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お金のこと

2024.04.30

企業年金と厚生年金の違いは?いくらもらえる?確認方法も解説

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国会でも年金による老後資金は今後十分ではないといわれています。
しかしながら、医療の発展などから、老後といわれる期間はどんどん長くなっています。

公的年金である厚生年金の他に、企業年金がありますが、どのような制度で加入していたらいくら受け取ることができるのでしょうか。

企業年金と厚生年金の違い
企業年金と厚生年金 はどう違うのでしょうか。
企業年金とは厚生年金とはどのように違うのでしょうか。

様々な角度から確認をしていきましょう。

違い①管理元の違い
違い②負担元の違い
違い③導入が義務づけられているか
違い①管理元の違い
企業年金と厚生年金には決定的な違いがあります。
厚生年金は国による公的年金なのに対し、企業年金は企業が各自で設ける私的年金 であるということです。

つまり、厚生年金が国主導で導入が義務づけられている年金であるのに対し、企業年金は企業主体で、導入は任意なのです。

違い②負担元の違い
それでは、年金の掛金は誰が払うのでしょうか。
厚生年金は従業員と事業主が折半 します。

一方、企業年金は特別に決まりはなく、 一般的には事業主が負担するところが多い ものの、ケースによっては従業員が負担していることもあります。

違い③導入が義務付けられているか
企業年金と厚生年金の違いのもう一つは 導入が義務なのか どうかです。
厚生年金は条件を満たした場合、必ず導入しなければなりません。

しかし、 企業年金に導入義務はありません。
従業員が企業が導入している企業年金に加入するかどうかを選べる場合もあります。

つまり企業によっては企業年金を導入していない場合もあるのです。

企業年金とは
年金
それでは企業年金の仕組みを詳しく確認をしていきましょう。
企業年金とは企業が任意で導入をする私的年金 です。

年金は「○階建て」とよく言われますが、国民年金が1階、厚生年金が2階、そして企業年金が3階になります。

多くの企業年金は企業が従業員のための福利厚生として任意で導入しています。

企業年金の種類
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企業年金は様々な種類があり、特徴も違います。
ここでは主な企業年金の種類を4つご紹介します。

種類①確定給付型
種類②確定拠出型
種類③共済型
種類④厚生年金基金
種類①確定給付型
確定給付型とは、年金の給付額があらかじめ決まり、資金を企業が積み立てて資金を運用します。
従業員は自分で資金を運用することはなく、 事前に決まった給付金を年金として受け取る ことになります。

確定給付型の年金は企業が行うものですが、企業の業績が不振な場合は、従業員が受け取る予定であった年金の給付額が減額になることもあり得ます。
また、従業員が短期間で退職してしまったりして、年金の積み立てが十分でない場合には年金が減額または受け取れない場合もあります。

種類②確定拠出型
確定拠出型は従業員が主体の年金です。
確定拠出型年金は積立金額をあらかじめ決め、その積立金を各従業員が金融商品を選んだり資産配分を決めたりして運用をします。

つまり、運用とは株や投資信託、保険商品などを選んで、適正な資産配分をおこない、運用益を得ることを目的に行います。
うまく運用ができれば、受給額が増える可能性があります。

また、確定拠出型は従業員が主体のため、積立金額を従業員が決めたりできる場合が多く、企業が福利厚生の一環として積立金額の一部を支給するという場合が多いです。

一方、従業員本人が運用をするため、運用成績が思わしくなければ、受給額が減ってしまうというリスクもあります。
また、勤続3年未満だと、年金の減額や不支給、他の会社に移ったときに、そのまま資産を持ち運ぶことができません。

種類③共済型
中小企業のように、従業員が少なく、規模が小さい会社では独自に年金を運用することが難しいところが多く、共済型はそんな 中小企業のために国が設けた社外積立型の退職金制度です。
なお、掛金は全額事業主の負担です。

共済型は以下の2種類になります。

中小企業退職金共済制度
特定退職金共済制度
種類④厚生年金基金
厚生年金基金は厚生年金とは違い、私的年金の扱い になります。
厚生年金を国に代行して運用している厚生年金基金が扱っています。

厚生年金は国から年金が支給されますが、厚生年金基金は厚生年金基金からの支給となります。

厚生年金とは
金額
それでは厚生年金とはどのような年金なのでしょうか。
厚生年金は国の公的年金 です。

そのため、 一定の条件を満たした従業員は厚生年金に必ず加入しなければいけません。
保険料は国が決める保険料率により決まります。

給与の受取額が多い人の方がより多い保険料を納付することになり、その分受け取る時には多く受け取ることができます。
なお、 厚生年金の保険料は事業主と従業員の折半で納付 されます。

年金の支払いは、従業員の給与より従業員の負担額が差し引かれ、企業が折半分とまとめて納付する場合が多いです。
従業員が負担した年金は社会保険料として、税金が控除されます。

企業年金・厚生年金は両方受け取れる?いくら?
費用
企業年金・厚生年金は両方受け取ることができます。
前述のとおり、年金の仕組みは3階建てで、1階が国民年金、2階が厚生年金、3階が企業年金等となっています。
そのため、年金で納付している階数が多いほど、保険料も積み上がりますので、受け取るときには多い金額を受け取れるのです。

令和元年度の夫婦2人あたりの老齢基礎年金を含む厚生年金支給額の平均は月額221,504円です。(平成31年1月18日厚生労働省発表「平成31年度の年金額改定について」より)

一方、平成30年度の企業年金と退職金の合計額の平均額は19,830,000円です。(厚生労働省「就労条件総合調査」より)
ただし、これは企業規模によっても金額が大きく変わります。

企業年金・厚生年金基金の加入確認方法
ネット
あなたは企業年金や企業年金の一部とされる厚生年金基金には加入しているのでしょうか。
老後の資金計画をするに当たっても、とても重要な事ですので、 早めに確認をしておきましょう。

以下に具体的にどのように確認すればいいのかご案内します。

確認方法①入社案内
確認方法②就業規則・退職金規程
確認方法③給与明細
確認方法④会社の人事部・総務部に聞く
確認方法①入社案内
会社に入社するときに 「入社案内」 は必ず受け取っている事と思います。
入社案内にはあなたの会社がどのような企業年金を導入しているのか記載されていると思います。

入社案内には企業が取り組んでいる福利厚生について詳しく記載されているので、今一度読み直してみると、年金以外の事項でもあなたにお得なことが記載されているかもしれません。
ぜひ一度確認してみてください。

確認方法②就業規則・退職金規定
入社案内がない、見当たらないという方は、 就業規則・退職金規程など にも記載されていますので、こちらをチェックしてみましょう。
特に退職金規程には今後受け取ることができる可能性があるお金について詳しく記載されていますので、必ず目を通しておきましょう。

確認方法③給与明細
自己負担額のある企業年金に加入している場合には、給与明細でも確認することができます。
あなたの給与明細には「控除」の欄に企業年金にあたる記載がありますか。

給与明細の「控除」欄にあなたの社会保険の加入状況について確認できる事項が記載されていますので、こちらも受け取りのたびに確認していきましょう。

確認方法➃会社の人事部・総務部に聞く
それでもよくわからない場合は、 会社の人事部・総務部に聞いてしまいましょう。
あなたの知りたいことをしっかり丁寧に教えてもらえるかもしれません。

企業年金・厚生年金基金の受け取り方法
高齢者
企業年金・厚生年金基金に加入していることはわかりましたが、その時期が来たら、何か手続きをしなければいけないのでしょうか。

ここでは企業年金・厚生年金基金の受け取り方法と確認しておくべき事項について詳しくご説明していきます。

退職所得控除
国民健康保険や介護保険料の対象となってしまう
利率が低い
退職所得控除
退職金の課税は優遇されており、 退職課税として分離課税 されます。
退職所得控除にあたる金額は、以下の表のとおり計算式にあてはめて算出します。(国税庁HP「退職金を受け取ったとき」より)

勤続年数    退職所得控除額
20年以下    40万円×勤続年数(ただし、80万円に満たない場合には80万円)
20年以上    800万円+70万円×(勤続年数-20)
表より大卒で勤続年数38年の人の控除額は2060万円になります。
退職金を税制面で見ると、退職時に一括で受け取った方がかなりお得といえるでしょう。

なお、 控除額より超えた金額についても、その金額の1/2のを所得として税額の計算がされます。

国民健康保険や介護保険料の対象になってしまう
退職金を退職時一括で受け取る場合と、年金受け取りにする場合を保険料の面ではどう変わってくるのか確認していきましょう。
退職時一括受け取りの場合、その金額は健康保険料、介護保険料の算定の対象となりません。

一方で、年金受取りにした場合には算定の対象となってしまいます。
こうしたところからも、退職金は一括で受け取った方が優遇されると一般的にい言われる事が多いのです。

利率が低い
退職金を年金受け取りにした場合、退職金の原資は会社によって引き続き運用されることとなり、運用益は受け取る年金に上乗せされます。
年金の運用率は会社によって決められ、近年は1~2%の間で運用される場合が多いようです。

年金は一括で受け取る場合と、年金として毎回受け取る場合では総計でどちらがより多く受け取ることができるのか、様々な機関が試算をしていますが、本人の環境によりかなり差が出るもので、一般的な結論があなたに当てはまるとは言い切れません。
そのため、あなたのライフプランや今までの就業内容、会社の取り決めなどをよく確認した上で、ベストな受け取り方法を決めていきましょう。

企業年金がある会社は減少中
会社
りそな年金研究所の2019年3月末の調査では厚生年金基金の資産残高は前年比12.5%の減少となっています。
一方で、確定給付付企業年金は1.5%増加しています。(りそな年金研究所 企業年金ノート 2019.6 より)

企業年金基金の傾向として厚生年金基金は大幅に減少しています。

厚生年金基金が解散してしまったら?
詐欺
減少傾向にある厚生年金基金ですが、万が一加入中に厚生年金基金が解散してしまった場合には、掛金などはどうなってしまうのでしょうか。
厚生年金基金が解散してしまった場合は下記の対応をするようになっています。

厚生年金基金が国に代行して支給する部分のお金は平成26年3月31日より前に解散した基金に加入していた場合は企業年金基金にて支給され、それ以降に解散した厚生年金基金に加入していた場合には国(年金事務所)にて手続きをすれば支給されます。

なお、厚生年金基金が独自に給付の資産が残っている場合は、加入者に分配されます。
分配された資金は以下の方法を選ぶことができます。

企業年金基金へ移管
個人型確定拠出年金へ移管
本人が一時金として受け取る
【コラム】日本の年金制度
今回は日本の年金制度における3階部分の企業年金・厚生年金基金についてご説明させていただきました。
近年国会でも度々話に上がる老後資産として足りないといわれているのはいわゆるこの年金の1階・2階部分に当たる国民年金と厚生年金の老後の受取額です。

3階部分に当たる企業年金・厚生年金基金・確定拠出年金等は国主導の年金ではないため、老後資金が国主導の年金(国民年金・厚生年金)では足りないということであれば、この3階部分の年金を賢く利用していく方法を考えなくてはなりません。

年金についての知識を深め、老後を豊かにすごそう
人生100年時代と言われる昨今、私たちは永く続く老後をより豊かに暮らす知恵を持たなくてはなりません。
そのためにも、年金という仕組みを深く理解し、賢く活用していきましょう。

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