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葬儀

2025.04.23

最近では、家族葬や密葬の増加とともに「香典辞退」のケースが増えています。しかし、いざその場になると「どう対応すればいいの?」「失礼にあたらない?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「香典辞退」の意味や理由をはじめ、参列者としてのマナー、親族として香典を断る場合の伝え方や注意点などを、わかりやすく解説します。

香典辞退とは

「香典辞退(こうでんじたい)」とは、通夜や葬儀の際に、ご遺族が香典を受け取らない意向をあらかじめ伝えることを指します。

香典は本来、故人を悼む気持ちを込めて渡されるものですが、最近では香典を辞退するご家庭が増えてきています。

香典辞退が選ばれる主な理由には、次のようなものがあります。
・ 経済的な負担を減らしたい(香典返しや会葬礼状の準備などが不要になる)
・ 家族葬や密葬で、近親者だけで静かに見送りたい
・ 形式的な儀礼ではなく、心のこもった時間を大切にしたい
・ 故人またはご遺族の意志で、香典を受け取らないと決めている
このように香典辞退は、現代の価値観やライフスタイルに合った葬儀のあり方として、特に小規模な葬儀を希望される方の間で広がっています。

参列者側の負担も減らすことができるため、双方にとって無理のない形でのお別れを実現する選択肢の一つです。

香典とは?基本マナーと由来をわかりやすく解説

そもそも香典の意味やマナーに不安があるという方は、香典辞退の対応の前に、香典の基本を理解しておくといいでしょう。

香典の基本マナー

香典(こうでん)とは、故人のご冥福をお祈りし、ご遺族にお悔やみの気持ちとしてお渡しする金銭のことです。

通夜や葬儀の際に、「香典袋(不祝儀袋)」に入れ、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが一般的なマナーです。

香典は「金額や形式以上に、心を込めて渡すこと」が大切なマナーとされています。

香典の意味と歴史|なぜ渡すの?その由来とは

香典は、もともとはお通夜やお葬式のときに、故人へのお供え物や線香の代わりとして持参したものが始まりとされています。

昔は食べ物や日用品などを持ち寄ることが多かったのですが、時代が進むにつれて、お供えの気持ちをお金で表す形が一般的になりました。

つまり香典とは、「故人への感謝と供養の気持ち」を表すための金銭的な贈り物といえるのです。

香典辞退が増えている背景|家族葬や価値観の変化が影響

近年、「香典は辞退させていただきます」と事前に伝えるご家庭が増えています。その背景には、葬儀のスタイルや人々の価値観の変化が大きく関係しています。

たとえば、以下のような理由が挙げられます。
・ 家族葬・密葬の増加
・ 香典返しや会葬礼状の手間を省きたいというニーズの増加
・ 「気持ちだけで十分」という価値観の人が増加
・ 新型コロナウイルスの影響による葬儀の小規模化
このように、香典辞退は現代的な考え方や状況に合わせた新しい選択肢として、今後も広がっていくと考えられます。

【参列者向けQ&A】香典辞退された場合

香典辞退と言われた場合、どう対応するのが失礼に当たらないのか悩んでしまう方もいるでしょう。以下に親族や参列者向けのQ&Aを紹介しますので、参考にしてみてください。

香典辞退の連絡はいつ来る?知るタイミングと確認方法

香典を辞退する場合、その旨は訃報の連絡や葬儀案内の文面などで事前に伝えられるのが一般的です。

また、最近ではLINEやメールといったデジタル連絡ツールを通じて簡潔に伝えられるケースも増えています。

ただし、準備の都合や急なご不幸で事前の連絡が間に合わない場合には、葬儀当日の受付で「本日は香典をお受けしておりません」と直接案内されることもあります。

香典辞退と言われたら?失礼にならない対応方法

香典を辞退するとあらかじめ伝えられている場合は、無理に香典を持参する必要はありません。むしろ、遺族の意向を尊重して手ぶらで参列することが、最適な対応といえるでしょう。

香典辞退と言われた親族の対応は?

香典を辞退する場合、親族であってもご遺族の意向を尊重することが何より大切です。香典を渡したい気持ちがあっても、受け取らないと決めたご遺族の考えを優先しましょう。

香典辞退でも香典を持っていくのは失礼?

香典を「辞退する」とあらかじめ伝えられている場合は、基本的にその意向を尊重することがマナーです。香典を用意して持参しても、受付で丁重に辞退され、受け取ってもらえないこともあります。

特に、家族葬や密葬などで静かな葬儀を望んでいるご遺族の場合、香典辞退には「形式にとらわれず、気持ちだけで十分です」という想いが込められていることも多くあります。

そのため、「持って行かないと失礼では?」と心配する必要はありません。香典を無理に渡そうとする方が、かえってご遺族に気を遣わせてしまう可能性もあるのです。

香典辞退された場合、代わりのものを用意すべき?

香典を辞退された場合、「気持ちだけで十分です」というご遺族の意向を尊重するのが基本です。そのため、無理に何かを用意する必要はありません。

とはいえ、どうしても感謝やお悔やみの気持ちを形にしたい場合は、お悔やみの手紙やメッセージ、弔電、供花や供物(辞退されていなければ)を贈る方法もあります。

ただし、供花や供物についても辞退されている場合は、何も贈らずに見守ることが一番の配慮になります。

形式ではなく、「相手に負担をかけずに、気持ちを届ける」ことが大切です。

供花・供物・弔問・弔電も辞退された場合は?

訃報や案内状などに「香典だけでなく、供花・供物・弔電・弔問も辞退いたします」と明記されている場合には、何かを無理に贈ったり、訪問したりすることは控えるのが礼儀です。

ご遺族が静かに故人を見送る時間を大切にしたいという気持ちを尊重し、心の中でそっと弔意を表すことが、もっとも思いやりある対応となります。

【ご遺族向けQ&A】香典を断りたい

香典辞退をすべきか迷っている、どう伝えればいいかわからないとお悩みのご遺族の方もいるかもしれません。以下に、ご遺族向けのQ&Aをご紹介しますので、参考にしてみてください。

家族葬では香典辞退しないほうがいい?

家族葬は参列者を身内や親しい方に限った小規模な葬儀ですが、香典を受け取ることは参列者の気持ちを受け入れる意味合いもあります。

そのため、「家族葬=香典辞退が必須」というわけではありません。

一方で、お返し(香典返し)や会葬礼状の準備を負担に感じるご遺族もいらっしゃるでしょう。

香典を辞退するかどうかは、家族の考え方や状況に応じて話し合い、無理のない形で決めることが大切です。必要に応じて葬儀社にも相談してみると安心です。

密葬では香典辞退すべき?

密葬は、故人のごく近しい家族や親族のみで行う、非公開の小規模な葬儀です。そのため、香典を辞退するケースが多く見られます。参列者も限られており、形式にとらわれず静かに見送りたいという意向が強いためです。

ただし、密葬後に本葬やお別れの会を改めて行う予定がある場合には、本葬の場で香典を受け取ることも一般的です。

密葬の段階で香典を辞退するかどうかは、ご遺族の考え方や、今後の葬儀の予定に応じて判断しましょう。事前に案内状などで意向を明記しておくと、参列者にとってもわかりやすくなります。

香典辞退を伝えるタイミングは?

香典を辞退する場合は、参列者に事前にしっかりと伝えることが大切です。もっとも適切なタイミングは、訃報の連絡や葬儀の案内をお知らせする際です。

香典辞退の旨は、次のような方法で明確に伝えましょう。
・ 訃報ハガキや葬儀の案内状に記載する
・ メールやLINEなどのメッセージで知らせる
・ 電話連絡の際に口頭で伝える
文面には、失礼にならないやわらかい表現を使うのがマナーです。

香典辞退の親族への伝え方は?

親族には比較的近しい関係だからこそ、直接の言葉や書面で丁寧に伝えることが大切です。香典辞退の理由や意向を率直に伝えることで、納得してもらいやすくなります。
伝え方の例(電話・口頭・文面など)
今回は身内だけで静かに見送りたいと考えておりますので、香典などは辞退させていただきます。
お気持ちだけありがたく頂戴し、香典はご遠慮いただければ幸いです。
相手が年配の場合は、手紙やはがきで丁寧に記すとより安心感を与えられます。

香典辞退の会社/職場への伝え方は

会社や職場関係の方へは、フォーマルで簡潔な言い回しが好まれます。社内で回覧されたり、複数人に伝わったりすることもあるため、表現は統一感を意識しましょう。
案内状やメールでの文例
誠に恐縮ではございますが、ご香典・ご供花の儀は固くご辞退申し上げます。何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

香典辞退をしたのに香典を渡された場合は?

たとえ香典を辞退していても、どうしても渡したいという方が現れることがあります。そうした場合には、相手の気持ちに配慮しつつ、柔軟に対応することが大切です。

基本的には一度お断りするのが礼儀ですが、強く勧められた際には、感謝の言葉を添えて受け取るという選択肢もあります。ただし、他の参列者には辞退の意向を伝えている場合が多いため、全体のバランスを考えた上での対応が望まれます。

大切なのは、形式にこだわりすぎず、お互いに気持ちよく故人を偲ぶことです。

まとめ

香典辞退は、現代のライフスタイルや葬儀の形に合わせた柔軟な選択肢のひとつです。大切なのは、相手の立場に配慮し、マナーを守った対応を心がけること。

参列する側も、辞退する側も、気持ちよく最後のお別れができるよう、準備と理解を大切にしましょう。

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