孤独死の葬儀対策完全版|発見時から葬儀までの流れ、費用を徹底解説
孤独死が発生すると、発見時の対応や遺族の負担、葬儀の手配、そして高額な費用が大きな問題となります。
突然の事態にどのように対処すればよいのか、不安を抱える方も多いでしょう。
本記事では、孤独死が発生した際の具体的な流れや必要な費用、さらに事前に備えておきたい対策について詳しく解説します。
孤独死とは?近年問題になっている理由
孤独死とは、社会的に孤立した状況で、自力で助けを求めることができないまま死亡し、しばらく発見されないケースを指します。
特に一人暮らしの高齢者に多く見られますが、近年では若年層や中年層にも広がっていると指摘されています。
孤独死の発生には、個人の生活習慣や社会的背景が深く関係しており、孤立感を助長する環境の増加が大きな要因となっています。
孤独死を発見してから葬儀までの流れ
孤独死の場合、遺体は警察が引き取るため、葬儀までの手順は通常とは異なります。
ここでは、孤独死が発見されてから葬儀に至るまでの流れを紹介します。
1. 発見したら救急車または警察に連絡を入れる
2. 警察による現場検証
3. 遺族への連絡と身元確認
4. 葬儀の準備を行う
5. 特殊清掃業者を選ぶ
6. 遺体を引き取り、葬儀を執り行う
1. 発見したら救急車または警察に連絡
孤独死を発見した場合、すぐに死亡を判断できる場合と、判断がつかない場合があります。
死亡の判断がつかない場合は、まず救急車を呼びましょう。
救急隊員が到着すると、生死の確認を行い、生存が確認された場合は速やかに病院へ搬送されます。なお、生存していても事件性が疑われる場合は、救急隊員が警察に通報します。
一方、明らかに亡くなっている場合は、警察に連絡しなければなりません。警察が到着するまでの間、発見者は家の中の物に触れたり移動させたりしないようにしてください。
状況を変えてしまうと、万が一事件性があった場合に証拠が失われたり、問題が発生する可能性があるためです。
2. 警察による現場検証
警察が到着すると、死因や事件性の有無を調査するために現場検証が行われます。
この過程で、遺品や貴重品が一時的に押収されることもあります。
3. 遺族への連絡と身元確認
警察は公的書類を基に近親者を調査し、遺族に連絡します。
孤独死の場合、死因がすぐに判明することは稀です。
そのため、警察は死因を明らかにするために現場の確認や家宅捜索を実施します。
その後、遺族が警察署で身元確認を行いますが、死因の特定が終わるまでは遺体や遺品が引き渡されないこともあります。
4. 葬儀の準備を行う
遺族は、遺体が引き渡されるまでの間に、葬儀を執り行うか火葬のみにするかを決めておく必要があります。
警察は遺体を引き取った後、死因を特定するために検視を行いますが、これには時間がかかることがあります。
最長で1ヶ月ほど要する場合もあり、その間に葬儀の準備を進めることが重要です。
遺族は、死亡届を7日以内に提出し、葬儀社と相談しながら手続きを進めるとスムーズです。
最終的な葬儀の方法は状況によって異なるため、具体的な流れについては葬儀社と相談しながら決めることをおすすめします。
5. 特殊清掃業者を選ぶ
孤独死の現場では、腐敗や臭気の問題が発生することがあります。
専門の特殊清掃業者に依頼することで、現場を再び人が住める状態に戻すことが可能です。
6. 遺体を引き取り、葬儀を執り行う
警察の調査が終了すると、遺体を引き取ることができます。
遺体が引き取られた後は、葬儀の準備を進めます。
火葬のみを行う場合は、公共の火葬施設で火葬を行い、その後遺骨を引き取ります。
一方、葬儀を執り行う場合は、遺体を引き取った後、葬儀社が主導となり、通常の手順で葬儀を進めます。
孤独死の葬儀を遺族が行う場合、相場は130万円程度
調査によると、孤独死の葬儀を遺族が執り行う場合、その費用の相場は約127万円とされています。この費用には、葬儀の基本料金、火葬料金、会場費、供花、遺体搬送費などが含まれます。
葬儀の規模や内容によって金額は変動することがありますが、事前に内容を検討し、必要な費用を準備しておくことで、いざという時に親族に負担をかけずに済むでしょう。
参考:孤独死の葬儀はどうなる?発見から葬儀までの流れや費用について
身寄りがない場合は自治体が火葬してくれる
身寄りがない場合、埋葬してもらえないのではないかと疑問を抱く方も少なくありません。
しかし、実際にはそのような心配は不要です。
身寄りがいない場合でも、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」という法律に基づき、自治体が責任を持って無縁仏として適切に埋葬の手続きを進めます。
自治体には、法律に基づき、遺体を適切な方法で埋葬し、その費用を負担する義務があります。
このように、遺族がいない場合でも適切な埋葬が行われるため、特別な対応を心配する必要はありません。
遺族がいない場合、「葬祭扶助」という給付金が受け取れることがある
孤独死の場合、遺族がいない場合でも、葬儀費用の負担について過度に心配する必要はありません。
このようなケースでは、「葬祭扶助」という制度が適用されることがあります。
葬祭扶助とは、自治体が遺族に代わって葬儀を行うための費用を支給する給付金です。
この制度は、身寄りのない方の葬儀を支援するもので、自治体によって支給額や適用条件が異なるため、事前に具体的な内容を確認しておくことが重要です。
葬祭扶助を利用することで、遺族がいない場合でも適切な葬儀が執り行われ、費用の一部または全額が補助されるため、金銭的な不安を軽減できます。
手続きの詳細や必要書類については、自治体の担当窓口に問い合わせると確認できます。
孤独死しないためには
孤独死した場合のことを心配するより、今から孤独死しないために出来ることを始めましょう。
地域の人や親族とコミュニケーションを取る
孤独死を防ぐためには、地域の人や親族とのつながりを持つことが重要です。定期的な交流があれば、異変があった際に早期発見につながります。
例えば、近隣住民と日常的に挨拶を交わし、ちょっとした会話をするだけでも、体調の変化や生活リズムの異常に気づいてもらいやすくなります。親族と定期的に電話やメッセージで連絡を取ることで、突然の孤立を防ぐことも可能です。
地域の見守り活動やサークルに参加することで、自然に人と接する機会を増やし、孤独を感じにくい環境を作ることができます。
見守り・訪問系のサービスを利用する
孤独死を防ぐためには、定期的な見守りや訪問サービスの活用も有効です。これにより、異変があった際に迅速な対応が可能になります。
例えば、一部自治体が提供している見守りサービスでは、高齢者を対象に定期訪問や電話連絡を実施し、安否確認を行っています。
郵便局の「みまもりサービス」では、配達員が訪問時に異変を察知し、必要に応じて自治体や家族に連絡します。
参考:郵便局のみまもりサービス(高齢者見守り)
宅食サービスも、配達時に利用者の様子を確認し、長期間の不在などを察知できます。
さらに、訪問介護・訪問診療を利用すると、定期的な健康チェックとともに孤立を防ぐことができます。
これらのサービスを組み合わせることで、日常的に人と接する機会を確保し、万が一の際も早急な対応が可能になります。
不安を解消し、孤独死の予防に努めましょう
孤独死を恐れる気持ちはよく理解できます。しかし、たとえ一人で亡くなったとしても、法律に基づき自治体が適切に対応し、丁重に埋葬されるため、心配しすぎる必要はありません。
それでも不安が残る場合は、見守りサービスや訪問介護、宅食サービスなどを活用することで、日常的なつながりを確保できます。どうしても親族や知人を頼れない場合は、これらのサービスを活用し、不安のない安心した生活を送ることをおすすめします。