icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
SEARCH

葬儀

2024.04.30

焼香の作法・やり方!意味は?回数、順番、宗教ごとのマナーも解説

  • facebook
  • twitter
  • LINE

皆さんは、焼香の正しい作法をご存知ですか?
焼香は日常生活においてあまり頻繁に行う儀式ではないため、正しい作法が身体に染み込んでいるという人は少ないのではないでしょうか。

ここでは、焼香の作法はもちろんのこと、焼香の由来、宗派ごとの回数や焼香の順番についても紹介しています。

焼香とは?
はてな ?
焼香 とは、葬儀や法事などの弔事において、シキミの葉や皮を粉末にして作られたお香である 抹香 を用いて行う儀式のことをさします。
この抹香を少量手でつまみ、熱を持たせた香炉の中に落とすことで、抹香の香りをあげます。

焼香の意味
故人のために行う儀式として認識されがちではありますが、 行う方の心身に残る穢れを落とすのが焼香の目的です。
自身の心身をきちんと清浄な状態にしたのちに仏や故人と向き合う、という意味が込められてます。

また、通夜や葬儀へ参列する前に行う焼香には 心を落ち着かせる効果 もあり、その後の通夜・葬儀のためにも重要な儀式であると言えます。
焼香では、仏や故人へ思いを寄せることに集中するべく、心を整えるようにしましょう。

自身の心身の穢れが落とせたら、 仏と故人の元へ抹香の香りを届けて冥福を祈ります 。
仏教の言い伝えでは、極楽浄土はいい香りに満ちているとされており、極楽浄土にいる仏が故人をこちらへ迎えに来る際には、香りも運んでくると考えられてます。

そのような状況を再現するべく、葬儀の場では抹香の香りを漂わせる焼香を行うのです。

焼香の由来
焼香の起源および由来は インド だと言われてます。
インドでは、香を焚く行為が仏教自体が始まるよりも前から行われていました。

インドはとても暑い国であり、クーラーなどの空調設備もないことから、人々はたくさん汗をかき、その匂いを消すために用いたのが香の始まりです。
仏教における 香を焚く 行為の始まりは釈迦の説法の話に由来しています。

お釈迦様が世の中へ仏教を広め始めた当初、仕事で汗をかいた多くの労働者が説法を聞きに集まった際に、彼らが仕事後のために汗をかいており、汗の匂いのため、お釈迦様は説法に集中できなかったためにお焚いた事に由来します。

さらに、インドでは現在でもお線香に多く使用される白檀(びゃくだん)などが多く採れ、白檀をはじめとした天然の香木の産地として有名です。た。


焼香の作法【持ち物】
袱紗 数珠 真珠
焼香の際に忘れずに持参するものとしては 数珠 が挙げられます。
数珠には、持ち主の念がこもっており、分身と言っても差し支えありません。

そのため、数珠の貸し借りは好ましくなく、一人一人が自身の数珠を持参する必要があります。
数珠を持っていないという方は、これを機会に購入しておくのも良いでしょう。

数珠には 略式数珠 と 本式数珠 の2種類の形が存在し、男女でも用いるものが異なります。
前者の略式数珠は、 全ての宗派 でも用いることが可能な 一重の数珠 のことをさし、 片手数珠 と呼ばれることもあります。

対して、後者の本式数珠は、 宗派ごと に決められた形で作られており、その宗派のみで用いることが可能な 二重の数珠 のことをさします。
本式数珠の場合、各宗派によって形が違うだけでなく、合掌した際の 数珠のかけ方 にも違いがあります。

あらかじめ確認しておくようにしましょう。
数珠に関しては、こちらも参考にしてください。

【ご住職監修】お通夜で使う数珠の色・持ち方を宗派別に紹介!数珠がない時は?
第三人生編集部

焼香の作法【手順・合掌・拝礼】
数珠
焼香には、大きく分けて以下の3つの種類があります。

立礼焼香
座礼焼香
回し焼香
ここでは、それらの作法について、それぞれ順を追って説明していきます。

立礼焼香の作法
立礼焼香 は、一般的に椅子が用意されている式場で行われます。
その際の作法は以下の通りです。

手順    作法
1    自身の順番が回って来たら、祭壇の方へ進み、遺族へ一礼
2    焼香台の前まで歩き、遺族・祭壇を見て一礼
3    任意の宗派の作法に則って、抹香を少量摘む
4    摘んだ抹香を香炉へ落とす
5    手順3と4を宗派で決められた回数分繰り返しす
6    遺影へ合掌し、一礼
7    遺影の方へ体を向けたまま二、三歩下がって遺族へ一礼し席に戻る
座礼焼香の作法
座礼焼香 とは、畳の敷かれた式場で行われることが多くなっています。
焼香前後の大まかな流れは立礼焼香とほとんど変わりませんが、座礼焼香では腰を落として移動し、正座の状態で焼香を行います。作法は以下の通りです。

手順    作法
1    順番が来たら前へ進み、焼香台の手前で座り遺族へ一礼
2    仏壇にある遺影へ一礼
3    正座のまま膝で焼香台に寄り、合掌します
4    任意の宗派の作法に則って、抹香を少量摘む
5    摘んだ抹香を香炉へ落とす
6    手順3と4を宗派で決められた回数分繰り返しす
7    焼香を終えたら合掌
8    仏壇前から少し下がり、遺族へ一礼して戻る
回し焼香の作法
回し焼香 とは、スペースの少ない、狭めの式場などで行われます。
自らが焼香台へと近づくのではなく、香炉を参列者の間で回し、参列者それぞれが自分の元へ回ってきた香炉で焼香を行ったのちに、香炉を隣の人へ回します。

作法は以下のような流れに従って行われます。

手順    作法
1    香炉が回って来たら、軽く礼をして受け取る
2    香炉を自身の正面に置いたら、仏壇へ合掌します
3    任意の宗派の作法に則って、抹香をつまむ
4    つまんだ抹香を香炉へ落とす
5    ③と④を宗派で決められた回数分繰り返しす
6    焼香を終えたら合掌して一礼
7    隣の人へ香炉を回す

焼香の作法【回数・本数】
線香
焼香には、宗派による抹香を香炉へくべる回数にまつわる習わしが存在し、少なくて1回、多いと3回行います。
さらに、抹香を香炉へくべる際に額へおいしいただくかどうかも宗派によって変わってきます。

また、通夜や法事および法要の際には抹香に限らず線香を立てることも多くなっており、その際の本数にも宗派による違いが現れます。
以下、宗派ごとに定められた焼香の回数・その際の作法・線香を用いる際に立てる線香の本数の一覧になります。

宗派    回数    作法    線香
浄土宗    自由    自由    1本
浄土真宗本願寺派    1回    おしいただかない    1本
浄土真宗大谷派    2回    おしいただかない    1本
真言宗    3回    おしいただく    3本
日蓮宗    1回    おしいただく    1本
日蓮正宗    3回    おしいただく    3本
曹洞宗    2回    1回目のみおしいただく    1本
臨済宗    1回    自由    1本
天台宗    自由    自由    3本
焼香の回数に関しては、こちらもご覧ください。

焼香の回数で正しいのは?抹香の回数の意味や本数、NG例も紹介【宗教別】
第三人生編集部

焼香の作法【順番】
順番
焼香では、それを行う順番を理解しておくこともも大切な作法です。
そこで押さえておきたいのが、 焼香順位に基づく焼香の分類 と 焼香順位帳の作成 です。

焼香順位に基づいた焼香の分類
焼香は、一般的に故人との関係が近い人から順に行われます。
大きな括りで分けると 親族焼香 と 一般焼香 でしょう。

しかし、葬儀の規模が大きくなると 親族焼香 と 一般焼香 だけでなく、地域の代表者や公職関係者であったり、会社や団体の代表などの焼香が間に挟まれるなど、焼香を行う順番が一般的なケースと異なってくることもあります。

今述べたような焼香順位に基づいて分類された焼香が以下の通りです。

代表焼香
指名焼香/来賓焼香
止め焼香
代表焼香
代表焼香 は、多くの人がイメージしやすい一人ずつの個人単位で行われる 個人焼香 とは異なり、会社や団体などの代表として選ばれた人物が行う焼香です。

生前、故人と関わりのあった会社や団体に属している人物全員が順に焼香を行なっていてはとても長い時間がかかってしまうため、その時間を短縮すべく行われています。
基本はその会社や団体の中から代表者を立て、その人物が代わりに焼香を行うという形がベターになっています。

指名焼香/来賓焼香
地域によっては 指名焼香 もしくは 来賓焼香 と呼ばれる形式の焼香が行われているところもあります。
これは、国会や地方議会の議員・会社や団体の代表・町内会の会長・なんらかの団体の代表をその葬儀の来賓として指名し、その人物によって行われる焼香のことをさします。

指名する人物や、その順番などは喪主や施主が決定するのですが、なかなか決めかねるところでもあるので、悩む場合には、地域の慣習を参考に葬儀社に相談するなどしましょう。
基本的な順番としては、親族焼香→指名焼香/来賓焼香→一般焼香をイメージすると良いでしょう。

止め焼香
頻度としては少ないですが、焼香の順番を原因としてトラブルが発生することもあるようです。
そのようなトラブルを避けるべく考え出されたのが 止め焼香 と呼ばれるもので、西日本を中心に行われています。

焼香は、故人との関係性が近い人から順に行うのが一般的で、喪主→遺族/親族→その他参列者といった順番になります。
しかし、止め焼香では、親族うちの一人の焼香順を一番最後に持っていくことで、参列者の方々へ焼香が順不同で行われていることを承知してもらい、トラブルを避けるのです。

ここでの親族代表には 故人の兄弟姉妹 などの喪主を除いた故人との関係性の近い人物を選びます。

焼香順位帳の作成
早い段階で、地域や会社の代表者の告別式への参列が予想された場合には、告別式前日に行われるお通夜までに、告別式の 焼香順位帳 を準備しておくことを推奨します。
また、告別式の席次を決める際には、この順位帳を元にします。

焼香順位帳の作り方
親族の焼香順位帳 の作成には以下の一覧を参考にしてみてください。

順番    人物
1    (葬儀委員長)
2    喪主
3    故人の配偶者
4    喪主の妻
5    喪主の子
6    喪主の兄弟/姉妹
7    伯父/伯母(故人の兄弟/姉妹)
8    故人の配偶者の親戚
9    喪主の妻の親
10    喪主の妻の兄弟/姉妹
11    喪主の従兄弟/従姉妹
対して、地域や会社の代表の方々の、 指名焼香の焼香順位帳 の作成には以下の一覧を参考にしてみてください。

順番    人物
1    町内関係者
2    自治体の首長(区長/市長)
3    議員(国会議員/区議会議員/市議会議員)
4    故人の関係団体
5    喪主の関係団体

正しい作法で焼香を行えるように
冒頭でも述べたように、焼香は自身の心身を浄化したのちに、香りを故人へ届けるといった役割を担っています。
どのような作法であっても抹香の香りは室内を満たしてくれますが、故人や遺族の方を前にした焼香は、きちんとした作法で行いたいものです。

この記事では、焼香を行う際の持ち物から、実際の手順の仕方や特に注意すべき回数、本数、順番等についても紹介してきました。
また、焼香は宗派で作法が大きく異なるので、適宜相手方の宗教を確認して、不作法のないよう行いましょう。

この記事が、皆様の焼香にまつわる知識を深めるお手伝いができることを祈っています。
焼香に関しては、こちらの記事もご覧ください。

焼香の正しいやり方とは?意味や回数、宗派ごとの作法も解説
第三人生編集部

RELATED