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2024.04.30

1月の季語を解説!季語を使った俳句35選や挨拶文例なども紹介!

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俳句には季語を入れなくてはいけませんが、季語といっても沢山あって何を選べばいいか、どうやって書けばその季節にあって趣のある俳句になるか分からない方もいるかと思います。
今回は1月の季語を使ったオススメの俳句を35個紹介し、年賀状等のお手紙や挨拶分にも使える季語をご紹介します。

1月という季節
高齢者に人気の冬登山
1月とは、1年に12ヶ月ある中の一つですが、それだけではありません。
二十四節気 や 旧暦 だとまた違う言い方あるのです。

そこまで各月に対して知識を増やし、季語を知れば知るほど、深みのある俳句や挨拶分が書けるのでご紹介していきます。

二十四節気とは?
1月に由来する言葉
旧暦では何と言う?
二十四節気とは?
二十四節気というのは、季節を表す言葉として用いられており、最初に四季で分け、それを更に 「節(せつ)」 と 「中(ちゅう)」 と分けて交互に存在します。
その交互に分けた「節」と「中」にそれぞれ「二十四節気名(にじゅうしせっきめい)」として名前を付けているのです。

まず、1月を季節で言うと「冬」になります。
そして節と中で分けると、1月5日頃を「12月節」として二十四節気名は 「小寒(しょうかん)」 と名付けています。

次に1月21日頃は「12月中」として二十四節気名は 「大寒(だいかん)」 と名付けています。

1月に由来する言葉
1月には様々な言い方があります。例えば、初めの意味を持つ「端」という言葉を使って、 「端月(たんげつ)」 、 「年端月(としはづき)」 があります。
他にも、新年が始まり初空を拝めるとして 「初空月(はつそらづき)」 というおしゃれな言葉もあります。

旧暦では何と言う?
旧暦で言うと1月は 「睦月(むつき)」 と言われ、二十四節気では季節は冬に該当しましたが、 旧暦では春 に該当します。
旧暦か二十四節気をどちらにするか絞って合わせる事が大事です。

1月の季語:時候・季節の言葉
鏡餅
沢山ある1月の季語ですが、「天文」、「地理」、「生活」、「行事」、「動物」、「植物・花」に分けてご紹介しますので、 用途に合わせて季語を使い分けましょう。
それぞれの俳句の例も挙げますので、季語の使い方を知れば様々な言葉と組み合わせられる幅が広がり、また一つ上の俳句やお手紙が書けると思います。

1月の季語 天文
1月の季語 地理
1月の季語 生活
1月の季語 行事
1月の季語 動物
1月の季語 植物・花
1月の季語 天文
基本の季語として、「冬晴れ」、「冬の月」、「凩」が挙げられており、星や月の天文から、天候などを表します。

1月の季語 地理
基本の季語として、「冬の山」、「枯野」、「冬田」が挙げられており、山や川などの自然環境や地理を表します。

1月の季語 生活
基本の季語として、「炭」、「炉」、「火鉢」が挙げられており、生活の中である物事を表します。

1月の季語 行事
基本の季語として、「年の市」、「芭蕉忌」、「蕪村忌」が挙げられており、その季節に沿った行事やイベントを表します。

1月の季語 動物
基本の季語として、「雀」、「寒鴉」、「水鳥」が挙げられており、その季節でよく見られる動物を表します。

1月の季語 植物・花
基本の季語として、「早梅」、「帰り花」、「寒椿」が挙げられており、その季節に咲く花や旬の花を表します。

1月の季語・俳句5選【天文】
文字を書く
1月の雪が降ったり晴天だったり等の お天気の移り変わり に合わせて使用すると素敵な俳句が出来ます。

寒の雨(かんのあめ)
節東風(せちごち)
氷晶(ひょうしょう)
風花(かざはな)
吹雪(ふぶき)
①寒の雨(かんのあめ)
あたゝかき宵なり寒の雨が降る (青木森々)
冬の終わりから春に向けて降る雨の為、少し暖かい夜に降った雨の事を表しています。

②節東風(せちごち)
初東風が鳴らす稲荷の幟竿    (野見山ひふみ)
正月に一週間ほど連続で吹く節東風が稲荷神社の幟竿を揺らしている姿を表しています。

③氷晶(ひょうしょう)
ひかりさへ氷晶となり草絶えたり (高屋窓秋)
冬場では暖かな光でさえも氷晶のように冷たく、草が枯れてしまうことを表しています。

④風花(かざはな)
いまありし日を風花の中に探す (橋本多佳子)
儚いことを意味する風花の中に、いまという存在を認識していることを表しています。

⑤吹雪(ふぶき)
いまのまにやみし吹雪や蜆汁 (龍岡晋)
吹雪が吹いている極寒の中で暖かな蜆汁を飲んでいる間に吹雪もやむだろうという事を表しています。

1月の季語・俳句5選【地理】
身近にある自然についての季語を使い俳句を書けば、 読み手側も想像しやすい のでオススメです。
1月は寒いので、水や氷等がよく多用されています。

寒の水(かんのみず)
氷(こおり)
氷柱(つらら)
氷壁(ひょうへき)
氷湖(ひょうこ)
①寒の水(かんのみず)
のんですぐ背骨つらぬく寒の水 (角川春樹)
冬場でキンキンに冷えた水を飲んで、背骨までつらぬいてしまうように身体に水が染み渡っている様子を表しています。

②氷(こおり)
おもしろう鴨の滑りし氷かな (岸田稚魚)
普段であれば湖や川に着水する鴨も、表面が凍ってしまえばつるつると滑ってしまう事を表しています。

③氷柱(つらら)
あのやうに曲りて風の氷柱哉 (寺田寅彦)
風が吹いた向きで固まった不思議な氷柱を見て感動している姿を表しています。

④氷壁(ひょうへき)
氷壁の奥は知らずも死後の国  (河野南畦)
氷壁の奥は見た事は無いがきっと死んでしまうかもしれないと身の危険を表しています。

⑤氷湖(ひょうこ)
夕空の星研ぎいづる氷湖かな (徳永山冬子)
凍った湖の水面に星空が写っている浮くしい情景を表しています。

1月の季語・俳句5選【生活】
高齢者に人気の冬登山
1月らしい食べ物の季語 を書く事で情景が思い浮かべられます。

新海苔(しんのり)
寒餅(かんもち)
水餅(みずもち)
寒晒(かんざらし)
寒造(かんづくり)
①新海苔(しんのり)
抱き入れし新海苔に雨走りけり (萩原麦草)
パリパリと乾いている新海苔を抱きかかえている時に雨が降ってしまっている情景を表しています。

②寒餅(かんもち)
一臼の寒餅搗けり山売れて (野沢秋燕子)
臼で搗いた寒餅が大量に売れている様子を表しています。

③水餅(みずもち)
くらがりに水餅の壺ふるさとは (江里昭彦)
餅が乾いてヒビ割れをしないように壺に水を張ってその中に餅を入れたものが暗がりの中に置いてある情景を表しています。

④寒晒(かんざらし)
なだるる日簀にせきとめて寒晒 (木村蕪城)
流れる毎日の中で、水に漬けた後の穀物等を寒気に晒して雑菌を防いでいる事を表しています。

⑤寒造(かんづくり)
おとがひに糀の花や寒造 (阿波野青畝)
麹や寒中で作ったお酒を味わっている姿を表しています。

1月の季語・俳句5選【行事】
書く
1月に行われる行事の季語 を俳句で使用すれば、読み手側もとてもワクワクする事が出来ます。

雪山(ゆきやま)
熊祭(くままつり)
豆撒(まめまき)
柊挿す(ひいらぎさす)
厄落(やくおとし)
①雪山(ゆきやま)
いぬふぐり雪山は雲湧き立たせ (斎木直治)
まるで雲の中に咲いているようないぬふぐりの花の綺麗さを表しています。

②熊祭(くままつり)
熊のため笛が泣くなり熊まつり (堀口星眠)
熊を殺すお祭りの為、熊にとっては悲しい祭りの開始を知らせる笛の切なさを表しています。

③豆撒(まめまき)
ぱら~と豆撒きしあとの葉蘭かな (萩原麦草)
豆を撒いた後が葉蘭の様に広がっている情景を表しています。

④柊挿す(ひいらぎさす)
あくる戸に誰が柊を挿し添へし (広江八重桜)
魔除けの為に門戸に柊を挿すが、一体誰が挿したのだろうという意味を表しています。

⑤厄落(やくおとし)
この永き風邪もつて厄落すべし (細川加賀)
長引いてしまった風邪が治るときには厄ごと落としてしまおうという意味を表しています。

1月の季語・俳句5選【動物】
冬登山 高齢者
1月には餌を求めて様々な動物が人家にやってきたりします。
そんな 動物の愛らしさや美しさ を表す季語を使用して様々なシチュエーションと紐づけする事で世界観が広がります。

寒雀(かんすずめ)
寒鴉(かんがらす)
白鳥(はくちょう)
寒鰤(かんぶり)
寒鯛(かんだい)
①寒雀(かんすずめ)
いささ竹寒雀来よ子無き家に (鍵和田釉子)
竹が生い茂っている一家に子はいないので、子供のように愛らしい寒雀に来てほしいという気持ちを表しています。

②寒鴉(かんがらす)
おそろしきまでに群れをり寒鴉 (成瀬正とし)
寒鴉が大群で群れをなしていて黒い塊のようになり恐ろしい姿を表しています。

③白鳥(はくちょう)
いつまでも見えて白鳥帰りけり (土屋秀穂)
いつまでも見る事が出来ていた白鳥が時期になって帰っていく姿を表しています。

④寒鰤(かんぶり)
塩打ちし寒鰤の肌くもりけり (草間時彦)
旬の寒鰤に白く曇っているように見えるほど塩が沢山付いている状態を表しています。

⑤寒鯛(かんだい)
寒鯛の色美しく売られをり (布川武男)
旬の寒鯛が色鮮やかに陳列されている情景を表しています。

1月の季語・俳句10選【植物・花】

命や情景など、 様々な物事に例えられる 植物や花はとても便利な季語です。
1月に咲いたり見られる植物や花の季語で素敵な俳句を書きましょう。

早梅(そうばい)
冬桜(ふゆざくら)
寒椿(かんつばき)
雪折(ゆきおれ)
水仙(すいせん)
葉牡丹(はぼたん)
冬菫(ふゆすみれ)
冬萌(ふゆもえ)
寒海苔(かんのり)
黒海苔(くろのり)
①早梅(そうばい)
七福めぐり早梅もまた一福よ (宮津昭彦)
七福神とありますが、早梅も福の一つとして考えられる事を表しています。

②冬桜(ふゆざくら)
うす紙のごとき日をのせ冬桜 (行廣すみ女)
冬桜がまるで薄い紙を日に当てて透き通っているような色をしている事を意味しています。

③寒椿(かんつばき)
いつも本気で咲いているのは寒椿 (大西泰世)
寒椿が寒い中でも常に綺麗に強く咲いている事を表しています。

④雪折(ゆきおれ)
だれにともなく雪折れの木がにほふ (矢島渚男)
雪が乗り折れてしまった木の香りが誰にでも分かる程強く香っている様子を表しています。

⑤水仙(すいせん)
その匂ひ桃より白し水仙花 (芭蕉)
桃に比べたら少し薄いような香りを放つ水仙の花の様子を表しています。

⑥葉牡丹(はぼたん)
初空や地に葉牡丹の濃紫 (大谷碧雲居)
葉牡丹の濃い紫色が初空や地面にて映えている事を表しています。

⑦冬菫(ふゆすみれ)
ありしと思ふところにありし冬菫 (勝又一透)
ここにも咲いているかなと除くとやはり咲いている冬菫の沢山咲いている様子を表しています。

⑧冬萌(ふゆもえ)
くらやみを抜ける冬芽の破裂音 (河合凱夫)
暖かな冬の夜に芽が発芽している様子を表しています。

⑨寒海苔(かんのり)
寒海苔を肴に酒はまだ飲むぞ (高澤良一)
旬の寒海苔でお酒が進む様子を表しています。

⑩黒海苔(くろのり)
海苔黒く育つ毎年のことなれど (山口誓子)
寒気のお陰でしっかりと乾かし水分量を減らした美味しい海苔が毎年育っている事を表しています。

【コラム】1月の季語を使った挨拶文例
書類
一周忌法要の案内状やお手紙に使える例文をご紹介します。
時候に合わせて 使い分けましょう。

謹啓 厳寒の候 皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じあげます
さて来る◯月◯◯日は故 ◯ ◯◯の一周忌に相当たりますので
生前お世話になりました方々にお集まりいただき
一周忌の法要を営みたく存じます
ご多忙中誠に恐れ入りますが
ご出席賜りたくご案内申し上げます。
                              敬 白
  令和◯◯年◯月
拝啓 〇〇様
寒気ことのほか厳しい毎日を迎えております。

・・・

寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛ください。
1月の季語を正しく使って趣のある文章に
季語は沢山ありますが、沢山知れば知るほど、自分が何をどう伝えたいかという事がまとまるようになります。
俳句に関しては字余りなどもあり、沢山の言葉を パズルのように 組み合わせて考えなくてはいけませんので、沢山の季語を進んで覚えていくことをオススメします。

挨拶分にも使用できる季語は大変便利ですので、まずは1月の季語から触れてみてはいかがでしょうか。

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