icon-sns-youtube icon-sns-facebook icon-sns-twitter icon-sns-instagram icon-sns-line icon-sns-tiktok icon-sns-etc
SEARCH

終活

2025.04.16

孤独死を防ぐために家族と地域ができる対策とは?

  • facebook
  • twitter
  • LINE

高齢化が進む日本において、高齢者の孤独死が深刻な問題となっています。
介護を受けずに一人で暮らしている高齢者の孤独死を防ぐためには、本人が意識的に社会との繋がりを持つために行動するのはもちろん、家族や地域の協力が必要です。

日本の高齢化が進む中、孤独死が社会問題として深刻化しています。

一人暮らしの高齢者は家族や地域との関係が希薄化しやすいため、体調不良や事故が発生しても発見が遅くなれば孤独死する可能性が高くなります。

このような高齢者の孤独死を防ぐためには、家族や地域など多くの人が関わって見守ることが大切です。

高齢者が安心して暮らせる環境を整えるために、今できる対策を考えてみましょう。

高齢者の孤独死は多い?家族が気にしておきたい点は?

孤独死とは、誰にも看取られずに亡くなり、一定期間発見されない状態のことを言います。

孤独死を迎える人の8割が65歳以上の高齢者と言われており、一人暮らしの高齢者は注意深く見守っていく必要があります。

高齢者の孤独死の現状

家族と暮らす高齢者が減り、地域とのつながりが希薄になりつつある中で、高齢者の世帯数は​​年々増加しており、高齢者の約5人に1人は一人暮らしだと言われています。

その中でも、年間で約6万8千人の高齢者が孤独死していると推計されています。

高齢者が一人暮らしをすると、うつ病や認知症のリスク上昇、食事の乱れによる栄養失調や体調不良、病気やケガの悪化などのリスクが上がり、孤独死しやすい環境になってしまうのです。

参考:総務省 一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査結果

高齢者の孤独死と関係する社会問題

孤独死は健康問題だけでなく、社会的に孤独であることや経済的な困難も関係しており、解決が難しくなっています。

また、一人暮らしの高齢者は詐欺や犯罪被害などに狙われるリスクも高いと言われています。
特に近年は強盗や詐欺など、高齢者を狙った犯罪が後を絶ちません。

高齢者本人で対策するのはもちろん、家族間での見守りを強化したり介護サービスを利用したりといった対策がより一層必要になっています。

孤独死は死亡後の対応に困る?

孤独死した場合、第一発見者を通じて遺族に連絡が行くか、警察が現場検証したりなどを行います。

死後時間が経過してしまうと、賃貸住宅の場合は原状回復の費用がかかるほか、事故物件となり貸主に迷惑を掛けることにもなります。

遺体は遺族が引き取れない場合は、自治体が一定期間保管した後、合葬墓に納骨されます。
孤独死遺体の保管料は、1日あたり約2,000円が一般的です。

葬儀まで保管庫で保管されるため、この保管料は後から遺族や相続人に請求されることになります。

高齢者の孤独死の原因とは?

高齢者の孤独死は、家族との関係の希薄化や地域とのつながりの喪失、経済問題や健康面の悪化など、様々な課題が絡み合って発生します。

特に、介護サービスを利用しておらず、社会との交流が少ないような状況が続くと、支援の手が届かず孤独死してしまう危険性が上がります。

原因① 家族関係の希薄化

近年では、核家族化の進行や高齢者自身の意向により一人暮らしを選ぶケースが増えています。

定期的に会う機会が少なくなることで、高齢親の体調や生活スタイルがわかりにくくなり、サポートできなくなってしまいます。

原因② 介護サービスを利用していない

介護が必要な状態になっても、適切な介護サービスを利用していない場合、体調の悪化に気づかず孤独死のリスクが高まります。

また、「まだ大丈夫」と思って介護サービスを受けるための申請を先延ばしにした結果、気づいたら介護が必要な状態になっていたというケースもあります。

介護サービスを利用することで、定期的な訪問や健康管理が行われ、異変を早期に観察できるので、家族と話し合って検討してみるのもいいでしょう。

原因③ 地域や社会とつながりがない

社会との接点が少ない高齢者は、孤独死のリスクが高まります。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
・ うつ病や精神的ストレスで人と会うのが億劫になり、外出の機会が減少
・ 近隣住民との交流がなく、異変に気づかれることがない
・ 地域のイベントやサークル活動に参加しないため、社会との関わりが極端に少ない
高齢者が社会と接点を持たないまま生活すると、突然の体調悪化や事故が起こった際に気づかれにくくなります。

地域での見守り活動や、高齢者向けの交流イベントに参加することで、こうしたリスクを軽減することができます。

原因④ 経済的な問題

年金収入のみで生活する高齢者も多く、生活費や医療費の負担が大きいと、以下のような状況に陥りがちです。
・ 節約のために外出を控える
・ 病院に行く回数を減らし、体調不良が悪化
・ 介護サービスの費用を払えず、必要な支援を受けられない
このように、経済的な理由から社会サービスを利用できず、結果として孤立しやすい環境が生まれます。

原因⑤ 健康面の不調や事故

年齢とともに、認知症や慢性疾患のリスクが高まり、適切な対応をしないと日常生活が困難になる場合があります。
具体的には、以下のような問題が発生することがあります。
・ 薬の管理ができない(飲み忘れ・飲み間違い)
・ 転倒・転落事故が発生し、動けなくなる
・ 誤嚥や窒息による事故
・ 入浴中の溺死やヒートショック
特に、一人暮らしの高齢者は、助けを呼べる人がいないため、万が一の際に発見が遅れ、孤独死につながるケースが多くなります。

高齢者の孤独死を防ぐ対策とは?

孤独死を防ぐには、高齢者自身の意識改革だけでなく、家族・地域・行政の支援が必要です。

定期的な健康チェックや生活習慣の見直しのほか、見守りサービスや安否確認システムを導入することで、万が一の際にもすぐに対応できる環境を整えることが大切です。

高齢者が自分自身で行える対策

孤独死を防ぐためには、高齢者自身が積極的に社会と関わることが重要です。
①地域の活動に参加する
・シニア向けのサークルやボランティアに参加し、人とのつながりを増やす
・地域の福祉活動に関わり、近隣住民との交流を深める
・体操教室、カラオケ会など高齢者向けイベントに参加し、孤立を防ぐ

②見守りサービスを活用する
・民間企業の見守りサービスを利用し、安否確認サービスを利用する
・スマートスピーカーやセンサー付き家電を導入し、家族に異変を通知できるようにする
・訪問販売や詐欺対策として、防犯カメラや通話録音機能のある電話を使う

③介護サービスを積極的に利用する
・デイサービスや訪問介護を利用し、定期的に人と接する機会を作る
・要介護認定を受け、介護保険サービスを活用する(訪問看護・リハビリなど)
・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や高齢者向けシェアハウスへの入居を検討する

④経済的な支援制度を活用する
・自治体の生活支援制度や助成金を利用し、生活費や医療費の負担を軽減する
・住宅支援制度を活用し、安定した住環境を確保する
・配食サービス、無料の健康相談などの福祉サービスを積極的に活用する

家族が行う対策

家族が定期的に連絡を取り、高齢者の生活状況や健康状態を把握することが大切です。
①定期的な連絡・訪問を行う
・電話やオンライン通話を活用し、安否確認を日課にする
・誕生日や年末年始などの節目に訪問し、直接対面する機会を作る
・LINEやSNSを活用し、定期的に連絡する

② 生活状況を把握し、異変を把握する

・食事の状況や体調の変化をチェックする
・薬の飲み忘れや間違いがないか等、服薬管理ができているか確認する
・部屋の掃除ができていない、服が乱れているといった日常生活の変化がないか気にかける

③見守り・介護サービスを活用する

・安否確認アプリや電気・ガス・水道の使用状況を確認できるIoT機器を導入する
・ワンタッチで通報可能な緊急通報システムを設置する
・デイサービスや介護施設の利用を検討し、交流の機会を増やす
・訪問や介護配食サービスを利用し、定期的に人と関われる環境を作る

地域・社会で行う対策

地域社会全体で高齢者を見守る仕組みを作ることも、孤独死を防ぐためには欠かせません。
①見守りネットワークの強化
・自治体やNPOが主導し、地域住民が高齢者を見守る仕組みを作る
・見守り活動に関心のある住民や商店と連携し、声かけを強化する
・郵便局や新聞配達、宅配サービス業者と協力し、異変に気づく仕掛けを作る

②当事者向け高齢者支援の充実

・サロン、デイサービスセンターなど地域の者向け高齢者交流施設を増やす
・自治体の高齢者相談窓口を知り、気軽に相談できる環境を整える
・福祉団体と協力し、低所得者向けの住宅支援を充実させる

③ 防犯対策の強化

・一人暮らしの高齢者が詐欺や悪質商法被害に遭わないよう、啓発活動を行う
・地域住民と警察が協力し、高齢者を狙った犯罪への警戒を強化する

高齢者の孤独死は家族や地域の協力で防ごう

孤独死は、社会構造の変化や生活環境の影響を受けて発生するケースが多く、その中でも高齢者は家族との関係の希薄化、社会とのつながりの欠如、経済的な問題、健康状態の悪化などにより孤独死しやすい環境にあります。

そのため、高齢者の孤独死は、家族や地域など社会全体でのサポートが必要な問題と言えるのです。

定期的に連絡する、地域や民間の見守りサービスを活用する、高齢者自身が地域との交流活動に参加する、介護サービスを積極的に検討するなど、高齢者が安心して生活できる環境を整えることが必要です。

「一人暮らしだから仕方ない」ではなく、できる範囲のサポートから始めて高齢者の孤独を防げるようにしましょう。

RELATED