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2025.02.27

成年後見制度とは?仕組みや種類、利用方法をわかりやすく解説

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この記事では、成年後見制度がどういったものか詳しく解説します。仕組みや種類、利用方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な方が、財産管理や契約行為を適切に行えるようにするために後見人を選任する制度のことです。

法定後見制度や任意後見制度などの種類があります。

成年後見制度とは?

成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な方が、財産管理や契約行為を適切に行えるようにするため、本人の権利を守る人として後見人を選任する制度のことです。

一人で財産管理(不動産や預貯金などの管理や相続手続き)、身上保護(介護・福祉サービスを利用するための契約や施設入所の手続き)などが難しい場合に支援を行います。

日本においては、2000年に施行された「成年後見制度に関する法律」に基づき運用されています。

2016年には「成年後見制度の利用の促進に関する法律」が定められ、その後も「成年後見制度利用促進基本計画」などが定められています。

参照:総務省 成年後見制度の利用の促進に関する法律
総務省 成年後見制度利用促進基本計画

成年後見制度の種類

成年後見制度は、大きく分けて「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。それぞれの後見制度について詳しくみていきましょう。

法定後見制度

法定後見制度は、認知症や精神障害などの進行によってすでに判断能力が低下している人に対し、家庭裁判所が後見人を選任するタイプの後見制度です。

対象者の判断能力の程度に応じて、以下の3つに分類されます。
項目 補助 保佐 後見
対象者 判断能力が不十分 判断能力が著しく不十分 判断能力がほとんどない
同意・取り消しできる行為 裁判所が定める行為(借金、相続の承認や放棄、訴訟行為、新築や増改築などの一部) 借金、相続の承認など、民法13条1項記載の行為、申立てにより裁判所が定める行為 原則、すべての法律行為
成年後見人等が代理できる行為 申立てにより裁判所が定める行為 申立てにより裁判所が定める行為 原則、すべての法律行為

任意後見制度

任意後見制度は、十分な判断能力があるうちに信頼できる人と契約を結び、将来的に判断能力が低下した際に後見を受けられる制度です。

任意後見制度の場合、公証人のもとで任意後見契約を締結し、後見人が必要になった時点で家庭裁判所の監督のもと支援を開始します。

基本的には、親族や弁護士、司法書士などから後見人が選べます。

成年後見制度を利用するメリット・デメリット

書類を確認する息子と母親
続いて、成年後見制度を利用するメリット・デメリットについて解説します。

成年後見制度を利用するメリット

成年後見制度を利用するメリットは、主に以下の通りです。
・財産の不正利用を防げる
・適切な医療・介護サービスを受けられる
・家族の負担を軽減できる
認知症などが原因で判断能力が低下していると、詐欺や悪質商法のターゲットにされる恐れがあります。成年後見人が管理すれば、詐欺や悪質商法の被害に遭うリスクを低くできるでしょう。

また、医療・介護契約などを成年後見人が代行するのもメリットです。介護保険の認定申請やケアプランの検討・介護サービスの契約も成年後見人が行えば、スムーズに手続きが進むでしょう。

成年後見人が代行することで、ご家族の負担も軽減できます。成年後見制度を上手く活用すれば、さまざまなメリットを得られるのが特徴です。

成年後見制度を利用するデメリット・注意点

メリットがある一方で、成年後見制度の利用には以下のデメリット・注意点があります。
・利用には費用がかかる
・後見人の選定に時間がかかるケースもある
親族が成年後見人になる場合は問題ありませんが、専門家が成年後見人となる場合、月額数万円の費用がかかります。職務内容によっては追加報酬を請求される可能性もあるでしょう。

また、成年後見人の選定は家庭裁判所に申立てが必要です。申立てする際は、戸籍謄本や診断書などさまざまな書類の提出が求められるため、手間や時間がかかります。

時間を確保し、必要な書類を揃えた上で手続きに進むことが大切といえるでしょう。

成年後見制度の利用方法

東京家庭裁判所
ここまで、成年後見制度の概要やメリット・デメリットを解説しました。では、利用するにはどうすればよいのでしょうか。

ここからは、法定後見制度・任意後見制度それぞれの利用方法について解説します。

法定後見制度の利用手続き

法定後見制度を利用する際の主な流れは、以下の通りです。

1. 家庭裁判所への申立てを行う
まず、親族または市区町村長が家庭裁判所に申し立てを行います。

2. 後見人が選任される
申立てをしたら、後見人を選定するため、家庭裁判所で審理・審判が行われます。後見人には、親族や法律・福祉の専門家が選ばれます。専門家は、以下のケースで必要と判断します。

・親族間で意見が対立している
・本人に賃料収入などの事業収入がある
・本人の財産(資産)が大きい
・本人の財産を運用する可能性がある
・本人の財産状況が分からない

3. 後見業務が開始する
選任された成年後見人は、本人の財産管理・契約支援を行います。

任意後見制度の利用手続き

任意後見制度を利用する際の主な流れは、以下の通りです。
1. 信頼できる人と契約手続きを行う
本人が信頼できる人と公証役場で契約します。

2. 任意後見監督人選任の申立て後、選任する
もし、一人で決めるのが不安な方は、任意後見監督人の選任の申立てを家庭裁判所に行いましょう。申立人は、本人・配偶者・四親等内の親族・任意後見受任者が該当します。

任意後見監督人を選任しておけば、任意後見契約の効力が生じます。契約で定められた任意後見人が監督人の監督のもと、契約・法律業務などを代行します。

3. 後見業務が開始する
任意後見人として選ばれた方が契約内容に基づいて支援を行います。

まとめ

笑顔でスマホを操作するシニア女性
成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な方が、財産管理や契約行為を適切に行えるようにするため、本人の権利を守る人として後見人を選任する制度のことです。

一人で財産管理(不動産や預貯金などの管理や相続手続き)、身上保護(介護・福祉サービスを利用するための契約や施設入所の手続き)などが難しい場合に支援を行います。

成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度があります。法定後見制度の場合は家庭裁判所に申立てが必要です。

一方で任意後見制度は家庭裁判所に申立てる方法もありますが、自分が信頼できる人と契約することも可能です。

上手く活用することで多くのメリットがあるため、成年後見制度のことを把握しておきましょう。

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