ふくさの包み方とは?結婚式での正しい使い方を解説!
冠婚葬祭にはさまざまなマナーがあります。特に、シニア世代を迎える皆さまは、お子さまのご結婚をはじめ、たくさんのイベントに足を運ばれることと思います。
その中でも、結婚式でご祝儀を包むときに使用するのが「ふくさ」です。
このふくさについて、どのように使うべきか、包み方や渡し方のマナーについて不安を感じている方は多いでしょう。
そこで今回は、結婚式でのふくさの包み方と渡し方に焦点を当てて、その正しいマナーを探ります。
さっそく、ふくさの種類と結婚式における使用法についてみていきましょう。
ふくさとは?結婚式における包み方の基本を解説
ふくさは、ご祝儀やお香典などの金封を包んで持ち運ぶための布製アイテムです。元々は贈り物を汚れから守るため、また礼儀を示すために用いられてきました。
結婚式では、ふくさにご祝儀袋を包んで受付に渡すのが一般的なマナーです。これには、相手に対する敬意を表し、お祝いの気持ちを形式的に伝えるという意味が込められています。
そのためには、まずふくさの種類を理解し、場にふさわしいものを選ぶことが重要です。
そこでこの章では、ふくさを使ったご祝儀の包み方について詳しくみていきます。
挟むタイプと包むタイプの違い
ふくさを使用するときに知っておきたい基本の1つは、包み方の種類です。
ふくさには「挟むタイプ」と「包むタイプ」の2つがあり、それぞれ異なるシチュエーションや利便性に応じて選ばれます。
挟むタイプには、「金封袱紗」というものがあります。金封袱紗はクラッチバッグのようにサイドが開いているため、開閉が簡単で金封を挟むだけで利用できるものです。
持ち運びやすく、簡単に扱えるため、初めてふくさを使う方には特におすすめです。
一方で、包むタイプはより伝統的なタイプです。何もついていないシンプル正方形の布を使って金封を包む方法のほか、「爪付き袱紗」や「台付き袱紗」と呼ばれる包み方があります。
包むという手間はかかりますが、フォーマルな場での礼儀として高く評価されています。
さらに、包みによって多様な布の柄や質感を楽しむことができ、より個性的な印象を与えられる可能性が高いといえます。
次に、具体的な各タイプの包み方を詳細に説明していきます。それに加えて、正しいふくさの色と柄の選び方についても掘り下げていきます。
結婚式に適した色と柄は?
結婚式においてふくさを選ぶ際は、その色や柄にも注意を払う必要があります。
ふくさは単なる実用品ではなく、お祝いの席で目に触れるアイテムなので美しさも求められるものです。
結婚式におすすめのふくさの色は、一般的には明るく暖かみのある色調です。具体的には、赤やピンク、オレンジ、金色、黄色、えんじなどが好まれます。これらの色は祝福の気持ちを象徴し、慶事にふさわしいとされています。
また、紫は慶弔両用として使えて、性別や年齢も問わないので、持っておくと便利な色の1つといえます。
柄は無地が正式とされていますが、柄ものだからといってマナー違反になるわけではありません。結婚式はお祝いの席ですから、例えば松竹梅や鶴など、縁起の良いデザインなら適しています。
とはいえ、あまりに派手な柄や非伝統的なデザインは避けるべきです。
このように、ふくさ選びにおいては、その機能性だけでなく、見た目の美しさや場にふさわしいかどうかも重要な要素です。
結婚式でのふくさの選び方がわかったら、具体的なふくさの使い方をみていきましょう。
ご祝儀の正しい包み方
ふくさ使う時は、具体的にご祝儀をどのように包むかが重要です。
ここでは、タイプ別に分けて説明します。
挟むタイプの場合
結婚式で挟むタイプのふくさにご祝儀を包むときは、以下の手順となります。
1. 袱紗を左開きにする
これは伝統的なやり方であり、ふくさを開いたときに袱紗が左に開くようにします。
2. 祝儀袋の表側を外側にして袱紗の中に入れる
表書きが読める面を外側に向け、袱紗の中に入れます。これにより、受け取る側が中身を確認しやすくなります。
3. 祝儀袋を挟んで閉じる
祝儀袋を挟むようにふくさを閉じ、結び目を作ります。袱紗をしっかり結び、形を整えて完成です。
このようにすることで、結婚式で挟むタイプのふくさに祝儀を包むときに、礼儀正しく整えることができます。
包むタイプの場合
包むタイプの場合、次の3ステップで行います。
1. ふくさを広げてご祝儀袋を中央に置く
この時、ふくさの角が下に来るようにして、ひし形の形になるように配置します。
2. 左→上→下の順で折り畳む
まずは左側を内側に折りたたみ、続いて上部と下部を順番に折り畳みます。
3. 右側を裏に折って全体を包む
最終的には右側を裏に折り込んで全体を包み込みます。こうすると、ご祝儀袋を綺麗に包み込み、形を整えることができます。
正しい手順で包めば相手に敬意を表し、結婚式という特別な場にふさわしいマナーを守ることができます。
次に、具体的な例を挙げて、これらのマナーについて詳しく説明します。
結婚式で使うふくさ選びのポイントは?包み方別に解説
ここからは、ふくさを使ったご祝儀の渡し方について、ふくさを選ぶところまで掘り下げて説明します。
さらに、使用する場面が限られているふくさをどのように管理すれば良いのかも合わせてお伝えします。
ふくさの種類と特徴
結婚式で使用するふくさは、その種類によってさまざまな特徴があります。
すでにお伝えした通り、ふくさには大きく分けて挟むタイプと包むタイプがあります。しかし、それぞれに適したシチュエーションがあります。
挟むタイプのふくさは、その手軽さから、特に結婚式などのフォーマルな場におすすめです。時間を短縮しやすく、スムーズにご祝儀を渡すことができ、ふくさの初心者も扱いやすいでしょう。
一方、包むタイプのふくさは、より伝統的な方法とされ、格式高い冠婚葬祭の時にふさわしいです。
なお、色や柄にも注意が必要です。結婚式などお祝いの場では明るい色や縁起の良い柄が選ばれることが一般的です。
次に、これらのふくさを選ぶ際のポイントを詳しく見ていきましょう。
ふくさ選びのポイントとは?
結婚式でふくさを選ぶ際は、ゲストとして適切なアイテムを選ぶことが重要なマナーです。
素材
まず、ふくさの素材に注目しましょう。
素材は、正絹の縮緬が理想的といえます。正絹の縮緬は、大切なものを包むための生地として知られているからです。
絹は、上品な光沢と高級感があり、丈夫な素材なので、長く愛用したい方にもおすすめです。
見た目が豊かで肌触りも良いため、格式ある場にふさわしい印象を与えます。
サイズ
サイズも重要です。
ご祝儀袋を包むためには、ふくさは少なくとも金封がすっぽりと隠れる大きさが必要となります。小さすぎると包みにくく、不恰好に見えてしまうからです。
実際に購入する前に、サイズを確認しておきましょう。
使いやすさ
使いやすさも考慮する必要があります。
特に、挟むタイプのふくさは、開け閉めがスムーズであることが必要となるからです。
これらのポイントを踏まえつつ、個人の好みやバッグの大きさに合わせて選ぶことが大切です。サイズを考慮して選ぶことで、結婚式でのふくさの使用がさらに美しく、より良いものになるでしょう。
ふくさの値段は?
ふくさの値段は選ぶときの重要な基準の1つです。
ふくさの価格は使用される素材によって大きく異なりますが、最高級の素材とされる正絹や正絹縮緬を使ったふくさは、一般的に3000円から1万円程度の価格帯になることが多いといわれています。
正絹にはさまざまなランクがあり、ランクが上がるほど価格も高くなります。もし長く使い続けたいと考えているなら、高価ですが質の高い「正絹」や「正絹縮緬」のふくさを検討しましょう。
なお、正絹縮緬は正絹に比べてしわが付きにくく、お手入れがしやすいため、手間をかけたくない方には特におすすめです。
一方で、より経済的な選択を求める場合は、ポリエステル製のふくさもあります。これらは百円ショップなどで手に入れることができ、機能性は保ちつつコストを抑えることが可能です。
ただし、安価なふくさは見た目でその価格を感じさせることもあり、相手に対して失礼な印象を与えないためにも、場合によってはより高価なふくさを選ぶほうが適切かもしれません。
ふくさの正しい持ち方と管理方法
ふくさは結婚式や葬儀など特別な場面で使用されるため、常に状態を良好に保つ必要があります。
まず、ふくさは使用しない時は清潔な布で包み、暗所に保管するのが理想的です。そうすれば、色あせや汚れを防ぐことができるからです。
使用後は必ず乾いた布で軽く拭き、汚れを落としてから保管してください。
さらに、ふくさを持ち運ぶ際は、折り目がつかないように注意してバッグに丁寧に収めましょう。これらの小さな心遣いが、ふくさを長く美しく使う秘訣です。
ここまでは、結婚式におけるふくさの包み方についてお伝えしてきました。ふくさがご祝儀袋を包むために用いられることや、さまざまな素材・種類が存在することもお分かりいただけたかと思います。
しかし、何らかの理由でふくさが用意できない場合もあるでしょう。そこで次からは、ふくさが用意できないときの対処法について説明します。
ふくさが用意できない場合はどうする?結婚式での包み方
結婚式におけるふくさの使用法をマスターするには、その場の流れを理解し、臨機応変に対応できるよう準備が必要です。
とはいえ、準備期間が少なかったり、ふくさのことを後回しにしてしまったなど、ふくさが用意できない場面もあるかと思います。
そこでここからは、ふくさのマナーをおさらいした上で、ふくさの代わりとなるものも紹介します。
ふくさのマナーをおさらい
結婚式の受付では、ふくさに包んだご祝儀を渡す際、まずは受付の係員に名前を告げ、ふくさを手渡します。
この時、ふくさの開き方に注意し、ご祝儀袋の表面が見えるようにしておくことが重要です。こうしておけば、受付係はご祝儀袋を受け取りやすく、スムーズに対応できます。
ふくさを使用していると、周囲に礼儀正しい印象を与えるため、好印象を持たれるでしょう。ふくさを使うことは単なる形式ではなく、結婚式という特別な日におけるエチケットの一部といえます。
だからこそ、「礼儀の正しさ」を守ることのできる代用品を選ぶことが大切といえるのです。
ふくさが用意できない場合の対処法
ふくさを用意する時間がない場合でも、ご祝儀袋をそのまま手渡すとマナー違反になるため、ハンカチを上手く代用してみましょう。
華やかなデザインや明るい色のハンカチを選び、タオル地のような日常使い感のあるものは避けることがポイントです。
また、使用前にアイロンをかけて折り目がつかないようにすると、よりきちんとした印象になります。
ふくさを使うときと同様に、丁寧にご祝儀袋を包めば、ハンカチを使用しても印象が格段に良くなり、適切なマナーを守ることができます。
最後に、ふくさの使用に関する全体のまとめをお伝えします。
結婚式でのふくさの正しい使い方に関するまとめ
今回は、結婚式におけるふくさの使い方についてお伝えしました。
本記事のポイントを再確認していきましょう。
- ふくさは結婚式でのご祝儀を包むために用いられる
- ふくさには「包むタイプ」と「挟むタイプ」の2種類が存在
- 包むタイプは伝統的でフォーマルな場に適している
- 挟むタイプは使いやすさから初心者におすすめ
- ご祝儀袋はふくさで覆い、相手に敬意を示すために使用
- 正しい包み方は左から順に折り、最後に右側を裏に回す
- 挟むタイプでは、ふくさを左開きにしてご祝儀袋を挟む
- 結婚式に適したふくさの色は赤や金色など明るい色が好まれる
- 無地のふくさが正式だが、縁起の良い柄も選ばれることがある
- ふくさの選び方には素材やサイズも重要
- ふくさの正しい渡し方は、ふくさを180度回転させて手渡す
- ふくさの代わりとしてハンカチも使用できる
こうしたポイントを押さえることで、結婚式でスマートにふくさを使用することができます。
ふくさを使ったマナーは単に礼儀正しく振る舞うだけでなく、結婚式という特別な日の雰囲気をより豊かにします。
ふくさのマナーを身に付け、結婚式でふくさを完璧に使用するためにも、ぜひ参考にしてみてください。