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終活

2025.02.12

遺産を寄付する手続きとは?寄付先の選び方と税制優遇のポイント

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遺産寄付を通じて社会貢献を考えている方へ。この記事では、遺産を寄付する手続きの流れから寄付先の選び方、そして税制優遇まで、遺産寄付に関する情報をわかりやすく解説します。寄付に関する注意点も理解し、スムーズに遺産寄付を進めましょう。

「遺産を寄付したいけれど、進め方が分からない」このような悩みを抱えていませんか?
遺産寄付は、社会貢献できる素晴らしい選択として注目されています。

しかし、どこから始めればよいか分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、遺産寄付のステップをわかりやすく解説し、税制優遇のポイントや寄付先選びなどを具体的に解説します。

この記事を読めば、遺産寄付をスムーズに進めるために必要な知識が手に入ります。

遺産を寄付するとは?

遺産を寄付するとは、遺言書を通じて自分の遺産を公益団体や自治体などに寄付する行為のことです。家族への相続とは異なり、社会貢献を目的とした遺産の使い道を選ぶ点が特徴です。

認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえが2021年に行ったアンケートによると、50代が約50%、60代が約70%、70代では約80%と、年齢が上がるにつれて遺産寄付が認知されていることがわかりました。
参考:
「遺贈寄付」に関する認知70代は80.9%。遺贈寄付のイメージは、「貢献」「助け合い」「縁遠い」

遺産を寄付する方法には、「生前贈与」と「遺言書による寄付」の2つがあります。
生前贈与:
存命中に自身で寄付する。手続きはシンプルで、寄付先との直接のやり取りできる
遺言書による寄付:
死後に寄付する方法。公正証書遺言を作成することが推奨される
それぞれ特徴があるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

遺産寄付の手続きの流れを6ステップで解説

ここからは、遺言書による遺産寄付の手続きの流れを紹介します。

1.相続人または専門家に相談

遺産を寄付する際には、まず相続人や専門家に相談することが重要です。

特に相続人に寄付の意向を伝えて理解を得ることは、後のトラブル回避につながります。家族が納得できる形で寄付するために、早めの話し合いをしましょう。

また、弁護士や税理士などの専門家に相談することで、法的な手続きのアドバイスを受けることができます。

2.寄付先を決める

次に、自分の想いや価値観にあった寄付先を決めましょう。

寄付先には公益団体やNPO法人・自治体・大学・病院などさまざまな選択肢があり、活動分野も多岐にわたります。自身の想いに合った団体を選ぶことで、より納得感のある寄付になるでしょう。

3.遺産の配分を決める

遺産の寄付を行う際は、どの財産を「誰に」「どの割合で」寄付するのか、遺産の配分を決定することが重要です。寄付したい遺産をリストアップし、どの財産を寄付に使うのかを明確にしましょう。

家族がいる方は、残された家族の生活基盤を確保することも大切です。

4.遺言執行者を決める

遺言書に基づいて、遺産の分配や寄付を実行するために「遺言執行者」を決めます。

遺言執行者とは、遺言に記載された内容を実現するための手続きを行う人のことです。
主に、遺産の分割や寄付の実行を担います。

遺言執行者には、信頼できる相続人や弁護士などの専門家から選ぶことをおすすめします。

5.遺言書を作成する

遺産の寄付を実現するためには、正式な遺言書を作成しておくことが必要です。
遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。

確実に遺産を寄付したい場合は、法的な効力が最も強い「公正証書遺言」にしましょう。
形式不備や偽造、紛失のリスクが低いため、安心して遺言を残せる方法です。

6.遺言が執行される

遺言者の死後、遺言執行者が寄付先との具体的な手続きを進めていきます。

寄付金の振込や、必要書類の提出などが行われ、これらの手続きは一般的に1〜3か月程度で完了します。

信頼できる寄付先の選び方

遺産を寄付する団体選びは、特に慎重に進めましょう。
ここでは、信頼できる寄付先の見極め方から、具体的なおすすめ団体などを解説します。

寄付先の種類を知ろう

遺産の寄付先の種類は、さまざまです。
信頼性の高い寄付先として多くの人に選ばれているのは、公益法人・NPO法人・学校法人・医療法人などです。これらの団体は、社会的な貢献を目指して活動している法人です。

一方で、地域社会への寄付として、自治体や地域活動団体に寄付する方法もあります。これらの団体に寄付することは、より身近な地域での社会貢献に繋がるでしょう。

信頼できる寄付先を見極めるポイント

信頼できる寄付先は、情報公開が徹底されている団体です。
以下の2つのポイントを抑えて、選びましょう。
・ 活動実績の透明性
・ 団体の財務報告書の確認
まずは、公式サイトを確認しましょう。活動内容や財務報告書を詳しく確認できる団体は、信頼性が高く、透明性のある運営がされている証拠と言えます。

おすすめの寄付先9選

・ 日本財団(公益財団法人)
・ 日本赤十字社(認可法人)
・ 国境なき医団日本(認定NPO法人)
・ 世界自然保護基金ジャパン(公益財団法人)
・ セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(公益社団法人)
・ あしなが育英会(一般財団法人)
・ グリーンピース・ジャパン(一般社団法人)
・ 日本盲導犬協会(公益財団法人)
・ 東京大学(指定国立大学法人)
これらの団体は、さまざまな分野で活動するおすすめの寄付先です。実績と信頼性があり、多くの方の寄付先に選ばれています。

遺産の寄付で受けられる税制優遇

税制優遇は遺産寄付の大きなメリットの一つです。
しかし、寄付のタイミングや寄付先によって税制優遇が変わるため、注意が必要です。

生前贈与の場合

生前に遺産を寄付する場合は、所得税と住民税の控除を受けられる可能性があります。
控除額は、寄付金額から2,000円を差し引いた額が対象で、控除を受けるには確定申告が必要です。

遺言により遺産を寄付する場合

遺言による寄付では、寄付先が法人であれば相続税はかかりません。

また、寄付することで、所得税の控除(寄付金控除)を受けることができます。
ただし、この控除を受けられる寄付先は限定されており、準確定申告が必要です。

準確定申告とは、亡くなった人に代わって相続人が行う確定申告のことです。
申告期限は被相続人が亡くなってから4か月以内のため、早めに税理士に相談しましょう。

遺産寄付に関する注意点

遺産の寄付をスムーズに進めるには、いくつかの注意点があります。

相続人の遺留分を侵害しない

遺産を寄付する際には、相続人の遺留分を侵害しないように注意が必要です。

遺留分とは、法定相続人に保障された最低限の相続分のことです。配偶者と子どもは、法定相続分の2分の1となります。

寄付は現金で行う

遺産を寄付する際には、現金で寄付することが基本とされています。

遺産には、自動車・株式・不動産・貴金属などがあり、さまざまな形で寄付を申し出ることが可能です。

しかし、金銭以外の寄付は手続きも煩雑になるため、寄付先が受け入れを断る場合が多いです。

包括遺贈ではなく「特定遺贈」にする

遺産を寄付する際は、「特定遺贈」を選びましょう。
特定遺贈では、寄付する遺産を具体的に指定できるため、借金などの負の財産を寄付先に引き継ぐ心配がありません。

一方、包括遺贈では、現金などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継がれる可能性があります。

寄付先に迷惑をかけず、スムーズに寄付を実現するためにも、遺言書の作成時には「特定遺贈」を選び、具体的な寄付の方法を明記することが大切です。

まとめ

遺産寄付は、社会貢献や大切な想いを次世代に伝える有意義な方法です。

しかし、税制優遇や相続人の権利、寄付方法など、事前に理解しておくべき注意点が多く存在します。寄付先を慎重に選び、遺言書を適切に作成することで、トラブルを回避しながらスムーズに寄付を実現できます。

自身の思いを社会に形として残すために、最適な方法を見つけてみてください。

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