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葬儀

2024.04.23

神式の葬儀の流れやマナーを解説!服装や他宗派との違いも!

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神式の葬儀には仏式とは違うマナーがあります。
それは神道の思想や信仰に根付いているものなのですが、そもそもわたしたちは神道がどんなものなのか理解しているでしょうか?

こちらでは神道について解説、そして神式の葬儀のくわしい流れやマナーなどもまとめました。

そもそも神道とは?
神社
神道は日本の民族宗教
神道とは 日本に古くからある民族宗教 です。

しかし、宗教とは言うものの、 神道には決まった教祖や創始者がいません。

また、例えばキリスト教における聖書や、イスラム教におけるコーランにあたる 教典と言えるべきものがありません。

また、神道には他の宗教にはある 「神様」もいません。

敢えていえば、 「八百万の神」といって、例えば太陽の神、土地の神など、森羅万象に宿った神々 を崇めます。

また、 偉大な祖先、天皇も神様として祀っています。

神道の教典は?
神道には 決まった「教典」がなく、体系化されたものではありません でした。

しかし8世紀になり、 古事記や日本書紀、といった歴史書が書かれる ことによって、そこに 日本人が古くから持っている思想や倫理観というものが形に されてきました。

さらには国外に向けて 日本という国が代々天皇を中心におさめられてきた国家であることが示される こととなりました。

それによって「神道」という言葉が誕生することになります。

ですから、 神道の教典としては、古事記や日本書紀、先代旧事本紀が挙げられています。

神式葬儀の意味
神主
神道の葬儀
神道の葬儀は 「神式葬儀」や「神葬祭」と呼ばれます。

仏教では、亡くなった人は極楽浄土に行くとされ、故人は亡くなったあとは仏さまのもとで暮らす とされています。

神式の葬儀では、故人が今後も家にとどまり、守ってくださるように 、つまり 故人を神として祀る 儀式となります。

神式葬儀では 故人は「死んだ」わけではなく、神様としてずっと家を守ってくださる存在 となるのです。

神葬祭に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

神葬祭とは?流れ・服装・費用!神棚封じや玉串奉奠、香典も解説
第三人生編集部

歴史
神式の葬儀は、 古事記に、アメノワカヒコの葬儀の様子が記述されており 、これが 最古の神式葬儀 とされています。

神式の葬儀は 仏教の葬儀よりも歴史が古い のです。

しかし神式の葬儀をしていたのは限られた層だけで、 一般に広まったのは江戸時代以降 です。

それでも、現在でもそうですが 葬儀の多くは仏教式で執り行われ 、神式の葬儀は少ないです。

神式の葬儀の流れ
神式の葬儀の流れは以下の通りです。

神葬祭 流れ
詳しく解説していきます。

帰幽報告
神式の葬儀では、人が亡くなったあと、 まず神棚や祖霊舎(仏教における仏壇のこと)にその故人の死のことを報告する儀式 があります。

それを帰幽報告といいます。

報告をしたら 神棚などの扉を閉め、白い半紙を貼って「神棚封じ」をし、神棚がけがれないようにします。

神棚封じについては後に解説していきます。

枕直しの儀
亡くなった方を北枕にして寝かせます。
その時、 故人の顔には白い布をかぶせ、枕元には守り刀を置きます。

故人には白い小袖を着せ 、塩、水、米を「三方」と呼ばれる台上に 置きます。

このあたりの作法は仏教の葬儀と似通った部分もあります。
枕直しの儀のあと、 ご遺族やご親戚で故人を囲み、お祈りをします。

納棺の儀
ご遺体に 白い装束を着せたあと、棺に納めます。
その後棺を白い布で覆い、 皆で礼拝をします。

ご遺体に 白装束を着せないケースもあります。
その際は ご遺体に白い布をかける という作法もあります。

納棺については下の記事を参考にしてください。

納棺とは?流れやかかる時間、副葬品!儀式の出席者の範囲や服装も
第三人生編集部
通夜祭
通夜祭とは、 仏教式でいう「お通夜」にあたる儀式 です。

神官である斎主と斎員、それから雅楽を演奏する人たちによって
参列者も含めて「手水の儀(ちょうずのぎ)」をとりおこないます。

そのあと神官が祭詞をとなえ、楽員が雅楽を演奏します。
参列者は玉串を捧げて礼拝 をします(「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」と言います)

遷霊祭
神式の葬儀でおこなう遷霊祭は、 故人のご遺体から魂を抜き、霊璽(仏教における位牌)に移す儀式 を言います。

この儀式の時には 明かりを消し、暗闇の中で行うのが正式な作法 です。
そして神式ではこの儀式によって、**故人のご遺体は魂のない状態になります。

魂が霊璽に移ることで故人は守護神となる**のです。

葬場祭
葬場祭とは、 仏教における葬儀のことを言います。
神式の葬儀においてもっとも重要な儀式 となります。

弔電が読まれたり、祭詞奏上、玉串奉奠などを行い、 故人にお別れを告げる儀式 でもあります。

葬場祭に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

葬場祭とは?流れや作法、神官に対するお礼、注意点も解説!
第三人生編集部

火葬祭
ご遺体を火葬する前に、 火葬場などで行う儀式のことです。
神官が祭詞を読み、参列者が玉串を捧げます。

火葬にかかる時間と流れ!火葬中の過ごし方やマナー、手続きも解説
第三人生編集部

埋葬祭
神式の葬儀における埋葬祭とは、字のごとく、 遺骨をお墓に埋葬する、という儀式 です。
昔は火葬場から直接墓地へ出向き、そのまま納骨をしていました。

しかし 最近ではすぐに納骨するのではなく、一旦ご遺骨を家に持ち帰り、しばらくお手元に置いておく 、というケースも増えてきました。

その場合は 50日祭の時にお墓に納骨する と良いですね。

帰家祭(きかさい)
神式の葬儀の「帰家祭」とは、 火葬祭、埋葬祭と無事に終わったことを家に帰ってから神棚に報告 をします。

その時、 手水や塩で清めてから おこないましょう。

また、帰家祭まで終わったら、 関わってくださった神官や雅楽の奏者の方々をお招きし、その労をねぎらうために宴を開いておもてなし をする、直会(なおらい)を行います。

神式の葬儀のマナー
マナー
手水の作法
手水、とは神道でよく聞かれる言葉ですが、 「ちょうず」と読みます。
神式の葬儀でも、この「手水」というのは行われるのです。

いわゆる 「儀式の前に身を清める」作法のことを言います。
手水の作法を詳しく解説しますと

左手に水をかける
右手に水をかける
左手に水を受け、口に含んですすぐ
懐紙で口と手を拭く
この4つの流れになります。

左手に水をかける
柄杓を右手に持ち、 水をすくって左手に水をかけて清めます。

右手に水をかける
柄杓を左手に持ち替え、水をすくって 同じように右手に水をかけ、清めましょう。

口をすすぐ
柄杓をまた右手に持ち替え、 水をすくって口に含み、すすぎましょう。
このとき、 柄杓を直接口につけないように しましょう。

口と手を拭く
懐紙などを持っていき、それで口と手を拭くように しましょう。
なければ葬儀に持っているハンカチでもかまいません。

柄杓はきちんと洗い、次の人のために元あった場所に 置きましょう。

拝礼の作法
神式の葬儀では、「拝礼の作法」というものがあります。
神式では、 「二礼二拍手一礼」が基本 です。

まず 頭を二度下げ、二度拍手を打ちます。
このとき、 音は出さないように しましょう(忍び手と言います)。

そして 最後に頭を一度下げ、深く礼をします。
仏教式とは異なりますので、覚えておきましょう。

玉串奉奠の作法
神式の葬儀には 「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」という儀式 があります。
これは 仏式でいうお焼香、そしてキリスト教式の葬儀でいう献花 にあたるものです。

玉串というのは 榊の枝に白い紙(紙垂と言います)をつけたもの を言います。

玉串を受け取ったら 枝の下の方を右手にもち、葉の方を左手で支えるように持って 、台の前にすすみましょう。

台の前まで来たら一礼をし、 玉串をそのまま自分の目の高さに持ち上げるようにして、右回転させ、枝の根元が祭壇の方に行くように して置きます。

このとき、自分の前に人がいたら、その仕草をまねるのもいいですね。
そして、 祭壇に向かって二礼二拍一礼 をします。

玉串奉奠に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

玉串奉奠とは神葬祭で行う儀式!由来や流れ、使用するものを解説
第三人生編集部

神式の葬儀での服装
男性
喪服 メンズ ダブル 準喪服
神式の葬儀の時の服装は、 仏教式の時に着用するような一般的な喪服 で大丈夫です。

男性は ブラックスーツで、中のシャツは白いもの を選んでください。
このとき、 シャツは必ず無地のもの にしてください。

黒いネクタイを着用しますが、こちらも無地のものを選びましょう。
ネクタイピンはしないようにしてください。

喪服に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

【図解】メンズの喪服!スーツはダブル、シングル?おすすめメーカー
第三人生編集部

女性
女性 準喪服
神式の葬儀、 女性も一般的な喪服で間違いはありません。
黒いワンピース、スーツ、アンサンブルなど を着用します。

靴はヒールがあまりないものにしましょう。
アクセサリーは結婚指輪以外はつけないようにしましょう。

肌をあまり見せないよう、 ノースリーブなどはNGです。

喪服に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

【図解】女性の喪服を年齢別に解説!スーツの注意点やNGな服装も
第三人生編集部

神式の葬儀と他宗派との違い
違い
神式の葬儀には、 他の宗派とは違う点がいくつかあります。

神棚封じを行う
数珠は使わない
お悔やみの言葉の違い
神棚封じを行う
神式の葬儀では、 「神棚封じ」という儀式があります。
帰幽報告の時に、 神棚を閉じ、けがれが中に入らないようにする ものです。

神式では、 人の死は「けがれ」として扱います。
そのけがれが中に入らないようにするのです。

神棚に扉がある場合は扉を閉め、白い紙を貼ります。
扉がない場合には中が見えないよう、 前面に白い紙を貼ります。

この神棚封じは 家族以外の人に行ってもらいましょう。
神式の50日祭までは神棚封じをしておきます。

神棚封じとは?期間・手順・使う紙!正月と重なった場合や解き方も
第三人生編集部

数珠は使わない
仏式では当たり前のように持っていく 数珠は、神式の葬儀では使わない ので注意してください。

元々発祥が仏教なので神道には関係のないものです。

お悔やみ言葉の違い
神式の葬儀では

お悔やみ
ご冥福
供養
成仏
といった言葉はタブー**です。
これらは全て仏教が発祥の言葉です。

たとえば 「ご冥福をお祈りいたします」とするべきところでは「御霊のご平安をお祈りいたします」などお伝えする と良いでしょう。

神式の葬儀での香典、御玉串料
香典
神式の葬儀では香典についても 仏教とは違うマナーがあります。
こちらでは次の4点について解説します。

御玉串料とは
書き方
金額相場
渡し方
御玉串料とは
香典 玉串料 神道
御玉串料は、 神式の葬儀の「お香典」と考えておくと良い でしょう。
祭壇に捧げる玉串の代わりに金銭をお渡しする のです。

書き方
神式の葬儀における「お香典」の表書きは、

御玉串料
御神前
御榊料
になります。
間違っても 「御仏前」と書いた不祝儀袋は使わないように しましょう。

もし、すでに表書きが印刷されているものしか売ってない場合は 「御霊前」と書いてあるものを選べば大丈夫 です。

金額相場
金額
神式の葬儀の「お香典」、 御玉串料の相場は仏式のそれと特に変わりはありません。

関係    金額
①    両親    5~10万円
②    義理の両親    5~10万円
③    兄弟    3~5万円
④    祖父母    1~3万円
⑤    友人    5千~1万円
⑥    上司    5千~1万円
大体相場はこのくらい、と参考にしてください。

渡し方
神式の葬儀でも渡し方は仏式と変わりはありませんが、 言葉選びには気を付けましょう。

「お悔やみ申し上げます」と伝えるところでは、「このたびは突然のことで…」など言いかえる と良いですね。

御玉串料の詳細は以下をご覧ください。

玉串料まとめ!金額相場やのし袋の書き方、水引とマナーも解説!
第三人生編集部

神式の五十日祭とは?
はてな
五十日祭とは?
神式の「50日祭」とは、 仏教の「四十九日」にあたる ものです。

仏教では故人があの世にたどり着くまで49日かかるとされています。
神式では50日かけてご自宅の神棚に守護神として入る のです。

四十九日で忌明け、と同様、 神式でも五十日祭をもって忌明け とします。

五十日祭の流れ
おおまかに五十日祭の流れをまとめましょう。

合祀祭(ごうしさい)
献饌(けんせん)
祝詞奏上(のりとそうじょう)
玉串奉奠(たまぐしほうてん)
直会(なおらい)
納骨
清祓いの儀(きよはらいのぎ)
合祀祭
葬儀後から仮霊舎に祀っていた故人の霊を神棚へ移す儀式 です。
こののち、先祖の御霊と共にお祀りをします。

献饌
祭壇や故人のお墓の前に故人の好きだったものなどをお供えする ことを言います。

神式ではこの他、お酒や塩、海産物なども置かれます。

祝詞奏上
神官によって祝詞が読まれます。
これは仏教においての僧侶の読経に当たるものです。

玉串奉奠
神式の葬儀のところでご説明しましたが、同じ流れで 五十日祭のときも玉串奉奠の儀式を行います。

直会
儀式が終わったら、 神棚や祭壇にお供えしていたものを下げ、参列者でそれらを頂きます。

捧げられていた食べ物を食べることで、 神霊から力をいただき、強く結びつくことができるという意味 が直会にはあります。

また、亡くなって50日たったことで、 ご遺族にとっても、故人について色々と語ったり改めて思い出したりする機会 でもあります。

納骨
葬儀のときに納骨していない場合は五十日祭に合わせてお墓に納骨 します。

納骨については以下をご覧下さい。

納骨の仕方!準備や費用、納骨式の流れと仏教以外の納骨も解説
第三人生編集部

清祓いの儀
葬儀後から 閉じられていた神棚の白い紙を剥がし、神棚を開けます。

これをもって忌明けとされます。

50日祭に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

50日祭の服装・玉串料(香典)・お供え物を解説!案内状や神主へのお礼も
第三人生編集部

【コラム】神道と仏教の違い
信仰の対象
仏教の信仰の対象は、お釈迦さま 、という明確な存在があります。
しかし神道には教祖さまもいませんし神も一人ではありません。

神道では山や木、太陽、植物など、自然にそれぞれ精霊、神が宿るとされ 、それを古来から崇めてきました。

また 歴史上偉大な人物も神として祀られています。

死生観
仏教では、 人は亡くなると極楽浄土へ行き、そこで仏さまのもとで安らかに暮らす 、とされています。

神道では 人は亡くなったらあの世へ行くのではなく、守護神となってお家にとどまり、わたしたちをずっと見守って下さる存在 となります。

神道と仏教の違いをより詳しく知りたい方は下の記事を参考にしてください。

神道(神式)の葬儀の流れとマナー!香典、玉串料や50日祭も解説!
第三人生編集部

神式の葬儀のマナーは知っておこう
こちらでは 神式の葬儀について、大きな流れを解説し、さらに五十日祭など神道(神式)の儀式をご紹介しました。

神道は日本に古くからある民族宗教とはいえ、葬儀は仏式で行われることが多く、 神式の葬儀に遭遇することはあまりないかもしれません。

しかし いざというときに慌てないためにも、常識として神道に触れておくことはおすすめ です。

今一度、日本古来の神道、そして神式、というものを見直すのも良いでしょう。

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