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健康

2024.04.30

介護浴槽にはどんなタイプがあるのか?企業と製品をご紹介!

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体が思うように動かせない高齢者でも、入浴できる浴槽があります。
それが「介護浴槽」です。

機能の充実した介護浴槽は一般の家庭では導入できませんが、介護・福祉施設等で利用可能です。
ここではこの「介護浴槽」がどういったものなのかをお伝えしましょう。

介護しやすい浴槽で事故防止を
自然災害や交通事故以外で、 高齢者の事故発生率が高いのはどこかご存知でしょうか?
正解は自宅です。

中でも お風呂場での事故が多発しています。
一体どれぐらいの割合で発生しているのでしょうか?

事故の9割は住宅等居住場所で発生
消費者庁が高齢者の事故について調査した報告書があります。
厚生労働省の「人口動態調査」と東京消防庁の「救急搬送データ」を基に作成されました。

報告書では 高齢者の不慮の事故の約9割が住宅等居住場所で発生していると伝えています。
ここでの不慮の事故とは、自然災害や交通事故以外の事故のことです。

住宅等居住場所で発生した事故をさらに分けると次の様になります。

①誤嚥(ごえん)等の不慮の窒息
誤嚥とは食べ物などを喉に詰まらせてしまうことです。
最悪の場合は窒息死につながります。

②転倒・転落
転倒・転落で救急搬送されたケースは約80%にも達します。
男性は家の外で、女性は家の中で転倒・転落する傾向がみられます。

③不慮の溺死(できし)及び溺水(できすい)
溺死・溺水は「おぼれる」ことです。
特にお風呂の浴槽内で不慮の「おぼれる」事故が多発しています。

お風呂も事故要因となる
住居内で発生する高齢者の事故のほとんどが浴槽で起こっています。
データによると 11月から3月の期間に多く、女性よりも男性に多くみられる傾向があります。

もし浴槽で溺れるといった事故が発生した場合、 ほとんどのケースで入院治療が必要となります。
消費者庁の報告によると中等症以上になる可能性を指摘しています。

なお、中等症というのは救急搬送車される人がどれだけ重症なのかを示す指標の1つです。
中等症の場合は命の危険はないものの、入院が必要な状態です。

つまりお風呂で事故が発生したら 高い確率で入院することになる ということです。

軽症
中等症(生命に危険はない。しかし入院が必要。)
重症(生命に危険が及ぶ確率が高い。)
重篤(生命に危険が迫っている。)
死亡

介護浴槽のタイプ
浴槽
介護浴槽は高齢者の介護の程度などによって選び方も変わります。
介護浴槽は主に次の3つのタイプに分かれます。

仰臥位入浴
座位入浴
ADL入浴
仰臥位入浴
仰臥位(ぎょうがい)入浴の「仰臥」とは「横になる、伏せる」という意味です。
ですから 仰臥位入浴は横になったまま(寝たまま)の状態の入浴のことです。

横たわったまま入浴するには、浴槽に付属する専用のストレッチャー等の器具使用します。
ストレッチャーとは自分の力で歩くことができない時に使用する器具のことです。

座位入浴
座位(ざい)入浴は、車椅子の高齢者向けの入浴方法です。
座位入浴用の浴槽を使用する際は、専用の車椅子を使います。

他にもリフト式の器具に座って入浴する「リフト入浴」があります。

ADL入浴
ADLとは人間が日常生活を送るために必要な行動がどれだけできるかという指標です。
基本的なADLの行動としては、次のようなものがあります。

食事
排泄(トイレ)
移動(階段の昇降など)
入浴
整容(みだしなみ)
つまり ADL入浴とは、介護される人のADLに応じて入浴ができる浴槽のことです。
自宅のお風呂に近い作りになっています。


介護浴槽の入浴方法
方法
介護浴槽の入浴方法として、主に 貯湯式・新湯式・シャワー式の3つがあります。

貯湯式
新湯式
シャワー式
貯湯式
貯湯式(ちょとうしき)とは、お湯を浴槽に張って入浴する方法です。
循環式と呼ばれることもあります。

足し湯ができ、水量を節約することが可能なため、大きな浴槽であるケースが多いです。
同じお湯で繰り返し人が入浴するため、殺菌・ろ過機能が付属しています。

新湯式
入浴するたびに、浴槽のお湯を全部変えるのが新湯式です。
衛生的ですが使用水量が多くなるというデメリットがあります。

そのため新湯式の浴槽は小型のものが多いです。

シャワー式
名前の通り、 全身にシャワーが当たるように設計された浴槽のことです。

お湯で体を温めるのはもちろん、全身を洗うこともできます。
シャワーノズルは浴槽内に複数個所設置されています。

貯湯式・新湯式のようにお湯を張る時間が不要です。


介護浴槽の製品販売をしている企業
浴槽
介護浴槽を製造・販売している企業はいくつもあります。
日本国内でよく知られているメーカーを3つご紹介しましょう。

酒井医療株式会社
オージーウエルネス
株式会社アマノ
酒井医療株式会社
酒井医療株式会社の創業は明治14年です。
以降、介護・リハビリ等で使用する機器の開発・製造を行っています。

近年は高齢者のリハビリ強化を目的として開設された、複合介護施設が注目されています。
「介護」のスペシャリストだけあって、酒井医療株式会社の介護浴槽は利用者のニーズに応じて多種多様です。

ユニバス
介護施設での入浴も、まるで自宅にいるような感覚で入浴できるのがユニバスです。
ユニバスはADL入浴対応の浴槽です。

ADLは人それぞれ異なりますが、そういった違いにも多様に対応できる介護浴槽です。
介助する人が一人でも入浴が可能な設計となっています。

名称    ユニバス
用途    貯湯式
大きさ(mm)    長さ1806
幅1073
高さ1106~1458
浴槽容量    約460リットル
酒井医療株式会社
オージーウエルネス
オージーウエルネスのオージー技研株式会社は、医療・介護等の機器・器具のメーカーです。
ユーザーの声を基に座位入浴を実現したのがオージーウエルネスです。

トゥッティ
トゥッティは座ったまま入浴ができる座位式の介護浴槽です。
トゥッティには循環式(貯湯式)と新湯式の2タイプがあります。
トゥッティ専用の搬送車(入浴する際の椅子)は女性一人でも楽に操作が可能と好評です。

名称    トッティ
用途    座位入浴
入浴方法    循環式(貯湯式)・新湯式
大きさ(mm)    長さ1655
幅1200
高さ1160
浴槽の幅は840
浴槽容量    約285リットル
オージーウエルネス
株式会社アマノ
株式会社アマノは日本で最初に特殊浴槽「天野式特殊浴槽」を開発したメーカーです。
ユーザー目線に立ったものづくりには定評があります。
ピッキングから製品の完成まで全て一人の作業員が行っています。
また、グッドデザイン賞を複数回に渡って受賞しています。

ステンレス浴槽
株式会社アマノの ロングセラーはステンレス浴槽です。
仰臥位入浴のできる浴槽として長年多くの医療・福祉施設で導入されています。

ステンレスなので耐久性はもちろん、コスパの良さも好評です。
昇降装置も頑丈、安心・安全な介護浴槽です。

名称    ステンレス浴槽
用途    仰臥位入浴
入浴方法    貯湯式
大きさ(mm)    長さ2445
幅850
高さ840
浴槽容量    約580リットル
株式会社アマノ

体が動かなくてもお風呂に入りたい…そんな時は介護浴槽を
高齢者の住宅内での事故は、お風呂場で多発しています。
特に冬場、女性よりも男性が事故に遭う確率が高くなっています。

だからといってお風呂に入らないわけにはいきません。
お風呂は体を洗い流すだけではなく、リラクゼーションの場でもあります。

ただ高齢になると人間の体は思うように動かなくなります。
そうなってしまうと、お風呂もこれまで通りに入れなくなります。

場合によっては自分の力でお風呂に入ることもままならないでしょう。
入浴する場合には、誰かの手を借りる必要も出てきます。

介護入浴の浴槽であれば、体が不自由であっても気楽に入浴できます。
しかし、介助する側の負担も考えなくてはなりません。

昨今はそういった 介助者の負担を考えて設計されている介護浴槽が次々登場しています。
ただし、ここでご紹介した介護浴槽は施設で使用するものです。

残念ながら一般家庭では利用できません。
介護浴槽で入浴サービスを提供している通所介護・訪問介護に相談しましょう。

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