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葬儀

2025.04.22

手元供養とは?

手元供養とは、故人の遺骨を自宅や身近な場所で保管する供養方法です。

遺骨を専用の容器に入れて持ち歩く供養を「手元供養」、自宅で遺骨を保管する方法を「自宅供養」と呼んで区別することもあります。

2000年以降広まった供養方法

2000年代に入ってから登場した比較的新しい方法で、近年注目を集めています。

明確な決まりはなく、自由な形で供養ができ、自分のライフスタイルに合った方法で行うことが可能です。

手元供養に違法性はない

また、手元供養は違法なのではと気にする方も多いですが、「墓地、埋葬等に関する法律」で禁止されている埋葬(ご遺骨を土に埋めること)に手元供養は含まれていません。

遺骨は必ずしも墓地に埋葬しなければならないわけではなく、自宅や仏壇に安置して供養することは法律上問題ありません。

手元供養とお仏壇の違いは、供養方法の自由度と形式

手元供養は、決まった形式がなく、遺骨を自宅で保管するなど自由な供養が可能です。

一方、お仏壇は宗派のご本尊を祀り、仏具や位牌を揃えるなど、伝統的な供養の形式に沿って行います。

つまり、自由度の高さが手元供養の特徴であり、宗派のしきたりに則るのがお仏壇の供養です。

故人を日常的に偲ぶことができる

手元供養を選ぶ人が増えているのは、お墓がない、または遠いといった理由が多くありますが、故人を身近に感じ、日常生活の中で偲ぶことができるという点も大きな魅力です。

最近では、大切なペットを亡くした際にも手元供養を選ぶ人が増えています。
ペットは家族の一員として愛される存在であり、そばに置いて供養することで、いつでも身近に感じることができるでしょう。

手元供養の種類は「分骨保管」「全骨保管」の2つある

手元供養の方法には大きく、2種類あります。

分骨保管とは

分骨は、遺骨の大部分をお墓や寺院に納め、一部を自宅に持ち帰る方法です。

たとえば、残りの遺骨をお墓や納骨堂に納めたり、散骨を行ったりした後、一部を手元に保管する形になります。

小さな骨壺やペンダントなどに納めて身につけることもでき、故人を身近に感じながら供養できます。

遺骨には所有者がいるため、分骨を行う際は必ず所有者の同意を得なければなりません。
さらに、親族とも事前に相談し、了承を得た上で手続きを進めるのが望ましいでしょう。

全骨保管とは

遺骨のすべてを自宅で保管し、供養する方法です。
一般的に、大きめの骨壺をそのまま安置するか、遺骨を粉骨して小さな骨壺に分けて収めます。

全骨の場合、遺骨の量が多いため、一般的なサイズの骨壺を使用するか、小さめの骨壺を複数用意して分けて保管します。

そこで、粉骨を行えば、体積を3~5分の1程度に抑えることも可能です。
全骨保管では、自宅に適した保管スペースや供養のための台・仏壇などが必要となるため、分骨保管に比べると費用がかかる傾向があります。

手元供養の方法は主に3つ

手元供養にはさまざまな方法があり、それに対応する多くの商品が販売されています。

選ぶ方法によって価格帯も異なるので、それぞれの特徴を知り、自分のライフスタイルや想いに合った方法を選びましょう。

遺骨を収める「骨壺」

火葬場で使用する骨壺は大きいため、そのまま自宅に置くと場所を取ってしまいます。
そのため、ミニサイズの骨壺に遺骨の一部を納め、自宅で保管する方法が人気です。

ミニ骨壺はコンパクトで、リビングや寝室の一角にさりげなく置くことができるため、仏壇代わりとして活用する人も多くいます。

ミニ骨壺にはさまざまな素材やデザインがあり、磁器・ガラス・真鍮・ステンレスなどが一般的です。

中には金や銀で作られたものもあり、保管するお部屋の雰囲気やインテリアに合わせて選ぶことで、自然に馴染みやすくなります。

遺骨や遺灰を身に着ける「アクセサリー」

故人を常に身近に感じられることから、アクセサリータイプの手元供養を選ぶ人も増えています。

ペンダントやブレスレット、キーホルダーなど、さまざまなデザインがあり、遺骨や遺灰の一部を内部に納めることが可能です。

特にペンダントタイプは種類が豊富で、比較的手に入れやすい価格帯の商品もあります。
また、遺骨を特殊加工してダイヤモンドに変え、それをジュエリーとして身に着ける方法もあります。

遺骨を加工して「インテリア用品」

一見すると遺骨を納めているとわからないぬいぐるみや人形型の供養品にする方も多くいます。

特に、可愛らしい見た目であることから、お子様や女性にも選ばれやすく、飾ってあるだけで明るい気持ちになれるのが特徴です。


また、遺骨や遺灰を陶器のプレートや花瓶に加工する方法もあります。

日常生活の中で自然に故人を感じることができ、従来の供養のイメージとは異なる、新しい形の手元供養として注目されています。

手元供養の3つのメリット

手元供養には、以下の3つのメリットがあります。
・故人を身近に感じられる
・安価である
・いつでも気軽にお墓参りできる
自宅や身近な場所に遺骨を安置することで、故人を常にそばに感じながら過ごせます。
お墓を購入・管理する費用がかからないため、経済的な負担も軽減できます。

また、自宅で供養できるため、特別な準備をせずにいつでも気軽にお参りできる点も魅力です。

手元供養の3つのデメリット

手元供養のデメリットは、以下の3つです。
・遺骨を置くことへの抵抗
・遺族が亡くなったときの手元供養の管理
・災害によってご遺骨が紛失する可能性がある
自宅に遺骨を保管することに抵抗を感じる人もおり、家族全員が納得できる形を考える必要があります。

また、手元供養をしていた遺族が亡くなった際に、遺骨の管理を引き継ぐ人がいないと処分に困ることがあります。

さらに、地震や火災などの災害で遺骨が紛失するリスクもあるため、安全な保管方法を検討することが大切です。

手元供養で後悔や問題はなかったのか?体験談を紹介

手元供養に興味があるけれど、「本当に良い方法なの?」「後悔しない?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

実際に手元供養を選んだ人の体験談をご紹介します。
〈30代女性〉
亡くなった弟といつも一緒に居たいと思い、以前から考えていた遺骨ペンダントを作成してもらい購入しました。大きさは小さめですがそれが上品で、とても素敵でした。母の分も作成し、プレゼントしたところ大変喜んで、すぐに遺骨ペンダントを身につけてくれました。
〈40代 女性〉
父が亡くなり、ずっとそばに置ける位牌を探していました。触ると手に優しくて安心でき、詳しい人でもない限り、位牌だとは思わないと感じます。この位牌のお陰で、父の優しさを思い出せます。
〈40代 男性〉
以前は母の位牌を作成し、今回は父の位牌を作成しました。2つの位牌が並んでいる姿はリビングで父母が仲良く2人で家族を見守っているかのように見えて落ち着きます。

手元供養は大切な人を偲ぶ新たな供養スタイル

手元供養は、遺骨を自宅や身近な場所で保管し、自由な形で故人を偲ぶ方法であり、近年注目を集める供養方法です。

お墓がなくても供養できる、費用を抑えられる、いつでも身近に感じられるなどのメリットがあります。

一方で、引き継ぎの問題や、災害時の紛失リスクなど、事前に考えておくべき点もあります。

手元供養にはさまざまな方法があり、ミニ骨壺やアクセサリー、インテリア用品など、自分のライフスタイルに合った形を選ぶことが可能です。

供養の方法に決まりはなく、大切なのは「自分にとって心が落ち着く形を選ぶこと」です。
さまざまな供養スタイルの中から、あなたやご家族にとって最適な方法を見つける参考になれば幸いです。

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