ペットの埋葬の時代背景
ペット遺骨 処分
生活環境や食べ物、医療の発達により人の寿命が長くなるのと同じように、ペットの生活環境も向上しているので、長生きするペットも増えてきています。
以前は外で飼育することも多かったものの、現在はほとんどが家の中で家族の一員として生活するため、愛着も強くなっています。
核家族化や少子化という社会問題も、ペットと暮らす人が増えた理由の一因となっているのは否めないでしょう。
一緒に暮らす時間が長くなるほど、いつしかやってくる別れはとてもつらく悲しいものです。
ペット専用の霊園などもありますが、格安のところはまとめて火葬するため、遺骨を個別に管理できません。
家族として大切にし可愛がっていたペットを埋葬する際、人と同じようにお墓を作ったり、個別に納骨して弔いたいと考える傾向が高まってきています。
ペットの埋葬の法律
法律
ペットの埋葬に関しては法律もいくつか関わってくるので、知識として覚えておきたい法律を紹介します。
廃棄物処理法
民法709条不法行為責任
軽犯罪法
廃棄物処理法
法律ではペットを動物として捉えているため、大切な家族の一員の遺体であっても、法律では廃棄物扱いとなってしまいます。
しかし 動物愛護法や飼い主のペットに対する考え方の変化などもあり、廃棄物としては扱わないようになっています。
こういった背景から、ペット専用の火葬や埋葬を生業とする業者や、ペット専用の霊園が増えてきています。
民法709条不法行為責任
愛するペット死んでしまった場合、遺体や遺骨を自分の近くに置いて弔いたいと考える事もあるでしょう。
この場合は、自分や自分の家族が所有する土地であれば、庭にペットを埋葬したりお墓を作ったりしても問題ありません。
しかし私有地ではない場合は、家族のように思っているペットであっても無断で埋葬すれば 法律ではペットの遺体を一般廃棄物として扱うので、土地の所有者から民法709条不法行為責任を問われ、罰せられる可能性があります。
軽犯罪法
マンションやアパートなど集合住宅で生活している場合は、ペットの遺体や遺骨を庭に埋葬できません。
近くにある公園によく散歩に行っていたので公園に埋葬したい、私有地ではないけれど、マンションの共有スペースに庭があるのでそこに埋葬しようと考えることもあるでしょう。
しかしこの場合、 公共の利益に反するため軽犯罪法に触れてしまいます。
ペットの埋葬方法
方法
ペットの埋葬法について、は次の3通りの方法があります。
自身で土葬する
自治体で火葬する
民間のペット葬儀業者で火葬する
自身で土葬する
自分や家族が所有する土地(私有地)に家を建てそこで暮らしており、庭があるならペットを庭に埋葬しても法律違反にはなりません。
埋葬はできますが土葬する場合は、浅いとカラスなどの野生動物が臭いを嗅ぎつけ掘り返したり、遺体にわいた虫がはい出てきたりする可能性があります。
庭に土葬する場合は、1メートルくらいの深さにするといいでしょう。
遺体を包む布は、やがて土に帰る綿100%のタオルなどがおすすめです。
ペットの土葬に関しては、こちらも参考にしてください。
ペットを土葬して良いの?埋葬の注意点と方法、関連する法律も紹介
第三人生編集部
自治体で火葬する
庭がなくペットを土葬できない場合は、自治体で火葬してもらう事ができます。
費用は民間よりも安く済みますが、合同火葬になるので、個別に返骨してもらえません。
火葬後の遺骨は、まとめて動物霊園に埋葬される自治体もあれば、どこに埋葬されるかわからないなど自治体によって対応が異なります。
民間のペット葬儀業者で火葬する
ペットの遺骨を個別に扱いたい場合は、民間のペット葬儀業者に依頼すれば対応してもらえます。
民間業者による違いはありますが、様々な形でペットを弔う事ができます。
合同葬
1人個別葬
立会い個別葬
自宅葬
合同葬
自治体によっては、ペットの火葬ができない地域もあります。
埋葬する庭もないという場合は、民間のペット葬儀社に依頼して、合同葬儀という選択が可能です。
民間でも費用が安く済みますが、他の動物も一緒に火葬されるので個別の返骨はできません。
1人個別葬
家族の一員として手厚く弔いたいという場合は、個別葬という選択肢もあります。
費用は若干高くなりますが、個別で火葬するので返骨してもらえます。
火葬に立ち会うのが辛い場合は、ペット葬儀社に一任する個別一任火葬というプランもありますが、この場合はお骨拾いができません。
立会い個別葬
悲しいけれどペットの最後をきちんと見送りたいという場合には、火葬に立ち会うプランも選べます。
火葬からお骨拾いまで、全て個別に対応するというプランです。
料金は高くなりますが、遺骨が混ざる心配はありません。
自宅葬
火葬車を持っている民間業者では、自宅まで出向きペットを火葬するというプランもあります。
ペットが慣れ親しんだ自宅で見送れますし、家族や友人もお焼香できます。
火葬車に祭壇を設置することも可能ですが、葬儀から火葬まで自宅で行える分費用は高めです。
ペット葬儀の種類や流れ!費用相場やマナー、おすすめ葬儀社も紹介
第三人生編集部
ペットの埋葬の費用
お金 相場
ペットの埋葬というと土葬をイメージする人も多いかもしれません。
自宅が私有地で庭があるという場合は土葬も可能ですが、民間のペット葬儀社や自治体に依頼するのは火葬です。
いずれの場合も費用がかかりますが、 この場合「埋葬の費用は火葬にかかる費用」と覚えておくといいでしょう。
火葬にかかる費用は、自治体と民間業者とでは、大きな違いがあります。
自治体は費用は安いものの、個別に対応していないため返骨ができず、個別に埋葬したい場合は不向きです。
個別に埋葬したい場合は、民間のペット葬儀社に依頼しましょう。
費用については、各自治体と各ペット葬儀社によっても違います。
目安としては、自治体が千円~1万円前後、民間のペット葬儀社の場合はペットの体重とプランによっても費用が変わるので、4千円~5万円前後と少し幅があります。
自宅にペットを埋葬する
ペット遺骨 埋葬
自宅にペットを埋葬する場合の方法は、「火葬してから遺骨を埋葬する」と「土葬」という2種類です。
それぞれの方法と注意点について紹介します。
火葬後に埋葬する
自宅にペットを埋葬する場合は、火葬後に遺骨を埋葬するという方法があります。
火葬は自治体でもペット葬儀社でも対応してもらえますが、合同葬儀では個別返骨ができません。
この場合は個別返骨が可能な、ペット葬儀社のプランを選ぶのがベストです。
多少費用はかかりますが、愛するペットを納得の行く形で埋葬できます。
火葬については、ペット葬儀社によってプランや費用が異なります。
数社を比較して、費用や対応など安心して任せられる業者を見極める事が大切です。
遺骨を埋葬する場所は、庭に埋葬するなら犬が好きだった場所や木の根元などでもいいですし、マンションなど庭がない場合は骨壷を自宅で管理するという方法もあります。
土葬する
自宅の庭など私有地であれば、ペットを土葬しても問題ありません。
土葬の場合は、埋葬後しばらくはカラスなどの野生動物に掘り返されないよう、最低でも1メートルは彫りましょう。
ペットの遺体を包む布は、土に帰るよう綿100%のものを選びます。
土葬した場所は時間が経つとくぼんできますので、少し高めに土を盛るようにしてください。
土葬の場合は遺体が腐敗する事を考えて、殺菌効果のある石灰を使うのもいいでしょう。
余ってもガーデニングなどに使えるので安心です。
ペットの遺骨に関してはこちらも参考にしてください。
ペットの遺骨をどうする?自宅で保管・手元供養・散骨など解説!
第三人生編集部
ペットの埋葬の注意点
注意
ペットを埋葬する際は、一通りの流れがある事を覚えておくといいでしょう。
ペットを埋葬するにあたり、飼い主として知っておくべき注意点をみていきます。
保健所へ届けを提出する
業者を慎重に選ぶ
公共の場へは埋葬しない
法律を理解しておく
保健所へ届けを提出する
ペットを迎えたら登録して狂犬病の予防接種を受けるのが、飼い主としての義務であり責任です。
この時保保健所に登録しますが、ペットが死亡した場合も保健所への届け出が必要です。
登録した自治体の役場に、ペットが亡くなってから30日以内に届け出を済ませておきましょう。
愛するペットの死はすぐに受け入れられるものではありませんので、すぐにあれこれ行動できない事もあります。
一応30日間の猶予があるので、気持ちが落ち着いてからでも大丈夫です。
業者を慎重に選ぶ
ペットの火葬を業者に依頼する場合は、自治体よりも高い費用がかかります。
専門業者なら安心と考えがちですが、残念ながら悪徳業者も存在していることを覚えておくといいでしょう。
ホームページではとても丁寧に書かれていても、実際は扱いが雑だったり、弱みにつけ込んで高額な費用を請求する業者もいます。
中にはきちんと火葬せず、他の犬の遺骨を渡して費用だけ騙し取るという悪徳業者も存在しているようです。
飼い主の弱みにつけ込むような悪徳業者に騙されないよう、業者は慎重に選ぶのがおすすめです。
公共の場へは埋葬しない
先程も触れましたがいくら大切な家族として考えていても、公共の場にペットを埋葬すると法律違反となってしまいます。
知らなかったり悪気はなかったりしても、法を犯せば罰せられます。
ペットを想っての事でも他の人にとっては、ただのわがままや自分勝手で非常識な行為と取られてしまうのです。
私有地なら自宅に埋葬できますが、公共の場ではペットの埋葬はできません。
これは、大きい公園や他人の土地、山奥や河川でも同じです。
もしも公共の場にペットを埋葬すると、廃棄物処理法違反となり罰せられる可能性が高くなります。
自宅に埋葬できない場合や、自宅で遺骨を保管できない場合は、ペット霊園に預けるという選択肢もあります。
法律を理解しておく
ペットに対する想いが強いあまり、法律違反とわかっていても身近に埋葬したいと考えてしまう事もあるでしょう。
特に初めてペットとの別れを経験すると、気が動転してしまう事もあります。
何度経験しても慣れる事はありませんが、ペットと暮らしている以上誰もが経験することです。
そうなった時に、飼い主として正しい行動を取る事が大切です。
法律を理解しておけば、悲しみの中でも正しい行動が取れます。
その日がまだ先だったとしても、一応知識としてペットの埋葬に関する法律は頭の片隅に
入れておいてください。
ペットの埋葬はライフスタイルに合わせて選択肢があります
家族のように大切に可愛がっているペットも、いつかは別れの時がやってきます。
悲しみのあまり何も手につかなくなってしまうのも無理ありませんが、 飼い主として最後まで責任を持ってペットを埋葬してあげましょう。
自治体と民間のペット葬儀社では、遺骨の扱いが異なりますし費用もそれぞれに違ってきます。
埋葬方法はいくつか選択肢があり、飼い主のライフスタイルに合わせて最適な方法を選べますので、無理のない範囲でできる限りの事をしてあげてください。