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葬儀

2024.04.30

遺言書の書き方には種類がある!自筆証書遺言・各種類の書き方を紹介

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遺言書について、皆さんはどのようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか。
以前も現在も、遺言書の数は死亡者数に対してまだまだ少ないのが現状です。

しかし、かつてに比べ遺言書を作成する人は確実に増えてきています。
遺言書には子供たちの相続トラブルを減らせるなど、メリットが多くあります。

今回の記事では、そんな遺言書の書き方に関して見ていきます。

遺言書とは
遺言書
そもそも 遺言書とは、故人が生前に残した書面のこと を言います。

「故人の遺産を誰に渡すのか」「子どもが未成年だった場合の後見人の指定」など、遺言書があることで故人の遺志に従って事前に決めることができます。

しかし、 遺言書が法的な効力を発揮するためには、法に従った形式で作成しなければいけません。

遺言書の増加
増加
冒頭でもお話しましたが、作成する人は死亡者数に対してまだまだ少ないのが現状です。

しかし日本公証人連合会HPによりますと、遺言公正証書作成件数は平成19年に74,160件に対して9年後の平成28年には105,350件と およそ1.4倍に増えています。

増加している背景としては、以下の2点が挙げられます。

高齢化
我々のイメージの変化
近年の日本では深刻な高齢化が進んでいます。
高齢者が増えたことで、遺言書に対して関心を持つ人が増えてきているようです。

加えて、我々のイメージの変化も背景として見られます。

最近ではテレビや新聞などのマスメディアによってメリットが取り上げられることが多くなり、「遺言書は作っておいた方が良い」といったイメージを持つ方が増えてきているのです。

そのほか、終活に関してはこちらの記事も参考にしてください。

終活はいつから始めればいいの?終活のタイミングとメリットも解説!
第三人生編集部

遺言書の種類
遺言書
実は作り方によっていくつか種類が分けられることをご存知でしょうか。

大きく以下の4種類に分かれています。
まずは、それぞれについて見ていきます。

自筆証書遺言
公正証書遺言
秘密証書遺言
特別方式遺言
自筆証書遺言
字の通り、 自分で執筆した遺言書 のことを指します。
自分で書くので簡単に作成することができます。

しかし、 法律的な効力を発揮するためには法律で決められた形式で書かなければいけません。

万が一、 形式を間違えてしまった場合、効力を発揮しない ので注意が必要です。

また、自身で保管しますので偽造や紛失などの恐れも挙げられます。

公正証書遺言
公証役場 で 公証人 と共に作成する遺言書のことを指します。

公証人とは
公証とは特定の事実が法律的に効力のあることを証明・認証すること を指します。
それができるのが公証人です。

公証人は裁判官や検察官などの業務を長年行ってきた方が務めます。
公証役場とは公証証書の作成などを行う役場のことです。

秘密証書遺言
公証人に証明してもらった、自分で書いた遺言書 のことを指します。

自分で書いたものを公証役場に持っていく 必要があります。
字の通り、内容を秘密にしておきたい時に使うことができます。

自筆証書遺言    公正証書遺言    秘密証書遺言
執筆者    本人    公証人    本人
有効期限    なし    20年(保管)    なし
費用    なし    財産に応じた手数料    役場手数料
証人    不要    2人以上    2人以上
偽造性    あり    なし    なし
秘密性    存在・内容    全公開    内容のみ
保管方法    本人    役場    本人
特別方式遺言
特別な状況の時にだけ有効な遺言書 のことを指します。

あくまで緊急時の特別的な措置として使用されます。
遺言者が作成後6か月後も生存している場合、無効となります。

特別な状況とは大きく以下の2つに分けることができます。

危急時
隔絶地
危急時
危急時は以下の2つに分けることができます。

一般危急時
難船危急時
一般危急時とは病気や怪我などによって命の危険がある場合のこと です。

一方、 難船危急時とは飛行機や船などに乗っている際に命の危険がある場合のこと です。

隔絶地
隔絶時は以下の2つに分けることができます。

一般隔絶地
船舶隔絶地
一般隔絶地とは伝染病などで隔離されている、刑務所に服役しているなどの場合のこと です。

一方、 船舶隔絶地とは航海など、陸地から長期間離れる場合のこと です。
船舶隔絶地では、飛行機は長期間ではありませんので該当しません。

自筆証書遺言の書き方
書く
自分で書くことができる遺言書です。
しかし、法律の効力を発揮するには厳しい形式を守る必要があります。

本人が手書き
日付・署名・押印
書く紙・筆記用具
家庭裁判所での検認手続き
内容は正確に漏れがなく
遺留分
本人が手書き
自筆証書遺言は必ず自分で手書きしなくてはいけません。

第三者の代筆箇所が一部分であったとしても無効となります。
記録が残るからと言って、 パソコンや録音・録画などは認められていません。

全文をすべて手書きするということは、相当の労力が必要です。
以前は不動産の情報なども手書きする必要がありました。

しかし、2019年から民法の改正により、 財産の目録を別紙に付ける場合はパソコンなどの使用が認められています。

しかし、本文に関してはすべて手書きが条件となっています。

日付・署名・押印
遺言の内容と別に、 日付・署名・押印が必要です。

民法第968条第一項に、「遺言の内容全文・日付・氏名を自筆し、印を押さなければいけない」と定められています。

一つでも不足していますと無効となります。

日付は「令和○年○月○日」のように何年の何月何日なのか分かるようにします。
「60歳の誕生日」など何年の何月何日か分かる場合は認められます。

稀に「○月○日吉日」とする方がいらっしゃいますがこれでは不適切となります。

署名は必ずフルネームです。

押印に関しては認印でも問題ないとされていますが、なるべく実印であることをお勧めします。

※実印とは役所に登録したハンコのことです。

書く紙・筆記用具
自筆証書遺言では、記入する紙や筆記用具の指定は特にありません。
自分の好きな紙や筆記用具を使用することができます。

筆記用具に関しては、改ざんなどの恐れがありますので 鉛筆などを消せるものは避け、ボールペンを選択する ことをお勧めします。

少なくとも1年は保管することを想定しておくと良いかと思います。
そのため 紙もなるべく劣化などを想定し、長期間保管できるもの を選びましょう。

家庭裁判所での検認手続き
上記のポイントがしっかり守られていて内容もしっかりした内容であったとしても、家庭裁判所での検認が行われないと効力を発揮しません。

遺言者が亡くなった後に、保管者などが家庭裁判所に提出します。
ちなみに、検認とは遺言書の内容を明確にすることで有効か無効の判断を行うものではありません。

自筆証書遺言の保管
引き出し
完成した遺言書は保管して置いておく必要があります。
保管の際は以下の2つのポイントを知っておくと良いかと思います。

封筒で封をする
保管制度
封筒で封をする
これはあくまで封をしなければいけないというわけではありません。

自宅で保管することが多いため、 改ざんなどを防ぐため封をしておくことをお勧めします。

また、封をすることで劣化などの対策にもなります。

保管制度
2020年の7月10日に自筆証書遺言の保管制度が施行される予定 となっています。
法務局の保管所に保管することができ、家庭裁判所の検認が不要となります。

自宅に保管すると、根本的に遺族に見つけてもらえずに終わるケースや相続人が改ざんしてしまうケースがあり問題となっていました。

その対策としてできたのがこの制度です。

公正証書遺言の書き方
公証役場
公正証書遺言の作成作業は、すべて公証人が行ってくれます。
詳しくは、日本公証人連合会のホームページをご参照下さい。

ここでは、作成の流れを見ていきます。

順番    内容
①    遺言内容の整理
②    証人の決定
③    必要書類の準備
④    公証人との打ち合わせ
⑤    公正証書遺言の作成
①~③までが事前に自身で行う作業です。
それではそれぞれ見ていきます。

①遺言内容の整理
公証役場で遺言内容を決めるわけにはいきません。
公証人との打ち合わせ前に内容を決めておきましょう。

②証人の決定
次に証人を決める必要があります。
公正証書遺言では、遺言者・公証人以外にその場で証人2名の署名、押印が必要です。

証人の条件は以下の通りです。

遺言内容が読める・理解できること
成人していること
遺言の利害関係者、その配偶者、その直系血族ではないこと
公証人の配偶者、4親等内の親族ではないこと
公証役場の職員ではないこと
証人は公証人側に用意してもらうことも可能です。

③必要書類の準備
遺言書を作成するうえで以下の書類が必要です。

遺言者の本人確認書類
遺言者と相続者の戸籍謄本(続柄が分かるもの)
相続人以外の遺贈する人の住民票
不動産の登記簿謄本など(財産に関する書類)
④公証人との打ち合わせ
以上をもとに公証人と遺言内容に関して打ち合わせを行います。
打ち合わせは直接会って行うことはもちろん、電話などでも可能です。

⑤公正証書遺言の作成
遺言書の内容が決まったら、いよいよ公正証書遺言の作成を行います。
作成に関しては公証人側が行ってくれます。

遺言者は証人2名と共に公証役場に向かいます。
公証役場で再度、遺言書の確認を行います。

不備がないことが確認されたら、遺言者・公証人・証人2名の署名・押印をすれば完成です。

遺言書は公証役場が保管してくれます。

秘密証書遺言の書き方
文字を書く
秘密証書遺言は自筆証書遺言と同様、遺言者本人が作成する遺言書です。

そのため 自筆証書遺言の書き方と大差はありませんが、1つだけ大きな違いがあります。

それは、 署名以外はパソコンなどで作成しても問題ない 、という点です。

自筆証書遺言は基本的に全文手書きですが、 秘密証書遺言は署名さえ手書きであればそれ以外はパソコンなどで作成可能です。

そもそも秘密証書遺言は自分で作成した遺言書を公証人の前で確認します。
そのため、改ざんされる可能性が非常に低いためです。

秘密証書遺言作成の流れは以下の通りです。

順番    内容
①    遺言者自身が遺言書の作成
②    遺言書を封印
③    公証人・証人2名の前で公証役場に遺言書の提出
④    遺言者・公証人・証人2名の署名・押印
⑤    完了
上の流れを見ていただけば分かる通り、秘密証書遺言の内容に公証人は一切関与しません。

自身で作成した遺言書を公的に認めるのが特徴です。

また、公証人・証人2名には遺言書の存在が明らかになりますが、内容も開示されないので秘密のものとして扱われます。

ただし注意点としまして、 遺言書の内容自体に不備があった場合、無効になる可能性がある ことです。

作成の際には細心の注意を払いましょう。

特別方式遺言の書き方
方法
先ほども申しました通り、特別方式遺言は以下の4つに分けることができます。

一般危急時
難船危急時
一般隔絶地
船舶隔絶地
それぞれの書き方について見ていきます。

一般危急時
一般危急時の遺言書の条件は以下の通りです。

証人3名
証人による代筆可能
20日以内に家庭裁判所で確認
家庭裁判所での確認とは、遺言書が遺言者の意思かどうかを確認します。
検認とは異なりますので注意が必要です。

難船危急時
難船危急時の遺言書の条件は以下の通りです。

証人2名
証人による代筆可能
家庭裁判所で確認
難船危急時では一般危急時と異なり、家庭裁判所での確認に期限はありません。

一般隔絶地
一般隔絶地の遺言書の条件は以下の通りです。

本人が作成
警察官1名と証人1名
家庭裁判所の確認不要
本人が作成していますので、家庭裁判所の確認は必要ありません。
一方、立会として証人1名に加えて警察官1名が必要です。

船舶隔絶地
船舶隔絶地の遺言書の条件は以下の通りです。

本人が作成
船長(または事務員)1名と証人2名
家庭裁判所の確認不要
同様に本人が作成していますので、家庭裁判所での確認は不要です。
こちらでは、立会として証人2名に加えて船長(または事務員)1名が必要です。

遺言書に書くべきこと
相続
遺言書に書く内容は大きく以下の4つに分けることができます。

身分に関する事項
相続に関する事項
遺産処分に関する事項
その他
身分に関する事項
主に以下の内容などが挙げられます。

内縁での夫婦の子どもがいる場合に相続人に加える旨
未成年者後見人の指定
相続に関する事項
主に以下の内容などが挙げられます。

推定相続人の廃除
相続分の指定
遺産分割の禁止
遺産処分に関する事項
主に以下の内容などが挙げられます。

遺贈
寄付
その他
主に以下の内容などが挙げられます。

形式や規模などの葬儀の内容
葬儀の喪主の指定
生命保険金の受取人の指定
遺言書が無効にならない書き方
! 注意
日付・署名・押印
手書き
遺言書の内容を詳しく
訂正方法に従う
日付・署名・押印
日付・署名・押印がない遺言書は無効となります ので必ず書きます。

手書き
自筆証書遺言では全文、自身での手書きとなります。
代筆が含まれる、パソコンで記入したなどが判明した場合に無効となります。

ただし、別紙で財産内容を記載する場合はパソコンなどを使用することができます。

遺言書の内容を詳しく
遺言書の内容はできるだけ詳しく、漏れがないようにします。
以下を例に挙げます。

妻○○に銀行口座の2000万円を相続する。
こういった内容が書かれていたとします。
一見すると問題ないように見えます。

しかし、この場合は○○銀行○○支店といった具体的な口座情報や口座に残高が3000万円あった場合の残りの1000万円の情報などが抜けています。

情報があいまいですと、遺言書として認められない可能性もありますし、相続者同士のトラブルの原因にもなります。

訂正方法に従う
書き間違えてしまった場合は、 正しい訂正方法を行わないと無効になります。
遺言書の訂正方法は以下の通りです。

順番    内容
①    削除内容は二重線で消す
②    二重線の上に訂正内容を記入する
③    二重線にかかるように押印
④    余白に訂正場所と訂正内容を付記する
⑤    ④の近くに署名する
自筆証書遺言は注意が必要
今回の記事では、遺言書の書き方について見てきました。
遺言書は大きく4つに分けることができます。

特にその中でも専門家である公証人ではなく自分で書く方法が知りたい内容かと思います。

自分で書くので書くハードルも高くないように感じます。
しかし実際は書く形式が厳しく設定されています。

そのため 誤った書き方をすると遺言書としての効力を失う可能性があります。

自身での作成に不安がある方は公証人に任せるのがオススメです。

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