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葬儀

2024.04.30

玉串奉奠とは神葬祭で行う儀式!由来や流れ、使用するものを解説

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玉串奉奠とは何かをご存知でしょうか?
玉串奉奠とは神葬祭で行われる行事の一つであり、神前に玉串を捧げ供える儀式のことをさします。手順がかなり複雑なので、特に実際の手の動きや礼の仕方も踏まえつつ、解説を行ってきます。

玉串奉奠とは
玉串奉奠は玉串を捧げ神前に供える儀式 をさし、御宮参りや七五三、神道式の結婚式にあたる神前式等、神道の様々な場面で行われる儀式です。
また、神式の葬儀では仏教式では流れの一つとして行われる焼香が無く、代わりの儀式として玉串奉奠が行われます。

なお、文字についてですが、玉串は、古来から神聖な植物とされた榊と呼ばれる常緑樹に、稲妻を模した形に長方形が幾つも連なった紙垂(しで)を付けた神道特有の道具を指します。
奉奠は 「つつましく神前に何かを捧げる事」 を意味します。


玉串奉奠の由来
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玉串奉奠の元は古事記内の神話と語られる物の一つ、「天の岩戸(いわや)の隠れ」に端を発してます。

具体的な内容も含めて、由来を絡めて説明を行うと、天の岩戸に籠ってしまった天照大御神(アマテラスオオミカミ)が出御した際に、他の神々が榊の枝に宝玉や鏡等をかけて仰いだことから「玉串を神に向けて捧げる行為」が行われていました。

玉串奉奠の語源由来
玉串奉奠に関する語源的な由来としては、江戸時代の国学者、本居宣長と平田篤胤がそれぞれ考えを述べています。

本居宣長は神に対して供物をささげる意である「手向串(たむけぐし)」が元であるとしてます。
一方、平田篤胤は玉串が元は「天の岩戸(いわや)の隠れ」の記述にあるように榊の串に玉(宝玉)を付けた物としたからと述べてます。

これらの二人の国学者の述べた説の他には「魂(たましい)」の「玉(たま)」を語源の始まりとする物が挙げられます。


玉串奉奠の流れ
手順・流れ
まず、玉串奉奠を行う人の流れについて解説を行います。
玉串奉奠を行う人の順番は儀式により違いがあります。

以下に

葬儀
結婚式
の二つの例を述べていきますので、混同しないよう注意して下さい。

玉串奉奠を行う人の順【葬儀】
順    行う人物
①    斎主
②    喪主
③    故人の直系の親族
④    故人の親族
⑤    参列者
玉串奉奠を行う人の順【結婚式】
順    行う人物
①    新郎・新婦
②    媒酌人
③    親族
玉串奉奠の手順
以下が、実際に玉串奉奠を行う際の手順の概略です。

順    内容
①    玉串の受け取り
②    神前へ進む
③    一礼した後、祈念
④    玉串を供える
⑤    拝礼した後、神前から下がる
実際に行う際にはかなり細かい作法があるので以降で解説を行ってきます。

玉串奉奠の手順①玉串の受け取り
自身の番が来たらまず、神職、巫女のどちらかが玉串を持ってくるので一礼します。
神職の方々は受け取り側の右側に枝部分、左に葉の先端部分が来るように渡して下さいます。

右手で神職の方が触れてない枝の部分を上から握り込むように持った後、葉先部分の下に位置するように左の手のひらを入れて下さい。

玉串奉奠の手順②神前へ進む
右手と左手の位置は変えず玉串は横にした状態で、神職が離れます。

横向きにしたまま、胸元まで掲げて持ち神前の方まで進んだ後、 玉串案と呼ばれる台が近くにあるので、台の場所では止まりましょう。

玉串奉奠の手順③一礼した後、祈念
一度神前に向けて頭を下げます。
再び顔を上げた後は、玉串の向きを変え、祈念を行います。

祈念の際には祈りを捧げながら、 玉串を横向きから縦向きに持ち変えます。

時計周りで回し、右手が枝先を握ったまま手前に来るように移動させます。
左手は神前に葉先が向けられるように葉の多い部分の枝を支えて持ちましょう。

縦向きにし、立てた状態のまま胸元に枝を持った右手が位置する形で掲げ、祈りを捧げましょう。

玉串奉奠の手順④玉串を供える
捧げる際には神前に根元部分が来るように、先ほどまでの右左の手が持っていた位置を逆にすることで、玉串の向きを再び変えます。

まず、左手はそのまま枝の部分を持ったまま、 右手を一度離し、真ん中部分を下から掬い挙げるように持ちます。
左手が持つ部分よりも下の部分の枝を右手は持つ ようにしましょう。

その後、 枝の部分が神前に向くように、左手は動かさず、右手を葉先の方に移動させ、少しずつ時計回りの向きで回転させてきましょう。

回転が終わった後は玉串は正しい向きとなっているので手は動かさず、 左側の足から一歩前に進んだ後右足も続き、揃えます。
その後は 玉串を台の上に置き 、進んだ時とは逆の順序で足を動かします。

右足から一歩下がり、左足を右足の位置に合わせて揃えます。
以上で玉串奉奠に関しては終了です。

玉串奉奠の手順⑤拝礼した後、神前から下がる
玉串奉奠を終えた方が足をそろえた後は、「拝礼」を行います。
二礼二拍一礼が正しい拝礼のやり方であり、実際の流れを以下に示します。

順    内容    行動
①    二礼    二回神前に向けて頭を下げる
②    二拍    顔を上げた後、二回拍手を行う
③    一礼    もう一度神前に頭を下げる
神前に向かいもう一度深々と頭を下げます。
その後、 静かに二歩程下がり、神職の方々や参列者の方々に向けて一礼した上で、自身の席へ戻ってください。

玉串奉奠の注意点
特に葬儀に関してですが、玉串奉奠につい実際に行う際の注意点としては

忍び手の有無
拍手の回数の違い
足の歩み方
が挙げられます。

法要の場では二拍は音を立てずに
弔事にあたる場では、二拍は音を立てずに行います。
手を何度か離したり、手のひら同士をそっと重ね合わせる程度に留めておきましょう。
対し、 結婚式等の慶事の出来事では音を立てて拍手を行います。

拍手の回数
回数については神社により回数が変わる事があるので、予め神主の方などに確認をとりましょう。

足の歩み方
入る時は左足で、退出する時は右足から動かします。
玉串奉奠は手も複雑ですが足の動かし方にも注意を払うようにして下さい。


玉串奉奠の使用物
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玉串奉奠では玉串を使い一連の儀式を行います。
ここでは、使用物として主に玉串についての解説を行います。

玉串とは
玉串は神道における払い具の一つであり、

榊(さかき)
紙垂(しで)
の二つの部分に分類する事が可能です。


始めの方にも書きましたが、榊は主に神道において使用される植物です。
古来より、日本は八百万の神として自然にある岩や木々を信仰し、神が宿る場所としていました。

神が宿っているとされる木々や岩々の周囲も神聖なる場所とし、常緑樹を植えて囲む習慣がありましたが、そこにも榊が含まれていたとされています。

玉串奉奠での玉串以外にも、現代でも榊は神棚へのお供えとして、また神社でも飾りとして使用されます。

紙垂
紙垂は、稲妻を模した形になるように和紙を切り折りして作られます。
玉串の他、神社やご神木等のしめ縄などに括り付けられ、身近に目にする事も多いです。

紙垂は俗世と神聖な場所の区切り、結界としての役割を担う 事から、祓い具として玉串に付けられてます。


【コラム】神葬祭のマナー
神道の形式に則った葬儀を神葬祭といい、玉串奉奠はその中の一つの儀式として行われる事もあります。

神道の方が頻度は少ないとは言えど、宗派が違えば形式も異なるため、仏式の形に慣れている方は注意が必要です。

特に注意すべき点に関してここでは解説を述べてきます。

手水の儀
葬儀を行う前に参列者は全員、手と口を水で清めます。
この行為を手水といいます。

手水も玉串奉奠と同じく手順に決まりがあるので注意して下さい。

順    手水の儀の内容
①    柄杓で桶の水を汲む
②    左手に水をかける
③    右手も同様に水をかける
④    左手にもう一度水をかける
⑤    口を左手に残った水ですすぐ
⑥    懐紙等で手を拭く
服装・持ち物
服装に関しては仏教形式と同じく喪服の着用で十分です。

男女ともども黒を基調とした服を着用し、小物等も黒で合わせます。
結婚指輪以外のアクセサリー類は基本身に着けないようにして下さい。

仏教の法事関係に参列する際には必須である数珠は持参しません。

香典
神葬祭に参列する際に渡す香典の表書きと水引に関しては以下の表の通りです。

表書き    水引
御霊前・御玉串料    黒白・双銀
蓮の花・百合の花が描かれてない封筒を使用し、金額は包んで下さい。

玉串料とは?由来は?初穂料との違い・使い分け、のし袋も!
第三人生編集部

挨拶の言葉
神道なので当然の事ですが、仏教用語は使用しません。

法要の際などでよく使いがちな仏教用語としては

成仏
供養
冥福
が挙げられます。

危うく使いそうになる言葉が多いですが、 「御霊」や「平安」 等の言葉に適切に言い換えて話して下さい。
神葬祭に関しては、こちらも参考にしてください。

神葬祭とは?流れ・服装・費用!神棚封じや玉串奉奠、香典も解説
第三人生編集部

手順を覚えた上で玉串奉奠に臨む
今回の記事は玉串奉奠について以下の順で解説を行ってきました。

特に玉串奉奠は玉串の回し方を始めとして、右手や左手の動き方、礼を行う箇所、足の運び等、手順が複雑です。

一連の玉串奉奠の行う段階において、主な要点は以下のようになります。

最初玉串を受け取る時は右手で枝を、左手で葉の部分を持つ
横の状態のまま玉串は運び、神前で時計回りに回して縦向きにする
祈念の際には枝が神前に向くよう回す
置いた後には拝礼を行う
必ずしも完璧に行う事はありませんが、神式の行事に臨む際にはある程度は覚えて置くようにして下さい。

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