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葬儀

2024.04.30

【ご住職監修】お墓参りの花の種類・選び方や値段は?タブーや供え方も解説

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家族や友人など、大切な方のお墓参りに行くことがあると思います。
そう頻繁に行くことは出来なくても、お盆であったり命日であったりと、決まった日に行かれる方もいるでしょう。

その時に、少しでも故人が喜んでくれると嬉しいものです。

お墓参りの時に持って行くお花は、参拝者の思いや気持ちを故人へ伝える、お手伝いをしてくれます。
ここでは、そんな皆さんの仏花選びのお手伝いが出来たらと思います。

【ご住職監修】お墓参りで花を供える意味・理由
はるか昔、お釈迦様が修行していた際、仏様にお会いしてご供養差し上げたいと思ったものの、その場にちょうど良いものがなく、近くで売っていたお花を買ってご供養しました。
それをきっかけに、お墓参りでお花をお供えするようになった、というのが通説です。

しかし他にも、掃除をし、綺麗になったお墓に色とりどりのお花をお供えすることで、 故人のみならず、お墓参りに来た参拝者みなの心を清らかに華やかにするといった説もあります。

土葬をしていた時期に、動物にお墓を荒らされることを防ぐために毒性の強い樒をお供えし、その後お花を供えるよう変化していった、という説など様々あります。

始まりが何であれ、参拝者の心を豊かにするなど、故人の冥福を祈るお墓参りに、お花をお供えする行為が欠かせなくなっていることには間違いありません。

釋 孝修(日蓮宗 本松寺)
釋 孝修(日蓮宗 本松寺)
故人を飾るためにお花をお供えいたします。
インドでは昔から聖人にお花を捧げていたようです。

その風習が伝わってきたようで、ご先祖が喜びますように、花を捧げてください。

お墓参りにおすすめの花の種類
お墓参り花 菊
お墓参りでお供えするお花の種類に関して、決まったルールや、宗教ごとの決まりごとは存在しません。
ですが、 一般的に好まれる傾向にあるのが、菊などの日持ちが良いとされている花です。
菊は日持ちの良さだけでなく、枯れる時に花びらが散乱しないこと、日本の皇室を象徴する高貴なイメージの花であること、どの季節でも購入できること、などが好まれる理由とされています。
他にも、「亡くなってすぐ、特に葬儀から四十九日の間は、白色のお花が好ましい」という風習も存在します。
気にされる方がいるようでしたら、これに合わせるのが良いでしょう。

この場合は、 菊の花以外にも

白いカーネーション
白いトルコキキョウ
ユリ
などが多く用いられます。

白だけでは少し寂しいと感じるようでしたら、青や紫などの淡めの差し色を入れる分には問題ありません。
白を基調とした控えめな組み合わせでお供えするのが良いでしょう。

【ご住職監修】お墓参りの花は造花でもいい?
お墓参り 造花
造花でも全く問題はありません。
前提として、お墓参りでの花のお供えは故人への気持ちです。
そのため、気持ちがこもっていれば、造花でも生花でも構わないというのが一般的です。
しかし、時折、仏教的な考えに合わないなどでトラブルになるケースもあるようです。
宗教が自由な霊園や、公園墓地では問題はなさそうですが、寺院の中にお墓があるといった場合には、 他の参拝者の方に合わせて選択するのが好ましいでしょう。

頻繁にお墓参りに行くことができない人にとって、生花は、お供えしたお花が枯れて、お墓が汚れてしまうことが懸念点になります。

その点、 造花は、生花に比べて遥かに長持ちします。
天候や環境によって多少の前後はありますが、大体1年は持つとみて問題ないでしょう。

腐ったり、枯れたりすることがなく、お墓が汚れる心配のない優れものです。
お墓参りに頻繁に行けず、お供えしたお花の状態が気になってしまう方は、普段は造花を、お参りの際には生花を、と柔軟に選択するのも良いかもしれません。

ご住職様の造花に対する見解
釋 孝修(日蓮宗 本松寺)
釋 孝修(日蓮宗 本松寺)
本来は生花・生木ですが、すぐ枯れたり野鳥に花ビラをちぎられたりと、きれいに保つことが難しいようです。

頻繁にお参りできる方は宜しいが、現代では遠方の方も増え、すぐにお参りができません。
そのため、造花でも宜しいかと思います。
それでもやはり、お盆や彼岸などは生花をお供えしてほしいと思います。

お墓参りの花の選び方
お墓参りのお花 選び方
先ほど、オススメの花の種類で説明したように、 一般的にお墓参りの際に好まれるのは菊を代表とした、日持ちが良く、枯れた際に散乱しないお花です。

しかし、お墓参りに行かれる季節に合わせて、その時期のお花でお墓を彩るのもきっと故人に喜ばれるのではないでしょうか。

ここでは四季折々の季節ごとのお花を、その花の持つイメージと花言葉と共に紹介します。

お墓参りの花の選び方|春
春の仏花として挙げられるのが、

カーネーション
アイリス
キンセンカ
ストック
菜の花

です。

カーネーション
カーネーションは、母の日に贈る花としても有名な通り、「愛情」という花言葉をもちます。
そのため、故人がお母様や御祖母様など女性の場合は特に適しているでしょう。

アイリス
アイリスの花言葉は「希望」「信じる心」で、控えめな上品さのあるお花です。
差し色として用いるのも綺麗です。

キンセンカ
キンセンカの花言葉は「別れの悲しみ」「寂しさ」で、故人を思う気持ちが伝わるお花です。
他にも、菊の種類であることから、花がついてから一ヶ月ほどは落ちない丈夫さで、お墓参りのお花に適しています。

ストック
ストックの花言葉は「思いやり」「永遠の美」 で、たくさんの花をつけて、縦にまっすぐ伸びる姿はきっとお墓を美しく彩ってくれることでしょう。

菜の花
菜の花の花言葉は「明るさ」「快活」で、元気伝わる意味合いです。
菜の花の鮮やかな黄色は、お墓を春の装いにしてくれます。


桜の花言葉は「優雅な女性」「純潔」です。
東洋、西洋共に、儚さが連想されるお花ですが、それゆえの満開になった時の優美な姿、散る際の潔さ、芯のある内面の美しさ、などの意味合いを持ちます。
故人への憧れや尊敬の思いに重ね合わせてお供えするのも良いかもしれません。
他の生花に比べて、少し値段が張りますが、春ならではの良さが出るお花です。

お墓参りの花の選び方|夏
夏は、水が腐りやすく、お花が枯れやすい時期でもあるので、生花にこだわらず、造花をお供えするのも良いでしょう。
夏の仏花として挙げられるのが、

ユリ
ヒマワリ
マーガレット
グラジオラス
です。

ユリ
ユリの花言葉は「純粋」「無垢」で、大きな花の持つゴージャスさが魅力のお花です。
色も様々で、故人の雰囲気に合わせて選ぶのも楽しいですし、お墓の前にお供えされたユリの姿はとても見事です。

ヒマワリ
ヒマワリの花言葉は「憧れ」「あなただけを見つめる」で、鮮やかな黄色が夏を連想させるお花です。
お墓参りの際にお供えすれば、きっと故人も夏を感じてくれることでしょう。

マーガレット
マーガレットの花言葉は「心に秘めた愛」「真実の友情」で、「誠実」「慈悲」「安らぎ」などのシンボルとされているお花です。
清らかで真っ白な花びらが、純粋な愛を連想させます。

グラジオラス
グラジオラスの花言葉は「密会」「ひたむきな愛」「情熱的な恋」で、見た目華やかな、強さを持ったお花です。
お墓にお供えすれば、映えること間違いなしです。

お墓参りの花の選び方|秋
秋の仏花として挙げられるのが、

リンドウ
ワレモコウ
コスモス
です。

リンドウ
リンドウの花言葉は、「正義」「誠実」で、涼しげな青や紫の花が、残暑の時期に人気のお花です。
悲しげな色も、お墓参りに来た参拝者の故人を惜しむ気持ちが伝わるでしょう。

ワレモコウ
ワレモコウの花言葉は「変化」「もの思い」「恋慕」で、花が下から上に向かって咲いていく姿が「変化」の由来となっています。
深い赤色の花をもつワレモコウを、仏花に混ぜれば、素敵な差し色となることでしょう。

コスモス
コスモスの花言葉は「優美」「美麗」「乙女の純真」 で、白色に近い薄ピンクのコスモスなどをお供えすれば、きっとお墓参りに来た参拝者の心をも穏やかにしてくれるはずです。

お墓参りの花の選び方|冬
冬の仏花として挙げられるのが、

スイートピー
サザンカ
椿
です。

スイートピー
スイートピーの花言葉は「門出」「優しい思い出」で、この通り新しい春を迎える冬にお供えするのにぴったりのお花です。

サザンカ
サザンカの花言葉は「困難に打ち勝つ」「ひたむきさ」で、特に赤いサザンカは「あなたが最も美しい」という花言葉を持ちます。
見た目も美しいので、冬の寒々としたお墓に映えること間違いありません。

椿
椿の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」で、日本を代表する美しいお花の一つです。
首が落ちるように散るため、不吉とされていましたが、今では、お正月・迎春用の造花仏花として人気なようです。

お墓参りでタブーとされる花
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はじめに、決まったルールや、宗教ごとの決まりごとは存在しないと記述したように、お墓参りで絶対にお供えしてはいけないとされるお花はありません。
しかし、 一般的に不向きとされるお花が存在しますので紹介します。

トゲのあるもの
毒性のもの
香りの強いもの
つる性のもの
トゲのあるもの
バラのようにトゲのあるものは、お供えする際に自身が怪我をしてしまう可能性はもちろん、 お墓参りに来られる他の参拝者の方や、掃除をする方の迷惑になりかねません。
周りへの配慮として控えましょう。

毒性のもの
お墓参りに来られる人の中には小さなお子さんがいることもあります。
彼岸花など毒性のあるものは、万が一のことを想定して避ける方が良いでしょう。

香りの強いもの
クチナシなどの香りの強いものは、人によって好みが分かれます。
他のお墓参りに来た方が不快になることがないよう、避けましょう。

つる性のもの
朝顔などつる性のものは、支えがないと花立てに生けにくく、不便であるため、あまり好まれません。

近年では故人の好みを優先する風潮が強まってはいますが、とりわけの理由がなければ、 お墓を掃除される方や参拝される方の迷惑にならないようなお花をお供えするのが良いでしょう。

ふさわしいお花の選び方は以下の記事にて解説しています。

お墓参りの花の値段・相場
金額
スーパーやお花屋さんなどでは、500円〜1500円程度 です。
霊園や石材店などでは、花束とお線香セットで1600〜2200円程度 で購入できます。
相場はこの通りですが、お墓参りでお供えするお花は値段で価値が決まるわけではありません。
そのため、購入する際には、価格を気にするのではなく、故人のことを考えながら選ぶのが良いでしょう。

お墓参りの花の購入場所
ネット注文
店頭で購入
街の生花店やスーパー、ホームセンターなどで購入することが出来ます。
墓地周辺の石材店や花屋では、お線香もセットになったお墓参り用の花束を、墓地によっては管理事務所や売店でも買うことができます。
実際にお花を見ることでお供えする際のイメージなどもできるため、実際に目で選んで購入する方が多いです。

ネットで購入
最近では、 ネットで仏花を一対単位で購入することも可能になりました。
生花、造花、共にあるので、ネットで見ながらじっくり考えて注文するのも良いかもしれません。

また、多くのネット販売では人気の物なども教えてくれるため迷っている方でも購入しやすいと思います。

お墓参りの花の供え方
お墓参りお花 供え方
お花までは用意できたけれど、いざお供えするとなると、どのような決まりがあるのかと悩んでしまう方も多いと思います。

そんな方のために、ここでは、 お墓参りでお花をお供えするにあたっての、大まかに守っておきたいポイントについて紹介していきます。

一般的に、お墓の前には花立てが左右一つずつ置かれています。
左右対称になるように全体のバランスをみて飾るようにしましょう。

また、お花をお供えする向きは、お墓の方ではなく参拝者に向けてお供えします。
これは、訪れた参拝者がお花を見て心穏やかな状態となることを、故人も望んでいるからと言われます。

なかには花立てが無いお墓もありますが、その場合は横にしてお供えするようにしましょう。

お墓参りの花を長持ちさせるには
お墓参り
せっかくお供えしたお花が少しでも長く綺麗であると嬉しいものです。
少し手を加えるだけで、ぐっと花持ちがよくなるので、ぜひ実践してみてください。

水を清潔に保つ
花の根元を処理する「水切り」
花立ての水への工夫
水を清潔に保つ
花が腐ってしまう原因として、まずあげられるのが先に水が腐ってしまうことです。
そこで、 お供えする前に、葉を取り除いておくという一工夫があります。

これは葉が水に浸かっていることで水が腐りやすくなってしまうためです。
他には、事前に花立てを綺麗に洗っておくのも有効です。

花の根元を処理する「水切り」
「水切り」とは、茎を水に浸した状態で、先端から2〜3cmのところをハサミやカッターを用いて切り取るという一工夫です。
ポイントとしては、切れ味の良いハサミやカッターを使うこと、切り口の断面を広く斜めに切ることです。
これによって、導管による給水面積が広がり、効率のいい給水を行うことができるため、花持ちがよくなります。

花立ての水への工夫
お墓参りで、花立てにお花をお供えする際に、中のお水に切り花延命剤を入れておくのも有効です。
バクテリアの繁殖を防いだり、水の吸い上げをよくしたり、栄養補給をしてくれたり、と、混ぜるだけで花持ちがよくなり、頻繁な水替えの必要も無くなります。
延命剤でなくとも、少量の塩素系漂白剤やお砂糖を混ぜることでも同様の効果が出ますので、試してみてください。
お墓参りの花を持ち帰るタイミング
時計
ここまで、お花を供えるまでについて解説してきましたが、そこで気になるのが、お供えしたお花を持ち帰るタイミングです。

枯れたお花をそのままお墓にお供えし続けるのは、とても失礼なことなので避けなければなりません。
しばらくの時間が経過したら枯れる前に自ら回収しにいくか、それが難しい場合は、そのお墓を管理しているお寺や霊園に回収を依頼するのも一つの手です。

どちらも不可能な場合は、お墓参り当日に持ち帰ってしまうのが良いでしょう。
持ち帰ったお花は、そのまま自宅に飾っても問題はありませんが、仏壇に再度お供えするなどは失礼に値するので控えるようにしましょう。

【コラム】お墓の花立ては必要?どこで買える?
墓側面
花立てがある方が綺麗
材質
構造
花立てを購入する
花立てがある方が綺麗
花立てが無いようなお墓も存在しますが、やはり 見栄えの点でも花立てがある方が、お花が縦にお供えできますし、オススメです。

また、墓石の花立ては、雨風に晒されている以上、必ず劣化していきます。
そのため、お墓参りに行った際、どこか不具合を感じたら、すぐに取り替えるようにしましょう。

材質
花立てには、陶器製・合金製など、いくつかの材質が存在します。
それぞれに特徴がありますが、 お墓の花立てとして最も適していると言えるのがステンレス製です。

陶器製に比べて丈夫で物持ちが良く、合金製に比べて軽くて持ち運びがしやすいのが特徴です。
何より見た目の良さ、お墓全体の雰囲気を邪魔しないのも、ステンレス製の長所と言えます。

構造
花立てにはネジ式のもの、落とし込み式のものが2パターンが存在しています。
落とし込み式の方が、設置時の手間のかからなさや、掃除のしやすさなどから人気を集めており、現在新規で作成されるお墓のほとんどは落とし込み式となっています。

花立てを購入する
現在、お墓の花立ては、ネット上でも多く販売されており、店頭に行って買うよりもメジャーになっています。
形・材質・構造など様々な種類がありますので、各要素を吟味しながら、自分にあった好みの花立てを探してみてください。

花立に関しては、こちらも参考にしてください。

お墓の花立てのおすすめ10選!金額相場やステレンスなど素材別の選び方!
第三人生編集部

故人へのお墓参りを、あなたらしいお花選びで
お墓参りは、貴重な故人とのコミュニケーションの場です。
そんな故人を偲び、冥福を祈る際に、色を添えてくれるのが仏花です。

これまで、お供えする花の種類や、オススメ、値段などを説明しましたが、あくまでも、お墓参りの主は、故人に思いをはせることです。

故人を第一に考えつつ、この記事により皆様のお墓参り、お花選びが捗ることを祈っております。

※ご住職様には数あるお寺のご住職の一人としてコメントをいただいております。
同一の宗教・宗派でもご住職によって多少の相違があることがあります。

お墓参りのマナーに関しては、こちらも参考にしてください。

お墓参りで押さえるべきマナーとは?お参りの仕方や時期なども解説!
お墓参りで押さえるべきマナーとは?お参りの仕方や時期なども解説!

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