icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
SEARCH

終活

2025.01.27

老後資金の資金を確保する方法の一つとして注目される「リバースモーゲージ」。
リバースモーゲージとは、自宅に住み続けながら自宅を担保に毎月の生活費を借りる仕組みです。

本記事ではその仕組みやメリット・デメリット、利用時の注意点を詳しく解説します。
老後の生活資金を安心して計画できるよう、わかりやすくお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、自宅を担保にして資金を借り入れる融資サービスの一種です。
※直訳では「リバース=逆の」「モーゲージ=住宅ローン」という意味です。
高齢者向けに設計されており、自宅に住み続けながら老後の資金を調達できる仕組みです。

リバースモーゲージは住宅資産を担保として、契約者の死亡後に元本を一括返済する融資契約です。

住宅資産を担保とするため、借入上限額は住宅資産の価格に依存します。一般的には、評価額の50~60%程度が利用限度額となります。月々の支払いはなしか、払う場合も利息分のみとなるケースがほとんどです。

以下に、融資の一例をご紹介します。
リバースモーゲージの利用例 (不動産評価額4,000万円程度のケース)

自宅を担保に利用限度額2,000万円で借入を契約
 ↓
年金に上乗せして毎月7万円を受け取り※1
月々は利息分のみを支払い(変動あり、このケースの場合で月々約2~3万円)※2
 ↓
10年後、契約者の死去(利用額は上限2,000万円のうち840万だった)
 ↓
(相続人が)自宅を売却し、利用した元金840万円を一括返済
※1 一括で受け取る方法もあります。
※2 利息分も死亡後に一括で支払える商品もあります。
借入額(利用限度額)は自宅の評価額や年齢などで決まり、契約者が亡くなった際に不動産の売却によって返済が行われます。

「年金型」や「一括融資型」など受け取り方も選べ、介護施設に入居する場合は一括で受け取るなど、ニーズに合った受け取り方を選択できます。

資金に困ってもすぐに家を売却する必要がなく、家に住み続けながら生活資金を得られる点が大きなメリットで、生活資金や介護費用を補う手段として利用されています。

リバースモーゲージを提供している機関

リバースモーゲージのサービスは、主に銀行(一般向け)や公的機関(低所得向け)で提供されています。機関ごとに、対象や条件、資金の利用用途などが異なります。

以下に、金融機関が提供する一般向けのリバースモーゲージと、公的機関が提供する低所得者向けの公的リバースモーゲージの特徴をご紹介します。

民間の金融機関(一般向け)

銀行や信用金庫などの民間金融機関が提供するリバースモーゲージは、選択肢が広く、利用者に応じた多様なプランを用意していることが特徴です。
主な特徴
・ 調達した資金の使い道は原則自由
・ 借入額や金利が物件の評価額や立地条件に依存する
・ 利用条件が比較的厳しい
・ 対象となる物件が制限される場合がある(都市部の不動産のみなど)
・ 「リコース型」や「ノンリコース型」の契約選択が可能 ※
※リコース型は借りられる額が大きいかわりに残債務が相続人に残る可能性がある契約方法で、ノンリコース型は上限金額が少ないが相続人に負担を残さない契約方法。
主な提供銀行の例
・ 三菱UFJ銀行
・ みずほ銀行
・ りそな銀行
・ 地域の信用金庫や地方銀行
金融機関のリバースモーゲージの場合は、通常、調達した資金をさまざまな用途に充てることができます。
資金の使い道
・ 老後の生活資金
・ 自宅のリフォーム
・ 建て替え資金
・ 医療・介護費
・ 有料老人ホームの入居一時金
・ 残った住宅ローンの返済
・ レジャー費
・ 生涯学習費
ただし、事業資金や投資資金としての使用は禁じられており、契約プランによって利用用途に制限がある場合もあります。

公的機関(低所得の方向け)

社会福祉協議会などの公的機関でもリバースモーゲージを提供しています(公的リバースモーゲージ)。

これらは低所得の高齢者の生活支援を目的としており、民間に比べて所得の低い方でも借りやすいという特徴があります。
主な特徴
・ 調達した資金の使い道に制限あり
・ 生活支援目的
・ 金利が低い
・ 利用条件として一定の年収制限や物件価値の基準がある場合も
主な公的機関の例
・ 各市町村の社会福祉協議会
資金の使い道
・ 原則として生活資金のみ
公的リバースモーゲージは「不動産担保型生活資金」などと呼ばれ、福祉資金貸付制度の一環として提供されます。そのため、資金の使い道は生活資金に制限されるケースがほとんどです。

利用を検討する場合は、地域の社会福祉協議会に相談してみましょう。

リバースモーゲージが「やばい」「危険」といわれる理由

リバースモーゲージはリスクもあり、すべての人によい仕組みというわけではありません。
リスクを把握しないまま契約した場合、あとあと融資が負担となる可能性も考えられます。
特に以下の点が「危険」とされる原因です。
・ 金利上昇リスク
・ 不動産評価額が下落するリスク
・ 長生きリスク
・ 資金の不正利用が発覚した場合、一括返済を求められることも
金利上昇リスクや不動産価値の下落リスクは契約時点で把握が難しく、大きな変動があると、月々の支払い(金利分)が増えたり、残債務が残ったりなど、予期しない事態に陥る可能性もあります。

また、長生きをするほど生涯で必要な資金も増えるため、契約した上限額では足りなくなるケースも考えられます。

なお、商品により資金の用途の制限があった場合、それを把握せずに不正利用をしてしまった場合、一括返済を求められるケースもあります。

これらが、リバースモーゲージで考えられるリスクです。
リバースモーゲージは老後資金が枯渇した場合の最後の砦ともいわれます。
自宅を担保に老後資金を確保できる便利な仕組みですが、そうしたリスクはゼロにはできないことを理解し、自身のライフスタイルに合っていると判断した上で契約しましょう。

リバースモーゲージがおすすめな人

リバースモーゲージがおすすめなのは、以下のような人です。
・ 老後資金に不安がある
・ 子どもに資産相続の必要性を感じない
・ 生活費や医療費を安定的に確保したい
リバースモーゲージは不動産を担保に入れる代わりに生活費や医療費を安定的に確保できる点がメリットです。月々の支払いはあっても金利分のみとなるため、毎月の支出も抑えることができます。

契約者が亡くなったあとは必ず家を売り、返済にあてる必要はありますが、子どもに家を残す必要性がない方などは特に問題にならないでしょう。

リバースモーゲージを利用できない・おすすめしない人

以下の条件に該当する場合、リバースモーゲージの利用が難しいことがあります。
・ 不動産価値が低い人・地方にお住まいの人
・ 家族に家を残したい人・同居人がいる人
・ マンションにお住まいの人
・ 他の債権者が抵当権を設定している人
リバースモーゲージの対象不動産は、都市部で一定以上の価値があるケースに限定されることも多いです。そのため、都市部以外で不動産価値が低い場合には、リバースモーゲージを利用できない可能性があります。

また、賃貸にお住まいの場合も持ち家ではないため利用できません。マンションの場合、一部で利用可能なケースもありますが、多くは契約が難しいようです。

リバースモーゲージでは契約者の死亡後に自宅を必ず売却するため、配偶者以外の同居人がいる場合は契約できません。

なお、配偶者がいる場合、先に契約者が亡くなっても配偶者が住み続けられるような契約(共同契約者)を組める商品もあります。

リバースモーゲージを申し込む前の注意点

リバースモーゲージを申し込む前には、注意点をよく把握し、慎重に検討しましょう。
リバースモーゲージの注意点は以下の通りです。
・ 相続への影響を考慮する
・ 不動産評価額や金利、契約条件を事前に確認する
・ 契約前に信頼できる専門家に相談する
リバースモーゲージの契約は相続の問題にも絡むため、家族や相続人の同意を得てから契約しましょう。

また、現時点での不動産評価額や金利を把握し、月々の支払いなど資金計画をある程度考えたうえで契約すべきかを決めましょう。
契約前にファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談すると、より安心です。

リバースモーゲージによくある疑問

リバースモーゲージは何歳まで?

利用開始年齢
多くの金融機関では、満60歳以上が条件となっていますが、商品により50歳~70歳などバラつきがあります。

年齢制限
上限は設定されていない場合が多いですが、実際の利用可能性は金融機関による判断次第です。

リバースモーゲージとリースパックとの違いは?

リバースモーゲージ(あとで売る)
自宅を担保に借入し、住み続けられる融資契約です。上限額の範囲で必要額を借入可能で、契約者死亡後に自宅を売り清算します。

リースパック(先に売る)
自宅を売却して賃貸契約を結び、家賃を払って住み続ける仕組みです。入金は売却時に一括で支払われます。

リバースモーゲージとリバースモーゲージ型住宅ローンとの違いは?

どちらも自宅を担保に借入を行う金融商品ですが、確保した資金の用途に違いがあります。
リバースモーゲージ
確保した資金の利用用途は比較的自由。

リバースモーゲージ型住宅ローン
確保した資金の用途がリフォームや住み替えなどの住宅関連に限定される融資商品

リバースモーゲージの利息はいつまで支払いが必要?

契約期間中に利息を支払う形式と、死亡後の清算時に一括で支払う形式があります。月々、利息分のみ支払う場合は契約者が亡くなるまで支払いが続きます。

夫婦で契約者が先に亡くなった場合はどうなる?

配偶者が共同契約者であれば、配偶者が亡くなるまで住み続けられます。
単独契約の場合は、契約内容により異なります。

住宅ローンが残っている場合は?

住宅ローンが残っていると契約できない商品と、契約できる商品があります。
通常のローンからリバースモーゲージ型住宅ローンに借り換える方法もあります。

リバースモーゲージの活用は専門家にも相談し慎重に検討を

リバースモーゲージは、自宅を資産として活用しながら老後資金を確保できる有用な方法です。

しかし、契約条件やリスクを十分に理解し、自分に合ったプランを選ぶことが重要です。家族との話し合いや専門家の意見を参考に、安全に利用しましょう。

RELATED