しないため、冷静に状況を把握しましょう。
法律で認められる離婚の理由(法定離婚事由)は以下の通りです。
1. 配偶者に不貞な行為があったとき。
2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
これらに該当しない場合、離婚を強要されることはありません。
その他性格の不一致やDV・虐待・モラハラ・セックスレスなどといった理由が原因で離婚したい場合には、客観的にみて婚姻関係を続けるのが難しいと判断できることを証明しなければなりません。
夫が別居を強行した場合も、夫側からの離婚は認められない
あなたが離婚を拒否していたとしても、夫が一方的に家を出てしまうこともあるでしょう。
夫婦には同居義務がありますが、これを強制する手段がありません。
そのため妻から同居を矯正する手段はありませんが、一方的に別居を強要する行為は、夫婦関係を壊す原因となるため、基本的に別居を強行した側からの離婚は認められません。
ただし、夫婦関係を見直すために別居を始め、別居中も生活費(婚姻費用)をきちんと支払っていた場合には、長期間の別居を理由に離婚が認められることもあります。
夫から熟年離婚を切り出された妻がすべき5つのこと
突然夫から離婚を切り出され途方に暮れてしまう方も少なくありません。
特に専業主婦であった場合、金銭面や住居など悩みは尽きないものです。
ここでは、夫から離婚を切り出された妻がすべき対応を解説します。
離婚の準備が必要なことを伝える
まずは「離婚を考え直してほしい」と伝えるだけでなく、「冷静に考えたいので準備期間が必要」と夫に伝えましょう。この間に、自分自身の気持ちを整理し、経済面や生活設計について準備を進めることができます。
可能であれば、別居期間を作らずに離婚することをおすすめします。
なぜなら別居期間中に夫が築いた財産が財産分与の対象外となってしまうためです。
早めに仕事を見つける
精神的に辛い時に仕事を探すのは、難しいかもしれませんが、まずはすぐに仕事先を見つけるようにしましょう。特に専業主婦やパート勤務の場合、離婚後の生活を安定させるためにも、自分の収入を確保する必要があります。
・ パート勤務から正社員を目指す
・ 資格取得やスキルアップのための準備
・ ハローワークや求人サイトの活用
経済的自立は、精神的な安定にもつながります。
離婚後の生活費がどの程度必要なのか算出し、まかなえるだけの仕事先を見つけるようにしましょう。
万が一仕事が見つからず、生活が困難になってしまった場合には、生活保護を受ける方法もあります。
離婚後の住居を考える
離婚後の生活拠点をどうするかも重要です。
もし財産分与で自宅を譲ってもらえないことになったら、自分で住居を用意しなければなりません。
・ 賃貸の場合の更新手続きや引越し準備
・ 住居費の確保
子どもがいる場合は、子どもの生活環境の維持も考慮する必要があります。
特に仕事が決まっていない場合には、賃貸契約を結ぶのも難しいかもしれません。
ご両親が受け入れてくれるのであれば、実家に戻るのもひとつの手段です。
財産分与や慰謝料について考える
離婚後に困窮しないためにも、離婚時に受け取れる金額をできるだけ増やすことが大切です。
熟年離婚の場合、婚姻期間が長い分夫婦で築き上げた資産が多く、また退職金も財産分与の対象となることから、若年層の地婚に比べて高額になることが考えられます。
何が財産分与の対象であるか、相手に隠し財産はないかなど入念に調査しましょう。
また調停に進んだ場合、調停員を通して離婚が進められ、柔軟に条件を決めることが難しくなります。できるだけ、相手が離婚を切り出した時に有利な条件で離婚できるよう交渉をしましょう。
自分で交渉しても思うように進まない場合は、離婚問題を得意とする弁護士に依頼することで、財産分与や慰謝料を増やせる可能性が高くなり、離婚後の生活が困難にならずに済みます。
弁護士に相談・依頼する
上でも書いた通り、弁護士に依頼することで財産分与・慰謝料を増額できる可能性が高まります。
特に離婚問題に精通している弁護士であれば、相手との交渉を心得ています。
また、弁護士を介して離婚協議を進めることで、トラブルを回避することもできます。
特に以下のようなケースでは、弁護士のサポートを受けると良いでしょう。
・ 夫が一方的に離婚を迫ってくる場合
・ 財産分与や慰謝料で意見が対立している場合
・ 離婚条件の交渉をスムーズに進めたい場合
熟年離婚のリスクに備え準備・交渉を着実に進めよう
最近では「熟年離婚」という言葉を聞くことも珍しくなくなりました。
そのため、いきなり夫から熟年離婚を切り出され、ショックを受けている方も多いでしょう。
熟年離婚には、感情的な問題だけでなく、生活基盤の変化や経済的リスクも伴います。
回避できない場合には、今回紹介した5つの対策を参考にしながら、冷静に準備を進めてください。
焦らず、専門家の助けも借りながら、自分の未来を明るくするための一歩を踏み出しましょう。