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葬儀

2024.04.24

【図解】盆棚・精霊棚とは?飾る期間や物、飾り方、棚の購入場所!曹洞宗は?

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盆棚とは、お盆の時に、ご先祖さまを迎えるための棚です。
盆棚を準備することで、ご先祖さまにより心の込もった供養をすることができます。
ここでは、盆棚の飾りの意味や費用の相場まで、詳しく紹介しています。

盆棚・精霊棚とは

盆棚は お盆の際に、ご先祖さまの精霊を迎え入れるために準備する棚 のことを言います。
精霊(しょうりょう)棚 と呼ばれることもあります。

盆棚の上には、供物を置き、ご先祖さまを迎えます。
近頃では、盆棚は 仏壇の前 に置かれることが一般的になりましたが、昔は、 ご先祖さまを導く祭壇 という意味で、家の玄関や庭、またはお墓に飾られることがほとんどでした。

盆棚は仏教の文化で、主に 天台宗・真言宗・浄土宗・日蓮宗・臨済宗 の宗派においてよく見られます。

仏教の宗派の中でも、「人は亡くなるとまもなく仏になる」という教えを持つ浄土真宗では、盆棚を用意しません。
また、浄土真宗では、お盆の際、迎え火・送り火も行わないので注意しましょう。

盆棚・精霊棚を飾る期間

盆棚を飾る期間は、新盆の場合と初盆でない場合で異なります。
ここでは、盆棚を準備する期間や、盆棚を片付ける時期も紹介します。

盆棚を準備する時期

盆棚は お盆の前 に準備してください。
一般的には、盆迎えと言われる 12日の夕方、または13日の朝 に盆棚を作ります。

しかし、盆棚に飾る供物は、種類が多いので、余裕を持って準備を始めるようにしましょう。
また、盆棚を準備する前には、仏壇を清めるということを、忘れないでください。

盆棚を飾る期間

一般的に、盆棚を飾る期間は、お盆の期間である、 8月13日から8月16日 の4日間です。
盆棚は、ご先祖さまが帰って来る際に、場所を知らせる目印となるため、遅くとも13日の夕方には飾り始めましょう。

もともと、お盆は7月とされていたため、お盆の期間が7月13日から7月16日であるという地域もあります。
そのような地域も、同じように、お盆の初めの日の夕方までに盆棚を準備し、4日間飾るようにしましょう。

また、7月7日の七夕の日に、盆棚を飾り始める地域もあります。
これは、七夕の由来が、「棚幡(たなばた)」であるという説があり、盆棚を飾る日だと考えられていたことから来ています。

盆棚を飾る期間は、地域別に異なっているので、自分の地域のお盆の期間を、確認しておきましょう。

盆棚を片付ける時期

盆棚を片付け始める時期は、一般的に、お盆の期間が終了した 17日から です。
16日にしっかりと送り火を終え、ご先祖さまを見送ってから、その次の日以降に片付けを始めるようにしましょう。

新盆の場合

新盆とは、身内である故人の四十九日を過ぎてから迎える初めてのお盆のことを言います。
新盆である時には、 8月の初め に盆棚を飾り始めましょう。

お盆の時期が7月である地域は、同じように、7月の初めに盆棚を飾りましょう。
片付け始める時期は、通常のお盆と変わらないので、 盆棚を飾り始める時期が早い ということを、覚えておきましょう。

新盆については、こちらを見てください。

盆棚・精霊棚に飾る物

盆棚は、経机や小机に、供物を飾って作ります。
盆棚に飾る物には、位碑や花立て、香炉、燭台の他に、たくさんの種類があり、それぞれに意味があります。

ここでは、飾り物1つ1つについて、詳しく紹介していきます。
真菰(まこも)のゴザ
真菰とは、イネ科の植物です。
釈迦が、人の病気を直すために、真菰を用いて編んだ寝床を用意したことから、真菰は聖なる植物だと言われています。
この真菰のゴザを、 経机や小机の上に敷き、 その上から他の飾りを乗せていきます。

笹竹
笹竹とは、小さい竹のことです。
笹竹は、 神域を張りめぐらす という意味を持っています。
この笹竹に縄を結び、結界のように縄を張りましょう。

大きな祭壇で盆棚を作る時には、その四つ角に青竹を飾ります。
この青竹は、葉っぱ付きのものを選び、立てて飾りましょう。
そして、青竹のてっぺんの方にしめ縄を結び、4本の青竹を使ってしめ縄を張ります。

盆提灯
盆提灯は、 ご先祖さまが家に帰ってくる際の、目印となる役割 を果たします。
また、亡くなられた方に対して、冥福を祈る気持ちも、盆提灯を通して表現することができます。
玄関の外や、盆棚の隣に飾りましょう。

盆提灯については、こちらを見てください。
ほおずき
ほおずきは、赤く提灯のような形をしています。
その形から、ほおずきは、先ほど紹介した盆提灯と同じ、 目印の役割を果たす と言われています。
また、ほおずきは、中身が空洞になっています。
亡くなられた方は、仏となり、身体を持たずに帰って来ます。
そのため、 ほおずきの中の空洞に身を置く とされています。

花立てに挿して飾っても良いですし、笹竹に張った縄に吊るしても良いです。
また、他の供物と一緒に飾っても構いません。
ほおずきを用いて、盆棚を華やかなものにしましょう。

ほおずきについては、こちらを見てください。
精霊馬(しょうりょううま)
精霊馬とは、 きゅうりとなす におがら、または爪楊枝や割り箸を刺して作る、 馬や牛の人形 のことです。
精霊馬は、ご先祖さまが帰ってくる際や、お盆の終わりにあの世へ戻る際に乘る、乗り物であるという意味があります。

馬は、家へ帰ってくる際に、少しでも早くこちらに着いて欲しいという思いから作られます。

牛は、あの世へ戻る際に、別れを惜しみながら、ゆっくりのペースで戻って欲しいという思いから作られます。
また、牛には、お供えした供物を、故人があの世へ持ち帰ることができるようにという意味もあります。

しかし、牛を作るのは、ご先祖さまに手厚いおもてなしをするためであり、馬を作るのは、急いであの世へ戻れるようにするためだと考える地域もあります。

精霊馬については、こちらを見てください。
水の子
水の子は、お米・なす・きゅうり・蓮の葉を用いて作るお供えものです。
作り方は、以下の通りです。
  1. お米を研ぎ、きゅうりとなすをさいの目型に切ります。
  2. 皿の上に蓮の葉を置きます。
  3. 蓮の葉の上から、お米ときゅうりとなすを盛り付けます。
  4. 水を入れて、盛り付けたものを浸します
水の子には、餓鬼のような、強欲であったために死後に苦しんでいる霊も、お盆にはもてなそうという意味があります。

きゅうりとなすをさいの目に切り、水を入れているのは、食べ物を食べられない餓鬼でも食べやすいようにするためだとされています。
水の子は、お盆の間は毎日作り直しましょう。
夏の果物や野菜
亡くなられた方があの世からこちらへ帰ってくる際に、長旅に疲れて空腹であるはずです。
そのためにも、季節の旬の果物や野菜を用意して、亡くなられた方の空腹を満たしてあげましょう。
閼伽水(あかみず)・禊萩(みそはぎ)の花
閼伽水は、 器のなかに、清浄な水を注いだもの を指します。
「閼伽」は、仏教において、供養のための水だとされています。

また、皿に禊萩の花を数本乗せて飾ります。
禊萩の花は、その名前の「禊」という漢字が 悪霊を追い払う という意味を持つため、用いられるようになりました。

ご先祖さまが帰ってくる際に、ご先祖さまに着いてきてしまった悪い霊を追い払うためだと言われています。
盆花(ぼんばな)
盆花とは、盆棚に飾る花のことを言います。
盆花に決まりなどはありませんが、一般的には、萩やキキョウ、オミナエシ、ユリ、リンドウなど、 紫色・白色・黄色の花 を用います。

派手な色の花や、棘や毒、蔓(つる)を持つ花は避けましょう。

素麺(そうめん)
素麺は、そのまま束で供えましょう。
素麺には、先ほど紹介した 精霊馬の手綱 や、故人が供物をあの世へ持ち帰る際に、その 荷物をくくるための紐 として用いられるとされています。

盆棚・精霊棚の費用相場

盆棚の台には、祭壇型の棚や、仏壇に似た形の盆棚用の棚、お経を乗せるのに用いる経机などを使いましょう。
ない場合は、家にある小さくて低めの机を用いても構いません。

費用は、全て 3千〜4万円 程度です。
高級なものになると値段が大きく変わってきますが、
1万円〜2万円 台のものが一般的です。

真菰や白布がセットになっていることも多いです。

盆提灯の相場は、 5千〜3万円 程度です。
こちらも、 1万円〜2万円 台のものを買うのが良いでしょう。

盆棚・精霊棚の購入場所

盆棚は、 お近くの仏具店 などで買うことができます。
また、真菰のゴザなどは、お盆が近づくと、スーパーやホームセンターで、おがらなどとセットで買うことができます。

盆棚は、楽天やAmazonなどでも買うことができます。
また、盆棚や盆提灯を取り扱うお店の一部は、ウェブサイトでの通販も執り行っています。

盆棚は比較的サイズが大きいので、通販で家まで届けてもらった方が簡便です。

盆棚・精霊棚の片付け方

盆棚を片付ける時期は、先ほど紹介した通り、 お盆の期間が終了した日の次の日から です。
食べ物のお供え物は、悪くならないうちに、 お下がりもの として食べても構いません。

精霊馬などに用いたきゅうりとなすは、昔は川に流す方法が取られていましたが、最近では難しいので、 塩でお清めをして合掌をしてから 処分しましょう。
また、 自分の家の庭の地面に埋める などの方法もあります。

盆提灯の処分

提灯の場合は、来年のお盆でも使えるように、取っておきましょう。
主に新盆で用いる白提灯は、本来は火をつけて燃やして捨てていました。

しかし、近頃では、火を付けるのが難しいことが多いので、端にのみ少し火を付けたら火を消し、そのまま処分することがほとんどです。

処分しなければならないものは、塩で清めてから一般ゴミとして捨ててしまっても構いません。
気になる場合は、お寺などで お焚き上げ をしてもらいましょう。

曹洞宗の盆棚・精霊棚

曹洞宗の盆棚では、真菰のゴザを敷いた机の奥側の真ん中に、御本尊や、十三仏掛け軸を置きます。
位碑は、 その前側 に置きましょう。

位碑が2つ以上ある場合は、1つを御本尊の前側に置き、その他を御本尊の横に置きましょう。
そして、その位碑のさらに前側に、ご飯をたくさん盛って真ん中に箸を立てた、 浄飯(じょうぼん) を供えます。

先ほど紹介した他の飾りは、この浄飯の周りに供えましょう。
曹洞宗は、 盆棚に浄飯を準備する点 などが、他の宗派の盆棚と大きく異なっています。

また、これは曹洞宗の盆棚の一例であり、地域ごとに多少の違いはあるので、注意してください。
曹洞宗の盆棚・精霊棚に関しては、こちらも参考にしてください。

お盆には盆棚を準備しよう

盆棚・精霊棚とは、 お盆の際に、ご先祖さまの精霊を迎え入れるために準備する棚 のことです。
一般的に仏壇の前に置き、供物を供えます。

盆棚を飾る期間は 8月13日から8月16日 の、お盆の期間です。
地域によってお盆の時期が異なるので、その地域のお盆の期間に合わせて飾りましょう。

盆棚に飾る供物には、1つ1つに意味があり、帰ってくるご先祖さまを気遣う気持ちが込められています。
処分の際には、塩で清め、食べ物は悪くならないうちに「お下がりもの」として戴きましょう。

盆棚の飾りの意味を知ることで、お盆に帰ってくるご先祖さまをより丁寧に、心を込めて迎え入れることができるようになります。
お盆には盆棚を正しく準備して、感謝の気持ちを持って、故人の冥福を祈りましょう。

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