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終活

2024.12.26

「遺品整理はいつから始めるべき?」
このような悩みを抱える方に向けて、この記事では遺品整理の適切な時期や進め方についてわかりやすく解説します。

遺品整理の時期には正解はありませんが、一般的には葬儀後1年以内に済ませる方が多いです。ただし、相続税申告がある場合には半年以内に対応したほうがいいでしょう。

本記事ではさらに、賃貸にお住まいだったり、遠方にお住まいの場合の対処法、外注する際の費用目安、自分で行うポイントなども紹介します。

まだまだおつらい方もいるかもしれませんが、後々のトラブルを防ぐためにも、スムーズに遺品整理を進めるためのヒントを参考にしてください。

遺品整理とは?

遺品整理とは、故人が残した品々を整理し、必要なものを残し不要なものを処分することです。ただ物を片付けるだけではなく、故人をしのびながら思い出を振り返る大切な時間でもあります。
遺品整理の一般的な流れは以下の通りです。

遺品整理の流れ

①遺品整理の目的を明確にする
 思い出を残すものと不要なものを確認しておく
 相続手続きに必要な書類を確認しておく

②準備を整える
 遺品を整理するためのスペースを確保
 必要な道具(ダンボール、ゴミ袋、記録用のメモ帳など)を用意

③遺品の分類と仕分け
 必要品、処分品、思い出品等に分類

④処分または保管
 不要なものを処分
 思い出品や必要なものは適切に保管

遺品整理にかかる日数

遺品整理にかかる日数は、遺品の量や種類、作業人数、故人の家の距離などによって異なります。
一般的には1週間から数週間が目安ですが、1か月以上かかる場合や、1年以上かかる場合もあります。
<遺品整理の日数目安>
ワンルーム:1週間程度
一軒家:2週間~

遺品整理の専門業者に依頼する場合

自分で遺品整理を行うのが難しい場合、プロの力を借りるのも選択肢のひとつです。
費用相場は20万円前後と費用はかかりますが、早ければ数日、概ね1~2週間での遺品整理が可能です。
<遺品整理の費用目安>
1K〜1Rの部屋:5~10万円
一般的な戸建て:20~30万円
なお、遺品整理の費用は、原則として相続人が負担します。相続人が複数いる場合は、費用を分担することが一般的です。

遺品整理はいつからするべき?

遺品整理を始めるタイミングに正解はありません。
冒頭でご紹介した通り、相続税の申告や賃貸物件の解約など必要な手続きがある場合にはなるべく早めに、急ぐ理由がない場合は1年以内を目安に行うといいでしょう。

相続税の申告と納税は、故人が死亡してから【10か月以内】に行わなければなりません。申告に間に合うように、余裕をもって数か月前から遺品整理を始めるとよいでしょう。
<遺品整理を始めるタイミング例>
・ 必要な手続きに応じて
・ 家族の都合に合わせて
・ 心理的な準備が整ったとき
後回しにしてしまうと手付かずのままで放置してしまい、後からトラブルが生じるケースも考えられます。家族と話し合い、なるべく遅くならないタイミングで遺品整理を進めていくことをおすすめします。

【状況別】遺品整理の時期と方法

次に、故人が賃貸住まいだった場合、遠方の場合、気持ちの整理がつかない場合それぞれの、遺品整理の時期と方法についてご紹介します。

故人が賃貸住まいの場合

賃貸契約がある場合、退去期限に合わせて遺品整理を進める必要があります。

賃貸借契約の借主が死亡した場合、賃貸借契約は終了せず、相続人が契約を引き継ぐことになります。相続人が賃貸借契約を終了させるまでは家賃が発生し、支払い義務が生じるので、注意が必要です。

退去のためできるだけ早めに遺品整理を進める必要がありますが、ご遺族だけで家財搬出が難しい場合は専門業者の利用も検討するといいでしょう。

住まいが遠方の場合

遺品整理のために遠方から通う必要がある場合、時間と費用がかかります。

1~2週間などまとめて時間を取れるのであれば自分で行うこともできるかもしれませんが、荷物の量によっては一人で進めることが難しい場合もあります。

遠方の場合は無理せず専門業者に依頼することもひとつです。

心の整理がつかない場合

心の整理がつかないうちに遺品整理を無理に始めると、精神的な負担が増す可能性があります。必要に応じて、他のご遺族や遺品整理の専門業者を頼りましょう。

遺品整理の選択肢

遺品整理の選択肢としては、自分(もしくは他の遺族)で行うか、専門業者に頼むかの二択です。それぞれのメリット・デメリットやかかる費用目安を紹介しますので、悩んでいる方は参考にしてみてください。

自分で行う

自分で遺品整理を行う場合、以下のようなメリット・デメリットがあります。
<自分で遺品整理をするメリット>
・ コストを抑えられる
・ 思い出を共有できる
・ 重要な物を見落とさずにすむ
・ 自分のペースで進められる
家族で遺品整理をする場合、時間はかかりますが、お金をかけずに進めることができます。思い出を家族で共有できる点も、人によってはメリットとなるでしょう。

遺品のなかには、他人から見たら必要のないものでも、家族にとっては重要なものもあるはず。そうした重要な遺品も、見落とさずに整理していける点は、メリットといえます。

故人が同居の家族だったり、大切な人であったりする場合は、相続税の期限などには注意しつつ、自分で少しずつ遺品整理を進めるのもいいでしょう。
<自分で遺品整理をするデメリット>
・ 時間がかかる
・ 体力・精神的な負担が大きい
・ 適切な処分方法がわからず手間取る
・ 必要以上に時間をとられる
自分で遺品整理を進めるデメリットとしては、時間や体力・精神的な負担を伴うことです。どう処分していいかわからないものが見つかるたびに、処分方法を調べる手間もあります。

故人に思い入れがあるほど残す物/残さない物の選別に、感情的になりやすく、想像以上に時間がかかることもあります。

専門業者に頼む

専門業者に頼む場合、以下のようなメリット・デメリットがあります。
<専門業者に頼むメリット>
・ 迅速に作業が終わる
・ 体力の負担が少ない
・ 適切に処分してもらえる
・ 第三者の視点で感情に左右されず進められる
・ 特殊清掃などにも対応可能
専門業者に頼む場合は、費用はかかりますが悩む時間が減り、遺品整理をスムーズに終わらせられるのがメリットです。
故人との関係が薄かったり、遠方であったりする場合には、業者に頼む方法をおすすめします。
<専門業者に頼むデメリット>
・ 費用がかかる
・ 業者選びに時間が必要
・ プライバシーの問題
遺品整理の専門業者に頼むデメリットとしては、まず費用がかかること。葬儀でもお金がかかったうえに遺品整理もとなると、負担となる遺族も少なくないでしょう。

見積りの段階では費用もかからないことが多いですから、まずは見積りをお願いしてみることもひとつです。

また、遺品整理は家族が同席しないまま進めるケースも多く、その場合、プライバシーの問題や、適切に整理・処分されているかなどの問題が発生する可能性も。そのため、信頼できる業者かどうかを判断するのにも、時間を要する可能性があります。

遺品整理を自分でやる場合のポイント

遺品整理を自分でやる場合は、進め方のポイントを抑えてからスタートするとスムーズです。
<遺品整理を自分でやる場合のポイント3つ>
・ 計画を立てる
・ 家族と分担する
・ 不要品の処分方法を調べる
下記に詳しく解説します。

ポイント①計画を立てる

遺品整理をスムーズに進めるためには、事前の計画が重要です。以下の手順に従い、準備をしてから遺品整理を始めましょう。

手順①優先順位を決める
遺品をどの順番で整理するかや、必要なものや重要な書類を優先的に探すなど、効率的に作業を進めるための計画を立てましょう。

遺族で今後必要な作業や手続きを共有しておくことも重要です。

手順②作業スケジュールを作る
1日にどこまで整理するかを決めるので、無理なく整理を進められます。また、遺品整理には想像以上に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールが大切です。

以下に遺品整理のスケジュールの一例を紹介しますので、参考にしてみてください。


<一軒家を2週間で整理するスケジュール例>
日数 作業内容 所要時間 ポイント
1日目 全体の確認と計画作成 2〜3時間 ・家全体を確認し、部屋ごとに優先順位を決める・必要な道具を準備する・家族の役割分担を決める
2〜3日目 貴重品と重要書類の確認 各日3〜4時間 ・帳簿、印鑑、保険証書などを探し、必要なものを保管する
4〜6日目 大型家具と家電の整理 各日3〜4時間 ・必要な家具と不要な家具を分ける・リサイクル業者や処分方法を手配する・処分できる状態に清掃する
7~8日目 衣類・布団の整理 各日3〜4時間 ・保管するものと処分するものを分類する・リサイクルや寄付を検討する
9〜10日目 思い出の品の整理 各日3〜4時間 ・写真や手紙、趣味の道具などを仕分け・捨てるのが難しい場合、一時保管エリアを作る
11日目 不用品の処分手配 3〜4時間 ・粗大ごみやリサイクル業者への依頼・自治体のごみ処分ルールの確認・資源ごみや燃えるごみの分別作業
12日目〜13日目 部屋ごとの清掃 各日3〜4時間 ・それぞれを掃除し、最終確認・壁や床の汚れも可能な範囲で清掃
14日目 家全体の確認と完了作業 2〜3時間 ・各部屋を見て作業が完了しているか確認・遺品整理が終わったら家族で振り返り、思い出を共有する時間をもつ
手順③必要な道具を準備する
ダンボール、ゴミ袋、ラベル、マーカーなどを事前に用意しておくと、作業がスムーズになります。書類を分類するためのクリアファイルや、写真を保管するアルバムも役立ちます。

ポイント②家族と分担する

遺品整理は一人で行うには労力が大きく、精神的な負担も増します。 家族と協力し分担することで、負担を軽減しながら効率的に進められます。
<役割分担の例>
・ 衣類を整理する人
・ 貴重品を確認する人
・ 不要品を処分する人
・ 部屋ごとの担当 など

ポイント③不要品の処分方法を調べる

遺品整理では、大量の不要品が発生することが多々あります。処分方法は自治体によって異なるため、適切に処分する方法を事前に調べておくとスムーズです。特に大型家具や家電は、リサイクル法に基づいた処分が必要です。

まだ使える家具や衣類などは、リサイクルショップや慈善団体に寄付する方法もあります。これにより、廃棄物を減らしつつ有効活用が可能です。
不用品買取・回収などの専門業者も
一度に大量の不要品を処分するの場合は、不用品回収業者を利用するのもおすすめです。

遺品整理の際の仕分け方

遺品整理の際は、仕分けのルールを決めておくとスムーズです。

大きくは、下記3つに分類していくことをおすすめします。
必要なもの: 貴重品、重要書類など
不要なもの: 使用しない家具や衣類など
決められないもの: 一時保管して後で再確認
相続手続きの際に必要となる重要な書類は遺品整理に関わる家族で確認しておくと安心です。
<特に重要な書類>
・ 遺言書、エンディングノート
・ 年金手帳
・ 身分証明書
・ 通帳、キャッシュカード、証券、生命保険の契約書など
・ 不動産の権利証や売買契約書
・ 各種ローンの契約書類など
・ 電気・ガス・水道・NHKなどの公共料金、携帯電話・ネット回線などの関連書類

遺品整理を自分でやる場合の注意点

遺品整理を自分で進めようと思っている方は、下記の注意点も事前に確認しておくことをおすすめします。
・ 時間と心の余裕を持つ
・ 感情的にならない工夫を
・ 法律や契約の確認

遺品整理の注意点①時間と心の余裕を持つ

遺品整理は、物理的な作業だけでなく、心理的な負担も伴うため、時間と心に余裕を持つことが大切です。

遺品整理を一人で背負って進める場合、体力や精神的な負担が大きくなります。できれば他の遺族にも協力してもらい、スケジュールを立てて、無理のないペースで進めることが重要です。

また長時間作業を続けると、疲れがたまり、効率も落ちてしまいます。1日に作業する時間を決め、負担が大きそうな場合は部分的に業者へ依頼することも考えるといいでしょう。

遺品整理の注意点②感情的にならない工夫を

故人の遺品には多くの思い出が詰まっているため、感情的になりすぎると作業が進まない場合があります。自分一人で判断するのではなく、家族や親しい人と話し合いながら整理を進めると冷静な判断がしやすくなります。

残しておくか判断に迷う品物については、一時的に保管するスペースを設けておくといいでしょう。特に、思い出が詰まったアルバムなどはあとから整理できるよう開かずまとめておくことをおすすめします。

遺品整理の注意点③法律や契約の確認

遺品整理を行う際には、法律や契約に関連する内容を確認しておくことも必要です。

通帳、印鑑、不動産関連の書類など、相続手続きに必要な物品は処分してはいけません。事前に重要な書類を確認し、正しく保管しましょう。

賃貸物件の場合、契約先に退去期限を確認して、間に合うように遺品整理を進める必要があります。契約書に記載されている退去条件や敷金の扱いもチェックしてください。

家電製品や車など、リサイクル法に基づいて処分しなければならないものは、適切な手続きを行わなければ、法的なトラブルになる可能性があるため注意しましょう。

遺品整理を行わない場合のリスク

遺品整理を後回しにしたり、行わなかった場合、以下のようなリスクを伴います。
・ 無駄な費用を払い続けるトラブル
・ 家賃や管理費の負担が増える
・ 臭いや害虫のトラブル
・ 近隣住民とのトラブル
・ 他の遺族とのトラブル
・ 相続税が高額になる
遺族にとっても負担の大きい作業ですが、トラブルを避けるためにも葬儀が落ち着きしだい、作業に取り掛かることをおすすめします。

まとめ

遺品整理を始めるタイミングは人それぞれです。大切なのは、無理をせず、自分や家族にとって最適な方法を選ぶこと。
この記事で紹介したポイントを参考に、トラブルなく遺品整理を進められることを祈っています。

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