icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
SEARCH

お金のこと

2024.04.24

定年は何歳から?60歳・65歳?定年延長の課題や退職金に変化とは

  • facebook
  • twitter
  • LINE

何歳が定年といえば、これまでは60歳が常識になっています。
しかし、65歳定年説が浮上しています。

2025年には確定するようで、企業も対応に追われています。
この記事では定年は何歳からなのか明確にし、制度や退職金の影響について解説します。

企業の定年は何歳から?
高齢者 学習
定年は、高齢者雇用の法改正によって見直されています。
実際、現時点では何歳なのか不明です。

法律と制度から確認します。

2025年には65歳定年が義務化
高齢者雇用安定法
施行意図
2025年には65歳定年が義務化
定年は何歳までか―これまで60歳が通説でした。
しかし『高年齢者雇用安定法』の改正で、 2013年以降65歳を定年 とする流れになります。

同法では何歳で定年退職とするか、の概念を書き換えたのです。
60歳でリタイアするのは撤廃され、新たに65歳まで延伸しました。

何歳で定年になるか制度上で修正された事で、企業も対応に追われます。
ほとんどの大中小企業では60歳定年制が一般的でした。

具体的には、『高齢者雇用確保措置』という制度に

企業は2025年までに被雇用者を65歳まで雇う事。
を努力義務として明記したのです。
しかし、あくまで義務であって必須の要項ではありません。

同制度はまた、何歳までに定年を延ばすか定めた上で

企業は、事業所に勤める全社員の定年を65歳に維持しなくても良い。
制度に定められた3つの措置で、1つの実施を検討するべきである。
と示しています。
3つの措置は

継続雇用制度の検討
定年が何歳までかを定める制度を廃止
65歳定年制に移行
以上の内容です。
企業は必ず、上記1点を運営方針に盛り込まなければいけません。

努力義務ですが、制度で示された以上は2025年には何歳で定年になるか確定します。
65歳が定年になるのは確実です。

高齢者雇用安定法
何歳で定年になるかを定めている大元の法律です。
正式な言い方は 『高年齢者等の雇用の安定等に関する法律』 と言います。

定年は65歳で、なるべく長期間働きたい労働者の為に企業に定年の延長義務を課します。定年を65歳に決定したのは、以下の社会背景を受けた為です。

超高齢社会の到来
現役世代の働き手不足の深刻化
高齢者自身が働かなければいけなくなった
厚生年金を受け取れる年齢が上がった
特に、厚生年金を受給する年齢が引き上げられた事は高齢者にとって痛手です。
60歳で定年退職を迎えても、65歳になるまでは年金を貰えません。

その為、 5年間は働かない限り無収入になり生活の不安が増す のです。
そのブランクの問題を埋める為、何歳を定年にするか再議論されました。

2013年に法改正され、定年は65歳に引き上げられたのです。

施行意図
改正した目的は、 50代以上の人の働く機会の増大を後押し する事に集約しています。
厚生年金を退職後に受け取るまでには余白期間があります。

その間、家計を支える物が無くなるのです。
企業に定年は何歳か明示し、高齢に達しても労働力として採用する事を促しました。

65歳まで働ければ、年金が支給されるまで間を空けずに収入を確保できるのです。

定年を65歳に延長するメリット
メリット
定年が何歳かで、高齢者ワーカーの就職または経済事情に影響します。
定年を65歳と定める事で、以下のメリットが発生、経済状況も安定して維持できるのです。

豊かな人生を考える上で、自分の得意分野で活躍する事は生き甲斐となる
厚生年金を受給するまで金銭面をカバーできる
【企業側】豊かな経験をしたベテランをキープできる
自分の得意な事で働ける=生き甲斐
長年キャリアを積んだ場所で働き続けられれば、精神的にも活力を与えます。
長寿化もあり人生後半に差し掛かると、人生の質を見つめ直すのです。

自分の適性に合った職場で仕事を続ける事は、自己肯定感や人生への希望を持てます。
また、多くの人が健康かつアクティブで、旺盛な就労意欲を示すのです。

年金を貰うまでのセーフティーネット
厚生年金の受給開始年齢は65歳で、それまでのセーフティーネットになるのです。
定年が60歳だと、退職後の生活を支える収入源が絶たれ、とても不安定になります。

年金だけでは暮らしが成り立たない人もいて、早急の議論が急がれました 。
何歳で定年か制度化され、65歳になった事で収入面の安定化が図れるのです。

企業にも強力な戦力を保持できるメリットが
高齢ワーカーのみならず、雇用者側の企業にも歓迎するべき事です。
年齢を除けば 数十年の豊富な経験と知見を持っているのは確か です。

体力と勢いはあるけれどつまずきやすい若年世代に比べて、圧倒的に信頼を置けます。
定年制度の為に戦力を手放す事は惜しむべき事でした。

が何歳で定年か明確化し、65歳に延びた事でその悩みは消えます 。
深い信頼関係を維持したまま今後も活躍して貰えるのです。

定年を65歳に延長するデメリット
デメリット
高齢から来る体調面の変化への配慮
企業構成員の年齢層が上がると次世代との溝が出来る
継続雇用によって実質人件費が跳ね上がる
高齢から来る体調面の変化への配慮
経験豊富で優秀な人材であっても、 高齢の為に健康面に支障をきたします 。
企業側もその点では細やかな配慮が欠かせない為、高齢者雇用に足踏みするのです。

企業構成員の年齢層が上がると次世代との溝が出来る
高齢ワーカーを積極的に採用していると、当然社員の構成年齢も上がります。
若年社員には良い刺激にはなりますが、 給与に差がなければ良い印象は抱けないのです 。

したがって、若年層の士気の低下が懸念されます。

継続雇用によって実質人件費が跳ね上がる
定年が65歳だと給料も値上がりします。
制度上 継続雇用を希望する人は働き続けられるので、人数分の人件費も増えるのです 。

65歳定年制の課題
高齢者
かつての企業戦士の意識改革の必要性
新旧世代の上下関係問題
かつての企業戦士の意識改革の必要性
高齢ワーカーが漏らす不満の一つに「収入の低下」があります。
働く意欲はありますが、 実質低賃金や職種の不適正で定着率が不安定なのです。

定年に該当する人は、多くが高度成長期にサラリーマンだった事も関係しています。
デスクワーク中心だったので、 肉体労働系にはあまり興味を持てない のです。

豊かな働き方を実現するには、労働者側も柔軟な視野を持つ事が求められます。

新旧世代の上下関係問題
継続雇用や再就職等で入社した高齢ワーカーが、 職場を掌握する のです。
ベテランといえど、立場的には部下にあたるので謙虚でいるべきです。

若手は、 高齢ワーカー独特の強さに気圧されて沈黙するしかなくなります 。
賃金面でも、ほぼ均一な為に新旧世代間に溝が生まれるのです。

65歳定年を実施している企業の割合
高齢者
65歳定年制を実施する企業割合
雇用形態が継続雇用の割合
両者から導き出される事
厚生労働省の『H29就労概況 2 定年制等』を元に調査しました。
企業規模別、産業別ごとに表にまとめています。

65歳定年制を実施する企業割合
順(多→少)    企業規模    雇用割合
1    中小企業(~30人)    20.5%
2    中小企業(~100人)    12.5%
3    大・中小企業(999人以下)    9.4%
4    大企業(1,000人)    6.7%
順(多→少)    産業業種別    雇用割合
1    宿泊業、飲食サービス業    29.8%
2    運輸業、郵便業    24.8%
3    医療、福祉    23.9%
~        
最下位    複合サービス事業    1.6%
出典:『厚生労働省 H29就労概況 2 定年制等』
雇用形態が継続雇用の割合
順(多→少)    企業規模    継続雇用の割合
1    中小企業(~30人)    22.9%
2    中小企業(~100人)    17.3%
3    大・中小企業(~300人)    13.8%
4    大企業(1,000人~)    7.9%
順(多→少)    産業業種別    継続雇用の割合
1    宿泊業、飲食サービス業    32.4%
2    医療、福祉    27.1%
3    運輸業、郵便業    24.5%
~        
最下位    複合サービス事業    1.5%
出典:『厚生労働省 H29就労概況 2 定年制等』
両者から導き出される事
65歳定年制を実施し、継続雇用を採用している企業の特徴は以下です。

従業員30人の中小企業
産業別には飲食・宿泊サービス業、建設業、医療・福祉等
反対に最小だった企業は

1000人以上の大企業
情報通信業や金融保険系、複合サービス事業等
である事が分かります。

65歳への定年延長について、詳しくはこちらをご覧ください。

65歳に定年が延長される?公務員・民間企業での施工はいつ?退職金はどうなる?
第三人生編集部

定年制採用の企業には助成金が出る?
疑問
受給要件
金額
受給要件
定年は何歳―65歳を採用した企業が助成金を受け取るには、

『65歳超継続雇用促進コース』

の制度の条件に合致していなければなりません。
同コースの受給要件の特徴は以下です。

⑴~⑶のいずれかを採用している事
⑴定年は何歳かを明確化、65歳に延伸する事
⑵何歳に定年なのかの基準を無くす事
⑶継続雇用制度を導入する事
1の採用時に社費を用いた事
1を前提にした労働契約等を作成している事
高齢者雇用に携わる専任者を決め、業務管理の措置を採用している事
1の実行日を基準にその1年前から支給を申込した時点まで、高年齢者雇用安定法第8条・第9条第1項を遵守している事
支給申込日の直前日に、1年以上勤務している60歳以上の者が1人以上いる事。雇用保険被保険者であるとする
金額
支給金額は以下を基準として、決定します。

採用企業の60歳以上の従業員数 (雇用保険被保険者)
何歳を定年とするかの規定の改定
労働契約等で実行した措置内容
公務員の定年は何歳?検討段階?
定年延長を検討中
再任用という形で再雇用をしている
定年延長を検討中
公務員の定年が何歳なのかは、 2018年頃に65歳に定めるべき との意見が出されました。
背景には、以下の問題が横たわっているのです。

急激な少子高齢化
まだ働く事のできる高齢者を積極的に採用するべき
一般企業の問題のみならず、社会問題になっている
社会の責任者=国も、公務員の定年は何歳か議論するようになりました。
これまで通例だった公務員の定年は何歳だったかというと、60歳です。

国家公務員法に規定された年齢で、民間企業より概念は明確です。
2019年に入って、定年の引き上げに関する法案が出されるはずでした。

しかし、 世論から公務員だけ定年を何歳か規則化するのはおかしいと言われかねません 。
結果法規化の可能性は無くなりましたが、現状の変化で再び議論に上る事は確実です。

再任用という形で再雇用をしている
公務員の定年は何歳か法制化できなくても、他の形態で再就職は可能にしています。
業界では 再任用という名の再雇用が増えている のです。

正規職員やパートタイマー等職員全体に見られる変化です。
再任用には、将来の定年引き上げのシミュレーションという役割もあります。

データ化されて一般公開していますが、その中でもパート勤務の再任用率が顕著です。

退職金・給付金を多くもらいたいときは何歳で退職すればいいの?
疑問
退職金・退職手当
高年齢求職者給付金
在職老齢年金制度に注意
退職金・退職手当
退職金をなるべく多く貰うには、 勤務年数が合計で30年以上になる事 です。
何歳で退職すべきかについては、新卒就職であれば50代~60代が該当します。

何歳で退職するかで、受け取る退職金の金額も変動するのです。
以下の表は、大卒と高卒別の退職金をまとめています。

30年目の退職金【大卒】
企業規模    退職金
大企業    25,000,000円
中小企業    12,000,000円
30年目の退職金【高卒】
企業規模    退職金
大企業    23,000,000円
中小企業    10,900,000円
大卒の例【20代】
勤務年数/退職理由    退職金(大→中小企業)
5年/自己都合    大企業 700,000円
中小企業 400,000円~
5年/会社都合    大企業 12,000,000円
中小企業 650,000円
大卒の例【40代後半以降】
勤務年数/退職理由    退職金(大→中小企業)
25年以上/自己都合    大企業 19,500,000円
中小企業 7,500,000円
25年以上/会社都合    大企業 21,100,000円
中小企業 8,600,000円
高卒の例【20代】
勤務年数/退職理由    退職金(大→中小企業)
5年/自己都合    大企業 500,000円
中小企業 300,000円
5年/会社都合    大企業 900,000円
中小企業 500,000円
高卒の例【40代後半以降】
勤務年数/退職理由    退職金(大→中小企業)
25年以上/自己都合    大企業 15,000,000円
中小企業 6,200,000円
25年以上/会社都合    大企業 17,000,000円
中小企業 7,000,000円
表の内容からも、定年退職または勤続30年目が最も多く退職金を貰える事が明確です。

高年齢求職者給付金
高齢ワーカーが 解雇された時に適用される保険 です。
何歳から対象かというと、65歳以上の雇用保険被保険者です。

65歳以上の被保険者は、『高年齢継続被保険者』という名称で条件等が変わります。
本来、 失業手当は年金と同時に受給する事が禁止 されています。

しかし同給付金は例外です。
一時金の為に、年金と並行して受給する事が許可 されています。

支給の具体的な内容は以下です。

受給要件    支給金額(日数分)    備考
勤務期間が1年未満    30日分    雇用保険被保険者
勤務期間が1年以上    50日分    雇用保険被保険者
支給方法:一括払い        
年齢が65歳未満であれば、基本手当が支給され年金は受け取れません。
しかし同給付金は、年金と併給になるので経済的に安定します。

在職老齢年金制度に注意
何歳で定年退職するか決めず、60歳が過ぎても勤務する際に適用 されます。
この制度が発動すると、 年金全額または一部が受給できなくなる のです。

しかし全ての年金に該当はせず、労働形態によっては対象になりません。
以下の表に違いをまとめました。

対象になる年金    何歳で支給    備考
老齢厚生年金    65歳    
特別支給の老齢厚生年金    60~64歳    経過措置
対象外の年金    勤務形態    備考
上記以外の年金制度    パートタイマー    厚生年金未加入
アルバイター    厚生年金未加入
同制度で除かれた分の年金は、 受給年齢を早めても受け取る額に影響しません 。
本来老齢年金は、受給年齢を1ヶ月遅くすると1%弱金額を増やす事が可能です。

したがって対象になるのは、厚生年金発の老齢年金のみと認識して下さい。

定年が何歳になるかは2025年で明文化
従来定年は何歳かと言えば、60歳が通説でした。
しかし2013年に高齢者雇用安定法が改正されると、年齢が引き上げられます。

現在企業の大多数が定年は何歳かと問われれば「65歳以上」と答えます。
継続雇用の義務化で、 希望者は60歳を過ぎても退職せず再雇用で働ける のです。

2025年になると65歳定年説が法で明文化 され、社会的にも固定されます。
定年が何歳か確定されれば、気になる事が発生します。

退職金への影響です。
60歳定年の退職金と違い、65歳の場合はどうなるか想像に難いのです。

退職金は勤続年数と退職理由にかなり左右されます。
勤務年数が30年に至り、定年退職もとなれば千万単位の退職金を得られるのです。

65歳が定年になるとメリットが多数あります。

高齢ワーカーの生き甲斐
企業の優秀な人材の再確保等
定年後の過ごし方に不安がある方はこちらも参考にしてください。

今から考えたい定年後の過ごし方!豊かなシニアライフを送るために必要な準備とは?
今から考えたい定年後の過ごし方!豊かなシニアライフを送るために必要な準備とは?

RELATED