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終活

2025.01.22

夫の定年や子どもの独立をきっかけに、熟年離婚を考える方も増えています。熟年離婚は人生における大きな転機です。しかし、いざ考え始めても、「何から始めればいいのかわからない」と悩む方も少なくありません。

離婚をスムーズに進めるためには、感情的にならず、冷静に準備を進めることが重要です。本記事では、熟年離婚を円満に成功させるための6つのステップ、後悔を減らすための具体的な準備方法、さらに専門家の活用方法について詳しく解説します。

これからの人生をより良いものにするための参考になれば幸いです。

円満離婚するための準備6つのステップ

熟年離婚を円満にすませるためには、次の6つのステップで進めましょう。
1. 離婚理由の文書化
2. 離婚後の生活をシミュレーションする
3. 離婚を切り出す
4. 話し合いをする
5. パートナーの同意が得たら、お金の問題を解決する
6. 離婚を成立させる
この6つのステップを踏み、準備を進めていくことでやるべきことが明確になり、スムーズに離婚成立できるはずです。それでは詳しく解説していきます。

離婚理由の文書化

離婚を考えた際、最初に行うべきことは、自分の離婚理由を明確にすることです。「離婚したい」と突然パートナーに伝えても、具体的な理由がなければ簡単には同意してもらえないでしょう。

パートナーに納得してもらうためには、離婚理由を文書にまとめておくことが重要です。「性格の不一致」や「価値観の違い」といった抽象的な表現ではなく、具体的な出来事や状況を詳細に文章化することで、話し合いをスムーズに進めることができます。

さらに、文書化は感情的になりがちな話し合いで冷静さを保つ助けとなります。また、弁護士や調停員などの第三者に説明する際にも、客観的な情報として役立つため、離婚の準備段階で欠かせないステップと言えるでしょう。

離婚後の生活をシミュレーションしておく

離婚後の生活は、経済的にも精神的にも大きな変化を伴います。そのため、住む場所や収入源、生活費をどのように確保するかを事前に計画しておくことが重要です。

例えば、離婚後の生活費については具体的なシミュレーションが必要です。総務省の家計調査報告(家計収支編)によれば、2021年の単身世帯の月平均消費支出は約15万5千円で、年間では約186万円が必要となります。この金額には、住居費、食費、光熱費、通信費などの基本的な生活費が含まれますが、地域やライフスタイルによって支出は大きく異なります。

また、離婚後の財産分与や年金分割、収入を踏まえた上でシミュレーションを行い、1人での生活が困難だと感じた場合は、離婚以外の選択肢を検討することも大切です。近年では、別居婚や卒婚を選ぶ人も増えており、これらの選択肢が精神的・経済的負担を軽減する手段となる場合もあります。自分に合った形を選ぶためにも、事前の計画と情報収集をしっかり行いましょう。

離婚を切り出す

離婚の意思を伝えるタイミングは、離婚を円満に進めるうえで非常に重要なポイントです。まず、離婚理由を文書にまとめ、離婚後の生活をシミュレーションした上で決意を固めましょう。そして、夫婦が向き合える時間を確保し、適切なタイミングで離婚の意思を伝えます。

相手が忙しい時やストレスを感じている時は避け、冷静に話し合える環境を整えることが大切です。また、相手がどのような反応をするかを事前に予想し、その対応策を考えておくことも必要です。準備をしっかり行うことで、話し合いをスムーズに進めやすくなり、お互いにとって納得のいく結果を導くことができるでしょう。

話し合いをする

離婚を切り出した後は、お互いが冷静に話し合える場を設けることが重要です。感情的な言葉を避け、事実に基づいて話し合いを進める姿勢が求められます。冷静な対話を心掛けることで、解決策を見つけやすくなります。

もし感情的な衝突が続き、話し合いがまともに進まない場合や、相手が取り合ってくれない場合には、一時的に別居を検討するのも一つの手段です。距離を置くことでお互いに冷静さを取り戻しやすくなる場合があります。

また、この段階では財産分与や子どもの親権、養育費などの具体的な内容についての合意を目指しましょう。専門家のサポートを受けることで、話し合いがスムーズに進む可能性も高まります。丁寧に進めることが、後悔のない離婚につながります。

パートナーから同意を得たら、お金の問題を解決する

離婚で最もトラブルが生じやすいのは金銭面の問題です。以下のポイントを押さえることで、手続きをスムーズに進めることができます。
財産分与:
夫婦共有の財産をどのように分けるかを明確にします。預貯金、不動産、車などの資産をリスト化し、公平に分配する方法を検討しましょう。

慰謝料:
浮気や暴力など特別な理由がある場合は、慰謝料の請求を検討します。請求には証拠が必要になるため、事前に関連資料を整理しておくと良いでしょう。

年金分割:
婚姻期間中の厚生年金の保険料納付額を分割し、それぞれが自分の年金として受け取る制度です。老後の生活を見据え、年金分割の手続きを確実に行いましょう。
熟年離婚をスムーズに進めるためには、これらの金銭面の問題を事前に整理し、必要であれば専門家のアドバイスを受けることが大切です。しっかりと準備することで、離婚後の生活をより安心してスタートさせることができます。

離婚を成立させる

最後に、役所で離婚届を提出するなど、正式な手続きを進めます。
協議離婚の場合、離婚届に成年2名の署名が必要です。夫婦の本籍地又は、所在地の市役所・区役所・町村役場に提出してください。

熟年離婚での後悔を減らすためにできる3つの準備

熟年離婚の後悔を減らすためには、準備が欠かせません。ここではしておくと良い準備を3つ紹介します。

離婚後・老後の資金や生活を徹底的に考えておく

離婚後の生活費や老後の資金計画は、熟年離婚を考える上で避けて通れません。例えば以下の点をチェックしましょう。
・ 退職金や貯蓄の状況
・ 年金額の見積もり
・ 医療保険や介護費用の準備
・ 住まいの確保

やりがいや目標を見つけておく

離婚後は、新しい生活における「やりがい」を見つけることが心の安定につながります。
熟年離婚後には、孤独感が増す方が多くいます。
趣味の再開や資格取得、ボランティア活動など、自分自身を再発見する機会や人との繋がりを持つようにしましょう。

新しい職場を確保する

離婚後の経済的自立を実現するために、新しい仕事を探す準備を進めておくことが大切です。特に、50代以上の就職活動は時間がかかる場合が多いため、早めの対策が必要です。

具体的には、以下のような準備がおすすめです。
資格取得:
需要の高い分野での資格を取得することで、採用の可能性が広がります。

スキルアップ:
パソコンスキルや語学力など、職場で役立つスキルを磨くことで、再就職の選択肢が増えます。

キャリア支援の活用:
ハローワークやキャリア支援サービスを活用し、履歴書作成や面接対策のアドバイスを受けることも有効です。
新たな仕事に挑戦することで収入を得るだけでなく、社会とのつながりを持つことができ、精神的にも充実感を得られるでしょう。早めの行動が、スムーズな自立への第一歩となります。

熟年離婚を決意したら目的に応じて専門家に相談する

熟年離婚について「誰に相談するべき?」と悩んでいる方も多いでしょう。
それぞれ目的に応じて適した専門家は異なるので、ご自身の悩みに合った専門家に相談するようにしましょう。

離婚カウンセラー

離婚カウンセラーは、NPO法人日本家族問題相談連盟が認定する資格で、離婚時の心理的サポートを提供する専門家です。離婚の決断に迷いや不安を抱えている場合や、子どもや家族への説明に悩んでいる場合に相談することで、適切なアドバイスを得られます。

カウンセラーは感情を整理し、冷静な判断ができるようサポートするため、精神的な負担を軽減する効果が期待できます。また、カウンセリングを受けることで、自分の気持ちを整理し、新しい生活への意欲を高める助けにもなります。離婚を考える際の心強い味方として活用してみてはいかがでしょうか。

行政書士

行政書士は、離婚協議書や公正証書の作成をサポートする専門家です。離婚後の取り決めを明確にすることで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。特に、養育費や慰謝料の支払いを確実にするためには、公正証書の作成が重要です。

行政書士に依頼することで、書類作成のミスを防ぎ、取り決めを法的に効力のある形で残すことができます。これにより、安心して次のステップに進むことが可能です。ただし、行政書士には離婚調停への同席や、離婚協議書に基づく裁判を起こす際の代理人になる権限はありません。この点に注意し、必要に応じて弁護士など他の専門家と連携することを検討しましょう。

司法書士

司法書士は、不動産の名義変更や財産分与に伴う登記手続きをサポートする専門家です。不動産が財産分与の対象となる場合、名義変更の登記が必要となるため、司法書士のサポートは非常に有益です。

また、司法書士は離婚協議書の作成や、その作成に関する相談にも対応しています。さらに、当事者間の話し合いがまとまらない場合に利用する家庭裁判所の調停手続きについても、申立書の作成や相談を行うことが可能です。

司法書士のサポートを活用することで、法律に基づいた手続きをスムーズに進めることができ、離婚後の不動産や財産に関するトラブルを防ぐことができます。

弁護士

弁護士は、離婚に伴う法的問題全般を解決する専門家です。財産分与、慰謝料請求、親権争いなど、複雑な問題が絡む場合には、頼りになる存在です。

特に、相手との話し合いが難航している場合や、調停や裁判に発展しそうな状況では、弁護士の力が不可欠です。弁護士は、法律に基づいた的確なアドバイスを提供し、交渉や裁判での代理人として依頼者をサポートします。

これにより、離婚に関する手続きを安心して進めることができ、納得のいく結果を得るための大きな助けとなるでしょう。弁護士を活用することで、複雑な問題に冷静かつ適切に対処できます。

熟年離婚の準備は後悔しないためにしっかり進めましょう

熟年離婚は決して簡単な選択ではありませんが、十分な準備を行うことで、後悔のない新たな人生をスタートさせることができます。計画的に進めることが何よりも大切です。

また、必要に応じて弁護士や行政書士などの専門家を活用することで、法的なトラブルや手続きをスムーズに進め、負担を軽減することが可能です。適切なサポートを受けながら、冷静に行動することで、離婚後の生活をより良いものにする準備が整います。

あなたの未来が明るいものとなるよう、この記事を参考に一歩ずつ進めてみてください。

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