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葬儀

2024.04.30

神饌とは?お供えの頻度・食器・並べ方!不適切なものや並べ方も

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神饌とは神様に捧げる食事のことです。

神棚に神饌をお供えすることで、食物を与えてくださる神様に感謝を伝え、お下げした神饌を頂くことで私たちは神様と繋がることができます。

では神饌を正しくお供えするにはどうしたらよいのでしょうか。

今回の記事では、品目や食器、並べ方、食べ方まで神饌について紹介します。

ぜひ参考にして下さい。

神饌(しんせん)とは
はてな
神饌(しんせん)とは、神様が食べ物を与えてくださることに感謝する儀式において神棚にお供えするお食事です。

御饌(みけ)とも呼びます。

とくに調理せずに素材のままお供えするお食事を生饌、調理してお供えするお食事を熟饌と言います。

神棚からお下げした神饌は参列者で頂く のが一般的です。
これを「神人共食(しんじんきょうしょく)」と言い、日本の祭りの特徴です。

儀式の規模に応じて神饌の数も異なり、神社によっては50台もの神饌をお供えすることもあります。


神饌(しんせん)の具体的な品目名
お供え物
品目や由来に関して紹介していきます。

基本は米・酒・塩・水
その他の品目
由来
神饌の基本は米・酒・塩・水
神饌は お米とお酒、塩、水が基本 です。
お米、塩、水は毎日必ずお供えするため 日供 と呼びます。

お米
お米は神様の主食であり、米作りを通して「共同体」の概念を培うもの でもあります。
このときのお米は御洗米と言い、洗った状態のお米をお供えします。

お酒
お酒はお米・塩・水の三品から醸造されたものであるため、これもまた神饌に欠かせない品目です。


塩はすべての生命の源である海の水からとれた天然の粗塩を供えるのが良いとされています。
生きる上で大切な栄養素が含まれていることなどにより、時代によっては貴重品ともされていた大事な品目です。


水は生存に必要不可欠なものであると同時にお清めやお祓いなどでも重要な役割を果たします。
天然水でも水道水でも朝一番にとれた初水を供えるのが基本です。

その他の品目
これらに加えて野菜や果物、海産物、川魚、鳥肉、豆類などを儀式の規模に応じてお供えします。

地元の産物や地域の伝統を反映した品目が神饌を用意することもあります。
ご先祖様が好んでいた品目をお供えするのも良いでしょう。

以下の表は神饌の具体的な品目の例です。

カテゴリー    品目
穀類、米の加工品    粟、黍、酒、餅、唐菓子
海産物、川魚    鯛、鯵、鮭、鰹、ブリ、スズキ、サザエ、鮎、昆布、わかめ、海苔
鳥肉    鶏、鴨、雁
野菜、果物類    大根、茄子、レンコン、イモ、カブ、橘、梨、柚子、柿、栗
その他    豆類、塩等の調味料
穀物、米の加工品
主な穀物、米の加工品は米、粟(あわ)、黍(きび)、酒、餅、唐菓子などです。

餅はお正月に飾る鏡餅のような重ね餅が一般的ですが、家庭では小餅や大福餅などをお供えしても構いません。

唐菓子は奈良時代に中国の唐から伝わってきたお菓子です。
唐菓子以外の一般的なお菓子を供えても問題ありません。

海産物、川魚
主な海産物、川魚には 鯛、鯵、鮭、鰹、ブリ、スズキ、サザエ、鮎、昆布、海苔が挙げられます。

鯛は最も格式高い魚 です。
迷ったら鯛を選ぶのが無難です。

鯛の中でも金目鯛より真鯛の方が偉いとされています。

また、川雑魚よりも海雑魚の方が好ましいとされています。
貝は魚に次ぐ序列となります。

鳥肉
神道では四つ足動物はタブーです。
ところが鳥は二本足であるため鳥肉は神饌の品目となります。

主な鳥肉は鶏、鴨、雁です。

現在では鳥そのものだけでなく、卵を供えることもあります。

野菜、果物類
主な野菜、果物類は大根、茄子、レンコン、イモ、カブ、橘、梨、柚子、柿、栗です。

橘は最も神様と関係の深い果物とされています。

儀式の規模によってお供えする野菜、果物の数は異なります。

ただし、ネギやニンニクなど香りの強い野菜は避けます。

その他
儀式の規模によっては大豆や小豆などの豆類や塩以外の調味料をお供えすることもあります。

神饌の由来
神饌は 「神人共食(しんじんきょうしょく)」 という神道の考え方に由来します。

神人共食とは、文字通り神様と私たち人間が食事を共にするということです。

人間が神様と同じものを食べることで両者の結びつきを強め、同じお酒を飲み酔うことで神様との一体感を感じ、神様に生活を守ってもらおうとするのです。

そのため、神棚からお下げした神饌は、儀式に参列した人々で頂く「直会(なおらい)」が一般的です。


神饌(しんせん)のお供え頻度
お供え
神饌の基本となるお米、お酒、塩、水は常にお供えしてある必要があります。

お米、塩、水は毎日取り換えます。
地域によって異なりますが 朝夕2回お供えする のが一般的ですが、朝のみお供えする家庭も多いです。

お酒は1日と15日の月に2回取り換えるのが一般的です。
この日は「月次祭(つきみなさい)の日」と呼び、神様に近づくと言われています。

ただし、夏場はお酒でも傷むことがあるので、様子を見つつ早めに取り換えるのをお勧めします。

その他、節目となる祭事や誕生日や年祝いなどの家庭内でのお祝い事がある場合に、神饌をお供えすることもあります。

お米、お酒、塩、水以外の品目をお供えする頻度にきまりはありませんが、傷まないうちにお下げし、頂くのが大切です。


神饌(しんせん)の食器
神饌を盛る食器は日常的に使われる家庭用の食器でも問題ありませんが、神社で用いられる古式の道具を使うのが一般的です。

神饌台と呼ばれる木製の台の上に食器を乗せ、そこに神饌を盛り付けるのが正式なお供え方法ですが、家庭では食器のみを用いることも多いです。

平瓦
水器・水玉
瓶子
平瓦
平瓦(ひらか)はお米や塩、魚、野菜などを盛り付ける食器です。

お粥ならばお椀に盛り付けますが、生のお米や蒸したお米は平たい器に盛り付けます。

水器・水玉
水器(すいき)/水玉(みずたま)は水を入れる食器です。

昔はお椀型の食器でしたが、現在では水を表す形をしていると言われており、蓋もついています。
お供えするときは蓋は外します。

瓶子
瓶子(へいし)はお酒を入れる食器です。

蓋がついたとっくりのような見た目ですが、お酒を醸造するのに用いる瓶を模した形と言われています。
水器同様、蓋を外してお供えします。

素材は白い陶器が一般的ですが、銀やスズ、漆器、など様々です。

多くの場合、2本1対で使います。


神饌(しんせん)の並べ方
仏壇 種類
以下の通り、神饌には品目の序列があります。





海雑魚
川雑魚
鳥肉
野菜
果物
菓子
嗜好品(タバコ、ジュースなど)


これらを全て用意する必要はなく、お供えする品目だけこの順番に従って並べます。

ただし、神社の伝統によって異なることもあるので気を付けてください。

いずれの場合も神様が召し上がりやすい向きで並べることに注意してください。

日供の並べ方
米、酒、塩、水は神饌の基本であり、日供と言います。

このうちとくに米、塩、水の3つを並べる場合には、自分から見て奥に米、手前右側に塩、手前左側に水を配置します。

米、酒、塩、水全て並べる場合には、手前中央に米、手前右側に塩、手前左側に水、奥に2本1対で酒を配置します。

その他の品目の並べ方
日供以外の品目を並べる場合には、日供よりも手前側に品目の序列が上のものから右、左、右、左…と配置していきます。

品数や広さの都合から前後2列に並べるときは、先に神様側を並べてから自分側を並べます。
このとき、神様側を並べて残った品目のうち最も序列が上のものを中央に配置し、続いてまた右、左、右、左…と序列に従い配置していきます。

魚は海雑魚でも川雑魚でも尾頭付きでお供えするのが基本 です。
自分から見て左側に頭が、右側に尾が来るように配置します。

海雑魚の場合は自分から見て手前側に腹、神棚側に背が来るように配置し、川雑魚の場合はその逆になります。


神饌(しんせん)として不適切なもの
! 注意
タブーが少ない神道ですが、以下の通り、いくつか避けなければいけない品目もあります。

四つ足動物
香りの強い野菜
神道では仏教における「不殺生」の考えの影響を受け、 四つ足動物がタブー とされています。
そのため牛肉や豚肉などは神饌として不適切です。

一方、鳥は二本足なので、鳥肉は問題ありません。
同様に魚も適切です。

また、 ネギやニンニクなど香りが強い野菜は避けます 。

分からないことがあれば神主さんに尋ねるのをお勧めします。


神饌(しんせん)の食べ方
会食時 挨拶
生饌・塾饌・特殊神饌
神饌には、 調理をせずに素材のままお供えする生饌 と、 調理をしてお供えする熟饌 があります。

三重県の伊勢神宮や栃木県の賀茂別雷神社など、独自の方法がある場合には 特殊神饌 と呼びます。

本来は塾饌が主流でしたが、明治以降、一般的な神社の祭事では調理による火災を防ぐために生饌が供えられていました。

現在、家庭では炊いたご飯やおかゆ、餅など調理された食事がお供えされることも多いです。

熟饌を食べる場合、まだ暖かく湯気が立っているうちは神棚にお供えし、 湯気が収まったら神様が召し上がり終えたということでお下げします 。

神社で頂いた神饌の食べ方
神社でお祓いを受けた後に、御神酒(おみき)やお米、砂糖菓子などの神饌を頂くことがあります。

御神酒はそのままいただいて構いません。
お酒が苦手な人は調理に使うなどしてアルコールを飛ばしてからいただくのをお勧めします。

お米はご自宅で炊くお米に混ぜていただきます。

砂糖菓子は「落雁(らくがん)」と言われるものです。
そのままいただいても良いし、煮物を味付けする際に入れていただいても構いません。


神饌(しんせん)は神様と私たちをつなぐもの
神饌は、食物を与えてくださる神様に日々の感謝の気持ちを表して神棚にお供えする食事です。

それと同時に、お下げした神饌を頂くことで私たちが神様と一体感を感じることができる大切なお供え物でもあります。

そのため、品目の種類が多かったり、並べ方が複雑であったりしますが、きちんとマナーを守って正しくお供えすることが重要です。

また、何よりも大切なのは神様を思う気持ちですので、感謝の気持ちを込めて丁寧に用意するように心がけましょう。

そうすれば神様もまた変わらず私たちを見守ってくださるはずです。

神棚のお供えものに関してはこちらを参考にしてください。

神棚へのお供え物とは?正月の場合・並べ方・神具を解説!交換時期も
神棚へのお供え物とは?正月の場合・並べ方・神具を解説!交換時期も

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