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葬儀

2024.04.30

お焼香で使う抹香とは?種類や抹香の焚き方、焼香の作法・マナーも解説!

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葬儀などで使用される『焼香』には、形によって3つの呼び名があるのはご存じでしょうか。
棒状にしたものは『線香』、粒状にしたものは『焼香』、粉末にしたものは『抹香』と呼ばれます。

今回はなかでも一番細かい『抹香』について、用途や使い方をご紹介していきます。
使用するときのマナーについてもご紹介するので、もしもの時に備えて確認しておきましょう。

抹香とは
焼香
抹香とは香の一種であり、香木を乾燥させて粉末状にしたものを言います。
昔は仏像などに塗ったり、散布したりして使用されていましたが、現在は焼香の着火に使用されたり、仏前で焚かれたりという使用方法が主です。

香を焚く目的は主に2つです。

1つ目は、先祖や仏様によい香りを届けることです。
普段私たちを見守ってくれている先祖に対し、お供えとしてよい香りを送ります。

2つ目は、拝んでいる私たち自身を清めることです。
この2つを念頭に置きながら焚くことで、いつもルーティーンとして行っていた焼香も、より心が込めたものになるでしょう。

抹香は価格が高いうえ、着火するのに手間がかかり扱いが難しいので、線香の方が普段使いとしては重宝されています。

抹香の種類
花 焼香
現在、焼香で使用される香のほとんどは、樒(しきみ)が使用されていますが、原料となる香木にはさまざまな種類があります。
今回は、樒を含め4つご紹介するので、チェックしてみましょう。


白檀
丁子
龍脳
抹香の種類①:樒(しきみ)
焼香で使用される抹香として、最もポピュラーな香木です。
樒にはその鮮やかな見た目とは裏腹に、根や葉、実などその全身に毒を持っています。

そこから、魔除けの効果があるとされ、邪気を払ったり、先祖を悪霊から守ってくれたりすると言われています。
また、他の香木と比較すると煙の量が少ないのも、樒が重宝される理由でしょう。

抹香の種類②:白檀(びゃくだん)
別名『サンダルウッド』と呼ばれ、貴重な香木のひとつです。
やわらかな甘いにおいが特徴で、多くの人から好かれやすい香りでしょう。

抹香の種類③:丁子(ちょうじ)
別名『グローヴ』と呼ばれる丁子は、スパイスとしても使用されており、昔はなかなか手に入らない香木でした。
こちらも甘い香りで、においが強いのも特徴です。

抹香の種類④:龍脳(りゅうのう)
龍脳樹の樹脂から採取される、粒状の結晶です。
別名『ボルネオ―ル』と言われ、涼やかな香りが特徴で、香袋などにも使われています。

抹香の焚き方
焼香
では、抹香を使用するときはどのようにすればよいのでしょう。
ここでは、焼香を焚くときの抹香の使い方をご紹介していきます。

準備するものは、『香炉』『抹香』『手のひらサイズの板など』の3つだけで大丈夫です。

灰を平らにならす
香炉灰に溝をつくる
抹香を入れる
焼香を入れる
点火する
抹香の焚き方①:灰を平らにならす
まずは下準備として、香炉に入っている灰をきれいにします。
以前使用した線香の燃え残りなどあれば、取り除いてください。

ふるいを使用すると、細かい燃え残りも取ることができるのでよりよいです。
灰がきれいになったら、中に空気を含ませるように全体を混ぜます。

最後に板などを使用して、灰の表面を平らにならしましょう。

抹香の焚き方②:香炉灰に溝をつくる
板や厚紙などを使用して、抹香を入れるための溝を作っていきます。
道具は何でも構いませんが、硬いものを使用した方が作業はしやすくおすすめです。

香炉内の真ん中に、5mmほどの深さで長方形の溝を掘ります。

抹香の焚き方③:抹香を入れる
手順②で掘った溝の中に抹香を入れていきます。
その上に焼香を重ねて入れるので、半分くらいの深さに薄く敷いていきましょう。

先が四角いスプーンなどを使用すると、作業がしやすいです。
このとき、左右どちらかを少し山のように高くして、着火しやすい場所をつくります。

とても細かい作業なので、丁寧にゆっくりと行ってください。

抹香の焚き方④:焼香を入れる
手順③で敷いた抹香の上に、焼香を重ねて入れていきます。
先ほどと同様、細かい作業になりますので、スプーンなどを使用して丁寧に進めていきましょう。

着火点として作った、山なり部分には焼香を乗せないよう注意してください。

抹香の焚き方⑤:点火する
線香に火をつけて炎を消し、先ほど作った着火場所にそっと置きます。
焼香は粒が粗く火が付きにくいので、抹香に接するように線香の火が付いた部分を置きましょう。

灰に埋まってしまっても、火が消えてしまうので注意してください。
場所がずれてしまった時には、他の線香やつまようじなどを使用して微調整しても構いません。

線香は1本でも火をつけることはできますが、慣れないうちは2~3本使用して着火するのがおすすめです。
それでもうまく火が付かないときには、線香を置いた後に少しだけ扇ぐという方法もあります。

焼香が赤くなり、煙が上がれば点火は成功です。
抹香を焚くと煙が出るので、火をつけるときには、広い場所で行いましょう。

抹香でお焼香をするときの使い方
焼香
焼香で抹香を使う場合の使い方、マナーをご紹介するので、ぜひチェックしておきましょう。

立って焼香する場合
座って焼香する場合
回し焼香の場合
抹香で焼香するときの使い方①:立って焼香する場合
お焼香
立ったまま行う方法は、葬儀などで一番遭遇しやすく、行ったことがある方も多いでしょう。
手順についてご紹介していきます。

親族、僧侶、遺影へ一礼する
焼香する
合掌し、それぞれに一礼する
抹香で立って焼香する方法①:親族、僧侶、遺影へ一礼する
故人のところへ進む前に、遺族と僧侶、それぞれに対して頭を下げましょう。
その後、数歩前へ進み遺影に向かって頭を下げ、手を合わせます。

抹香で立って焼香する方法②:焼香する
2,3歩前に出て手の届く距離まで近づいたら、香炉の右側に置いてある焼香を親指・人差し指・中指の3本でつまみ、持ち上げましょう。
そのまま、指を眉間のあたりに近づけます。

浄土真宗は、この動作は行わないので、浄土真宗の葬儀や法要に参加するときは、注意してください。

眉間のあたりに近づけたら、香炉の左側部分、火のついた場所に静かに落とします。
この持ち上げて落とす動作を1回もしくは、数回繰り返しますが、回数は宗教により異なるので、確認しておきましょう。

また、数回する宗派でも、人数が多く時間がかかりそうと判断したときには、1回で構いません。

抹香で立って焼香する方法③:合掌し、それぞれに一礼する
もう一度遺影に向かって手を合わせ頭を下げて、2,3歩後ずさりするように離れます。
はじめと同様に僧侶、遺族へ頭を下げて、終了です。

抹香で焼香するときの使い方②:座って焼香する場合
焼香
次に座った状態で行う場合ですが、移動の方法以外は、立って行うときと同様の方法で構いません。

移動の時は、基本的に立たず座ったまま移動するのがマナーです。
正座したまま軽く拳を作り、両膝より前につきます。

そのまま両手に体重を移し、お尻を軽く浮かせるようにして移動します。
あとは、立っているときと同様の手順で行いましょう。

抹香で焼香するときの使い方③:回し焼香の場合
焼香
一般的な葬儀で回し焼香をする機会はあまりありませんが、自宅で法要を行うときなどに使われます。
この場合は、自分が動くのではなく香炉を回すので、遺族や僧侶に対する頭を下げる必要ありません。

座って行う場合の方法を、順にご紹介します。

香炉を受け取る
自分の手元に回ってきた香炉を受け取りましょう。
受け取る際には、回してくれた相手に対し軽く会釈するのがマナーです。

そのまま、自分の前まで持ってきたら、遺影の方を向き故人を思いながら頭を下げましょう。

焼香する
立って行う場合と同じく、まずは手を合わせます。
香炉の右側に入っている焼香を3本指でつまみ、額あたりに持ち上げ、抹香の入った左側へ移します。

持ち上げる回数は宗教により変わるので、はじまる前に確認しておくか、自分より前の方が行うのを確認するとよいでしょう。
終了後、再度合掌し遺影の方を向き、故人をしのんで頭を下げましょう。

遺影に対して頭を下げた後に、抹香の入った香炉を次の方に渡して終了です。

心を込めて抹香を使用しましょう
普段自宅の仏壇などでは線香を使用することが多く、最近では抹香を使う機会はあまり多くありません。
だからこそ、その機会を得た時には、よい香りを楽しみながら使用してみましょう。

宗教によっては細かなルールもありますが、それよりも故人を心に思い浮かべ、手を合わせる心がとても大切です。
故人や先祖、仏様に香のよいにおいが届くよう、心を込めてひとつひとつの動作を丁寧に行いましょう。

意味を考えて行うことで、いつもとは違う気持ち、景色が見えてくるのではないでしょうか。

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