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葬儀

2025.04.23

檀家とは?具体的な内容・費用・メリット・デメリットからやめ方まで解説

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「檀家とは何か?」という基本知識から、制度の由来・メリット・デメリット・必要な費用までわかりやすく解説。檀家になるか迷っている方、やめたいと考えている方に向けて、離檀の手続きやお墓の管理方法まで丁寧に紹介しています。

「檀家(だんか)」という言葉を耳にしても、意味や仕組みがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、檀家の仕組みや必要な費用、利点と注意点、離檀の流れまでをわかりやすくご紹介します。

親が亡くなったあとにどうすればいいか悩んでいる方や、今後のお寺さんとの付き合い方を考えている方に、参考になりましたら幸いです。

檀家とは

「檀家(だんか)」とは、特定のお寺と長く付き合いながら、葬儀や法事、先祖供養をお願いする家のことです。

お寺は、その家の仏事(ぶつじ)全般を支えてくれる存在で、お墓の管理や年忌法要なども引き受けてくれます。

檀家の読み方

「檀家」は一般的には「だんか」と読みます。

地域によっては「だんけ」と読まれることもあり、宗派や慣習によっては、
檀越(だんおつ)
檀中(だんちゅう)
檀徒(だんと)
といった呼び方もあります。
また、浄土真宗では「門徒(もんと)」と呼ばれることが多いです。

檀家の概要・ポイント

檀家とは、単にお寺とつながっているというだけでなく、代々にわたり仏事や供養をお願いする関係性を持つ家のことです。主に以下のような特徴があります。
・ お寺(菩提寺)と信仰を通じて長くつながる
・ 葬儀や法事、年忌供養を任せられる
・ 墓の管理や仏事の相談ができる
檀家になっていると、葬儀や供養の流れもスムーズになり、困ったときの相談先としても頼りになるため、仏事に不安を抱えている方には安心できる仕組みです。

檀家制度の始まりは江戸時代

現在の「檀家制度」のもととなる仕組みは、江戸時代に生まれた制度です。

当時の江戸幕府は、キリスト教を排除するために、すべての国民がどこかの寺院に登録するよう義務づけました。このことで、寺院は人々の信仰だけでなく、戸籍のように身分や家のつながりを管理する役割も果たしていたのです。

こうした制度は、明治以降も形を変えながら引き継がれ、現在の檀家とお寺との関係の土台となっています。

檀家になるメリット

檀家になりお寺とのつながりができることで、仏事に関して安心できるサポートが受けられます。主なメリットは以下のとおりです。
・ 葬儀や法要を優先的にお寺にお願いできる
・ 年忌法要などの供養を丁寧に行ってもらえる
・ お墓の管理をお寺に任せられる
・ 仏事に関する疑問を住職に気軽に相談できる    
特に、高齢の方や家の宗教を大切にしているご家庭では、仏事の対応に迷うことが少なくなり、精神的にも安心できる関係が築けます。

檀家になるデメリット

檀家としてお寺と関わる中で、次のような負担や注意点もあります。
・ お布施や寄付を継続的にお願いされることがある
・ 法要の参加やお寺の行事に出席する必要がある場合がある
・ お寺との相性や考え方が合わないとストレスを感じる
こうした点もふまえて、家族とよく話し合いながら判断することが大切です。

檀家になるといくらかかる?

檀家になると、定期的に費用がかかることがあります。ただし、金額や項目はお寺や地域、宗派によって違いがあるため、事前に確認することが大切です。

以下は、よくある費用の目安です。
入檀料 :
檀家としてお寺に加入する際の初期費用    
費用概算 約3~20万円(1回のみ)

お布施 :
法要や読経をお願いしたときの謝礼    
費用概算 約3~10万円(年間)

維持費 :
墓地や本堂の管理費用    
費用概算 約1~3万円(年間)

寄付金 :
お寺の修繕・行事などへの協力金  
費用概算 数千円~数万円(不定期)
※すべての費用が毎月かかるわけではありません。内容や回数はお寺ごとに異なり、必要なときだけ支払うものもあります。

檀家制度の現状

最近では、家族のかたちの変化(核家族化)や宗教に対する考え方の多様化、地方の過疎化などの影響で、檀家制度のあり方も変わりつつあります。

特に若い世代を中心に、「檀家にはならない」という選択をするご家庭が増えてきました。これにあわせて、お寺の側も、檀家に頼らず柔軟に運営する方法を模索するようになっています。

一方で、「仏事の相談先があると安心」「お寺とのつながりを大切にしたい」と考え、あえて檀家を続ける方も少なくありません。

つまり今は、地域の状況や家族の考えに応じて、檀家になる・ならないを自由に選べる時代になっているといえるでしょう。

檀家になりたいときの相談先

「檀家になりたい」と考えたときは、まず信頼できるお寺に相談することが大切です。相談先としては、次のようなところがあります。
・ ご先祖からの宗派に属している近くのお寺
・ すでにお墓がある場合は、その墓地を管理しているお寺
・ 菩提寺(先祖代々のお世話になっているお寺)があるなら、そこに直接連絡
相談の際は、檀家としての費用・決まりごと・どんなサポートがあるかなどを、住職としっかり話し合って確認しておくと安心です。

檀家になるまでの流れ

檀家としてお寺と正式にお付き合いを始めるには、いくつかのステップがあります。初めての方でも安心して進められるよう、以下のような流れが一般的です。
①相談・問い合わせ
まずは気になるお寺に連絡し、「檀家になりたい」と相談します。

②面談・見学
住職と直接お話をして、お寺の考え方や雰囲気、費用について確認します。

③内容の説明と合意
お布施や今後の法要、行事への参加などについて説明を受け、納得できれば合意に進みます。

④入檀の手続き
申込書の記入や入檀料の支払いを行い、正式に檀家として登録されます。

⑤檀家としてのお付き合い開始
その後は、年忌法要やお寺の行事などに参加しながら、寺院との関係を築いていきます。

檀家にならない場合の仏事・お墓の管理方法

必ずしも檀家にならなくても、仏事やお墓の管理をする方法はいくつかあります。檀家制度にこだわらず、自由に選びたい方に向いています。

たとえば次のような方法があります。
公営霊園や民間霊園を利用する
宗教の制限がないため、どの宗派でも利用できます。

宗教法人に属さない「永代供養墓」を選ぶ
寺院に頼らず、遺骨を管理・供養してもらえるお墓です。

家族葬や直葬など、寺院を通さない葬儀を選ぶ
葬儀をシンプルに行いたい方に選ばれています。
このように現代では、宗教的な枠にとらわれず、自分たちの価値観やライフスタイルに合わせて供養の方法を選べる時代になっています。

檀家をやめたい場合(離檀)の手順と注意点

檀家をやめることは「離檀(りだん)」と呼ばれます。
最近では、生活環境の変化や価値観の多様化から、離檀を考える方も増えています。
ただし、お寺との長年のご縁があるため、丁寧な対応がとても大切です。

離檀までの流れ

檀家をやめる際は、まず住職に誠意を持って相談することが大切です。
一方的に通告するのではなく、感謝の気持ちを忘れず丁寧に話を進めましょう。

お寺によっては離檀料(3~20万円程度)を求められることがありますので、事前に確認しておくと安心です。

また、お墓を移す場合は役所で「改葬許可証」の申請が必要です。新しい供養先(永代供養や散骨など)も早めに探しておきましょう。
【離檀までの流れ】
①まず住職に相談する

直接お寺に連絡し、「檀家をやめたい」という意思を伝えます。可能であれば、対面での話し合いが望ましいです。

②離檀料の確認
お寺によっては、これまでのお礼として「離檀料(3~20万円程度)」を求められることがあります。金額や支払いの有無は寺院によって異なります。

③墓を移す場合は「改葬許可証」の手続き
他の霊園や永代供養墓へお墓を移すときは、市区町村役場で「改葬許可証」の申請が必要です。

④新しい供養先を探す
永代供養や樹木葬、散骨など、今後の供養方法に応じて新しい受け入れ先を探します。

檀家に関するよくある質問・関連用語

最後に、檀家に関するよくある質問や関連用語をご紹介します。

お墓があると檀家になっているの?

お墓がお寺の敷地内(寺院墓地)にある場合、その家はほとんどのケースで檀家となっています。
お寺からの法要の案内や会費の明細書などが届いていれば、檀家と考えてよいでしょう。

親が亡くなったらどうする?

菩提寺がある場合は、まずお寺に連絡しましょう。
葬儀や法要の日程、お布施の相談などを早めに進めておくと安心です。

檀信徒とは?

「檀信徒(だんしんと)」とは、お寺とつながりのある信者全体を指す言葉です。
「檀家」は檀信徒の一部で、特にお墓や供養などを依頼している家を指します。

檀家回りとは?

「檀家回り」とは、住職がお盆や年末年始に檀家の家を訪れて挨拶やお経をあげる行事のことです。
信頼関係を深める大切な習慣として、多くのお寺で行われています。

菩提寺とは?檀家との関係

「菩提寺(ぼだいじ)」とは、先祖のお墓があり、葬儀や法事などをお願いしているお寺のことを指します。
檀家は菩提寺と長年にわたって関係を続けており、供養やお墓の管理を通じて信仰の支えを得る(心の拠り所となる)存在といえます。

まとめ

檀家とは、特定のお寺とつながりを持ちながら、葬儀や法要、供養をお願いする家のことをいいます。

お寺に相談できる安心感がある一方で、お布施や行事参加などの負担も生じる場合があります。

最近では、そうした関係を持たずに供養を行う家庭も増えており、家族構成や宗派の考え方に応じて、無理のない形で選択することが大切です。

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