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葬儀

2024.04.23

お通夜でのお焼香を種類・宗派別に解説!やり方や順番、マナーも

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急なお通夜では、お焼香のやり方やマナーに不安を感じるのではないでしょうか?
前の人の真似をすればいいと思うかもしれませんが、作法を覚えるのに気が散って落ち着いて手を合わせられないようでは、焼香の本来の意味を失いかねません。

慌てず落ち着いて対応できるように、お通夜での焼香のやり方をお伝えします。

お通夜でお焼香をあげる意味
焼香
お焼香は、お通夜や葬儀、告別式でおこなわれ、文字通り香を焼き香らせる儀式です。
お通夜の中で、故人へ想いを伝え、冥福を祈ります。

昔から、香には心身を浄化する作用があると考えられ、お通夜の席でお焼香するのは、参列者の心身を清め、故人に手を合わせるためでもあります。

一般的には、お通夜や葬儀には粉末にされた香である「抹香」が使われます。

お通夜でのお焼香には、3つの種類があります。
どの方法になるかは、会場の都合によって決められることがあり、お通夜に行ってみなければ分かりません。
どの方法でも対応できるようにしておきたいです。

お通夜でのお焼香のやり方①立礼焼香
女性 合掌
まずは、立礼焼香の方法からご紹介いたします。
お通夜での立礼焼香は、焼香台まで歩き、 その場に立っておこないます。

椅子がある比較的広いお通夜会場では、この方法が採られることが多いです。

以下の流れをそれぞれ説明していきます。

焼香台の前で遺族に礼
少し手前で立ち止まり遺影を見つける
焼香台の前で合掌
焼香する
再度合掌
遺族に礼をして席に戻る
①焼香台の前で遺族に礼
お焼香にむかう際は、前の人が着席されたのを確認してから、席を立ちます。
慌てないよう気を付けてください。
静かに歩くように心掛け、遺族へのお悔やみを忘れずにおこないましょう。

②少し手前で立ち止まり遺影を見つめる
焼香台から少し離れたところで、しばし遺影を見つめましょう。

③焼香台の前で合掌
焼香台の前へ進み、静かに合掌します。

④焼香する
次に、お焼香をします。
焼香台の右側に香がありますから、右手の親指・人さし指・中指でつまみます。
頭を少し垂れ、額のところまであげます。

次に、つまんだ抹香を左側にある香炉に置きます。
お通夜でのお焼香作法の細かな回数は、宗派によりいくつか分かれますが、 参列者が多い時は、一回だけ丁寧におこなってください。

⑤再度合掌
焼香の後は、もう一度、合掌します。

⑥遺族に礼をして席に戻る
遺影を見つめながら少し下がり、僧侶と遺族に軽く礼をします。
向きを変えて、歩いて席に戻ります。

お通夜の会場や席によっては、移動距離があることもありますが、慌てる必要はありません。
一連の動作は、静かに丁寧におこなうようにしましょう。

お通夜でのお焼香のやり方②座礼焼香
正座
お通夜が和室でおこなわれる場合、座礼焼香になるかもしれません。

座礼焼香特有の移動の方法がありますから、知っておくとよいでしょう。

焼香台と席の距離が近いことを想定し、立ち上がらずに膝をついて移動する方法です。
「膝行(しっこう)」「膝退(しったい)」 と言われます。

以下のそれぞれの流れを説明していきます。

膝行する
遺族に礼をして焼香台へ進む
焼香台の前で合掌
焼香する
再度合掌
遺族に一礼して膝退する
①膝行する
親指だけを外してこぶしをつくり、膝の少し前に置きます。
手で支えながら体を少し持ち上げ、膝で移動します。

②遺族に礼をして焼香台へ進む
遺族の前まできたら、遺族と僧侶に礼をして、焼香台の前へ進みます。
座布団が用意されていますが、座らない方が良いとされています。

③焼香台の前で合掌
焼香台の前で合掌し、心を落ち着けます。

④焼香する
お焼香は、立礼焼香と同じです。
左手に数珠をかけたまま、右手の三指で香をつまみあげ、香炉に置きます。

⑤再度合掌
お焼香のあと、もう一度、合掌します。

⑥遺族に一礼して膝退する
焼香台を向いたまま、少し後ろに下がります。
遺族に一礼をしてから、膝退で席に戻ります。

お通夜でのお焼香のやり方③回し焼香
お通夜の場所の広さによっては、回し焼香がおこなわれます。
焼香台まで移動してお焼香するのではなく、 席に座ったまま、香炉・抹香をお盆に乗せて順番に回してお焼香していく方法です。

以下の流れをそれぞれ説明していきます。

盆を受け取る
焼香する
合掌
盆を次の人に回す
①盆を受け取る
前の人から、お盆が回ってきます。
軽く会釈して、受け取り、膝の上もしくは膝の前にお盆を置きます。

②焼香します
お焼香の方法は、他の方法と同じです。
右手の三指で香をつまみあげ、香炉に置きます。

③合掌
お焼香のあと、合掌します。
気持ちを落ち着けましょう。

④盆を次の人に回す
軽く会釈をしながら、お盆を隣の席の人に回します。
回し焼香は、移動しない分、よりゆっくりとした丁寧な所作でおこなってください。

お通夜でのお焼香の宗派による違い
違い 比較
お通夜でのお焼香は、 香をつまみ、額のところまであげ、香炉に乗せる という一連の動作が基本の作法です。
少し頭を下げてつまんだ抹香をあげる動作を、「おしいただき」といいます。

お通夜では、一連のお焼香をおこなう回数やおしいただきの回数について、宗派により違いがあります。

ただし、忘れてはいけないのは、お通夜のお焼香において、 故人を想い、冥福を祈る気持ちが最も大切 だということです。
作法に気を取られては、形式だけのお焼香になりかねません。

僧侶の話によると、想いがあれば、宗派による作法はあまり気にする必要はないとのことです。

それでも、一通りの作法を知っておくと安心でしょう。
ここでは、宗派ごとの作法をご紹介します。

曹洞宗
お焼香は、2回。おしいただくのは、1回目だけです。

曹洞宗では、最初のお焼香を主香、2回目のお焼香を従香と言います。
1回目の主香は、故人の冥福を祈るためのお焼香のため、おしいただきますが、2回目は1回目の香りが消えないよう補助する役目のため、おしいただきません。

曹洞宗のお焼香では、左手を右手に添えながら抹香をつまみあげます。
左手に抹香がこぼれたら、その抹香も一緒に香炉におくようにしてください。

曹洞宗の焼香に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

曹洞宗の焼香の回数は?焼香のタイミング、数珠の持ち方も解説
第三人生編集部

真言宗
真言宗のお焼香は「3」に特別な意味があるため、お焼香3回、おしいただきも3回です。
三業(身・口・意)を清める、三宝(仏・法・僧)を捧げる、三毒の煩悩(貪・瞋・癡)をなくすなど、いくつか説がありますが、3という数字を大切にしている宗派です。

浄土真宗本願寺派
浄土真宗の本願寺派は、お焼香は1回おこない、おしいただきません。

浄土真宗では、死後は即往生するという考えがあり、冥福をお祈りする必要がありません。このため、おしいただく動作を伴わない作法になっています。

浄土真宗大谷派
浄土真宗の大谷派では、お焼香は2回おこないます。
本願寺派と同様、おしいただきません。

大谷派では、香が人の心の深い部分に作用し安らぎを得られるため、より強く香らせる意味で2回になっています。

浄土宗
浄土宗は、お焼香の回数は自由です。おしいただきも決まりがありません。

形式的に3回おこなうよりも、心を込めて丁寧に1回おこなう方が良いとの考えから、状況に応じてお焼香する人の真心をこめやすい回数でお焼香することを大切にしています。

その代わり、お焼香の方法に特徴があります。
抹香をつかんだ後、手のひらを上に向け、左手を下に添えます。

臨済宗
臨済宗もお焼香の作法に決まりはありませんが、おしいただいて1回と考えておくとよいでしょう。
おしいただかなくても問題ありません。

多くの方がお焼香することを考慮して、心を込めて丁寧に1回お焼香することが推奨されています。
回数・作法より、気持ちと周りの状況を大切に考えられています。

日蓮宗
日蓮宗のお焼香は、おしいただいて1回です。
僧侶が3回焼香をおこないますが、参列者は1回となっています。

ただし、寺や地域によっても差があります。

天台宗
天台宗は、回数や作法の定めがありませんが、1回か3回のどちらかが多いです。
おしいただくかどうかも決められていません。
迷うようなら、落ち着いて1回のみおこなうとよいでしょう。

お通夜でお焼香をする順番
流れ
お通夜ではお焼香の順番がある程度決まっています。
喪主からスタートして、 故人との関係が深い順 に、遺族、親族から参列者という順番です。

一般的に、席順通りと考えておけばよいでしょう。
葬儀式場や斎場であればスタッフが案内してくれることが多いです。

通常のお焼香は、個人焼香と呼ばれます。
会社・団体の代表者がお焼香をする代表焼香もあります。

また、地域によっては、議員や町内会会長などを来賓として指名する指名焼香あるいは来賓焼香がおこなわれることもありますから覚えておくとよいでしょう。

指名焼香・来賓焼香がある場合は、喪主・遺族の後、一般の個人焼香の前におこなわれます。

親族内でのお焼香の順番が分かりづらいかもしれません。

一般的には、「喪主→故人の家族→喪主の家族→喪主の兄弟姉妹やその子ども→故人の兄弟姉妹→故人の妻の兄弟姉妹→喪主の妻の両親や兄弟→喪主の従兄弟姉妹」の順番となります。

親族内で発言権の強い人がいるようなら、その方の聞きながら最終的に喪主が判断すると、親族間のトラブルを避けられるでしょう。

お通夜でのお焼香でのマナー
マナー
お通夜のお焼香に向かう際は、いくつかマナーがあります。
お通夜は急に行くことになるものですから、絶対的なマナーは多くありませんが、 最低限の配慮 は必要です。

マスクを外す
手袋を外す
服装に気をつける
数珠を持っていく
香典に新札をマナー違反
マスクを外す
季節によっては、いつもマスクをしていることがあるかもしれませんが、お通夜でお焼香をする際は、席を立つときから席に戻るまでの間、マスクを外しましょう。
着席しているときは、マスクをしていてもかまいません。

手袋を外す
仏教のお通夜では、手袋を外してお焼香するのがマナーです。
派手なネイルをしていてオフする時間がない場合、黒の手袋をしてお通夜に参列して問題ありません。

マスクと同様に、席を立つときから戻るまでの間は手袋を外します。

服装に気をつける
お通夜に参加するときの服装は、ブラックフォーマルが基本です。
ストッキングも黒。

ネックレスをする際は、一連のものをつけましょう。
二連以上は不幸が続くという意味を持ち、マナー違反です。

お通夜でネックレスをする場合は、真珠のネックレスが一般的で、色は黒以外でも問題ありません。

数珠を持っていく
数珠が必要ない宗派もありますが、お通夜には数珠をもっていくのが基本です。
もし、数珠を持っていない場合は、お通夜の斎場で購入できることもあります。購入できない場合は、数珠を持たずにお焼香しても問題ありません。

家族や他の人から数珠を借りるのはマナー違反です。
数珠には、魔除けや厄除けの意味があるため、他人に渡してはいけないものなのです。

数珠の持ち方は、自分の宗派でかまいませんが、よく分からない場合は、左手に親指を外してかけるように持つとよいでしょう。房は下に垂らしてください。

香典に新札はマナー違反
お通夜に持参する香典は、新札を入れるとマナー違反になります。

新札を入れるということは、あらかじめ用意していたという意味になってしまうからです。
もし手元に新札しかない場合は、一度折り目をつけてから入れましょう。

お焼香のマナーに関しては、こちらの記事を参考にしてください。

焼香の作法・やり方!意味は?回数、順番、宗教ごとのマナーも解説
第三人生編集部

お通夜でのお焼香は形式よりも真心が大切
お通夜でのお焼香は、抹香をつまみ、おしいただいて香炉に乗せるという一連の動きです。
宗派によって、回数など違いがありますが、少しくらい形式と違っていても真心のこもったお焼香が良いとされています。

宗派により使い分けることが難しいと感じた場合は、自分がやりやすい方法でかまいません。
心を込めて、故人をお見送りしたいものです。

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