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葬儀

2024.04.30

海に散骨する海洋散骨とは?費用はいくら?当日の流れや散骨業者の選び方も解説

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海洋散骨、少し前までは、あまり耳馴染みのない言葉でした。ですが近年では、耳にしたことがある人も多くなったのではないでしょうか。

遺骨の行き先が様々となった現代で、海洋散骨もまた、様々プランや、様々な場所で行われるようになりました。

ここでは、当日の流れや費用など、知っておきたい基本情報を紹介していきます。

そもそも海洋散骨は法律上許可されている?

人間の遺骨に関する法律として、 「墓地、埋葬に関する法律」 というものが存在します。

この法律には、 遺骨は必ずお墓に埋葬しなければならない 、といった文面はありません。

ですが、 「墓地外の埋葬等の禁止」 という項目において、 「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に行なってはならない。」 という文面が存在します。

そのことから、 遺骨をお墓以外のところに埋めるという処分方法 は法律で禁止されています。
では、散骨はどうなるのでしょうか。

結論から言うと、 散骨は違法でもなければ合法でもない 、というグレーゾーンであると言われています。
実際、節度をもった散骨であれば、罪に問われたり、咎められたりという事案は存在しません。

刑法190条の死体等遺棄罪では、遺骨を遺棄すると3年以下の懲役刑と定められており、火葬後の、原型を留めた遺骨をそのまま放るのは遺棄罪に問われてしまいます。

ですが、 粉骨 という手順を踏み、パウダー化された遺骨を適切に撒くのであれば問題はありません。
粉骨に関しては、こちらもご覧ください。


海洋散骨の仕方
骨壷 遺骨
海洋散骨の仕方は大きく3つに分かれます。

遺骨を袋から出しながら散骨する
遺骨を袋から手にとり散骨する
遺骨を袋のまま投げ散骨する
遺骨を袋から出しながら散骨する
この方法が、 一般的な散骨の仕方 です。
なるべく 低い位置 に袋を持っていき、 少しずつ 海に出すようにしましょう。

風上 から行うようにしてください。
自分が立つ場所が風上で、 海が風下 になるように場所を選択します。

遺骨を袋から手にとり散骨する
この方法は、 遺骨を直接手で掴み散骨する方法 です。
故人の方に対する愛情の強さを示すことができる方法です。

終了したら、海水で手を洗うようにしましょう。

遺骨を袋のまま投げ散骨する
この方法は、 遺骨の入りの袋を直接海に投げ込む方法 です。
風の強い日には、オススメの方法です。


海洋散骨が人気な理由
海と花
核家族化、少子高齢化、不安定な雇用情勢、これらのことから、お墓を買うことを困難とする人も少なくありません。

仮にお墓を買ったとしても、お墓を守っていく人がいなくては、将来的に 故人が無縁仏 になってしまう。
そのような背景から、墓じまいを考える人も増えてきました。

それだけでなく、狭いお墓に入るよりも、自然の中で自由に、または故人の 自然回帰願望 があったりもします。
故人側の願望としても、遺族側の願望としても、今後も 海洋散骨の需要が高まっていく のは間違いないでしょう。


海洋散骨のメリット・デメリット
次に、海洋散骨のメリット・デメリットに関して見ていきます。
海洋散骨をしようか迷われているかは、参考にしてみてください。

メリット
まずは、海洋散骨のメリットをみていきます。
海洋散骨のメリットは以下のようになります。

墓地や霊園でお墓を建てる場合より費用が抑えられる
どの宗教や宗派でも行える
管理費などの経費が不要
継承者を気にしなくてよい
組織に入会しなくてよい

デメリット
海洋散骨のメリットは沢山あります。
しかし、メリットがある分デメリットも出てきます。

海洋散骨のデメリットは以下のようになります。

家族と一緒に永眠することが不可能である
天気によって日にちが変更する事がある
事前に粉骨をしなければいけない
お墓のような明確に手を合わせる場所がない
改葬を行うことができない

海洋散骨の費用は粉骨代金と散骨の合計金額
お墓掃除代行 費用
散骨をおこなう前には、必ず粉骨を行わなければなりません。
ここでは、粉骨自体にかかる費用と、散骨にかかる費用、二つに分けて紹介していきます。

粉骨

粉骨が行われて、 1年以内の散骨は推奨 されています。
しかし、それ以外にこれといって注意すべき点はなく他の遺骨などと混ざらないよう細心の注意も払われているようです。

粉骨の金額は 骨壷のサイズ によって決定します。
また骨壷を持ち込むか、郵送するかによっても異なってきます。

海洋散骨
海に遺骨を撒く海洋散骨では、当然のことながら海に出るために船が必要となります。

自身で船をチャーターして行うことも可能ですが、費用の面で見てみると、 業者に依頼して行う方が安くつく でしょう。

故人の意向などもあるでしょうが、国内での散骨の方が、海外で行うよりも安いです。
また、業者で行う海洋散骨には、大まかに分けて3つの種類が存在します。

委託代行 →業者に遺骨を預け、散骨を行なってもらう
合同乗船 →複数の家族が相乗りし、依頼主自らが乗船し散骨する
チャーター船 →ひと家族で船を貸切り、依頼主自らが乗船し散骨する
それぞれの相場は以下の通りです。

タイプ    費用
委託代行    5万円前後
合同乗船    10万円前後
チャーター船    20〜30万円
委託代行 では、自身が乗船することはできず、散骨の場に立ち会うことはできませんが、費用がかなり安く抑えられます。

対して、 チャーター船 では費用は高くつきますが、故人との別れの時間を遺族のみでゆったりと過ごすことができます。


海洋散骨の業者を選ぶポイント
海洋散骨の業者を選ぶポイントは大きく3つあります。

お店が実際に実在するか調べる
複数の業者に見積もりを依頼する
延期になった際の対応を確認する
お店が実際に実在するか調べる
業者を選択する際は、インターネットだけをみて選ぶのをやめましょう。
電話番号がわかる場合は、 実際に電話する ようにしてください。

グーグルの地図などを使用し、場所がどんな所なのか調べてみるのも良いです。
できれば、 法人で運営している所に任せる のが安心です。

複数の業者に見積もりを依頼する
見積もりを依頼する場合は、 複数の会社から取り寄せする 事をお勧めします。
散骨の値段は、一社見ただけでは分かりません。

複数の業者の資料をみて、 希望に合うものを選択する ようにしてください。
不明な点は、電話をして確認するようにしてください。

延期になった際の対応を確認する
海洋散骨は、天気によっては希望した日に行えない場合があります。
その際には、 料金や日程はどうなるのか、しっかり確認する ようにしてください。

海洋散骨の準備
ここでは、海洋散骨を業者に依頼する際の準備について紹介します。

お問い合わせ
散骨の日程の仮予約
本申し込み
支払い
必要書類の準備
訪問打ち合わせ
粉骨
海洋散骨
お問い合わせ
ネット上のお問い合わせフォームや、電話などから、 気になった業者に問い合わせ ます。

ここで、担当者から 海洋散骨に関しての説明 を受けたり、 見積書を作成 してもらったり、 依頼主に合わせた海洋散骨の提案 をしてもらいます。

散骨の日程の仮予約
海洋散骨を行う日の希望を担当者に伝え、 仮の予約 を入れてもらいます。

これは、申し込みの先着順となる場合がほとんどなので、希望の日が決まり次第、 早めに連絡を入れる ことをオススメします。

本申し込み
各業者所定の申込書に 必要事項を記入して、提出 します。

この際、家族・親族の全員の同意を得ているかどうか確認されることがあるので、 あらかじめ同意を得ておく ようにしましょう。

支払い
業者によっては、申し込み後の 一定期間内に内金の支払い請求を行う ところもあります。

また、内金を除いた散骨費用についても、散骨を行う日までに支払いを求める業者が多いため、 契約内容に応じて支払い を行います。

必要書類の準備
遺骨の身分証明書の準備 をします。
火葬・埋葬許可証、死亡届出書、改葬許可書、除籍謄本、のいずれかの コピーが利用可能 です。

紛失してしまった場合には、 市区町村の戸籍係で再発行を行うことができる ので、あらかじめ手続きを済ませておきます。

訪問打ち合わせ
遠方の場合は発送になるケースもありますが、一般的に業者指定範囲内の場合は、 担当者の方が訪問打ち合わせにくる 場合があります。

そこで担当者の方との打ち合わせ、遺骨の受け渡し、必要書類の提出などを行います。

他にも、故人が生前好きだった音楽を流してほしい、などの要望がある場合は、このタイミングで相談しておくと良いでしょう。

粉骨
散骨を依頼した業者に、粉骨も依頼した場合は、このタイミングで 粉骨 が行われます。
業者によって異なりますが、 粉骨に立ち会うことや、骨壷の炊き上げなどを行なってくれるところもある ようです。

海洋散骨
予約をした日時に、指定された場所に 集合 します。
当日の流れや、船上での注意点などの説明を受けた後に 出航 です。


海洋散骨当日の流れ
海洋散骨 手順
さて、ここでは海洋散骨の当日の流れについて、大まかに5つに分けて説明していきます。

1. 集合
業者指定の場所へ集合 します。
ここでは、その日1日のスケジュールであったり、航路の説明などが行われます。

また、依頼主も乗船する場合は、船が大きく揺れることもあるので、前もって 酔い止めの薬などを飲んでおく ことをオススメします。

2. 出航
委託代行の場合は、ここで 遺骨を預かって乗せて出航 します。
希望があれば、 港で見送ることも可能 です。

3. 散骨
散骨ポイントに到着したら、 散骨の開始 です。
水溶性の袋に入った状態で、海へ散骨を行います。

委託代行の場合は、業者の担当者が、依頼主自身も乗船される場合には、自身で海へ遺骨を撒きます。

4. 献花、献酒等
遺骨に続いて、 季節の花等を献花し、献酒、献水 と続きます。
これも散骨同様、委託代行では担当者が、依頼主も乗船される場合は、依頼主が行います。

献花に関しては、こちらもご覧ください。

献花とは?選び方や金額費用、やり方のマナーを解説!献花料も
献花とは?選び方や金額費用、やり方のマナーを解説!献花料も
お墓・霊園比較ナビ編集部
5. 帰港
全て終わると、散骨スポットから離れ港へ戻ります。


海洋散骨当日の服装
海洋散骨 服装
ほとんどの海洋散骨の業者で、服装は喪服ではなく、 普段着を推奨 しています。
それにはいくつかの理由があります。

自由な葬送
近隣の方への配慮
船上での安全面
自由な葬送
海洋散骨を依頼する方々は、多くが無宗教であったり、宗教ごとのしらがみを望まないことを理由としています。
喪服 というのは、葬儀などを彷彿とさせる宗教的なシンボルです。

そのため、しきたりにとらわれない、現代的な遺骨の行き先である海洋散骨では、 服装もしきたりにとらわれないことが適切 としています。

近隣の方への配慮
海洋散骨は法律的に全く問題はありません。
ですが、社会的に見て、近隣の方全員の同意や納得を得ているかと言われれば、それは否です。

その海で漁をしている方などの中には、海洋散骨に反対の方々も少なくありません。
そのような方々に不快感を与えることがないようにするためにも、喪服ではなく普段着の着用が求められています。

船上での安全面
航行中、船上が大きく揺れたり、水しぶきが舞ったり、と 船上は滑りやすくなっています 。

依頼主自身の安全面などからも、服装は着慣れた普段着、靴はゴム底のスニーカーなど 履き慣れた靴が推奨 されています。


海洋散骨の注意点

海洋散骨をする際の注意点は、4つあります。

粉骨を忘れない
散骨場所選び
公共の場での振る舞い
散骨中
粉骨を忘れない
粉骨を行なっていない状態での散骨は違法です。
必ず、 一片が2mm以下のパウダー状にする ことを忘れてはいけません。

散骨場所選び
どこの海でも散骨していいというわけではなく、 問題の起こらない海域 を選ばなくてはなりません。

陸から一定距離離れていること、漁業権範囲や養殖設備から一定距離離れていること、船の通りが多い航路周辺ではないこと、などが挙げられます。

人目につく場所などは、問題に発展しやすいので、できる限り避ける方が良い でしょう。

公共の場での振る舞い
公共の港や、公共の桟橋では、 一般の方とのトラブルを避ける 必要があります。

一般の方へ、海洋散骨を連想させないためにも、 普段着であること、遺骨や遺影などはカバーをかけること、散骨後の処分品は必ず持ち帰ること、などの配慮が必要 です。

散骨中
散骨する際にも気をつけるべき点が数点あります。

まず、金属やビニール、プラスチックなどの 自然に戻らないものを海に撒かないこと、お花やお酒も節度を守った量で、過度には撒かないこと 、などです。


骨を海洋散骨するのは全部?一部?
はてな
海洋散骨の際には、 骨の全てを散骨するか、一部のみを散骨するか の選択があります。
全て散骨される方と、一部のみを散骨される方の割合は半々です。

前者を選択される方の理由 は、故人の生前の遺言「遺骨の全てを散骨してほしい」によるものがほとんどです。
後者を選択される方の理由 は、遺骨を全て撒いてしまい、遺骨が少しも手元に残らないのは寂しい、といった遺族の感情が一番です。

そのような方の、残りの遺骨の供養の方法としては、 持っているお墓へ埋葬する、お寺で永代供養をする、手元供養を行う 、など様々です。

故人や、遺族それぞれの考えを尊重した上で、選択を行うことが重要です。


しきたりにとらわれない散骨を
近年では、自分の遺骨は海に撒いてほしい、なんて会話を耳にすることも多くなりました。
ですが、いざ、海洋散骨に踏み切るとなると、遺族の方も勇気がいるものです。

故人の意向に沿ってあげたいけど、少し不安、などという方は、ぜひ参考にしてみてください。
故人と遺族の方、皆さんが納得のいく海洋散骨が行われることを願っております。

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