セカンドオピニオンとは「診断や治療方針について、担当医以外に聞き参考にすること」
セカンドオピニオンとは、簡単に言うと「診断や治療方針について、担当医以外の医師に意見を求め、それを参考にすること」です。
例えば、以下のようなタイミングで活用するとより安心できる選択ができます。
・ 担当医の説明を聞いても、まだ不安や疑問があり、他の医師にも意見を聞きたい
・ 提示された治療方法が本当に自分に合っているのか、他の選択肢はないのか、判断に迷っている
・ 担当医から提案された治療法以外に、他にどのような治療法があるのか、詳しく知りたい
つまり、自分が受ける治療に納得するために、他の医師の意見を聞くことが目的と言えます。
セカンドオピニオンのメリットは「治療の選択肢の幅が広がる」
セカンドオピニオンを受けることで、担当医とは異なるアドバイスを受けられ、別視点から検討できるのがメリットです。
仮に同様の診断や治療方針が説明されたとしても、病気や症状に対する理解が深まり、より安心して治療に取り組むことができるでしょう。
別の方法を提案された際には、選択肢の幅が広がるため、より納得のいく治療に臨めます。
セカンドオピニオンのデメリットは「医療費負担がかさむこと」
セカンドオピニオンを受けるデメリットとして、まず挙げられるのが医療費の負担が増えることです。
セカンドオピニオンの受診費用は、公的医療保険が適用されない自由診療となるため、全額自己負担となります。
また、遠方の医療機関を受診する場合には、交通費の負担も考慮しなければなりません。
さらに、セカンドオピニオンの受診には手間と時間がかかることもデメリットです。
加えて、場合によっては、治療法を迷っている間に病状が進行してしまう可能性もあることに留意が必要です。
注意!セカンドオピニオンでは治療はしてもらえない
セカンドオピニオンを受ける場合、そこで検査や治療が受けられると勘違いしている方がいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、セカンドオピニオンは、医師がこれまでの検査データや画像データなどの診療情報をもとに、第三者の立場から診断や治療について意見を述べるもので、診察・検査・治療を行うものではありません。
セカンドオピニオンを受けた医療機関で診察・検査・治療を受ける場合は、転院の手続きが必要となり、改めて初診の予約などが必要となる点にも注意が必要です。
【5STEP】セカンドオピニオン受診の流れ
セカンドオピニオンを受診する際の流れは以下の通りです。
1. 現在の担当医の意見(ファーストオピニオン)をよく理解する
まず、最初の担当医の意見(ファーストオピニオン)をしっかり理解する ことが重要です。
診断名、病状、進行度、治療法とその理由などを確認し、疑問や不安があれば、担当医に相談しましょう。
セカンドオピニオンを希望する理由、自分の気持ちを整理することも大切です。
担当医とよく話し合うことで、疑問や不安が解消され、セカンドオピニオンが不要になる場合もあります。
また、セカンドオピニオンを今後の治療に役立てるためには、受診するタイミングも重要です。
診断前に受診しても情報が不足しているため、適切なアドバイスは得られません。
治療開始後の場合は、セカンドオピニオンで別の治療法が提案されても、治療方針の変更が難しいこともあります。
セカンドオピニオンを受ける最適なタイミングは、担当医から治療方針の説明を受けた時です。
治療開始後でも、病状の変化によっては治療方針を再検討するタイミングがあり、その際もセカンドオピニオンの利用を検討できます。
ただし、病状によっては治療の選択に時間的な制約がある場合もあるので、担当医に確認しておきましょう。
2. 病院を決める
セカンドオピニオンを受けたい旨を担当医に伝えたら、次の病院を探しましょう。
ご自身で調べることも可能ですが、専門性の高い医師を求めるのであれば、現在の担当医に相談して紹介してもらうと良いでしょう。
それでも、セカンドオピニオンを受ける病院を決めかねている場合は、がん診療連携拠点病院などに設置されている「がん相談支援センター」に相談するという方法もあります。
がん相談支援センターでは、お住まいの地域でセカンドオピニオンを受けられる病院や、各病院の専門医の有無などの情報を得ることができます。
また、近年ではオンラインでセカンドオピニオンを受けられる「オンライン・セカンドオピニオン」を提供する医療機関も増加しています。
移動が困難な方などは、一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
3. セカンドオピニオン受診を手配する
セカンドオピニオンを受ける病院が決まったら、その病院の窓口に連絡しましょう。
そして必要な手続きについて確認します。
主に以下のことを聞き、手配を進めるとスムーズになります。
・受診方法
・予約方法
・費用
・相談時間
・必要な書類
セカンドオピニオンを受けるためには、現在の担当医や病院のスタッフに以下の情報をそろえてもらう必要があります。
また、患者ではなく病院からの申し込みや書類提出が求められるケースも少なくありません。
・紹介状(診療情報提供書)
・これまでの検査結果のデータ(血液検査、病理検査・病理診断などの記録、CT・MRIなどの画像データ[通常はCD-ROMなどにコピーしたもの])
これらの情報は、セカンドオピニオンを担当する医師に患者の客観的な状況を伝える非常に重要なものです。
必ず担当医に相談して用意してもらってください。
なお、紹介状の作成には保険が適用されます。
4. セカンドオピニオンを受ける
紹介状などの必要書類が準備できたら、セカンドオピニオンを受けましょう。
セカンドオピニオンを受ける前には、聞きたいことを整理してから受診することをおすすめします。
これまでどのような検査を行い、治療をしてきたか、担当医からどのように言われているかなどをメモにしていくと、限られた時間を有効に使うことができます。
もし、「何を聞けば良いか分からない...」という方は当日までにがん相談支援センターに相談して情報を整理してもらうと良いですよ。
5. 診断結果を担当医に報告する
セカンドオピニオンの結果は、必ず現在の担当医に報告しましょう。
その上で、今後の治療方針について、もう一度話し合います。
セカンドオピニオンを受けた結果、転院して治療を受けたいと考える場合もあるかもしれません。
その際は、まず転院が可能かどうかを確認し、可能であれば、担当医にその旨を伝え、改めて紹介状などの必要書類を準備してもらいましょう。
セカンドオピニオンの費用の目安は5,000~25,000円
セカンドオピニオンの費用は病院によって異なりますが、目安としては30分5,000円~25,000円程度です。
地域によっても多くの差があり、相談時間が長くなるほど高額になります。
例えば、60分の相談で40,000円以上かかる地域もあるため、事前にどの程度の費用や時間が必要かどうか相談することが重要です。
迷ったらセカンドオピニオンで安心の選択を
治療方針に迷い、他の医師の意見も聞いてみたいと思ったら、セカンドオピニオンを活用しましょう。
セカンドオピニオンとは、今かかっている医師以外の医師に、診断内容や治療法について意見を求めることです。
セカンドオピニオンを受けることで、担当医とは異なる視点からの意見や、別の治療法の提案を受けることができ、治療の選択肢が広がります。
たとえ、セカンドオピニオンの結果が担当医と同じであったとしても、病気や治療についてより深く理解し、納得して治療に臨むことができるというメリットがあります。
セカンドオピニオンは、あなたの不安や疑問を解消し、安心して治療に臨むための助けとなるでしょう。
現在の治療方針に少しでも不安のある方は、ぜひ担当医に「セカンドオピニオン」を受けたいと相談して、治療に専念できるようにしてくださいね。