この記事の結論
納骨しない供養の方法は散骨・樹木葬・手元供養があります。手元供養ではミニ骨壺・アクセサリー加工といった方法もあります。
納骨しない供養方法の散骨では、しっかり粉骨することが重要です。また、加工する場合加工前に戻せない点には注意が必要です。
納骨しない供養方法
一般的なお墓であれば、故人の遺骨は用意してあるお墓の納骨室に納骨します。
しかし現在ではお墓離れが進んでおり、従来のお墓を用いる形での供養ではない、様々な供養方法があり選択肢が広がっています。
そして、そんな多様化する供養方法の中には、納骨を必要としない方法も存在するようになりました。
こちらではそんな納骨を必要としない供養方法についてを、
手元供養
散骨
樹木葬
の3つの順に解説していきます。
手元供養
数珠
手元供養とは、故人の遺骨を自宅に置いたり、ペンダントや指輪などのジュエリーの形に加工して身に付けるなどして、遺骨を身近なところに置きながら供養するという方法です。
手元供養の方法やそれに用いるものにはいくつか種類がありますが、こちらでは代表的な、
ミニ骨壷
ダイヤモンド葬
ジュエリー加工
の3つに関して解説していきます。
ミニ骨壷
こちらは、手のひらに乗るようなサイズの骨壷で、自宅に故人の遺骨を置いておきながら供養する方法です。
金属製のものや木製のもの、その中でも漆塗りなどの加工をしてるものなど、様々な種類のミニ骨壷があります。
自宅に置いていても違和感のない、デザイン性のあるものも多くあり、好みに合わせて選ぶことができます。
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ジュエリー加工
これは指輪やペンダントなどのジュエリーを用いて行う供養方法です。
一定のスペースをもつ、通常とは異なった構造をしているジュエリーが使われており、そこに遺骨を収納します。
こちらも自宅に置いておくこともできますが、ミニ骨壷とは異なり、身につけておくこともできるので、より一層故人を近くに感じることができます。
いつも近くにいたからこそ、亡くなってからもそばに感じていたいという方にお勧めです。
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ダイヤモンド葬
ダイヤモンド葬とありますが、こちらも納骨をしない供養方法の1つです。
こちらは、遺骨からダイヤモンドと同じ成分の炭素を抽出し、そこから特殊な加工を経てダイヤモンドを生成します。
こちらは、故人の遺骨自体をダイヤモンドにするものになるので、そのダイヤモンドを自宅に置いたり、指輪などのジュエリーにして、身につけながら供養することができます。
自身の遺骨が、ダイヤモンドになるということに憧れを持ち、生前に予約をするという方も多いと言われています。
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第三人生編集部
散骨
散骨
こちらはその名前にあるように、故人の遺骨を山や海などに撒いて行う、納骨を必要としない供養方法です。
散骨を行う際には遺骨を粉骨し、粉末状にして撒きます。
散骨の代行を行う業者や、海で行う場合の船のチャーターを行なっている業者などがあり、故人や遺族の意向に沿った散骨を行うことができます。
散骨することに関しての法律はありませんが、マナーとして生活に密接な川や漁場、他人の私有地などでは、行わないようにしましょう。
樹木葬
樹木葬
樹木葬にも様々な種類がありますが、合祀型樹木葬では1本の樹木を墓標とし、その下に複数人の粉骨したご遺骨を混ぜ合わせ埋葬し供養します。
お墓参りにおいては、石碑ではなく樹木がシンボルになります。
自然や山が好きない方、亡くなった後は土に還りたいという思想を持っている方が、生前中から強く希望され選択される場合が多いようです。
中には故人の好きな木を選べる場合もります。
納骨しない供養のメリット
メリット
ここまで、納骨しない供養方法に関していくつかの例をあげて解説してきましたが、その供養方法には一体どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここからは、納骨しない供養のメリットに関して、
お墓を建てる費用の負担軽減
納骨室・骨壷の管理負担の軽減
故人を近くに感じられる
という3つを順番に解説していきます。
お墓を建てる際の費用の負担軽減
実際に一般のお墓を建てるとなると、大きな費用が必要になります。
初期費用として、永代使用料や墓石代などが挙げられますが、その総額は平均して100万以上と言われています。
さらに、そのお墓の区画を継続的に利用するために墓地の運営者に支払う管理費もあります。
また、納骨するにあたり納骨式というものを行うことが多く、その際には僧侶をお呼びして開眼供養を行うため、そのお布施代なども必要になります。
ですが、納骨を必要としない供養方法であれば、基本的には初期費用で済むことが多く、散骨などの場合は一切の費用を必要としない場合もあります。
経済的な負担に対しての不安がある場合は、納骨をしない供養を検討してみてはいかがでしょうか。
納骨室・骨壷の管理負担の軽減
納骨をする場合、ほとんどの場合遺骨は骨壷に収められ、その骨壷を納骨室に収めます。
永代供養などの納骨堂で、納骨室が地上にあるものであれば問題ないのですが、一般のお墓のように、地中に納骨室がある場合、納骨室内に雨水が浸水してしまったり、換気ができずそのまま湿気が溜まってしまうなどで、カビが生えてしまうことがあります。
そういったことを防ぐためにも、お墓参りなどでの、お墓とその周辺の清掃とともに納骨室の換気や清掃もする必要があります。
それに対し、納骨をしない供養方法であれば、納骨室を気にする必要もないため、納骨室・骨壷の管理負担の必要も無くなります。
故人を近くに感じられる
長年連れ添ってきた間であるからこそ、いなくなってしまった時の悲しみは大きなものです。
そんな大切な故人の遺骨が、手元を離れて距離ができてしまうことに抵抗を感じる方も少なくないでしょう。
そういった方におすすめなのが、手元供養という納骨をしない供養方法です。
手元供養であれば、故人を近くに感じることができます。
ジュエリー型のものであれば、普段の生活から近くに感じることもできます。
寂しさに耐えられず、なかなか納骨する一歩が踏み出せない方は、納骨をしない手元供養を検討してみてはいかがでしょうか。
納骨しない時の注意点
注意点
これまで、納骨をしない場合のメリットに関して解説してきましたが、納骨をしない場合には注意しないければならないことがあります。
そこでここからは納骨をしない時の注意点を、
散骨
手元供養(ジュエリー加工、ダイヤモンド葬)
の2つの供養方法の順に解説していきます。
散骨
散骨において、特に注意しなければならないことは、しっかりと粉骨しておくということです。
粉骨せずに遺骨を塊のまま撒いてしまうと、遺骨遺棄として法に抵触してしまうことがあるためです。
また、地域によっては、条例で散骨を禁止している地域もあります。
散骨を希望する際には、粉骨と、その地域の条例に気をつけて行いましょう。
手元供養(ジュエリー加工、ダイヤモンド葬)
手元供養の、特にジュエリー加工、ダイヤモンド葬に関して注意しなければならないことがあります。
それは、遺骨は元に戻せないということです。
ジュエリー加工の中にも、遺骨をスペースに収納して、蓋をする形のものであれば取り戻すことはできますが、遺骨を樹脂で固めて収納しておく場合もあります。
そういった場合、樹脂加工してしまっては、再び遺骨のみを取り戻すことは困難になります。
また、ダイヤモンド葬の場合には、故人の遺骨はダイヤモンドに変化してしまっているので、元に戻すことは不可能です。
唯一の大切な遺骨なので、分骨しておくなどの工夫をして、トラブルに備えておきましょう。
一般的な納骨の時期
法要
故人の遺骨を納骨する場合には、どういった時期に行うべきか悩んでいる方もいるかと思います。
ですがここでお話ししておきたいことは、前提として納骨にはするべき時期というのはないということです。
納骨は故人の希望や遺族の意向に合わせて行なって良いものなのです。
なので、ここからは一般的に納骨が行われることが多い時期である、
四十九日
一周忌
の2つに関して、順に解説していきます。
四十九日
四十九日とは、故人がなくなってから49日目のことで、閻魔大王が故人に対して極楽浄土へ行けるかなどの判断をする大切な日です。
また、忌明けのタイミングにもなるので良いタイミングと言えるでしょう。
ただし、故人がなくなってから49日という比較的短い期間ではあるので、主に先祖より受け継いできたお墓をもつ方が、納骨を行なっていると言われています。
中には、この日に合わせてお墓を建てることができる業者もあるので、四十九日希望の方はそういった業者を探してみてはいかがでしょうか。
一周忌
一周忌は故人が亡くなってから一年という大きな節目となります。
この日に行われるのが、一周忌法要で、僧侶をお招きし、読経や参列者による焼香などで故人の供養をします。
こういった節目で納骨を行うという方は多く、新たにお墓を建てる方などは、先の四十九日にお墓の完成が間に合わないため、この一周忌に納骨を行うということも多いようです。
納骨を伴う供養方法を検討している方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
【コラム】納骨しないでペットを供養
ペット 骨壷
現在、ペット用の霊園といって、ペットの遺骨をお墓に納骨して供養することも多くあります。
一方で、ペットの場合でも納骨をしないで供養する方法はあります。
基本的には、人と同じように、手元供養や、遺骨のジュエリー加工などできます。
さらには、ダイヤモンド葬も行うことができ、ペットの遺骨や、その羽や体毛などを用いて、そこからダイヤモンドの成分を抽出して、ダイヤモンドの生成を行うこともできます。
納骨をしない供養は、ペットだからと言ってできないということは基本ないので、これまで愛してきたペットのためにも、様々な供養方法の中から最適なものを選びましょう。
注意点にも気をつけ、納骨しない供養を検討してみましょう。
ここまで、納骨しない供養方法に関して、
納骨しない供養方法
納骨しない供養のメリット
一般的な納骨の時期
納骨しない時の注意点
【コラム】納骨しないでペットを供養
の順に解説してきました。
納骨をする場合、しない場合では大きな違いがあり、メリットもいくつかありますが一方で、気をつけなければならないこともあります。
故人や遺族の意向を大切にしながら、遺骨をしない供養を検討していきましょう。