床の間に仏壇を置いて良いの？適切な配置場所と注意点も解説
床の間は仏壇を設置する場所ではないと考えている人も多いでしょう。
しかし床の間は、置き場所として最適と言えます。
また、置き場所は他にも沢山あります。
お困りの方は是非参考にしてみてください。
この記事の結論
仏壇は床の間に設置することは問題ありません。設置場所に決まりはないので寝室やリビングに設置することも可能です。
仏壇を設置する際の向きは、浄土真宗・浄土宗・天台宗なら東向き、曹洞宗・臨済宗は南向きにすると良いです。
床の間とは
あなたの自宅には、床の間はありますか。
最近ではマンション住まいが増えたことや、一軒家でもデザインが欧米化していることから、床の間が無いご家庭も多いでしょう。
代々引き継がれるご実家や、新居でもあえて床の間を設けている自宅もあります。
それでは、詳しく説明していきます。
床の間とは
現代では馴染みが無い方も多いでしょう。
しかし、昔ながらの日本家屋にはほとんど「床の間」はありました。
昔ながらの和室で、壺や掛け軸を置いてある小さいスペースを見かけたことはありませんか。
その場所を床の間と言います。
床は座ったり寝たりする場所で、床より一段高い場所になります。
身分が高い人が、一段高い場所に座っていたとされていて、このような作りになっています。
床の間の起源は仏壇
起源は、仏壇にあります。
ご先祖様は偉い人、尊敬する人ということから、一段高い場所に設置していました。
つまり、もともとは床の間にありました。
したがって、この場所におくことは決して悪いことでは無いと言えます。
床の間と仏間の違い
仏間とは、仏壇を設置している部屋というイメージをお持ちの方も多いでしょう。
まさしく、仏間は仏像や位牌を納め、仏壇を安置する場所をさします。
仏間は仏様と向き合う部屋であり、お客様を招き入れる部屋の一部にある床の間は、部屋の目的が大きく違います。
最近では、この2つの部屋を設けている、または2つの部屋を使い分けている家庭の方が少ないでしょう。
したがって、床の間と仏間はもともとは区別していましたが、最近では同じ場所として共有していることも珍しくありません。
床の間に仏壇を置いても良い
多くの家庭では、床の間には掛け軸やお花などを飾っているでしょう。
そのため、この場所に設置するという発想はないはずです。
しかし、床の間に仏壇を設置しても全く問題はありません。
先ほども説明した通り、もともとはこの場所に置いていた経緯があります。
客間のイメージが強いので違和感を感じるかもしれませんが、全く問題がないことは理解しておきましょう。
以下記事も参考にしてください。
床の間に仏壇を置く場合
設置場所や、おすすめのタイプについて合わせてご紹介します。
床の間に仏壇を置くメリット
一番のメリットは、もともと設置していた場所が空くことです。
床の間はある程度広い空間に対し、壺などを飾ってもスペースが余っている場合が多いでしょう。
そのため、床の間に設置すれば、もともと置いていた別スペースが空くことになります。
場所を有効活用することで、その分部屋を広く使うことができます。
また、沢山の人が集まる部屋でもあるので、ご先祖様もきっと喜ばれるでしょう。
床の間での仏壇の設置場所
実際に設置する場合、とくに決められた位置はありません。
空間の広さにもよりますが、真ん中よりも端に寄せれば、空きスペースができ他の飾りを置いたりと有効活用できます。
それほどスペースに余裕がなければ、真ん中に設置して、床の間のメインにしても良いでしょう。
床の間に置く仏壇のタイプ
直に置くことから下台付きタイプを選ぶ方が多いようです。
選ぶ時にはサイズを注意しましょう。
床の間に入らなければ意味がありませんので、置けるサイズは必ず確認しておきましょう。
サイズ感に問題がなければ、コンパクトなものでも、大きなタイプでもお好きに選ばれて問題ありません。
床の間以外に仏壇を置く場合【和室】
他の場所に設置する場合、どのようなメリットがあるでしょうか。
和室の場合にはさまざまなメリットを感じることが出来るでしょう。
和室に仏壇を置くメリット
和室に設置するメリットは、やはり相性が良いことです。
仏壇が和そのものの作り方になっているため、やはり部屋の雰囲気と合うでしょう。
違和感がなく、部屋の雰囲気を壊すことはありません。
和室での仏壇の設置場所
和室で仏壇を設置する場合、部屋に入ったときにすぐに目に付く場所に置くと良いでしょう。
部屋の入口から近い場所、さらには目に止まりやすい場所が最適です。
すぐに手を合わせることができ、部屋の中で存在感のある場所がおすすめです。
また、床に直置きする場合には、畳を傷つけないようカーペットやシートを敷いた上に置くと良いでしょう。
和室に置く仏壇のタイプ
和室に設置するタイプはどのようなタイプでしょうか。
タンスの上などに置けるよう、卓上用などもあります。
また、直に置く場合には、下台付きタイプがおすすめです。
デザインは一般的なタイプで良いでしょう。
仏壇は、そもそも和室をイメージして作られています。
一般的なものでも和室の形状やカラーと合うので、迷う必要はありません。
床の間以外に仏壇を置く場合【リビング】
リビングにも設置することができます。
最近デザインも豊富で、洋風のリビングに合うものも多く発売されています。
上手に活用することで、インテリアのような役割もはたします。
リビングに仏壇を置くメリット
リビングに設置するメリットは、日常的にいる場所のため、いつでも拝むことができます。
また、リビングは家族が集まる場所です。
ご先祖様も一緒に家族団欒を楽しめ、いつも身近に感じられることは一番のメリットと言えます。
リビングでの仏壇の設置場所
リビングに設置する場合、仏壇のタイプにもよりますが、部屋で比較的目立つ場所に設置すると良いでしょう。
いつも目に止まり、それでいて通行の邪魔にならないような場所が最適です。
上手に工夫して設置してみましょう。
リビングに置く仏壇のタイプ
最近では洋室のリビングが増えてきています。
洋室の雰囲気に合わせたカラーや素材を選ぶと良いでしょう。
最近では種類も多く、ご自宅の床や壁紙のカラー、雰囲気に合わせ選ぶこともできます。
また、デザイン性が高くおしゃれなものも増えてきています。
和室同様、下台付きや卓上タイプの仏壇も良いですね。
その他、壁掛けタイプの仏壇も場所を取らずおすすめです。
リビングに置く場合には、以下記事も参考にしてみてください。
床の間以外に仏壇を置く場合【ダイニング】
ダイニングに設置するタイプもあります。
ダイニングに設置するメリットやおすすめも合わせてご説明いたします。
ダイニングに仏壇を置くメリット
ダイニングに設置することに違和感は感じるかもしれませんが、ご先祖様といつも一緒という気持ちは強くなります。
ダイニングは食事をみんなで囲んでいるような気持ちになり、ご先祖様もきっと喜ばれるでしょう。
設置の仕方やタイプを上手に選ぶことで、違和感なく設置できます。
ダイニングでの仏壇の設置場所
空いているスペースを上手に活用すれば、どこでも問題はありません。
通行の邪魔にならない場所に設置しましょう。
主に床や家具の上への設置になるでしょう。
また、日当たりが良い場所はできるだけ避けるべきです。
ダイニングに置く仏壇のタイプ
ダイニングでは床や家具の上の設置になることから、下台付きや卓上タイプのものを選ぶと良いでしょう。
背の高いタイプや、背の低い神棚のようなサイズもあります。
部屋の圧迫感を防ぐためにも、高さは部屋の広さを考慮して選びましょう。
カラーは、テーブルや椅子の色味に合わすと統一感が出てきます。
床の間以外に仏壇を置く場合【書斎】
書斎に設置することもおすすめです。
書斎に仏壇を置くメリット
書斎の設置するメリットは、落ち着く場所でいつでも一緒にいられることです。
書斎はリビングやダイニングに比べ、テレビなどの生活音も少ない場所です。
落ち着いた場所で手を合わせたいと考える人におすすめです。
書斎での仏壇の設置場所
書斎に設置する場合、部屋に入って、すぐに目の付く位置が良いでしょう。
本棚は眺めやすい場所にあるはずです。
そのため、本棚の隣が一番しっくりとくるでしょう。
書斎に置く仏壇のタイプ
書斎に置く仏壇も、下台付きや卓上タイプになるでしょう。
サイズは、部屋の広さや空いているスペースに合わせて選ぶことが重要です。
本棚の色味に合うカラーやデザインを選ぶと良いでしょう。
最近ではモダンなデザインも増えてきているので、一見するとインテリアの棚のようなタイプもあります。
デザインを合わせることで、違和感なく存在することができます。
床の間以外に仏壇を置く場合【寝室】
寝室にも設置することができ、この場所を選ぶ人も多いです。
寝室に仏壇を置くメリット
寝室は一日に一回、必ず利用する場所です。
和室を別に設けている家の場合、その和室を利用する機会は意外に少ないはずです。
しかし、寝室であれば必ず使用しますので、自ずと手を合わせる機会が増えます。
また、寝室は寛ぎの場所でもあるので、落ち着いてご先祖様と向き合うことができます。
寝室での仏壇の設置場所
最近では、寝室にベットやドレッサーを置いているご家庭も多いでしょう。
ベット横やドレッサー横、家具の上に設置することができます。
日当たりの良い場所、窓際は避けましょう。
寝室は設置場所が限られますので、空いているスペースを上手に活用しましょう。
寝室に置く仏壇のタイプ
寝室も下台付きや卓上用タイプから選びます。
和室、洋室かで選ぶデザインも変わってくるでしょう。
寝室は設置場所が限られますので、サイズは十分に気をつけましょう。
仏壇を置く向き【宗派別】
仏壇をおく方向は、宗派によって異なり注意が必要です。
それでは、以下宗派別に詳しくご紹介します。
真言宗
真言宗の設置方向は、ご先祖様が眠るお寺の方向に向かって設置します。
したがって、人それぞれ方向は異なります。
日蓮宗
日蓮宗の設置方向に決まった向きはありません。
つまり、どの方角でも問題ありません。
置く場所に合わせて、都合の良い方角で設置しましょう。
曹洞宗・臨済宗
曹洞宗や臨済宗の設置方向は、可能であれば南向きとされています。
必ず南向きにしなければならない、というわけではありません。
南向きに設置することが望ましいですが、置く部屋や場所によっては不可能な場合もあります。
その場合には、南向きに拘らず可能な場所に設置しましょう。
浄土真宗・浄土宗・天台宗
浄土真宗や浄土宗、天台宗はの設置方向は、東向きに置くことが最適です。
こちらも可能であればということです。
部屋の配置を無理に変えるようであれば、今の位置に留めておきましょう。
もし、東向きに設置できるのであれば、それがベストです。
仏壇の向きに関しては、こちらも参考にしてください。
仏壇を置く際の注意点
設置するにあたり注意点はあるでしょうか。
知らない人も多いですが、気をつけるポイントは複数あります。
1.直射日光を避ける
直射日光は必ず避けましょう。
日の当たらない場所というわけではなく、直射日光を避けるのです。
直射日光は、仏壇の色褪せを防ぐために気をつけるポイントです。
2.水気を避ける
仏壇に水気は禁物です。
水気があることで、木材の素材にダメージが加わる可能性が高まります。
乾燥している場所、風通しが良い場所を選びましょう。3
3.階段の下は避ける
階段の下も避けましょう。
これは、ご先祖様を上から見下ろすような格好になるからです。
4.神棚と向かい合わせて置かない
仏壇と神棚はまったく別物です。
同じ手を合わせるという目的で、向かい合わせに置いたりすることは必ず避けましょう。
5.配置する向きは宗派によって異なる
先ほどもご説明した通り、配置する向きも意識しましょう。
可能な限り、宗派に最適な向きに設置しましょう。
6.正座したときに本尊が目上になるように置く
正座したときに、本尊が目上になるように置くことが基本です。
設置場所を考える上で最も基本的なことなので、必ず守りましょう。
7.お参りしやすい場所を選ぶ
お参りしやすい場所を選ぶことも重要です。
目に付かないような場所や、あまり入らない部屋に設置することは良いことではありません。
いつも一緒に入れる場所、頻繁に手を合わせることができる場所に置くことが大切です。
仏壇の設置場所はさまざま
仏壇を設置するのに、床の間は最適な場所です。
しかし、この場所だけにこだわる必要はありません。
一番重要なことは、いつでも手を合わせることができる場所に設置することです。
そうすることで、ご先祖様をより身近に感じることができます。
気をつけるポイントを踏まえた上で、ご先祖様を身近に感じられる最適な場所を見つけましょう。
