寒中見舞いとは
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寒中見舞いの目的
寒中見舞いは、喪中で年賀状が出せなかった際にも用います。
喪に服すと、年を越す前年に友達等に葉書で知らせるのが普通です。
しかし、事情で年内に知らせる事が出来なかった際に、寒中見舞いが役立ちます。
または、以下の場合で寒中見舞いが活躍するのです。
相手が喪中と知らぬまま、年賀状を出してしまった事のお詫びとして
自分が受け取った時の返事として
喪中葉書への返事として寒中見舞いを書く
寒中見舞いの期限
寒中見舞いはいつまで出せば良いかというと
1月8日から2月3日まで
寒中見舞いは1月29、30、31日頃を基準に投函
になります。
寒中見舞いの構成
はがき ハガキ
寒中見舞いの言葉
先方への気遣いの言葉等
注意するべき点
寒中見舞いの言葉
【寒中見舞いの構成】
書く順番 項目 文例
書き出し 冬季の挨拶 『寒中(お)見舞い申し上げます』
2月4日以降 『余寒(お)見舞い申し上げます』
2番目 時候の挨拶 『近年冬でも暖かいとはいえ、まだ寒さが厳しいこの頃、いかがお過ごしでしょうか』
3番目 身辺に変化はないか気遣う挨拶
4番目 自分について報告 『こちらは元気に過ごしております』
終わり 結びの挨拶 『寒い日が続くのでご自愛下さい』
書いた年月日 年号 or 西暦/月日 『令和2年1月15日』『2020年1月15日』
オプション 差出人の名前、住所、連絡先 連絡先はメールアドレスや電話番号等
年賀状を出し忘れた場合
自分が差出人で、相手に返事をしていなかった場合です。
寒中見舞いでは出し忘れた旨を詫びます。
構成または文例は以下です。
【年賀状を出し忘れた】
順番 項目 文例
書き出し 冬季の挨拶 寒中見舞い申し上げます
2番目 相手の年賀状の近況報告への反応 (身辺変わりない事に)『変わらずお元気な事心より嬉しく思います』
3番目 年賀状へのお礼と返事しなかった事のお詫び
4番目 自分について報告
5番目 相手の体調を気遣う言葉
終わり 結びの挨拶
先方への気遣いの言葉等
寒中見舞いは相手の身辺に異変はないか気遣う物です。
冬季の挨拶から始めたら、必ず相手の安否を尋ねる言葉を書きます。
流れをまとめると以下です。
書き出しの言葉
相手の安否を尋ねる言葉、喪中を知ったら亡くなった人を悼む言葉
結びの言葉で相手が元気である事を願う
注意するべき点
寒中見舞いは、冬の挨拶状としてでだけでなく喪中の人への挨拶状になります。
使う言葉は、新年を祝う様な表現は避けて下さい。
加えて、年賀状を出し忘れた際の言葉遣いは『出し忘れた』はNGです。
間接的かつ謙虚な表現を使うようにします。
寒中見舞いの文例【一般】
寒中見舞い はがき
寒中見舞いの文例を一般的に考えられるケース別に挙げました。
友人知人に送る時の文例
寒中見舞いに対しての返事の文例
会社用の文例
引越した場合の文例
結婚した場合の文例
出産した場合の文例
友人知人に送る時の文例
寒中見舞いでの文例は以下です。
『寒中見舞い申し上げます。
今年は平年より非常に寒さが増しています。
皆さんにはいかがお過ごしの事と思います。
私はおかげさまで毎日元気に暮らしているので、ご安心下さい。
厳しい寒さは今後も続くようなので、どうかご自愛下さいね』
『早朝の寒さが身に染みるこの頃、いかがお過ごしですか。
こちらは変わりなく過ごしています。
年末は田舎に帰省し、両親とコタツで丸まって年を越しました。
いつか石田さん家にも挨拶に行かせてもらえればと思います。
まだ寒いですので、どうか風邪などには気を付けて』
文例のポイントは、友達が相手なので
堅苦しくなく、丁寧ながら親しみを込める事
です。
寒中見舞いに対しての返事の文例
寒中見舞いでの文例は以下です。
『ご丁寧な寒中お見舞をくださり、感謝しています。
今年の冬はいつも以上に寒いですが、皆様お元気の様子で何よりです。
お陰様で私達も日々穏やかに過ごしており、ご安心くださればと思います。
まだ寒さは厳しいですが、体調に気を付けて冬を乗り越えていきましょう』
文例のポイントは、
寒中見舞いを受け取った事への感謝と
近況報告とともに相手を気遣う言葉
を添える事です。
会社用の文例
寒中見舞いでのビジネス用の文例は以下です。
『極寒の候、皆様にはお健やかに新年を迎えられた事と存じます。
何時も格別のご厚誼を賜り、誠に感謝致しております。
この度は一方ならぬご尽力を頂き、心より御礼申し上げます。
寒さ厳しい折ですが、お体大事になさって下さい』
『日増しに寒さが厳しくなっている折、皆様はいかがお過ごしの事と存じます。
日ごろは、特別のご厚情を賜り誠にありがとうございます。
今後もご愛願くださりますよう、宜しくお願い致します。
極寒の候から、どうぞお体に気を付けてお過ごし下さい』
ビジネス用文例のポイントは
定形の表現を使うと間違わない
あらかじめテンプレートを決めておけば使いやすい
です。
引越した場合の文例
寒中見舞いでの文例は以下です。
『寒中お見舞い申し上げます。
初春の候、お元気ですか。
私事のお知らせではあるのですが、昨年11月に引っ越して新居で年を越しました。
美希さんとは、お会いできる日を楽しみにしております。
寒さが一層厳しくなるので、どうぞご自愛下さい』
文例のポイントは
冬の挨拶がメインなので、転居の旨は軽く書く位でOK
です。
結婚した場合の文例
寒中見舞いでの文例は以下です。
『初春の候、いかがお過ごしの事と思います。
私事で恐縮ですが、昨年12月25日に入籍致しました。
夫婦二人三脚で、良い家庭を作っていきたいと思います。
今後も宜しくお願い致します。
またお近くにお越しの際は、お立ち寄り頂ければ嬉しいです』
文例のポイントは、
『私事ですが』と趣旨の前に添える
と礼儀正しい印象になります。
出産した場合の文例
寒中見舞いでの文例は以下です。
『松の内を過ぎて寒さが日に日に増す中、お変わりなくお過ごしでしょうか。
私事ですが、昨年7月に家族が増えました。
名前は紗世(さよ)と言い、よく笑う人懐っこい女の子です。
今後とも、親子共々仲良くして頂ければ非常に嬉しいです。
寒冷の候、風邪を引かぬようご自愛下さい』
文例のポイントは
子どもの写真を入れるのは控える
どうしても入れたい場合は親友等決まった人だけにする
特定の人以外には出産の旨を伝えるだけに留める
です。
寒中見舞いの文例【年賀状に対して】
ポスト
出す人数が多かったり、多忙だったりすると出し忘れが生じます。
正月が明けて、出した覚えのない人から年賀状を受け取る事があります。
マナーとしては1月初旬までに返事を出すべきです。
しかし旅行などで家を空けていると間に合わない事もあります。
ここでピンチヒッターとなるのが寒中見舞いな訳です。
通常、1月初めを過ぎた返事は寒中見舞いを用います。
年賀状が遅れた時の文例
寒中見舞いでの文例は以下です。
初春の候、いかがお過ごしの事と存じます。
元日には素敵な年賀状を下さり、ありがとうございました。
年末より故郷に滞在していた為、松の内を過ぎてのご挨拶となり失礼致しました。
皆さまにとって、実り多き一年となる事をお祈りしております。
本年もどうぞ宜しくお願い致します』
文例のポイントは
出し忘れた事を謝る旨を明記する事
久しく会っていない人へは、近況報告と相手の状態を気遣う言葉を
締めくくりに新年の無事を祈っていると書く事
です。
年賀状をもらったが遅れた時の文例
寒中見舞いでの文例は以下です。
厳冬の候、皆様元気にお過ごしでしょうか。
その節は年賀状を頂いたにもかかわらず、挨拶が遅れ大変申し訳ありませんでした。
本年も、昨年と同様のご厚誼を宜しくお願い致します。
向寒の折から、お体を大事にお過ごし下さいませ』
文例のポイントは
受け取った事を最初に感謝
返事(寒中見舞い)が遅れた事を詫びる
近況報告かこれからも縁がある事を祈り、相手の幸福を願う言葉を添える
です。
寒中見舞いの文例【喪中の人へ送る場合】
書く
喪中の人への年頭の挨拶で送る時の文例
喪中の人に年賀状を送って謝罪として送る時の文例
喪中の人への年頭の挨拶で送る時の文例
前年に相手から喪中葉書を受け取っている事を前提としています。
寒中見舞いの文例は以下です。
『寒冷の候、皆様にはいかがお過ごしの事と存じます。
ご服喪中とのお報せを受け、年初のご挨拶は控えさせて頂きました。
皆様にはひとしお悲しい事とお察ししますが、どうか気を落とされませんよう。
向寒の折ではございますが、時節柄ご自愛下さるようお祈り致します』
『ご服喪中と伺った為、年始のご挨拶は控えさせて頂きました。
正男様が昨年11月に他界されて、皆様さぞご心痛の事とお察しします。
心よりお悔やみ申し上げます。
厳寒の折、お力を落とされませんようどうかお体大事になさって下さい』
文例のポイントは、
先方の健康を尋ねる言葉、時候の挨拶
故人を偲ぶ言葉や、相手を思いやる言葉を必ず添える事
です。
喪中の人に年賀状を送って謝罪として送る時の文例
喪中葉書を受け取らず年賀状を出してしまう場合があります。
相手から『年始状』として返事を受け取って初めて、喪中だったと知るのです。
この場合は失礼にはありませんが、お詫びとして寒中見舞いを送るようにします。
寒中見舞いでの文例は以下です。
『ご服喪中と存じず、年始状を差し上げてしまい大変失礼致しました。
皆様の悲しみはいかばかりかと存じますが、心穏やかに暮らせる事をお祈り致します。
謹んで哀悼の意を表すると共に、正子様のご冥福をお祈り致します』
文例のポイントは
年始状を送った事のお詫び
お悔みの言葉を必ず添える事
です。
寒中見舞いの文例【服喪中の人が送る場合】
喪中にある人が受け取る場合もあります。
差出人側は、前年に喪中葉書を受け取っていないと取れます。
当人としては寒中見舞いを用いて、喪中葉書を送らなかった事を詫びるのです。
年賀状を受け取った事への感謝も書き加えます。
服喪中の人が年頭の挨拶として送る時の文例
寒中見舞いでの文例は以下です。
『この度は、年始のご挨拶ありがとうございました。
皆様には良い一年を迎えられた事と存じ、心からお喜び申し上げます
昨年妻未知子が逝去した為、年末年始のご挨拶をご遠慮させて頂きました。
和泉様にはその旨のお報せができず、ご迷惑をおかけしました。
本年も変わらぬお付き合いのほど宜しくお願い致します』
文例のポイントは
年始の挨拶を控えた理由を書き
知らせが届かなかった事を詫びる
です。
服喪中の人が年賀状を頂いて送る時の文例
寒中見舞いでの文例は以下です。
『この度はご丁寧にお年始状を頂戴し、誠に感謝致します。
お報せしていませんでしたが、昨年9月に夫・樹が息を引き取りました。
その為、年末年始のご挨拶は差し控えさせて頂きました。
連絡が間に合わず、申し訳ありませんでした。
向寒の折、風邪など引かれませぬようお祈り致します』
『ご丁寧なお年始状を頂きまして、誠にありがとうございます。
母英子の喪中の為、年始のご挨拶はご遠慮させて頂きました。
連絡が行き届かず、年が明けてのお報せとなってしまいお詫び申し上げます。
極寒の折、お体をお大事になさって下さい』
文例のポイントは
受け取った事に感謝
喪中の為に年始の挨拶ができない旨を書く
事です。
故人に年賀状が届いて送る時の文例
亡くなった人宛てに届くものもあります。
相手に受け取った事への感謝と兼ねて、寒中見舞いで喪中を知らせます。
寒中見舞いでの文例は以下です。
『年が明けて早速、年始のご挨拶を下さり有難うございます。
母みどりは、昨年8月28日に永眠致しました。
お報せするべきところ、年を越してしまった非礼をお許し下さい。
故人とは生前非常に懇意にして頂き、心より感謝しております。
本年が皆様にとって良き一年となる事をお祈り致します』
『この度はご丁寧な年始のご挨拶を頂きまして、心より感謝致します。
父定男は昨年10月に逝去致しました。
お報せが行き届かなかった非礼をお許し下さい。
故人とは生前厚い親交を持って頂き、誠にありがとうございます。
厳冬の折、心身共に健やかに一年をお過ごし下さい』
文例のポイントは
年賀状を受け取ったへの感謝
差出人に宛先の人間が逝去した事を知らせる
年越しの前に知らせなかった事を詫びる
縁に感謝して新年の幸福を願う
です。
【コラム】寒中見舞いと余寒見舞いの違い
違い
余寒見舞い
寒中見舞いと余寒見舞いの時期
余寒見舞い
寒中見舞いを出しそびれてしまった時に役立ちます。
寒中見舞いとの違いは、出す時期が異なっている事です。
寒中見舞いと余寒見舞いの時期
寒中見舞いの時期は、1月5日から2月4日までになります。
この間が、二十四節気(季節の区分)では小寒※と大寒※に該当するのです。
(※小寒→しょうかん、※大寒→だいかん)
寒中は、小寒と大寒の間の時期になります。
ちなみに2月4日は立春で、元日から5日を含む1月初旬は松の内と言います。
寒中見舞いを出すのは、1月8日から2月3日までが一般的です。
2月3日は立春前日なので、その日までに出すとすれば覚えやすいです。
余寒見舞いは、2月4日から2月下旬辺りに出します。
季節の区分では2月3日を過ぎると、寒中から余寒に入るのです。
出す時期は2月の終わりまでですが、雪国は3月に出しても問題ありません。
寒中見舞いの文例は相手との関係、場面別に使い分ける
寒中見舞いは立春前日までに、冬の挨拶として出します。
あるいは喪中で年始の挨拶の代わりに用いるのです。
その際に寒中見舞いで使う文例は、立場や関係性で異なります。
目上の人やビジネスであれば丁寧かつ礼儀正しく、友達には親しみを込めます。
寒中見舞いの文例は
年賀状を受け取った人は、送ってくれた事への感謝と喪中の旨を述べたもの
逆は、送ってしまった事へのお詫びと相手を気遣う旨を述べたもの
で使い分けて下さい。
いずれの場合でも、寒中見舞い本来の目的である
相手の状態を気遣い、新年の幸福を願う事
は文例を選ぶ上で外せない基準です。
当記事の文例が、寒中見舞いの作成に少しでも役立てば幸いです。