高齢者に優しい街はどこ?老後おすすめの移住先
人生100年時代と言われる今日、定年後の暮らし方を見直す動きが活発になっています。
特に、充実した医療体制や福祉サービス、豊かな自然環境を求めて、新天地での生活を始めるシニアの方が増えています。
読者の中にも移住を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では、シニア向けの移住に優しい街について紹介します。実り多い第二の人生のスタートを後押しできれば幸いです。
高齢者の移住メリット
定年後は、これまでの経験や知識を活かしながら、新たな挑戦や発見を楽しむ貴重な時間です。「移住」という選択は、単なる居住地の変更ではなく、新しい生活様式の獲得を意味します。例えば都心部から地方へ移住した場合、都心部と比べて低い生活費で日々を過ごすことができたり、広い居住スペースの確保が可能となったり、経済的にも余裕のある生活を送ることができるかもしれません。
自然豊かな場所に移住をした場合には、心身の健康維持にも大きく貢献してくれるかもしれません。
移住して環境を変えることによって、新たな地域コミュニティや人と出会い、趣味などの活動を通じてより充実した生活を送ることができるでしょう。
また、地方自治体による手厚い移住支援制度を活用することで、年金生活に適した支出計画を立てることも容易になります。移住先として検討している地域があれば、その土地で移住支援制度があるかどうかも確認しておくとよいでしょう。
高齢者に優しい移住先のポイント
シニア世代の方々が安心して暮らせる街とは一体どのような街でしょうか?
移住先として検討する際にチェックしておきたいポイントは、いくつかあげられます。
まずは、総合病院の存在や充実した診療科目、整備された救急医療体制など、医療面での充実が不可欠です。他にも、在宅医療サービスや介護施設が整っていることも、将来を見据えた際の重要な要素となります。
生活面においては公共交通機関の利便性や商業施設へのアクセスなど、日常生活の利便性も重要な判断基準です。検討する際にはこれらのポイントをチェックしてみてください。
そして、これらのポイントについてネットなどで情報を調べるだけでなく、実際に移住先として考えている土地に短期滞在を複数回してみることをおすすめします。
実際に滞在することによって土地の雰囲気や気候、人がわかります。滞在中に、日常的に利用しそうな店やそこへ行くまでの交通手段も見ておきたいです。
そして滞在する季節を変えることによって、自然災害のリスクなど、気候・風土についての理解が深められるでしょう。
移住を歓迎している自治体では、お試し滞在として住まいが確保されていたり、補助が出るような場合もあります。ぜひ確認してみてください。
そして経済面での準備も、安心な暮らしの基盤となります。
引越しや住宅購入などの初期費用に加え、月々の生活費、医療・介護費用の見込みなど、総合的な資金計画を立てることが大切です。予期せぬ支出に備えた予備費の確保も忘れてはいけません。
高齢者におすすめの移住先(関東圏)
「老後のために移住を検討しているものの、どこへ移住すればよいか分からない」という方は多いのではないでしょうか。
今回は主に関東地方で、高齢者に優しい街についていくつか紹介します。
栃木県小山市
栃木県小山市は在来線で上野駅や新宿駅まで最短1時間強といった、東京へのアクセスが良い場所です。
そして日本経済新聞社が発表する「シニアに優しい街ランキング」で全国総合2位に輝いた自治体でもあります。
この小山市では小山市老人クラブなどの社会奉仕活動をはじめ、地域の子供と高齢者の世代間交流やサークル活動など様々な活動がおこなわれています。
多くの高齢者がこのような活動を通じてハリのある日常生活を送れているとのことで高く評価されています。
移住者への補助金も充実しているためチェックしてみてください。
埼玉県秩父市
豊かな自然に恵まれ観光地としても人気のある秩父市は、西武鉄道特急ラビューや特急レッドアローの利用で、池袋まで約77分。意外と都心へのアクセスは悪くありません。
秩父鉄道を利用すれば長瀞や三峰口などの観光地を巡ることができ、温泉もあるので、高齢の方にも人気の観光地となっています。
秩父市ではサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の整備や地域の見守り体制、空き家や地域資源の活用による多世代の活動空間整備に力を入れています。
アクティブシニア(60歳以上の元気なシニア世代)を対象とした『花の木プロジェクト』も始動するなど、シニア世代にとっては安心できる住環境があります。
自然に囲まれて過ごし、時には温泉に入る日常生活も実現できそうです。
秩父市は祭りが多い地域でもありますので、祭りを通じて地域の人と新たに交流することもできるかもしれません。空き家活用支援制度や移住支援金制度などもありますので、ぜひチェックしてみてください。
千葉県南房総市
千葉県南房総市は房総半島の南端部にあり、温暖な気候に恵まれています。
東京から遠いイメージもありますが、都心までは高速バスを利用すれば2時間で行くことができ、東京に通勤することがなければアクセスは悪くはないでしょう。
アクアラインもあるため、車の運転ができれば神奈川県方面へのアクセスも悪くありません。
海に面しており、釣りやダイビング、サーフィンが楽しめる一方、山も有しているため登山も楽しめるなど、自然を幅広く楽しめる地域です。
定年後は自然の中でゆったりと過ごしたいという方にはぴったりな場所ではないでしょうか。
ただし、公共交通機関があまり充実しているほうではないので、車での移動は必須のようです。移住支援として、高齢者見守りネットワーク事業や健康づくり推進事業の実施、空き家バンクなどがあります。
神奈川県鎌倉市
鎌倉市は、豊かな歴史的資産と文化的環境を持つ街として知られています。海と山に囲まれた自然豊かな景観の中で、横浜まで約30分、東京まで約1時間といったように都心へのアクセスが優れた場所に位置します。
市内には複数の総合病院があり、充実した医療ネットワークが構築されています。
四季折々の魅力も鎌倉の大きな特徴です。
春には市内各所で桜が咲き誇り、古都の風情と相まって格別の景色を見せてくれます。夏には由比ヶ浜や材木座海岸で海水浴を楽しむことができ、秋には紅葉の名所を巡ることができます。冬は比較的温暖で、静かな古寺巡りや温泉施設での保養を楽しむ方も多くいらっしゃいます。
鎌倉市は大きく分けて鎌倉・腰越・深沢・大船・玉縄の5つぼ行政エリアにわかれており、それぞれ異なる雰囲気があります。
例えば大船エリアは大船駅前に商業施設があり利便性が高く、教育施設や大企業が多く集まっています。複数路線乗り入れているため、どこへ行くにもアクセスは悪くありません。
腰越から鎌倉にかけての海沿いエリアであれば、マリンスポーツ好きにはたまらない環境です。おしゃれなカフェやレストランが立ち並びますが、家賃は比較的高めになります。
そして海に面しているため日常生活においては洗濯物や建物、乗り物への塩害が悩みのタネになるかもしれません。
鎌倉市は昔から人気のある移住先であることから移住支援という名目での制度はあまり多くはないようですが、鎌倉市の支援制度や補助金を活用することであればできるかもしれません。
かながわあんしん賃貸住宅検索システムといった、高齢者・障害者・子育て世帯・外国人などに貸すことのできる民間賃貸住宅を登録・紹介しているものなどがあるので、ぜひチェックしてみましょう。
おわりに
シニア世代の移住は、新しい生活への第一歩です。
関東圏には、都心との程よい距離感を保ちながら、充実したセカンドライフを送れる魅力的な自治体が数多く存在します。
十分な準備と情報収集、現地での確認を行い、ご自身にぴったりの移住先を見つけていただければ幸いです。各自治体の移住相談窓口や移住コーディネーター、オンライン相談システムなども積極的に活用することをお勧めします。