暑さ対策と涼しく快適に過ごす工夫
暑い日が続く夏には毎日エアコンをつける家が多いと思いますが、「エアコンの風は苦手」「電気代が気になる」などとお悩みの方は多いのではないでしょうか。
エアコンの風は苦手でも、室内では涼しく快適に過ごしたいですよね。
特に高齢者の場合、体温調節機能が低下しているため暑さを感じにくく、熱中症のリスクが高まります。
そこで本記事では、高齢者が涼しく快適に過ごすための具体的な工夫や方法について詳しく解説します。涼しく快適に過ごし、暑い夏を楽しく乗り越えましょう！
暑さ対策の重要性
若年者に比べて高齢者は、熱中症や脱水症状のリスクが高くなることをご存知でしたか？
その理由を詳しく見ていきましょう。
加齢による体温調節機能の低下
人は、年齢を重ねると体温を調節する機能が低下していきます。
体温を下げるための発汗機能や血管の拡張による熱の放散がうまく働かなくなり、体内に熱がこもりやすくなります。
さらに、暑さを感じにくくなるので、脱水症状や熱中症のリスクが高まります。これらの症状が重症化すれば死亡する恐れもありますので注意が必要です。
脱水症状や熱中症のリスク
高齢になると喉の渇きを感じにくくなり、水分補給を怠ることがあります。他にも腎機能の低下によって水分の排出がスムーズでなくなるため、体内の水分バランスが崩れやすくなります。これが脱水症状や熱中症のリスクを高める要因となります。
健康な人でも熱中症予防を
自分はまだ若いから大丈夫。健康だから熱中症にはならない。そう思っていたら大間違いです！栄養不足や睡眠不足、長時間にわたり水分補給できなかった場合などに、室内・屋外問わず熱中症のリスクが高まります。高温多湿な環境に体が対応しきれなくなると、体内に熱がこもり頭痛や目まい、吐き気が生じます。
日頃から自分の健康状態や、自分がいる環境を気にかけましょう。
室内での涼しく過ごす工夫
室内にいても高温多湿の環境になる場合があるので、決して油断はできません。
昨今の電気代上昇を受けて節電のためクーラーの使用を控える人もいるかもしれませんが、過度の節電はかえって危険です。
室内で涼しく過ごす工夫を知り、暑さを乗り越えましょう。
エアコンを正しく使う
エアコンは夏の暑さ対策に欠かせないアイテムですが、設定温度によっては外気温との差が大きくなりがちです。エアコン使用時の室温を25〜28度にすることが理想的です。
また、エアコンのフィルターを定期的に掃除することで、効率よく冷房効果を得ることができます。
扇風機とサーキュレーターの活用
エアコンと併用して扇風機やサーキュレーターを使うことで、冷たい空気を効率よく部屋中に循環させることができます。扇風機はエアコンの冷気を広げる役割を果たし、サーキュレーターは空気の循環を促進します。これにより、部屋全体が均一に涼しくなります。
窓の開閉と遮光カーテン
日中は直射日光を防ぐために遮光カーテンを使用し、室内温度の上昇を防ぎます。夕方以降、外気温が下がってきたら、窓を開けて自然な風を取り入れましょう。これにより、エアコンに頼りすぎずに涼しさを保つことができます。
外出時の涼しく過ごす工夫
室内にいる時よりも、外に出ている時の方が暑さ対策を意識している人は多いかもしれません。
既に実践している方も、特に何もしてないという方も、ぜひチェックしてみてください。
涼しい時間帯を選んで外出
外出する際は、気温が比較的低い早朝や夕方を選ぶと良いでしょう。
日中の最も暑い時間帯（午前10時から午後3時頃）は避けるのが賢明です。また、天気予報をチェックし、気温や湿度の高い日は外出を控えることも重要です。
環境省の熱中症予防情報サイトでは「暑さ指数」を発表しています。
この指数が28以上で熱中症のリスクが高く、31以上で危険、33以上で熱中症警戒アラートが発令されています。
お出かけの際には事前に環境省や気象庁のホームページ、テレビ、ラジオなどで確認すると良いでしょう。
涼感アイテムの活用
外出時には、冷却タオルやアイスキャップ（保冷剤用ポケットが設けられた帽子）などの涼感アイテムを活用しましょう。これらのアイテムは簡単に体を冷やすことができ、持ち運びも便利です。首を冷やすことで効率よく体温を下げられることから、タオルタイプのネッククーラーや電動タイプのネッククーラーが人気です。冷却スプレーやシートも手軽に使えるため、あわせてバッグに忍ばせておくと安心です。
ただし、冷却グッズを誤った方法で使用するとかえって健康に悪影響を及ぼす場合もあります。
詳しくはこちらの記事で紹介しているので、あわせて参考にしてください。
適切な服装と持ち物
通気性の良い素材の服装を選び、暑さを軽減しましょう。例えば、麻やコットン素材の衣服は汗を吸収しやすく、快適に過ごせます。襟元がゆるめで全体的にゆったりとしたデザインの服であれば風が通りやすく、熱を逃すことができます。
また、帽子や日傘を使用して直射日光を避けることも大切です。帽子はつばの広いものを選び、顔や首をしっかりと覆うことで、日焼けや熱中症のリスクを軽減できます。日傘は、UVカット加工が施されたものを選ぶと、より効果的に紫外線を防ぐことができます。
外出時の持ち物チェックリスト
- 水分補給用の飲み物
常に水やスポーツドリンクを持ち歩き、こまめに水分を補給しましょう。
特に長時間外出する場合は、十分な量を持参することが重要です。
ペットボトルを凍らせて持ち歩くと、いざという時に体を冷やすアイテムにもなるのでおすすめです。
- 冷却グッズ
携帯できる冷却タオルや冷却スプレーを持ち歩くと、簡単に体を冷やすことができます。
これらは熱中症予防に役立ちます。
- 汗拭きシート
汗をかいたときにさっと拭ける汗拭きシートを持ち歩くと、快適に過ごせます。
抗菌効果のあるものを選ぶと、清潔感を保つことができます。
- サングラス
強い日差しから目を守るために、UVカットのサングラスを着用しましょう。
目の健康を守ると同時に、疲れ目の予防にもなります。
これらの持ち物を準備することで、外出先でも涼しく快適に過ごすことができます。事前にしっかりと準備を整え、暑い季節でも安心して出かけましょう。
水分補給と食事の工夫
暑い夏には喉が渇く前にこまめに水分を補給することが重要です。少量ずつ頻繁に飲むように心がけ、スポーツドリンクや経口補水液もおすすめです。
夏バテにより食欲が落ちてしまう人もいますが、冷たい料理やさっぱりとした食材を取り入れることで食欲を維持しやすくなります。冷やし中華やサラダ、冷たいスープなどで、塩分やミネラルを含む食材も積極的に摂取しましょう。
生活習慣の見直し
暑い夏でも規則正しい生活リズムを維持し、睡眠の質を高めるために就寝前のリラックス時間を設けましょう。
適度な運動は体力を維持するために必要ですが、暑い時期には無理をせず、室内でできるストレッチやヨガ、プールでの水中運動を取り入れると良いでしょう。
他にも趣味を楽しむことでストレスを軽減し、リラックスしましょう。
高齢者にはバリアフリーな環境づくりを
高齢者が安心して過ごせるように住環境をバリアフリーにすることだけではなく、室内の温度管理を適切に行い、暑さから守ることも重要です。
地域には高齢者を支援する様々なサービスがあります。
訪問介護やデイサービスなど、必要なサポートを受けるほか、家族や友人との連携も大切です。定期的な連絡や訪問を通じて、孤立を防ぎつつ、暑さ対策に対してもサポートすると良いでしょう。
まとめ
暑い夏を快適に過ごすためには、適切な暑さ対策が欠かせません。
特に高齢者は体温調節機能の低下により、熱中症や脱水症状のリスクが高まります。
無理のない範囲で生活習慣を見直し、暑さ対策グッズなども活用しながら暑い夏を快適に過ごしましょう。
