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葬儀

2024.04.30

お墓の相続は誰がするの?承継者の決め方や費用・手順を解説!

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お墓の相続と聞くと、ついその家の長男が継ぐのが当然と考えがちですよね。
ですが、実際に法律的にはどのようになっているかご存知ですか?

今回は、見落としがちなお墓の相続について、継承者の決め方から相続トラブル回避方法までを解説していきます。
大切な家族や先祖が眠るお墓ですので、正しく継承をしていきましょう。

お墓を相続するのは祭祀承継者
お墓参り
家族や親族が亡くなった際に入る、お墓。
ですが、亡くなった親族がお墓の所有者だった場合、当然ながら誰かがお墓も相続する必要があります。

では、 お墓は誰が継ぐものなのでしょうか。
まずは、お墓を相続する人の決め方について考えてみましょう。

祭祀財産
慣習と法律
祭祀財産
お墓は、財産の中でも 祭祀財産(さいしざいさん) と呼ばれています。
この 祭祀財産の中には、お墓以外に仏壇仏具、位牌、家系図、過去帳などが含まれます 。

つまり、 その家の祭祀にまつわるものを総称して「祭祀財産」と呼ぶ のです。
更に、祭祀財産の相続人は相続後、法事等の家系の祭祀を主宰することになります。

祭祀財産は、一般的な相続が必要な財産とは異なり、相続税の対象ではありません。

慣習と法律
お墓等の祭祀財産は、慣習として、財産分けせずに たった一人の人物が受け継ぐ ことになります。
いわゆる「家督を継ぐ」人物というのが、祭祀財産の相続人なのです。

この 祭祀財産の相続人は、法律等で指定されている訳ではありません。
勿論、長子が継がなくてはならない、という法律もありません。

ですが、家督は長男が継ぐ、という考え方は勿論現在も根強く残っていますよね。
また、 家庭や地域の慣習 によっても異なることがあります。

相続人を決める際には、それらを考慮した上で決めるのが一般的です。


お墓を相続する人の決め方
喪服
では、どのようにして祭祀財産の相続人を決めれば良いのでしょうか。
実は、 祭祀財産の決め方には優先順位が存在 します。

被相続人の指名
相続人同士の話し合い
家庭裁判所での裁判
被相続人の指名
被相続人、つまり 現在祭祀財産を所有している人物からの指名 が、最も分かりやすい決め方です。
相続人の指名は亡くなる前に行っても構いませんが、実際に相続するのは、現在の祭祀財産相続人が亡くなった際です。

生前から 口頭やその他の手段で指名 する、 死後に遺言状で指名 する等、様々な方法で相続させることが出来ます。
先ほど説明した通り、被相続人は、家庭の事情や慣習を考慮した上で相続人を決めることになります。

相続人同士の話し合い
被相続人の指名が無かった場合は、 相続人同士の話し合いで決めます。

この話し合いは、通常法定相続人同士で行われますが、場合によっては法定相続人以外の人物が加わる場合もあります。
例えば、内縁の妻がいた場合などです。

こういった話し合いは、同時に一般的な財産の相続についても話し合われます。
そのため、どうしても話が纏まらず、家族や遺族がもめる原因にもなるのです。

家庭裁判所での裁判
被相続人の指名がなく、相続人等の話し合いでも決まらない場合は、 家庭裁判所に決断をゆだねる ことになります。
ですが、祭祀財産はその他の相続財産とは異なる為、多くの場合は裁判にはなりません。

祭祀財産の相続の決定を家庭裁判所に持ち込むということは、それ以外の財産で揉めている場合が多いです。
また、たとえ家庭裁判所で相続人が決まったとしても、裁判にまで発展した親族間の諍いが消えるわけではありません。

祭祀財産は、 その家の系譜を守る大切なもの です。
出来ることなら、裁判になることなく相続人が決まることが望ましいです。


お墓の相続には霊園の規則を確認
霊園
お墓の相続人は基本的に被相続人の意思で決まりますが、 霊園や墓地によっては相続できる人に制限がある場合もあります。
例えば、「お墓の相続に関しては、3親等以内の親族に限る」等の決まりがある霊園の場合は、その規則に従わなくてはいけません。

お墓の相続について決める際には、あらかじめ 霊園や墓地の規則を確認 しておきましょう。


お墓を相続した人の役割
お墓
お墓を相続した人には、様々な 役割 があります。
これらの役目を果たすために相続したのですから、当然の義務とも言えます。

具体的に、何をする必要があるかを見ていきましょう。

お墓の維持管理
法要の主宰
遺骨やお墓の所有権を持つ
お墓の維持管理
お墓を相続した人は、当然その 維持管理 をする必要があります。
これは、お墓を相続した人の最も基本的な役割です。

具体的には 草引や掃除、お花・線香等を供える、等といった日常のお墓の管理義務 を負います。
季節やお墓のある場所にもよりますが、週に一度は墓地の掃除を行いましょう。

お墓の掃除に関する詳しい記事は以下を参考にしてください。

【ご住職監修】お墓掃除の正しい仕方とは?手順や道具、コツも解説  第三人生編集部

法要の主宰
法要の主宰も、相続人の大切な役目 です。
故人の年忌法要、宗派によってはそれ以外にも自宅で法要を行う場合があります。

お墓の相続人は、家の祭祀財産全般を相続 しますので、そういった 法要全ての施主 となります。
法要に関する詳しい記事は以下を参考にしてください。

【専門家監修】法事・法要とは?違いや種類を解説!服装・お布施・お供えも
第三人生編集部

遺骨やお墓の所有権を持つ
お墓を所有するということは、その下に埋まっている遺骨に関しても所有権があります。
その為、 相続人は墓石の増設や、墓じまいを行う場合の責任者でもある ということになるのです。

勿論、墓石の増設や墓じまいは親族との話し合いをすることが大前提です。
ですが、最後の決断権は、相続した人が所有しています。


お墓を相続する流れ
お墓
お墓の相続人が決まり、その役割も理解できました。
では、実際に相続するにはどのような 手順 を踏むのか、具体的に見ていきましょう。

祭祀承継者を決定
お寺に連絡
名義交換
費用
祭祀承継者を決定
まずは、 祭祀継承者の決定 です。
これは、 被相続人からの指名 などで決まります。

被相続人の意思や親族の意思に加え、霊園の規則に沿う人物であることが条件です。

お寺に連絡
祭祀継承者が決まったら、 お寺に連絡 をします。
お墓の相続には書面による手続きが必要ですので、お寺に連絡をしてその手続きを進めます。

霊園やお寺によって手続きの方法は様々 ですので、お寺に連絡した際にその方法を聞くようにしましょう。

名義交換
お墓の相続の一番大きな手続きは、 墓の名義人の変更 です。
先ほど述べた通り、手続きの方法は霊園やお寺によって異なりますが、主に以下のような書類が必要となります。

お寺や霊園指定の名義変更申請書
墓地の使用許可証・権利書
故人の死亡が記載されている除籍謄本
相続人の戸籍謄本・住民票
相続人の実印・印鑑証明
これ以外にも、お墓の相続人であることの証明書類として、 故人の遺言書 や 他の親族の相続同意書 等の提出が求められる場合もあります。


お墓を相続することでかかる費用
お金
お墓を相続することにより、費用がかかります。
相続によって発生する費用は以下の通りです。

名義変更にかかる費用
お墓の管理費
法要の費用
相続税について
名義変更にかかる費用
お墓の名義変更にかかる費用は、相続人が負担 することになります。
なお、名義変更の手数料は一般的に墓地管理者に支払います。

費用はあまり高額ではないですが、墓地の種類によっても相場は変わります。

費用相場
公営墓地    5百円~3千円
民営墓地    5千円~1万円
寺院墓地    ケースバイケース
寺院が管理する墓地の場合は、檀家の立場も引き継ぐため、通常の手数料にお布施も添えて寺院に納めるケースが多いようです。
その為、 金額はケースバイケースなので、各家庭や地域の風習を優先 してください。

この名義変更の費用に加え、除籍謄本、戸籍謄本、印鑑証明等の雑費も必要となります。

お墓の管理費
お墓を相続するにあたり 今後のお墓を維持するための管理費 も支払う必要があります。
しかし、霊園や墓地によっては墓地購入時に永代使用料などと合わせて一括で払われている場合もあるので、確認が必要です。

管理費用も墓地や霊園によって相場は変わります。

費用相場
公営墓地    年間4千円~1万円
民営墓地    年間5千円~1万5千円
寺院墓地    年間1万円前後
寺院が管理する墓地の場合は、 管理費に加え各種行事の参加費もかかる 場合もあります。
行事参加費の相場は、1回につき1万円~3万円くらいです。

法要の費用
先祖の法要も相続人の負担となる場合が多いでしょう。
法要の費用相場は、お布施が3万円~15万円ほど で加えて食事代などがかかってきます。

相続税について
お墓は、祭祀財産と言い相続財産には含まれません。
したがって、 相続税は発生しません。


お墓の相続放棄はできる?
お墓
お墓などの祭祀財産は、通常の財産相続とは異なるものでした。
では、 お墓は相続放棄はできるのでしょうか。

例えば、相続するお墓が遠方にある為管理が行えない、他に相続候補者はいないけれど自分も管理が出来る状態ではない。
このように、近年様々な理由で、 お墓を相続できない場合 が増えてきました。

そんなお墓の相続放棄について、考えてみましょう。

そもそも相続放棄の対象ではない
お墓返還
そもそも相続放棄の対象ではない
近年は様々な理由により、お墓が「 いらない 」と結論付ける人が多くなりました。
ところが、あなたがお墓の相続人となった場合でも、 お墓の相続放棄はできません。

なぜなら、 お墓はそもそも相続放棄の対象となる財産ではない からです。

お墓を含めた祭祀財産は、他の財産とは扱いが異なります。
その他の財産を相続放棄したところで、お墓等の祭祀財産は手元に残るのです。

お墓返還
どうしてもお墓の維持管理が出来ない場合は、 お墓を返還する ことになります。
つまり、 墓じまい です。

あなたがお墓の相続人となった場合、相続放棄はできません。
ですが、 あなたが相続した段階で、あなたにはお墓を処分する権利が生まれます。

勿論、墓じまいを行う為には、様々な条件や費用が必要になります。
お墓の返還に関しては、墓じまいの手続きについても良く調べてから行うようにしましょう。

墓じまいに関する詳しい記事は以下を参考にしてください。

墓じまいとは?費用相場や手続きを解説!永代供養・散骨を選ぶ人が多い?
第三人生編集部

お墓の相続で費用を抑えるポイント
お墓
お墓は相続放棄が出来ませんので、必ず誰かが相続することになります。
そこで、 少しでもその費用や相続の負担を抑える 為にはどうすれば良いかを考えてみましょう。

永代供養墓
修繕は相続前にしたほうが良い
永代供養墓
永代供養墓とは、霊園の管理者が遺族に代わって管理してくれるお墓 のことです。
合祀墓など様々な形式がありますが、基本的にあなたが日々の管理は行いません。

永代供養墓の購入には費用がかかりますが、 相続人の負担を考えて永代供養墓を選ぶ人が近年増えています。
英題供養墓に関する詳しい記事は以下を参考にしてください。

【専門家監修】永代供養墓とは?費用が安い?墓じまいからの永代供養墓への流れも解説
第三人生編集部

修繕は相続前にしたほうが良い
相続の費用を抑える 為という意味では、お墓の修繕を相続前に行うのが良いです。
お墓は祭祀財産ですので、たとえ相続しても相続税を払う必要はありません。

そのため、 どんなに高額なお墓を相続しても相続税はかかりません。
つまり、お墓の修繕を行って、綺麗になったお墓を次の代に渡すことで 節税 にもなるのです。


お墓の相続トラブルを回避するための行動
相続
近年、 少子化のためお墓を相続する人がいない などの問題が増えてきました。
また、お墓に限らず、相続のトラブルというものは誰もが不安に感じますよね。

そういった相続トラブルを回避するために、どのような行動をとれば良いのかを考えてみましょう。

終活で考える
家族の間で話し合う
終活で考える
まず、あなたがお墓を所有している場合は、 終活を行う ことも一つの方法です。
あなたの死後、お墓やその他の財産を管理してくれる人がいればよいですが、いない場合は あなたが片付けることが望ましい です。

勿論、代々続いたお墓を自分の代で処分するには心の整理も必要でしょう。
終活とは、ただ所有している財産や物品を処分するだけではなく、そういった心の整理も必要です。

お墓に関しても、あなたが望むような形になるよう、良く考える ようにしましょう。
終活に関する詳しい記事は以下を参考にしてください。

終活はいつから始めればいいの?終活のタイミングとメリットも解説!
第三人生編集部

家族の間で話し合う
家族や親族がいる場合は、 よく話し合うことが重要 です。
お墓は、所有者の意思で相続人を決めることが出来る、と述べました。

ですが、 あなたの決断一つで、あなたの死後家族間のトラブルが生まれる可能性もある のです。

いざ相続でトラブルになった時は、もう話し合いが意味をなさなくなってしまいます。
そうなる前に、 日頃から家族の間での話し合いが重要 となるのです。


お墓を相続するとは先祖を相続すること
お墓は、 相続 という意味では見落としがちな財産の一つです。
相続人の決め方や、手続きの方法など、考えなくてはいけないことが沢山あります。

ですが、 お墓の相続とは、親族、先祖を相続するということ です。
管理が大変、お金がかかる、等の問題も当然生まれるでしょうが、お墓には沢山の思いも込められています。

他の財産とは違い、 たった一人の人物が相続する財産に込められた思い を、更に 次の代へと伝える ことが重要なのです。

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