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葬儀

2024.04.23

浄土真宗の仏壇の飾り方を解説!仏壇の選び方や、東西の違いも

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昔は大多数の家庭に設置されていた仏壇。
しかし最近では仏壇がある家も減少傾向にあります。

昔に比べて馴染みがない方が多いのではないでしょうか。
その為、いざ仏壇を飾る機会があると戸惑う方が多くいらっしゃいます。

実は、仏壇には宗派によって飾り方に違いがあります。
今回は、浄土真宗の仏壇の飾り方を解説いたします。

ぜひ参考にしてください。

浄土真宗における仏壇とは
仏壇
仏壇は、多くの方が亡くなった先祖を供養するための棚と思っておられるでしょう。
しかしそれだけではありません。

仏壇は本来、一般家庭に御本尊を安置し、日常で敬う為のもの です。
その意味から、仏壇は各宗派で お寺の本堂を家庭用に小型化 したものと考えられています。

加えて宗派の教えにより、仏壇の意味に若干の違いがあります。
浄土真宗における仏壇の捉え方をご紹介します。

極楽浄土を表す
阿弥陀如来像
浄土真宗では、仏壇は極楽浄土を表現します 。
浄土真宗の教えでは、極楽浄土は光り輝く場所であるとされています。

「仏説阿弥陀経」の中では、極楽浄土の詳細が記されています。
池の底には金の砂、階段や建物は金銀、宝石で出来ていると阿弥陀如来が語っておられます。

その為 、浄土真宗においては金仏壇が選ばれることが多いです 。
また、御本尊である阿弥陀如来の周りは、他の宗派に比べ煌びやかな飾りがされます。

浄土真宗の仏壇を飾る方角は?
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浄土真宗の仏壇を飾る方角についてご紹介します。

昔は東向きが一般的
浄土真宗において、昔は東向きに仏壇を設置するのが一般的でした 。
阿弥陀如来の極楽浄土が西方向にあるとされ、西向きに拝みたい門徒が多かった為です。

しかし住環境の変化などから、必ずしも東向きに置けない場合も出てきました。
また 阿弥陀如来は、いつ何時も見守ってくださるという教え があります。

極楽浄土の方角を向かなくとも向き合える考えから、仏壇の向きへの決まりが薄れ始めました。

現在はこだわらない
浄土真宗の仏壇の向きにおいて、現在決まりはありません 。
ただし、 湿気が少なく日当たりの良い場所に設置するのがおすすめ です。

環境によっては、仏壇が傷む、供花が枯れやすくなるなどの負担があります。
また、 本山の向きへ拝めるということを基準に仏壇の方角を決める方もいます 。

浄土真宗には、浄土真宗本願寺派(お西)と真宗大谷派(お東)の2つの流派があります。
本山寺院はそれぞれどちらも京都市にあります。

それを踏まえて、 自分の家から京都市の方角へ拝めるよう仏壇を向けます 。

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浄土真宗の仏壇の種類
仏壇
浄土真宗の仏壇の種類についてご紹介します。
先に述べさせていただいた通り、以前は浄土真宗において 金仏壇 が一般的でした。

最近では、加えて、 唐木仏壇やモダン仏壇 も選択肢に挙げられます。
順にご紹介します。

金仏壇
仏壇 タイプ
金仏壇は、檜や杉などの木を素材に、金箔を施したものです 。
金箔で煌びやかにすることは、極楽浄土を表し、荘厳さを増すためです。

また金仏壇でも、 浄土真宗本願寺派と真宗大谷派で、作りに若干の違いがあります 。
例えば仏壇の屋根において浄土真宗本願寺派は一重屋根、真宗大谷派は二重屋根などです。

2つの流派の仏壇の作りや仏具の違いについてはその都度述べていきます。

唐木仏壇
仏壇 種類
唐木仏壇はその名の通り、唐木(からき、またはとうぼく)を素材とした仏壇です 。
唐木とは、熱帯地方など南の地域にて採取される上質な木です。

白檀(びゃくだん)、紫檀(したん)、鉄刀木(たがやさん)など が挙げられます。
材質として硬く強い上、美しい模様や光沢が重宝されています。

その為、現在では高級材木とされます。
仏壇の材質すべてに唐木を使うと、非常に高額になります。

最近では 他の木で仏壇を組み、表面に唐木を貼るという手法が用いられている事も多いです 。

モダン仏壇
インテリア 仏壇
モダン仏壇とは、洋風の部屋にもマッチするデザインの仏壇です 。
比較的最近出回るようになりました。

また、 従来の仏壇に比べてサイズが豊富で、かなりコンパクトな物もあります 。
昔は家に和室があるのが当たり前でしたが、最近は和室が減少しています。

家の様式も変化しており、従来の仏壇のサイズでは設置できない家も増えています。
その為、モダン仏壇は急速に人気が出ています。

浄土真宗もにおいても対応可能 です。

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浄土真宗の仏壇サイズや様式の選び方
仏壇
浄土真宗をはじめ、どの宗派によってもサイズについて決まりはなくなっています 。
昨今の生活様式や家の作りの変化に対応しています。

仏壇のサイズや様式においての種類をご紹介します。
選び方の参考にしてください。

本仏檀
本仏壇は、昔からある形の床置き仏壇 です。
高さが150センチほど、幅が50~60センチほどのものが主流です。

上置き仏壇
上置き仏壇は、棚など物の上に設置できる仏壇 です。
高さ、幅共に50~60センチのものが主流です。

ミニ仏壇
コンパクト仏壇
ミニ仏壇は、小さなものではA4サイズほどの仏壇 です。
箱型の物や、オブジェのような形のものもあります。

一見すると仏壇とは分からないものもあります。
単身世帯の方や、仏壇に馴染みがなくあまり目立たせたくない方に人気です。

浄土真宗の仏壇に飾る仏具
仏具5
浄土真宗の仏壇に必要な主な仏具をご紹介します。

本尊
法名軸・過去帳
三具足(または五具足)
六角供花
仏飯器
華鋲
おりん
打敷
順にご紹介します。

本尊
浄土真宗の御本尊は、阿弥陀如来 です。
仏像、もしくは掛け軸 を祀ります。

仏像の場合は頭光と背光のついた立像(西立阿弥)を祀りましょう。
掛け軸の際は後光の差すものにします。

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脇侍
脇侍(きょうじ・わきじ)とは御本尊の両側に祀る像、もしくは掛け軸 です。
浄土真宗の場合、 向かって左に蓮如上人、右に親鸞聖人 を祀ります。

または、両側に仏の名を掛け軸にて祀ります。
浄土真宗では、 向かって右が九字名号の掛け軸「南無不可思議光如来」 です。

左に十字名号の掛け軸「帰命尽十方無硯光如来」 です。

法名軸・過去帳
法名軸や過去帳とは、先祖の法名や命日を記しておくもの です。
浄土真宗はその教えから、位牌を用いません。

代わりにこれらのものを使い、先祖を偲びます。

法名軸に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

法名軸とは?種類・費用相場・置き場所!書き方やおすすめ商品も
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過去帳に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

過去帳とは?書き方や宗派の違い!保管・処分方法や記入代行も解説
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三具足(または五具足)
三具足とは、花立・香炉・燭台のセット です。
浄土真宗本願寺派では茶色、真宗大谷派では金色の花立・燭台を主に使います。

また、大谷派では燭台に鶴亀が描かれます。
香炉はどちらも青銅器香炉ですが、大谷派には透かし模様が入ります。

三具足は略式のもので日常にて使用し、法事などでは五具足を使います 。
五具足は花立と燭台が1対ずつの仕様です。

供具
供具とはお菓子や餅のお供えをする台 です。
本願寺派では六角形、大谷派では八角形です。

仏飯器
仏飯器とは、食事を供える道具 です。
本願寺派では御本尊と脇侍にそれぞれ供える為3つ用意します。

大谷派では1つの食事を供えます。

華鋲
華鋲(かびょう)は、樒やサカキの葉を供えるための入れ物で す。
食事とともに供えられることが多いです。

おりん
おりん
おりんは鈴のこと です。
仏壇に飾られているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

おりんの下にはりん台を敷きます 。
りん台の形は、本願寺派は六角形、大谷派は四角形です。

おりんに関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

おりんとは?費用相場や選び方・鳴らし方とおすすめのおりんも紹介
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打敷
打敷とは仏壇の棚などに敷く布 です。
法事などに使用し、仏壇を煌びやかにします。

浄土真宗では三角形の打敷を使います。

仏具に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

仏具の種類や名前を解説!仏壇への置き方や手入れの方法も!
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浄土真宗の仏壇に飾る御本尊の祀り方
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仏壇は、家にある寺であり、祀る御本尊はその中核として重要 です。
この項では、浄土真宗本願寺派と真宗大谷派における御本尊の飾り方をご紹介します。

どちらも御本尊は阿弥陀如来となりますが、若干の違いがあります。

浄土真宗本願寺派
浄土真宗本願寺派は西本願寺を本山寺院とする宗派 です。
その為お西と呼ばれることもあります。

本願寺派の御本尊の仏像には後光(頭の後ろの光)の下に背光が施されています 。
後光の本数は48本です。

御本尊を掛け軸にした場合、後光は6本 です。
脇侍には蓮如上人と親鸞聖人を祀る場合が多いです。

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真宗大谷派
真宗大谷派は、東本願寺を本山寺院 とします。
本願寺派のお西に対し、お東と呼ばれます。

大谷派の御本尊の仏像は、後光のみが施され、背光はなしとされます 。
本数は本願寺派と変わらず48本です。

御本尊を掛け軸にした場合、後光は8本 です。
脇侍には九号名号と十号名号を祀ることが多いです。

浄土真宗の仏壇の飾り方
仏壇 祀る
浄土真宗における仏壇の飾り方を

上段
中段
下段
に分けてご紹介します。

上段
上段は、仏壇の中心である御本尊、両側に脇侍の仏像もしくは掛け軸 を祀ります。
御本尊の上に、御本尊を照らす為の 灯篭(とうろう) を下げます。

なお、本願寺派の灯篭の足は「猫足」と呼ばれ、外に向いている造りです。
大谷派は「丁足」と呼ばれ、内に向いています。

また、仏壇手前を明るく照らす為の 輪灯(りんとう) も下げます。
本願寺派の輪灯は菊を彫刻された菊輪灯、大谷派は本山輪灯です。

大谷派では瓔珞(ようらく)という、高貴な人がする首飾りの模倣を飾ることもあります。

中段
中段は2段に分かれます。
上には食事をお供えする仏飯器や、お菓子をお供えする供花、華鋲 を配置します。

その 下の段向かって左には花立、右は過去帳 を配置します。

下段
下段中央には香炉を置き、向かって右に灯篭とおりん などを置きます。

浄土真宗の仏壇に必要ないもの
×
浄土真宗の仏壇には必要のないものがあります。

水・お茶
位牌
です。

水・お茶
浄土真宗の仏壇には、水やお茶を供えません 。
浄土真宗の教えでは必要ないことが理由です。

人は亡くなるとすぐに極楽浄土に行けるとされています。
その為、 現世で食事や水を取る必要がないとの考え があります。

また、極楽浄土には綺麗で豊富な水があるとされています。
八功徳水(はっくとくすい) と呼ばれ、浄土真宗において重要な位置づけをされています。

敢えて現世の水を供える必要はないという考えです。
ただし八功徳水を表すために、 花鋲に水を入れ樒(しきみ)やサカキの葉を供えます 。

位牌
位牌
他の宗派で多く用いられる位牌ですが、浄土真宗では用いません 。
これも浄土真宗の教えによるものです。

他の宗派の多くは、人は亡くなると仏に弟子入りし、浄土に行くための修業をするとされます。
先祖が浄土へ行けるよう祈る供養の対象として位牌は作られています。

しかし浄土真宗では、 どのような人も亡くなるとすぐ極楽浄土に行くとされています 。
修業の必要がない為、浄土へ行けるように祈る必要がないと考えられています。

その為、 仏壇には位牌は必要ありません 。
ただし、他の宗派では位牌が故人の記録として用いられてもいます。

浄土真宗では、 故人の記録のために過去帳や法名軸が作られています 。

浄土真宗の位牌に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

浄土真宗で位牌は必要か?位牌に代わる法名軸や過去帳も解説
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浄土真宗の仏壇のマナー
マナー
浄土真宗における仏壇のマナーをご紹介します。

おりんは鳴らさない
仏壇の扉は日中開く
順にご説明します。

おりんは鳴らさない
毎日のお勤めや、供養の際の最初におりんを鳴らすことが一般的だと思われています。
実際そういった場面を目にしたことがある方も多くいらっしゃるでしょう。

しかし 浄土真宗においてはおりんは鳴らしません 。
もともと、仏に仏壇の前にいるもののほうを向いてもらう為におりんを鳴らします。

しかし浄土真宗では、いつ何時も仏はこちらを見ているとされています。
その為おりんを鳴らして仏を呼ぶ必要がないのです。

浄土真宗でおりんを鳴らすときは、お経の始まりや終わりなどを表すため です。
皆でお経を読む際に使うものとされており、仏の為にあるものではありません。

仏壇の扉は日中開く
仏壇
浄土真宗では、仏壇の扉を日中開くとされています 。
仏壇の開閉は宗派によって違いがあるところです。

仏壇は本山寺院のミニチュアとされている為、本山寺院の様式にのっとっています。
浄土真宗の本山寺院では日中は開いている為、仏壇もそれに沿います 。

また、仏壇の扉を閉めることで、御本尊が見えなくなります。
個々の心に仏からの慈悲の心の意識が薄れるため、開けておくという考えもあります。

しかし近年の生活様式の変化により、扉の開閉については昔より柔軟になっています。

浄土真宗の教えや東西の違いを踏まえ、正しく仏壇を設置しましょう
今回は、浄土真宗の仏壇の飾り方をご紹介しました。
仏壇は、家にある寺院 と考えられています。

加えて 浄土真宗では、仏壇で極楽浄土を表しています 。
仏壇の設置する向きは、最近では明確な決まりはありません。

日当たりが良く湿気が少ない場所を選びましょう 。
また、浄土真宗では金仏壇が一般的でしたが、最近ではその他の種類も選ばれています。

近年の住環境や生活様式の変化が影響しています。
またサイズも様々な種類が出ています。

浄土真宗の仏壇に飾る仏壇や仏具は、浄土真宗本願寺派と真宗大谷派で違いがあります 。
作り方や色、形、装飾などです。

正しい知識を持って選定しましょう。
仏壇への仏具の並び方にも決まりがあります。

また、 浄土真宗では水やお茶、位牌は仏壇に必要ありません 。

加えて、 おりんを鳴らさないなどのマナーもあります 。
いずれも浄土真宗の教えに基づいています。

浄土真宗の教えや東西の違いについて正しい知識を持ち、仏壇を飾りましょう。

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