愛するご家族のお通夜をいつ行うべきなのか、などと悩んだことのある方もいらっしゃることと思います。お通夜の日取りは容易に決められないことが多くあります。
結論から申し上げますと、お通夜は当日の午前中までに亡くなった場合は当日に、午後以降の場合は翌日に行うことが一般的です。
時間帯は、18時〜20時が一般的で、その後に通夜振る舞いを行うケースもあります。
【135名アンケート】お通夜をいつ行った?
大切な家族が亡くなった場合に、いつお通夜を行えばいいのかというのは非常に気になる内容です。では、実際にいつ行われている事が一般的なのでしょうか?
そこで、第三人生編集部が135名の方を対象に 「あなたの身の回りの方が亡くなった時、その方のお通夜はいつ行われましたか?」 というアンケートをとりました。
▼あなたの身の回りの方が亡くなった時、その方のお通夜はいつ行われましたか?
アンケートの結果としては、6割の方が「亡くなった翌日」という回答をしました。
また、「亡くなった翌々日に行う」という方が約3割いらっしゃいました。
アンケートの結果をふまえると翌日が最適のように思えます。ただし、とりあえず翌日にお通夜を実施すれば良いというわけではありません。
お通夜の日程は、さまざまな要因が関係しています。それらをふまえて、最適なお通夜の日程を決めることが大切です。
次項では、お通夜の時間帯や日程の選び方について詳しく解説していきます。
お通夜はいつにすべき?日程の選び方・ポイント
お通夜をいつに実施するかは、様々な要因を考慮した上で決めなければなりません。ベストな日程の選び方・ポイントは大きく5つに分類されます。
1. 故人が亡くなった時間帯
2. 火葬場の空き状況
3. 遺族のスケジュール
4. 僧侶のスケジュール
5. 友引を考慮する場合
「お通夜は亡くなった当日にできる?」「何日後が一般的?」と気になっている点を解消すれば、失敗のリスクを抑えられます。それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。
1. 故人が亡くなった時間帯
まず1つ目のポイントが故人が亡くなった時間帯です。故人が亡くなってすぐにお通夜を営みたいと考える方もいらっしゃるかと思いますが、故人が亡くなった時間によってお通夜を行える日取りが変わってきます。
ここで言う「故人の亡くなった時間」は、死亡診断書に書かれているものです。
お通夜は、故人の亡くなった翌日以降に行うのが一般的です。ただし、夜中や早朝に故人が亡くなった場合は、斎場や葬儀屋によっては当日の夜にお通夜を行うことがあります。
また、仮通夜と呼ばれる、故人の亡くなった当日の夜は遺族などごく親しい間柄の者のみで夜通し線香を絶やさずに故人と最期の夜を過ごす儀式もあります。
どうすればいいか悩む方は、葬儀屋や火葬場に相談するのが良いでしょう。
2. 火葬場の空き状況
2つ目のポイントが火葬場の空き状況です。ご遺族や親せき側でスケジュール調整できたとしても、火葬場が混み合っていると火葬がすぐに行えない場合があります。
故人が亡くなってから早い段階で火葬場に連絡をとり、火葬場の空き状況を確認することが大切です。場合によっては、空き状況確認後そのまま予約するのも良いでしょう。
特に、都心部の火葬場は人気が高く、予約がとりにくい可能性が高いので、早めに行動しましょう。
また、 年末年始は火葬場が閉まっていることもあるので、ご注意ください。
3. 遺族のスケジュール
3つ目のポイントがご遺族のスケジュールです。スケジュールは、ご遺族が全員参列できるように組みましょう。
遠方に住んでいるご遺族がいる場合などは、移動時間も考慮することが大切です。
また、スケジュールを組む際に誰が喪主をつとめるのか、という部分も話し合いしてみてください。
ご遺族は他の参列者とは違って、役所へ届を提出したり、お通夜や葬儀の準備・打ち合わせをしたりする必要があるためです。
必要事項をまとめて話し合ってスムーズにお通夜を実施しましょう。
4. 僧侶のスケジュール
4つ目のポイントが僧侶のスケジュールです。お通夜や葬儀の際は、読経を依頼する僧侶との連絡が必要なため、僧侶のスケジュールも早めに伺っておきましょう。
もし僧侶が遠方からいらっしゃる場合は、斎場や火葬場付近のホテルや宿泊所の確保が必要になる可能性もあります。
その際は、宿泊先の空き状況も早めに確認し、日程が決まり次第予約を取っておきましょう。
故人が亡くなったときの様子や、生前の故人の話などもしつつ、僧侶と式の進行などの打ち合わせをしてみてください。
5. 友引を考慮する場合
友引を考慮する場合もポイントがあります。友引(ともびき)とは、中国由来の暦である六曜(ろくよう)の中の1つです。
友人に厄事が及ぶなどと考えられることもあり、友引の日にはお通夜や葬儀を行うのを避ける人もいます。
特に気にならない場合は、友引は考慮せずにお通夜の日程を決めても問題ありません。
ただし、家族や参列者の中に、友引の日にお通夜を行うことを良く思わない人がいる場合は、あえて友引の日にお通夜や葬儀をあてる必要もないでしょう。
事前に話し合ってお通夜や葬儀の日程を決めてみてください。
亡くなった時間帯別のお通夜の候補日
故人が亡くなった時間帯によってお通夜の候補日が異なることがあります。ここでは、故人が亡くなった時間帯別における最短でのお通夜の候補日をご紹介します。
まず前提として、お通夜の翌日に火葬すること、死後24時間以上経過しなければ火葬をしてはいけないことの2点は頭に入れておきましょう。
その上で以下の時間帯別に候補となる日程を紹介していきます。
・夜中から早朝に亡くなった場合
・午前から正午にかけて亡くなった場合
・正午から夕方にかけて亡くなった場合
・夕方から夜中にかけてなくなった場合
また、故人が亡くなって最短の時間でお通夜を行いたい場合でも、式場や火葬場の予約状況や、家族や僧侶の予定によってはお通夜を営めません。
このことも踏まえた上で上記の時間帯別の日程候補をご覧ください。
夜中から早朝に亡くなった場合
故人が夜中から早朝に亡くなった場合、当日の夜にお通夜、翌日に葬儀を行い、正午すぎ以降に火葬することが可能です。
この場合、故人が亡くなってすぐ葬儀屋に連絡を入れ、寝台車を呼びましょう。
午前から正午にかけて亡くなった場合
故人が午前から正午にかけて亡くなった場合、当日の夜にお通夜、翌日葬儀を行ってから午後に火葬することが可能です。
ただし時間に余裕がないため、慌ただしくなりやすいのがデメリットです。
故人が亡くなった段階で葬儀屋と連絡を取り、寝台車を呼びます。その後すぐに死亡届を役所に届け、火葬許可書を手に入れるという流れです。
また、お通夜の会場を整える必要もあるため、式場との打ち合わせも同時に進めます。
正午から夕方にかけて亡くなった場合
故人が正午から夕方にかけて亡くなった場合、翌日にお通夜、翌々日に葬儀を行います。
この場合は、これまでのケースとは異なり少し時間的に余裕をもって死亡届の提出や、お通夜や葬儀の準備を進めることが可能です。
とはいえ、火葬場や僧侶、ご遺族とのスケジュール調整のため、連絡は早い段階で行うと良いでしょう。
夕方から夜中にかけてなくなった場合
故人が夕方から夜中にかけて亡くなった場合、翌日にお通夜、翌々日に葬儀を行います。
手続きはこれまで述べてきたことと同様ですが、少し時間的にも余裕をもって取り組めるでしょう。ただし、これまでと同様、予約しづらいことも考慮して、連絡などはなるべく早めに行ってください。
お通夜の開始時間と所要時間の目安
お通夜の開始時間や所要時間が気になる方もいるのではないでしょうか。ここでは、お通夜の開始時間と所要時間、具体的なタイムスケジュール例について解説します。
お通夜はいつ開始するのか
お通夜の儀式が始まる時間は、だいたい18時〜19時ごろが目安です。
受付は、一般的にお通夜の開始時刻の1時間ほど前から始まります。僧侶による読経、参列者による焼香はおおよそ1時間ほどで終わります。
お通夜はいつ終了するのか
お通夜の所要時間(終了時間)は、お通夜の開始時刻によって異なります。基本的には、お通夜開始時刻の約1時間後で、19時〜20時ごろが目安です。
ただし、お通夜が終わったあと、弔問客に軽食を振舞う「通夜ぶるまい」が行われるケースもあります。通夜ぶるまいの所要時間は1時間〜1時間半が目安です。
通夜ぶるまいがない場合は、お通夜閉式の時点で終了となります。通夜ぶるまいがある場合は、通夜ぶるまいが全て終わった時点で終了です。
お通夜の具体的なタイムスケジュール
以下の表は、18:30にお通夜が開式する場合におけるタイムスケジュールの一例です。
時間 |
予定 |
~17時30分
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ご遺族、親族集合
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17時30分
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受付開始
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18時15分
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ご遺族、親族着席
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18時30分
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僧侶入場、開式
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18時45分
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焼香開始
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19時30分
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僧侶退場、閉式
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19時40分
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通夜ぶるまい開始
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21時00分頃
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通夜ぶるまい終了
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受付から閉式までの一連の流れや時間が気になる方は、上記の表を参考にスケジュールを組み立ててみてください。
お通夜に向けて必要な準備
お通夜を迎えるにあたり、喪主や遺族はどのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、お通夜の準備について説明していきます。
必要な準備は、以下の通りです。
1. 日程の打ち合わせ
2. お通夜の告知
3. 受付準備
4. 僧侶への挨拶
5. 通夜ぶるまいの準備
6. 香典返しの用意
必要な準備を把握しておけば、よりスムーズにお通夜を行えます。それぞれの準備内容について詳しくみていきましょう。
1. 日程の打ち合わせ
ここまで述べてきたように、お通夜の日程はさまざまな要因を考慮に入れて責任をもって決めなければいけません。家族や僧侶、葬儀屋などと打ち合わせを重ねて、ベストな日程を選びましょう。
また、僧侶が遠方からいらっしゃることも多いので移動時間なども含め、僧侶の都合のよい日程をきちんと把握することが大切です。
ある程度、候補の日程が決まり次第、すぐに斎場や火葬場の予約を入れましょう。
2. お通夜の告知
お通夜を行う日時と日取りが確定したら誰をお通夜、葬儀に招待するのかを決めます。故人の生前の関係性や斎場の規模などを考慮して決めると良いでしょう。
また、家族や近隣者のみでお通夜や葬儀を営む場合もあります。お通夜や葬儀に招待する人が決まり次第、親族や故人の友人らに告知を行うのが一般的です。
参列者にも予定があるため、日時が決まり次第すぐに連絡を入れると良いでしょう。また、その際になるべく故人と親しかった間柄の人から順番に連絡を入れます。
3. 受付準備
お通夜の斎場に受付を設置します。主に、弔問客からの香典を受け取って、芳名を促すのが受付の役割です。
お通夜当日、喪主はとても忙しいため、受付にいることは難しいとされています。金銭を扱う場でもあるため、信頼できる親族や知り合いに受付をお願いしましょう。
受付の人数は二人ほどで十分です。お通夜の儀式開始の1時間ほど前から受付が始まることが多いため、受付開始前に集合して受付を整えておく必要があります。
お通夜の受付を頼まれたら?受け答えやマナー、準備を解説
4. 僧侶への挨拶
お通夜や葬儀に際して、読経をあげたり法話をおこったりしてくださる僧侶に感謝の気持ちを込めて挨拶に伺いましょう。
式が始まる前に、故人の生前の話や亡くなったときの状況なども話すのもおすすめです。
挨拶に伺う際、お布施(おふせ)を渡します。お布施は、僧侶への感謝のしるしとして、お金を包むことです。
また、僧侶が遠方からいらっしゃる場合などは、お布施とは別に交通費を「お車代」としてお渡しします。
さらに、お通夜の後に行われる通夜ぶるまいに僧侶が参加しない場合や、通夜ぶるまいを行わない場合は、「御膳料」も一緒にお渡しすると良いでしょう。
お車代に関しては、こちらも参考にしてください。
5. 通夜ぶるまいの準備
お通夜の式や参列者の焼香が終わったら、通夜ぶるまいを行うケースがあります。
通夜ぶるまいは、喪主や遺族が弔問客に対して軽い飲食物を振舞い、食事を共にすることで故人を偲ぶ場のことです。
お通夜の参列者の人数に対して70%ほどの人数に対する料理を準備しましょう。準備の際、アルコール飲料やソフトドリンクも用意します。
料理の内容は、基本的にお寿司・てんぷら・サンドイッチなど取り分けが可能なものを提供します。
鯛や海老など、慶事の際によく食べられるものでなければ問題はありません。
また、地域によっては近隣住民が協力して、通夜ぶるまいの準備を進めることもあります。とはいえ、お通夜の斎場にて葬儀屋などを仲介して準備を進めるのが一般的です。
6. 香典返しの準備
お通夜に参列する弔問客は、喪主から「香典辞退」を伝える旨の案内が届かない限り、基本的に香典を持参します。頂いた香典に対して、参列に対する感謝の気持ちも込めて香典のお返しをしましょう。
基本的には、 頂いた香典の金額の半額分の返礼品を渡しますが、頂いた香典の金額は当日にならなければわかりません。そこで一般的には、 お通夜当日にはすべての弔問客に5000円程度の香典の返礼品を渡します。
もし、かなり高額のお金を包んでくださった参列者がいた場合、後日に頂いた香典の金額に合わせた返礼品を改めてお送りすると良いでしょう。
香典の返礼品としては、基本的に消耗品が良いとされています。例えば、お菓子、お茶、タオルなどです。最近では、ギフトブックを返礼品にし、参列者自身が帰宅後好みの品物を選べるようにしている場合もあります。
「何を返礼品にしたら良いのかわからない」などという方はデパートなどのコンシェルジュやアドバイザーに相談をしてみるのも良いでしょう。
お通夜の参列者が知っておきたいマナー
お通夜に参列する場合、故人やご遺族に敬意を示すための基本的なマナーを守る必要があります。以下の表は、基本的なマナーに関してまとめたものです。
ポイント |
詳細 |
服装
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・男女ともに黒の喪服が基本
・急な参列で喪服が用意できない場合は黒や濃紺のスーツに白いシャツ、地味なネクタイやアクセサリーを選ぶこと
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香典
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・宗教や立場に合わせた表書きを選ぶのがマナー
・5,000円~10,000円が一般的
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通夜振る舞い
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・箸を少しつける
・事情があって辞退する場合は、ご遺族にひとこと伝える
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会場
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静かに落ち着いた振る舞いを心がけ、私語やスマートフォンの操作は避ける
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お通夜によくある質問
喪主や遺族としてお通夜を執り行う際は、初めての経験に戸惑うこともあるでしょう。ここでは、よくある質問についてご紹介します。
お通夜は亡くなった当日に行うべき?
お通夜は、必ずしも個人が亡くなった当日に行う必要はありません。
通常は故人が亡くなった翌日または翌々日に行うケースが多く、火葬場や式場の空き状況、ご遺族や親族の予定を調整して日程を決めるのが一般的です。
誰をお通夜に呼んだらいいの?
最近は家族や親族のみで行う「家族葬」も増えています。
ご近所・勤務先・ご友人など、どこまで案内するかはご遺族の判断で問題ありません。案内状を送るか、電話やLINEなどで連絡するケースも増えています。
通夜振る舞いは絶対に用意しないといけないの?
通夜振る舞いはあくまで故人をしのぶ場の一環ですので、必ずしも用意しなければならないものではありません。
参列者が少人数の場合や家族葬の場合は省略しても大丈夫です。代わりに、簡単なお茶や菓子だけの接待にすることも可能です。
まとめ
お通夜は様々な要因を考慮した上でいつ行うのか決める必要があります。
いつお通夜を行うべきか明確に定められているわけではありませんが、きちんと状況に合わせてベストな日程を決めることが大切です。
この記事でご紹介した内容を参考に、お通夜をいつ執り行うのか決めてみてください。