法事のお供え物に関して113名の方にアンケート
実際に、法事のお供え物を用意する際に、どのような物を用意するのかという事は気になる人も多いと思います。
第三人生編集部で113名の方を対象に 「あなたが親戚の法事に参列する際お供え物になにを用意しますか?」 というアンケートを実施しました。
最も多いもので、全体の約4割の方が現金という回答をしました。
一方で、少数回答ではありますが、果物や線香を用意する人がいるという事も分かりました。
ここからは、そんな法事のお供え物に関して詳しく解説して行きます。
法事のお供え①花
供花
法事のお供え物として用いられる花は、ご先祖様を喜ばせるという意味を持っています。
お花は、消費方法を考えなくて良いという点で、お供え物として好まれていますが、どのような花でも良いというわけでありません。
まずはじめに、 棘のある花は避けます 。
それと併せて、棘だけでなく、バラのような見た目の派手な色合いの花や、毒性があると言われている花も控えましょう。
以上の前提を踏まえて、お供え物の花として定番になっているのが 菊の花 です。
菊以外の花でも問題はありませんが、 白色や薄い色合いのもの、気品があるとされる紫色の花を選ぶ ようにしましょう。
決めるのが難しい場合は、花屋さんに、予算と法事のお供えであることを伝えると、金額に応じてお花を選んでくれるようです。
また、切り花などは花瓶にさす手間をかけてしまうので、アレンジメントされたものが望ましいです。
四十九日法要まではユリや胡蝶蘭が好ましい とし、それ以降になれば色のある花をお供えしても良いという考え方もあります。
法事のお供え②お菓子
法事お供え物 お菓子
法事のお供え物としては、お菓子もよく用いられます。
たくさんの種類があるお菓子ですが、法事のお供え物に最適とされているものが 和菓子 です。
また、その和菓子の中でも、 水菓子・お饅頭・お煎餅は特にふさわしい とされています。
水菓子とは、羊羹やゼリーのことで、夏場の法事などの際には最も適しており、老若男女を問わず食べやすいところが好まれる理由です。
お饅頭は、年配の方々に喜ばれるという点が法事のお供え物として好まれる理由です。
小分けに包装されているところも、 「お下がり」 として法事(法要)後に分けやすく便利です。
お煎餅も、老若男女問わず、好き嫌いの少ないお菓子なので、お供え物として渡す際によく選ばれます。
法事のお供え③果物
果物
お菓子ではありませんが、果物も法事のお供え物としての変わらぬ人気を集めています。
果物の旬が、 季節を感じさせてくれるとして、故人へのお供えに適している のです。
お供え物として果物を贈る際に気にしておきたいポイントは、先ほども述べた通り、 季節にあったものを選ぶ ということです。
こちらも選ぶのが難しい場合には、お店の方に相談して旬の盛り合わせを提案してもらうと良いでしょう。
果物を贈る際の 注意点としては、傷みやすいという点 です。
お店から直接、法事の前日に届くように贈るなどして、新鮮なうちに渡すことができるようにしましょう。
法事のお供え④現金
お金
御供物料は立場によって変化してきます。
一般的に、故人と近い関係にある方や年配の方などは、 多めの御供物料を包むことが多い です。
親戚であれば5千円〜1万円程度のところ、親子や夫婦の場合には2万円〜3万円以上を包むことも多くあります。
ですが、未成年や学生などは収入もないので、いくら故人と近い関係の孫であったとしても、御供物料やお供え物を持参しなくても問題ないでしょう。
知人や友人の際には3千円〜5千円 程度、 会社の上司などで親しい関係の場合には5千円〜1万円 程度包むこともあります。
法事のお供え物の金額に関して100名以上の方にアンケート
法事のお供え物には、いくら使用するのかという事は気になる人も多いと思います。
第三人生編集部で113名の方を対象に 「あなたが親戚の法事に参列する時、お供え物にはいくら使いますか?」 というアンケートを実施しました。
最も多いもので、47%の方が3000〜5000円という回答をしました。
一方で、少数回答ではありますが、2万円以上使用する方がいるという事も分かりました。
法事のお供え物の金額相場
費用
法事・法要とは故人の死後に、供養として行われるものをさします。
亡くなってから、四十九日目に行われる法事や法要は、特に大切です。
同時に、納骨なども行われる場合が多いです。
そして、そのような 法事・法要に参列する際には、お供え物を持参するのが一般的 です。
あまり馴染みはありませんが仏教では、お供え物の定番とされるものとして、以下の5つがあります。
心身を浄化する意味を持つ、香りのあるもの
ご先祖様のいる場所を照らす、明かりのつくもの
ご先祖様を喜ばせる、お花
心を清らかにする、浄水
ご先祖様のお食事としての、飲食物
お供え物は、消費されて無くなるものが好ましいとされているため、香りのある線香や、明かりのつくロウソクなどが多く用いられています。
また、線香を買うための代金として現金を包んだものを「香典」と呼びます。
法事のお供え物として現金を包んだものを 「御供物料」 と呼び、金額の相場は、香典を別で持参するかどうかによって変わってきます。
香典も持参するという場合には、御供物料は 香典の半額から7割程度を包む と言われています。
御供物料の相場は各地域の慣習などによって異なる場合も多く、一概にいくらというのはありません。
目安としては、 別で香典を出す場合は3千円〜5千円 、 香典を出さない場合は5千円〜1万円 程度のことが多いとされています。
また、法事・法要後の会食に参加する場合には、食事の費用分、5千円〜1万円程度を多めに包みます。
法事の御供物料の包み方
封筒
御供物料を入れる封筒は、 香典袋 あるいは 白封筒 を用います。
仏式では蓮の花が印刷されているものを使用することが多いですが、その他の宗教では蓮の花が印刷されていないものを使用します。
また、「のし」は慶事の際に用いるものなので、 御供物料を包む際には「のし」がない封筒を選択 します。
水引
水引は 「結び切り」 と呼ばれる結び方にします。
結び切りとは本結びのことで、一度結んでしまえば端を引っ張っても解けない様子から、二度と繰り返さないという意味を持たせて、弔事などに用いられます。
また、法事の際の水引の色は、一般的に 弔事用の黒白 あるいは 双銀のもの を用います。
香典
香典 双銀 表書きなし
しかし、 西日本などの一部地域では黄白水引を用いる ところもあるようです。
香典 白 黄色
表書き
法事の御供物料の表書きは、 「御供物料・御供・御仏前」 とします。
香典 御仏前
ここで注意しておきたいことがいくつかあります。
1つは、 仏教でも、浄土真宗を除いた多くの宗派では、四十九日の忌明けまで「御仏前」ではなく「御霊前」を用いる ということです。
香典 御霊前
もう1つは、神道の一般的な表書きは「御玉串料」、キリスト教の一般的な表書きは「御花料」であり、 どちらの宗教でも「御仏前」が使用できない ということです。
香典 玉串料 神道
キリスト 香典
そのため、宗教が分からないという場合には、 「御霊前」・「御供物料」としておくのが良い でしょう。
表書きの下の段 には、御供物料を渡す方の家名もしくは氏名を書きます。
夫婦の場合 には先に夫の氏名を書き、その左に妻の名前を書きます。
香典 夫婦
法事のお供え物を選ぶポイント
! 注意
法事のお供え物を選ぶ際に押さえておきたいポイントをいくつか紹介します。
重くないもの
法事を自宅で行う際など、あまり気にしなくて良い場面もありますが、お寺などで行う場合には、相手に苦労をかけないためにも重いものは避けます。
どうにも仕方ない場合を除いては、 できる限り重くない、持ち運びのしやすいもの を選びます。
かさばらないもの
お供え物をすぐに消費できるとは限らないため、消費できない場合に、保管場所をとってしまうものは、相手にも迷惑になるため避けます。
また、消費期限が短かったり、冷蔵庫での保管を強いられるものなども注意が必要です。
受け取った相手に迷惑をかけないためにも 保存場所を選ばず、かさばらないものが好ましい です。
小分けができるもの
お供え物は仏様からの 「お下がり」 と呼ばれ、法事(法要)を終えた後に、親族や関係者などで分けあって食べるケースが多いです。
また、地域によっては、法事に参列した人も含めてみんなで分け合う、ということもあるようです。
お供え物が食べ物の場合は、相手の家の方だけでは消費期限までに食べきれないというケースもあります。
そのような際に、小分けの出来るものであれば気兼ねなく分けることができるため、相手の方に消費の心配をさせることもありません。
法事でお供え物を渡すタイミング
法事 合掌
法事でお供え物を渡すタイミングは、お供え物の品物によって変わってきます。
現金(御供物料)
御供物料を渡す場合には、受付や記帳台があるかどうかで変わってきます。
受付も記帳台もある場合 →記帳を済ませてから受付に向かい、御供物料を受付に預ける
受付はある、記帳台がない場合 →はじめに受付に向かって挨拶とともに御供物料をお渡しし、芳名帳があるようであれば記帳する
受付も記帳台もない場合 →法事が始まる前に施主や遺族の方にご挨拶を済ませ、お悔やみの言葉とともに直接お渡しする
お供え物
お花や果物の場合には、 法事の前日までの届くように手配 します。
お花や果物以外のお供え物を宅配で届ける場合には、 一週間前から当日までに届くように手配 しましょう。
品物が何にせよ、 宅配の場合には相手の方のご迷惑にならないよう、届く日をあらかじめ伝えておくのが基本 です。
法事に持参する場合には、遺族の方にお出迎え頂いたタイミングで、挨拶を済ませたら、お供え物を袋から出してすぐにお渡しします。
法事でのお供え物の渡し方
香典を渡す女性
お菓子や果物をお供え物として選択した際には、紙袋などの袋に入れて相手の家まで持参することが多いでしょう。
その際には、袋ごとお渡しするのではなく、 袋から取り出し中身のみをお渡し し、紙袋はたたむなどして自身で持ち帰ります。
また、風呂敷などを持っているようでしたら、風呂敷に入れて持っていくと紙袋よりも丁寧な印象になります。
この際も、同様に中身を取り出して、風呂敷は持ち帰ります。
お供え物は自ら直接仏壇に置くことのないようにし、 必ず施主の方に手渡し をします。
一部地域では、仏壇に参列者自身でお供えする、というところもあるようですので、他の参列者の方がそうしているようであれば他の方々に習います。
法事のお供えのマナー
チェックリスト
お供え物では、故人が生前好きだったものを用意することも多いと思います。
ですが、故人の生前の好物が肉や魚であったとしても、 生の肉や魚は「殺生」を連想させるため、お供え物には不向き とされています。
また、 ニンニクやネギなどの香りが強いものを使った食品も避けます 。
そのほかにもキャラクターの形をしたものなど、 見た目が派手なものなども避けた方がよい とされています。
法事欠席時のお供え
法事欠席
法事は、故人が成仏するための大切な行事です。
そのため、 可能なかぎり参列 できるようにします。
参列出来ないという場合には、 できる限り早く、施主へ電話にて直接事情を説明 した上で参列出来ない旨を伝えて詫びます。
しかし、四十九日の法事(法要)や一周忌の法事(法要)では 、当日参列できないというケースでも、お供え物や御供物料をお渡しするというのが一般的なマナー です。
お供え物や御供物料を郵送する場合は、法事(法要)が行われる当日よりも早く、当日参列する場合と同じ品物、金額を用意し、相手の方の元に届くよう手配します。
ここで注意しておきたいのが、
配送することを念頭に置いて、御供物などの消費期限を確認して選ぶ
併せて案内状のお礼と事情により欠席するということ、参列できないことに対するお詫びの言葉などを書いた手紙を添えておく
という事です。
御供物料の場合には、現金書留に入れて送るのでも問題ありません。
法事のお供え物ののし
お供え 御供 のし紙
のしの選び方、書き方
お供え物の場合ののしも、基本は前項で説明した御供物料ののしと同じです。
水引は 「結び切り」 と呼ばれる本結びで、色は、 黒白 、 黄白 、 双銀 などを選びます。
お供え物の表書きは、 「御供」 や 「御供物」 、 「御仏前」 と書き、下段に 差出人のフルネーム を書きます。
表書きの注意点
表書きの注意点は、4つあります。
仏教(浄土真宗を除く)の多くの宗派 →四十九日の忌明けまで「御仏前」ではなく、「御霊前」を用いる
神道、キリスト教 →「御仏前」は使用できない
宗教が分からない場合 →「御供物料」や「御供」を用いる
四十九日までは 薄墨 を、それ以降は普通の 黒い墨 を用いる
表書きを間違えると、遺族の方に失礼になるため、間違えないように気をつけましょう。
のしの掛け方
外のし
お供え物へののしの掛け方には、 「内のし」 と 「外のし」 と呼ばれる2つの種類があります。
内のし とは、包装紙の内側、品物に直接のしを掛けるというものです。
対して 外のし とは、品物を包装した上から、のしを掛けるというものです。
上記の画像は、外のしの画像になります。
掛け方に関する厳密な決まりなどはなく、どちらで贈っても問題はありません。
ですが、一般的に
法事(法要)に参列せず、お供え物を配送する場合→ 内のし
法事(法要)に参列して直接手渡しする場合→ 外のし
となっています。
掛け方に悩んだ場合には、上記の通り判断するとよいでしょう。
法事での故人へのお供え物選びに
法事(法要)の際に参列する際に持参するお供え物には様々な種類があります。
ここでは、おすすめな品物や避けた方が良いもの、その他マナーについて紹介してきました。
ですが法事(法要)は、故人が成仏できることを祈り、偲ぶ機会なので、 故人を思って用意した品物やその気持ちが一番大切 です。
そのことを忘れず、みなさんの故人のためのお供え物選びに活用して頂けることを祈っています。