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お金のこと

2025.03.31

死んでしまったらiDeCoの資産はどうなる?請求の方法や注意点を解説

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この記事では、iDeCoを利用している人が受給前または受給中に亡くなってしまった場合に、資産がどうなるかについて解説します。

相続のための手続きなどもご紹介しますので、iDeCoの利用に不安がある方や、現在検討中の方もぜひご覧ください。

老後資金の準備として利用されているiDeCo(イデコ)。

原則60歳以上からしか資産を引き出すことができない制度ですが、万が一引き出すまでに亡くなってしまった場合、資金がどうなってしまうのか不安になりますよね。

iDeCoの特徴

iDeCoとは
まずはiDeCoについて解説します。

iDeCoとは自分で設定した掛け金額を拠出して株式などの金融商品を運用し、資産を形成していく年金制度のこと。

原則として60歳になるまで資産を引き出すことができないため、いつでも引き出し可能なNISAとは異なり老後の資産形成を目的とした制度になります。

iDeCoには、条件*を満たしていれば20歳~65歳の方が加入することができます。

※公的年金制度の被保険者種別に当てはまり、以下2つに当てはまらない方
 1:iDeCoの老齢給付金を受給したことがある(一括を含む)または、現在受給している方
 2:老齢基礎年金か老齢厚生年金を繰り上げて受給している方

iDeCoのメリット

・ 掛け金が全額所得控除の対象になる

・ 運用で得た運用益が非課税になる(通常は約20%の課税)

・ 受け取り方に応じて控除が得られる

 ※年金として受け取る場合⇒公的年金等控除
 ※一時金として受け取る場合⇒退職所得控除

iDeCoのデメリット

・ 原則60歳まで引き出すことができない。
 ※60歳以上から初めて加入した場合は、加入から5年経過すると引き出し可能に

・ 元本変動型商品の場合、元本割れの可能性がある

・ iDeCoの加入*¹と毎月の納付*²に手数料がかかる
 ※1 2,829円(2025年現在)
 ※2   105円(2025年現在)
iDeCoにはデメリットがあるものの、控除等の恩恵が得られるため、老後の資産形成に便利な制度です。

iDeCoを利用している人が亡くなった場合、資産はどうなる?

ここからは、iDeCo利用者が亡くなった場合の資産について解説していきます。

iDecoの利用者が亡くなってしまった場合、運用していた資産は全て遺族に相続されます。

iDeCoを利用している人が受給開始前に亡くなった、あるいは受給中に亡くなってしまった場合、遺族に対して「死亡一時金」が支給されます。

死亡一時金には配当金を含めたiDeco口座内全ての資産が含まれ、現金一括の形で支払われます。

一般的な相続財産であれば、死亡時の時価が相続税の評価額になりますが、iDeCoの場合は所定日における売却価格が相続税評価額になります。

ご自身はもちろん、遺族の方も売却日の指定はできません。

支払いに伴って全ての金融商品は売却される点と、年金形式での受け取りは不可能になる点は留意しておきましょう。

iDeCoの死亡一時金に関する4つの注意点

注意点
iDeCoの死亡一時金には以下のような注意点があります。
1. 受取順位が決まっている
2. 受取には請求手続きが必要
3. 死亡一時金には相続税がかかる
4. 控除をうけるには期限がある
それぞれ解説します。

1. 受取順位が決まっている

iDeCoの死亡一時金は国民年金などの社会保険と同じ受け取り順位が定められています。

具体的な順位は以下の通りです。
【死亡一時金の受け取り順位】
1位:配偶者(死亡当時の事実婚も含む)

2位:子、父母、孫、祖父母、兄弟・姉妹など、死亡した人の収入によって生計を維持していた親族

3位:2位に該当する人を除き、加入者の収入で生計を維持していた親族

4位:2位に該当する人を除く、子、父母、孫、祖父母、兄弟・姉妹など(死亡した人の収入で生計を立てていない)
上記の通り、民法で定められた相続の順位とは優先順位が異なるので注意しましょう。

ただし、上位の順位は受取人を指定していなかった場合の優先順位です。

死亡前に受取人を指定していれば、その人が最優先に資産を渡すことが可能です。

優先して相続したい方がいる場合は、iDeCoを利用している金融機関などの管理機関に問い合わせ、受取人として指定しておきましょう。

2. 受取には請求手続きが必要

iDeCoの利用者が亡くなった場合、死亡一時金を受け取るには請求手続きが必要です。

必要な手続きは以下の通りです。
【死亡一時金の請求手続き】
利用していたiDeCoの運用管理機関に「加入者等死亡通知」と「死亡診断書(または利用者の死亡を明らかにできる書類)」を提出する。

亡くなった方の年金資産を管理している記録関連運営管理機関(RK)に「死亡一時金裁定請求書」を提出する。
提出する書類の入手方法や細かい手続きの内容については、事前に各団体に確認しておくか、受取人の方が分かりやすいよう書類等をまとめておくのがおすすめです。

3. 死亡一時金には相続税がかかる

iDeCoの死亡一時金は相続財産ではないものの、みなし相続財産として相続税の課税の対象*です。
※相続した財産の合計が3,000万円+法定相続人の数×600万円を超える場合

なお、iDeCoの死亡一時金には非課税枠が設けられており、「500万円×法定相続人の数」によって算出される金額は非課税になります。

4. 控除をうけるには期限がある

iDeCoの死亡一時金は、亡くなってから3年が経過して死亡一時金を請求した場合、みなしではなく一時所得として扱われます。

所得税の課税対象になるほか、非課税枠も適用されなくなるため注意しましょう。

さらに、亡くなってから5年経過してしまうと、死亡一時金ではなく、一般的な相続財産として扱われます。

非課税枠が適用されなくなるほか、遺産分割協議が必要になり、事前に指定した受取人に資産が渡らなくなってしまう可能性があります。

万が一のことがあった場合は、なるべく早めに死亡一時金の請求手続きをするよう伝えておきましょう。

まとめ

この記事では、iDeCoを利用している人が亡くなった場合に、資産がどうなるのか、受け取りにはどのような手続きが必要かを解説してきました。

亡くなった場合、iDeCoの口座内の商品は現金化され遺族に分配されますが、受取人の指定や受け取るためには手続きが必要です。

万が一の時に備え、ご家族やiDeCoの運用管理機関と事前に確認や相談をしておきましょう。

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