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終活

2024.04.30

遺言書を自筆する時の書き方のルール!例文や法律的な注意点も!

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自筆で遺言書を作成する場合、決まったルールはあるのでしょうか?
こちらでは自筆で遺言書を作成する場合の、決められたルールや、無効となってしまう例を具体的な例文を挙げてご紹介しています。

また、法律的な観点からの注意点もご紹介しています。
自筆で遺言書を書こうと思っていらっしゃる方にはご参考になさって下さい。

遺言書を自筆するときのルール
マナー
本人がすべて書くこと
さまざまなことがきっかけで、 遺言書を作成しておこう、と考える方もいらっしゃる と思います。
ご自身に何かあってからでは遅いですから、 作成できるうちに書きたいですね。

自筆の遺言書には、 きちんとしたルールがあります。 まずそれらを把握してから書きましょう。

自筆の遺言書は 「遺言者が自筆をする」が、ルール です。
これは 第三者によって改ざんされることのないよう、ご本人の本意でないことを書かれることを防ぐため です。

これは 配偶者やご家族でも同じこと です。
更に、一か所でも ご本人の自筆でない所があればNG です。

録画・録音は不可
自筆証書遺言は 本人の自筆以外はNG です。
声を録音する、また動画を撮影する、などは不可、無効 となります。

たとえご本人がご自分で出演されて画像で喋っていたとしても、 「自筆」でなければ法的に無効 になりますので注意して下さい。

自筆の遺言書のメリット
メリット
メリットはどこにあるでしょうか、3つ挙げてご紹介します。

いつでもどこでも書けて修正も自由
遺言書を書いていることを秘密にできる
費用がかからない
いつでもどこでも書けて修正も自由
自筆の遺言書の最大のメリットは、 紙と筆記具さえあれば、時間に捕らわれず、好きな時に、また何処にいても書ける 、という点です。
ご自分が「書こう」と思った時に書けますし、誰に相談しなくても良いのです。

また、 読み直して気になったところがあったり、また内容を大幅に変更したい時も、一人で自由に修正 、作れます。

遺言書を書いていることを秘密にできる
ご自身で遺言書を作る事は、 誰にも知られずに書ける 、とも言えます。また、遺言書を自筆している事、 遺言書の存在を他人に知られる事もない です。

保管場所も秘密にしておけます。

費用がかからない
公証人などを介する必要がないため、 制作するのに費用が不要 、というのもメリットです。


自筆の遺言書のデメリット
デメリット
それではデメリットはどうでしょうか。

形式を守れず無効になるおそれ
本意がつたわっず争いの原因に
遺言書を見つけて貰えない可能性
形式を守れず無効になるおそれ
自筆の遺言書には短所もあります。ご自分で誰にも頼らず遺言書を作成した場合、 書式面で不備が出てしまう可能性 もあります。

不備があった場合にはその遺言書は無効 となってしまいます。
不備ではなくても 自筆の遺言書の場合にはそれが有効かどうかを巡ってご遺族の間で争いが起きる 事があります。

本意が伝わらず争いの原因に
自筆の遺言書では、 専門家などに頼らないため、遺言者の本意、伝えたい事がうまく伝わらない事も あります。
その場合、 解釈を巡って相続人の間で紛争が起きてしまったり 、遺言者が本来こうしたかった、という結果にならない可能性もあります。

遺言書を見つけてもらえない可能性
自筆の遺言書は誰にも知られずに書くことが可能であり、メリットでもあります。
しかし ご本人になにか急なことがあった場合、誰にも存在や保管場所が知らされないデメリット もあります。

また、 悪意をもった第三者に改ざん されてしまう恐れもあります。


自筆の遺言書に関する制度の変更点
遺言書
自筆の遺言書に関して、制度が変更になりました。

パソコン作成が可能に
法務局が管理してくれる
施行時期は?
添付する財産目録をパソコンで作成が可能に
自筆の遺言書作成が困難なケースもあります。
たとえば 認知症や視力の低下、など、これらは誰にでもおこりうるケース ですよね。

加齢によってペンが上手く持てない、などの事もあります。そこで、そういったことを踏まえ、 2019年から財産目録に関してのみ、パソコンでの作成が可能 になります。

財産目録を手書きで行うのは、細かい作業になる上、間違いが許されないので大変な作業でした。
改正により、この財産目録をパソコンで作る事が出来る のは大変大きなことです。

また、 不動産登記簿謄本や、通帳のコピーの添付でもOK になりました。
但しパソコンが認められるのは財産目録の部分だけに限り、 その他は自筆で 書きます。

法務局が遺言書の保管をしてくれる
現行の制度では 自筆の遺言書は公的な機関が保管してくれることはありません でした。
そのため、遺言書が見つからない、または第三者によって書き換えられてしまう、などのトラブルも多く発生しました。

しかし 改正により、法務局が自筆の遺言書を保管することができる のです。
さらには、その自筆遺言書が きちんと形式を守って作成されているかのチェックもしてくれる ため、不備等のトラブルを避けられます。

また、家庭裁判所による検認も必要なくなるので、 相続手続きがスムーズになる、というメリット も生まれます。

それぞれの施行時期
これら2つの改正点については、それぞれ施行時期が異なります。
パソコン作成が解禁されるのは2019年1月13日から **、そして 法務局が管理してくれるようになるのは2020年7月10日から**になります。


遺言書は何にかけばいい?
疑問
用紙に決まりはない
自筆の遺言書を書くのに、どの用紙に書くべきか迷う方も多いでしょう。
自筆の遺言書を書くのに、決まった用紙はありません。

多くの方は便せんか原稿用紙が用いられるようです。
便せんにしろレポート用紙にしろ、 丈夫な紙を選んだ方が良い でしょう。

感熱紙のような、 日にちがたつと文字が劣化するような紙も避けましょう。 場合によっては何年も保管するものですから用紙選びは慎重に行って下さい。

できればボールペンで
記入するツールに関しても、特に決まりはありません。
しかし大切な文書が消えてしまわないように、 鉛筆はなるべく避けた方がおすすめ です。

多くの方は ボールペン、万年筆を用いて 書かれているようです。


遺言書の守るべきルール
マナー
用紙や書くツールについて、自筆遺言書に特に決まりはありませんが、必ず守るべきポイントがあります。

縦書き横書きはどちらでも良い
署名
押印
日付
本文は縦書き横書きどちらでもよい
自筆遺言書の書式は縦書き横書きどちらでも構いません。
ご本人の自筆であれば書式に特に決まりはありません。

ご自分の書きやすい書き方で 書きましょう。

署名
当たり前のことではありますが、 ご本人のお名前、署名を忘れないように しましょう。
これは フルネームで、本名をきちんと書いて ください。

ニックネーム、ペンネームでも本人と分かれば認められますが、本名のほうが間違いがありません。
**できれば 戸籍の通りの本名を記し**、あわせて住所や生年月日も書いておくと確実で安心です。

押印
印がなければ自筆の遺言書は無効 になります。
押印は実印でなくても、認め印でも構わないのですが、 できれば実印を使用 した方が確実です。

遺言書が2枚以上にわたる場合には ページの境目に契印を しましょう。

日付
自筆の遺言書は、 作った日付を必ず入れて 下さい。4月吉日、というような曖昧な書き方ではなく、 正確な日にちを記入 しましょう。

また、自筆の遺言書を複数に渡って作成した場合には、 一番新しい日付の遺言書が優先 されます。
なお、「〇歳の誕生日」という書き方は、ご本人の誕生日が明確ならOKです。


遺言書を自筆するときのポイント
ポイント
自筆遺言書を作成するポイントについて解説します。

具体的に書く
所有財産の確認
誰に相続させるのかはっきりと
具体的に書く
自筆で作成する前に、まず心構えとして 「具体的に書く」「曖昧な表現をしない」ということ を心にとめておきましょう。
主語、目的語を明確にした上で、例えば財産の分与について、 誰に何を相続させるか、というのは詳しく書く 必要があります。

曖昧な表現をすることで相続者たちを混乱させたり、またトラブルにも発展しかねないので気をつけましょう。

所有財産の確認
自筆遺言書を作成の前に、 ご自分の財産について正確に把握して おきましょう。
土地などはもちろんですが、 銀行など口座関連も、何か所も開設されている方は一つ一つ確認して おきましょう。

いきなり財産の配分について書き始めても、ご自分の財産について把握していない状態ではまとまりもつかなくなってしまいます。
例えば、随分前に人に譲ってしまったことを忘れて書いてしまったりすると、 相続人の間で混乱を招きます。

トラブルの原因にもなりますので気を付けましょう。

誰に相続させるのかをはっきりと記す
自筆の遺言書は 遺言者が亡くなったあとに開封 されます。
遺言者ご本人による補足などができません。

財産など、 誰に何を相続させるのかは具体的に細かく指示をする必要 があります。
たとえば、曖昧に「娘に実家の土地を相続させる」では具体性に欠けるのでNGとなってしまいます。

相続人たちの間で通じれば良いのでは、とお考えになる方も多いですが、 遺言書は第三者から見てもそれがどの財産のことなのかが分かる必要が あるのです。
理由は、 相続人が銀行や不動産の名義を変更する際にも遺言書が必要となるから です。

ですから、土地のことを書く時には、登記簿謄本に記載されているように書きましょう。以下に、詳しくご説明します。


遺言書を自筆するときの注意点
注意
自筆遺言書を作成するときに気を付けるべきポイントを解説します。

表題
相続人氏名
相続
口座番号
不動産と建物と土地
遺言執行者を選ぶ
日付
その他
表題
自筆の遺言書に形式は特にないのですが、一応、 この書簡が「遺言書」であることを明確にするため にも、表題が書いておいた方が良いでしょう。 「遺言書」あるいは「遺言状」で大丈夫 です。

相続人氏名
遺産を譲る相手、相続人のお名前は 正確に、戸籍に記載されている通りの名前 を書きましょう。
娘、息子、のような書き方や、あだ名や愛称などでは書かないようにして下さい。

普段その呼び方で呼んでいる、としても 遺言書に記す際には正確な本名を 書きましょう。
より確かなものにするために、 続柄や生年月日などを書いておくのも良い ですね。

相続
相続人に財産を譲る、ことの書き方としては、「相続させる」とはっきり書きます。
「譲る」「渡す」「任せる」「引き継がせる」などの表現では混乱を招きます ので、はっきりと「相続させる」と書きましょう。

なお、相続人以外の人に譲る場合には 「遺贈する」という言葉を使用します。

口座番号
銀行など、金融機関にある預貯金などを相続する場合には、 銀行の支店名から口座番号まで 正確に明記しましょう。
このとき、具体的な金額を書いてしまうと、 預貯金に変動があった場合に困る ので、金額は書かず、 「預金の全て」というふうに書きます。

具体的な金額を書いてしまった場合、残りの預金はどうなるのかとトラブルになったり混乱を招いたりすることがあります。

不動産と建物と土地
自宅や、別荘、など曖昧な書き方ではなく、たとえ分かり切っているとしても住所を詳しく記入します。
**不動産の場合は 登記簿謄本に記されている通りに書きます**(事前に入手しておく必要があります)。

土地なら、 地番、地目、地籍まで細かに書きましょう。 土地と建物は分けて記入しましょう。

遺言執行者を選ぶ
遺言執行者を決めておきましょう。
遺言執行者(遺言執行人)とは、遺言書に書かれている様々なことの手続きや処理を代表して行う人のことです。

いわば、相続人たちの代表者、まとめ役、といったところでしょうか。
遺言執行者を決めておくと 銀行口座の解約手続きなどがスムーズにいきます。

また、相続人以外に遺贈する場合にも、遺言執行者を決めておいた方が確実です。

日付
遺言書を書いた日付を正確に 記します。
某日、という書き方ではなく何月何日、まで書きましょう。

書き終わったら 封筒にいれて安全なところに保管 しましょう。
封筒に入れる、という決まりはありませんが、 第三者による改ざんなどを防ぐため、封印しておくのがおすすめ です。

その他
借金があればそのことも記しておきましょう。
また、 言伝などがありましたら書いて おきます。

例えば 自分のお葬式はこうしてほしい、とか納骨はこうして欲しい、など自分の死後にこうして欲しい旨があれば 記しておきましょう。
また、相続人に対して、感謝の気持ちなど生前は言えなかったようなメッセージも記入可能です。

自筆遺言書は決まった形式がないので、 裏を返せば何を書いてもいい 、ということになります。


自筆する遺言書の例文
手紙
自筆遺言書の例文をいくつかご紹介します。

例文①シンプルな例
例文②預貯金に関して
例文③土地・不動産
自筆遺言書例文①もっともシンプルな例
遺言者〇〇は、次のとおり、遺言をする。

1. 妻△△に全ての財産を相続させる。

平成○○年○○月○○日

〇〇県〇〇市○町○丁目○番地○
遺言者 〇〇〇〇 印
最低限、記入しなければならないことは記入してあります のでNGではありません。取り急ぎ自筆遺言書を作成しなければならない時は、究極、とも言えますが上記の例を参考にしてください。

自筆遺言書例文②預貯金に関して
長男△△△△(フルネーム)(昭和○○年△△月××日生)に下記預金を相続させる。
□□銀行 ▽▽支店 普通口座123456
口座名義 〇〇〇〇
具体的な金額を書いてしまうと実際の預貯金の金額とずれてしまう恐れもある ので、金額は書かないようにします。

自筆遺言書例文③土地・不動産に関して
妻〇〇(昭和○○年△△月××日生)に下記の不動産を相続させる。

土地
所在 〇〇県〇〇市○丁目〇番〇
地番 ○○○○ 
地目 宅地
地積 ○○㎡

建物
所在 〇〇県〇〇市○丁目〇番〇
家屋番号 ○○○○
種類 居宅
構造 鉄筋コンクリート2階建て
床面積 1階○○㎡ 2階○○㎡
登記簿謄本に書いてあるそのままを記載すれば間違いはない でしょう。土地と建物は分けて記載しましょう。


遺言が無効になるかもしれない文例
手紙
自筆遺言書が無効となるかもしれない例①
長男に〇〇銀行〇〇支店の預金2,000万円を相続させる
一見、OKそうにも見えますが、 具体的な金額を書いてしまうと、実際遺言書を開封したときの預貯金がこの金額とずれていた場合には混乱を 招きます。また、 「長男」という書き方ではなく、長男〇〇というように名前や生年月日を記入 しましょう。

自筆遺言書が無効となるかもしれない例②
妻に実家を相続させ、長女に預金口座を相続させる
具体的に財産が示されていないのでNG になる可能性が高いです。
実家の住所、そして口座番号を詳しく記す必要があります。


自筆証書遺言が死後に見つかった場合
通夜 葬儀
死後、自筆遺言書が見つかった場合には、 勝手に開封せず、まず家庭裁判所にて「検認」をしてもらう必要 があります。
封がしてある場合には、 家庭裁判所で相続人が立ち会いのもと、開封する決まり になっています。

検認というのは自筆の遺言書を確認し、 改ざんされていないか、偽造されていないかなどをチェックするもの です。
ルールを破った場合は罰金に処せられることもありますので注意しましょう。


【コラム】自筆証書遺言以外の遺言
文字を書く
自筆の遺言書の他にどういった遺書があるでしょうか。

公正証書遺言
秘密証書遺言
特別証書遺言
公正証書遺言
自筆の遺言書に対し、 公正証書遺言とは、公文書の作成のプロによって作成される遺言書 を言います。
自分では上手く書けなさそう、自信がない、という方にとっては安全、安心できるもので利用する方は多いです。

しかし当然ながら費用が発生します。
**また、その都度打ち合わせなどが必要になり、 手間や期間がかかります。**

秘密証書遺言
秘密証書遺言は本人が遺言書を作成し、それを公証人に提出し、それが本人の遺言書であると証明してもらえるもの です。
遺言書を作ったことを知らせながら、内容は秘密にできるというもので、 自筆遺言書と公正証書遺言のミックス 、といった感じです。

しかし内容のチェックは行われないため、 形式にミスがあった場合はNGとなる可能性 もあります。

特別証書遺言
以上、自筆遺言書も含めて普通方式、と言いますが、そのほかに 特別方式の遺言書 というものもあります。

危急時遺言
遺言者に差し迫って死の恐れがある場合に、 本人ではなく代筆によって書かれた遺言書 のことです。
病気や怪我で死亡の恐れがあるとき、また船や飛行機で死亡するかもしれない危機に直面した時 に口頭で伝えます。

証人2人、もしくは3人が必要となりますが、本来代筆は認められませんがこの事態では認められます。

隔絶地遺言
遺言者が一般社会から離れたところにいる場合に適用 されます。
刑務所にいたり、隔離が必要な病気などで交通が遮断された場所にいる方が対象です。

また、 被災地の方にも適用されます。


自筆遺言書はルールを守って
遺言書のことを考えるのに、早すぎる、ということはありません。
しかし面倒だ、という気持ちはどうしてもわいてくるものでしょう。

しかし、自分の周りの様々なことを整理する上でも、 一度用紙に書きだすことは大切なこと ではないでしょうか。
その場合、 自筆の遺言書であれば時間も場所も選ばず、ただ紙とペンがあれば作成が可能 なのです。

しかし自筆の遺言書の場合には決められたルールを間違えないように守らなければなりません。
より安全な道を選ぶなら自筆ではなく公正証書遺言にするべきなのかもしれませんが、 自筆にこだわりたい、という場合 にはどうぞこちらを参考になさって下さい。

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