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葬儀

2024.04.30

生前葬とは?費用や流れ、挨拶、メリットを解説!香典や服装のマナーも

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みなさま、「生前葬」をご存じでしょうか。ここ数年で誕生し、多くの著名人が利用していることで話題となっています。
「生前葬」とは文字通り、生きた状態で葬儀を行うことです。ですが、この行事にはどのような利点があるのでしょうか。
今回の記事ではメリットやデメリット、費用や流れなどについて解説していきます。

生前葬とは
生前に葬儀をすること
現代の日本では古い制度が撤廃、改革されることが当たり前に起こっていますが、 葬儀に関しても例外ではありません。

葬儀に関しては、「葬儀の内容は当人の死後に明確に決定する」、「故人に粗相のないように」というのが基本でした。
そのような考え方を一転させて新たに誕生し話題になったのが 「生前葬」 です。

多くの方は名前から想像がつくと思われますが、 生きている最中に葬儀を行うことを指します。
葬儀を自分の目で見てみたい、生きている内に感謝の言葉を述べたいなど、幅広い範囲の顧客を取り込んでいます。

ですが、これらは広まっているわけではないので詳しく知っている方は非常に少ないでしょう。
なぜ「生前葬」は広まるに至っていないのか、それらの理由と思しきものや反対にメリットを挙げてみたいと思います。


生前葬のメリット
メリット
生前葬の利点はどのようなものがあるか
葬儀業界に新しい風を吹かせたとされるのが「生前葬」です。
そこには目新しさだけではない、ハッキリとしたメリットも存在します。

感謝の言葉を残すことができる
葬儀というものは、自分があの世に行ってしまった後に行われるため、周りに向けて 日ごろのお礼を伝えることは不可能です 。

新たに「生前葬」という場を設けることで、 日ごろお世話になっている方に改めて感謝を「直接」伝えることができます 。

自由度の高い葬儀が行える
「生前葬」 の最大の特徴と言っても過言ではありませんが、 葬儀の計画を自分自身の手で「すべて」決定できることがメリットです。

そこには厳しい規定が存在しないため、 規則に縛られない自由な葬儀をすることができます。
どのような装飾をし、誰に案内状を送るか、催し物をどうするかは 主催者側の意向で全て形作ることができるのです。

カラオケやビンゴ大会などのイベントを組み込むことで、子供から大人まで飽きさせないような作りにすることも可能です。また、 自身の趣味を葬儀に反映することもできます。

趣味が「音楽」である方は、演奏家を呼んで会場を賑わせることもできるでしょう。
「生前葬」を挙げることは自らのやりたいことを葬儀に当て込み、生きた証の一つとして残すことができます。

費用を抑えることもできる
「生前葬」 は葬儀の内容を自身で決めることができるため、内容を絞ったり削ることで 費用を安くすることができます。

一般的な葬儀は割高なイメージから、抵抗がある方も多いと思われます。
ですが 「生前葬」 では、参列者を招いた場合でも費用を低価格に抑えることができます。

遺族の心理的な負担を和らげる
一般的には、自身の死後に誰かが代表となり、葬儀を執り行うことが基本です。
ですが、生前葬では 本人が喪主の役割を担うことができる ことが大きな利点です。

死後の葬儀というものは悲しみに包まれながら行うため、受け入れ難いものですが決して避けては通れない道です。
「生前葬」を挙げることで、そのような遺族の心理的負担を軽減してくれる可能性があります。


生前葬のデメリット
デメリット
どのような欠点が生じてしまうのか
上記でメリットについて解説をしましたが、もちろん デメリット も存在します。

目新しい制度だから、という理由だけで受け入れられていない訳ではなく、そこには明確な欠点も存在します。

二度目の葬儀が要求される場合も
日本において、「生前葬」は浸透している葬儀形式という訳ではありません。
そのため、親族側からすると世間体を気にしないといけないということもあり、 2度目の葬儀を行わざるを得ない ケースも発生する場合があります。

親族の心理的、金銭的な負担を軽減する目的で行ったものが返って、負担を2倍にさせるだけになってしまうかもしれません。

複雑性の高さ
上記で自由度が高いという説明をしましたが、裏を返せば全てを自分自身で決定しないといけないため、 時間や労力を必要とします。

葬儀の規模、宗教や法事はどうするか等、葬儀にあたって決めなければいけない重要なことは数多く存在します。

理解を得られない
上記の内容にも通じますが、「生前葬」はまだまだ日本では認知されるに至らず、 参列者だけではなく親族にすら理解してもらえない場合も多くあります。

「生前葬はテレビに出ている人がするもの」、「葬儀を盛り上げながら行うとは不謹慎だ」といったことを感じる人が多く存在することも事実です。

そのようなトラブルを事前に避けるべく、親族からの意見を総合した上で開催するかどうかの決定をしましょう。

参列者の気分を害してしまう
日本では海外と比べ、 「死」というものを軽く扱ってはいけないという傾向 が強く見られます。

「生前葬」の全体流れとして静けさを重視して行うこともできますが、どちらかと言えば 明るく葬儀を楽しもうという目的 で行われます。
そのような中で人間の生死を重く受け止めている人が 「生前葬」を不謹慎であると考える ことは無理もないでしょう。


生前葬の費用
金額
費用の相場などはどれぐらいか
一般的な葬儀ですと、ある程度の枠組みが設けられているため、明確な相場が存在します。

一方で 「生前葬」 では、その内容が多岐にわたるため、これといった相場はありません。

ですが、 「生前葬」の一連の流れを20万円~30万円で販売している葬儀屋 も存在します。

そのため、決められた価格がない訳でもありません。

一般的にこの形態の葬儀は、 ホテルで式事と合わせて行われます。

費用の内訳としては以下の通りです。

会場の設備費
葬儀代
人件費や運営費
会食代やイベント代
案内状の作成費や郵送費

生前葬の流れ
流れ
生前葬はどのように行われるのか
ここまでお読み頂いた方には理解して頂けたと思いますが、 「生前葬」 は自由にプログラムを組むことができますので、 固定された流れはありません。

会食メインで一切の催し物をしない場合や、参列者からの挨拶でほとんどのz館を占めるなど、様々なやり方が存在するのです。

ここでは一般的な流れをご紹介します。

①開会のあいさつ
②映像を使った思い出話
③参列者代表のあいさつ
④催し物 (ビンゴ大会、カラオケ、演奏会など)
⑤会食
⑥本人からの感謝の言葉
⑦閉会のあいさつ
このような流れで「生前葬」が行われています。

基本的にはホテルなどの宴会場で行われることが多く、 「料理を豪華にして欲しい」、「写真を撮る時間を設けて欲しい」、「記念品を贈呈したい」 というような要望を流れの中に付け加えることができます。


生前葬の挨拶
挨拶
挨拶はどのように行われるのか
「生前葬」 では基本的に主催者が行事の一環として挨拶をしなければなりません。

メリットの一つとしても書きましたが、 生きている内に参列者に感謝の言葉を述べられる、自分が生きた証を「生前葬」という形で残せることが大きな特徴です。

そのため、 主催者側にとっても参列者側にとっても、「生前葬」における挨拶は非常に重要な要素であり、式の成功には欠かせません。

「生前葬」の挨拶では以下のことに注意して取り組みましょう。

感謝の気持ちを述べることを忘れずに
これまでの感謝 は必ず伝えるべきでしょう。

このタイミングで思い出話をすることや、自らの人生を振り返ることで 参列者からの共感を得ることができ、場も和らいで次に繋ぎやすくなるでしょう。

格式ばった挨拶は避けるようにする
「生前葬」は通常の葬儀と比べて、暗くなりすぎないよう、 むしろ明るく場を賑わせながら進めらていくことが特徴です。

和やかな雰囲気作りに貢献するため、 なるべく堅苦しい言い回しは避けた方が無難かもしれません。

しかし、参列者に応じて「生前葬」の様子も変わってくると思いますので、事前に誰が来てくれるのかを確認し、柔軟に対応するとよいでしょう。

参列者が楽しめるような雰囲気作りを
誰かが故人となってしまった後の、悲しみに寄り添うような式とは全く異なるのが 「生前葬」 です。

そのため、 参列者の思い出に残るような、明るく、そして「死」を想起させないような内容で挨拶文を作ることが重要です。

何らかの理由で余命が宣告されてしまったような状況においても、参列者は 「生きた」当人 に会いに来る訳ですから、 前向きかつ、時には笑わせるような挨拶をすることが参列者にとっての一番の配慮となることでしょう。


生前葬の香典
香典
香典は必要なのか
「香典」 とは本来、亡くなった人へ対するお悔やみの品として贈られる物です。

この場合、本人は当然生きているので 香典は必要ない と考えるのが普通でしょう。

また、香典とは別に 会費 を徴収することが主であり、これを香典代わりとして考えることもできます。

しかし、生前葬そのものが浸透していない日本において、葬儀の一つであると考えて香典を渡すか、生きている内に香典を包むことは不謹慎なのではという思いが働き、 参列者の悩みの種にもなり得ます。

そのため、喪主は必ず 案内状を出す際に香典の有無や会費の値段などを明記した上で、改めて説明する義務があります。

前例は数えられるほどしかありませんので、ルールを設定した上で生前葬に臨むよう心がけましょう。


生前葬の服装
レディース 喪服
服は何を選べばいいのか
一般的なお葬式とは非常に異なる 「生前葬」 ですが、服装は何を着用すればよいでしょうか。

基本的には通常の礼服と同じく、 男性の場合はスーツや黒のネクタイを、女性の場合もまた、黒や紺色のスーツやワンピース を着用すれば会場で目立つことはありません。

ですが、主催者の意向によって服装が カジュアルなものでも許可される場合 があります。

主催者の趣味を「生前葬」に反映したような場合の会ですと、逆にフォーマルな格好で参列すると浮いてしまう可能性もあります。

また、堅苦しいお葬式ではなく、どちらかと言えば明るい雰囲気を持つのが「生前葬」の特徴ですので、それを踏まえた上で服装を選ぶようにしましょう。

主催者側は服装に関して、 案内状に詳しく記載をすることで参列者の服装選びに貢献することができるでしょう


死後の手続き
生前葬を行った後にしなければならないこと
「生前葬」は執り行うことによって親族の悲しみを和らげることに繋がりますが、この場合、通常の葬儀をする必要がないのでしょうか。

現在では そのようなことはなく 、ほとんどの場合が 再度、通常の葬儀をしなければなりません。

「一度葬儀をしたのだから、もうやる必要はない」という考えは今の日本では通用せず、むしろ不自然だと思われるでしょう。

また、葬式は「死者を葬るための行事」ですので、本来の意味を踏まえた上でもしなければいけない儀式です。

葬儀を通じて世間との関係性を保つというのも日本の文化でありますので、 現段階では葬儀をする必要があると言えます。

また、 遺産相続 や 火葬後の遺骨の処理方法 についても口論の原因となってしまいます。

あらかじめ、話し合いの場を設けておきましょう。


受け入れられるにはまだ早い「生前葬」
生前葬とは 自分が生きている間に葬儀を行うこと
生前葬のメリット ある程度の領域を超えなければ、斬新なアイデアを葬儀中に反映させることができる  
生前葬のデメリット 親族の理解を得るのに工夫が必要である。
生前葬の費用や流れについて 基本的には自由なので相場や決まったやり方はないが、一般的な例は挙げられる。
生前葬の香典 「生前葬」の会費が香典にあたる。
死後の手続き 生前葬を行った後も、様々な観点から通常の葬儀を行ったほうが良い
今回の記事では、生前葬を様々な観点から解説させていただきました。

「生前葬」はここ数年で誕生したということもあり、 世間からは受け入れられていない部分が多く見受けられます。

「葬」という字が入っていますが、実際の葬儀とはかけ離れており、宴会の一部だと解釈している方も非常に多いと思われます。

「死」というものを重く受け止めている日本において、「葬儀を侮辱している」、「葬儀は荘厳な舞台で正式な形で行うものだ」という厳しい意見も飛び交っています。

死後にもまた、お葬式を再びしなければいけないという点から、「生前葬」を葬儀として見なすには幾分、要素が足りていないようにも思われます。

しかし、 自分の生きた証を大勢の参列者を目の前に残すことができる などの 様々なメリット があることも忘れてはいけません。

葬儀というものを通過儀礼と捉えず、むしろ「今まで健康に生きてくれてありがとう」とポジティブさを前面に押し出したことはとても斬新かつ、今の時代にもマッチしたやり方だと言えます。

受け入れられるにはまだまだ時間を要しますが、世間のニーズに合わせて変化していくことは間違いないでしょう。

家族と世間という関係性が希薄になりつつある今だからこそ、様々な課題を解消して、新たに進化することが期待されています。

生前葬 をする際には世論や親族の意見を参考にし、利点を有効活用して頂ければと思います。

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