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葬儀

2025.04.22

お線香の正しいあげ方|宗派ごとの基本マナーや本数を徹底解説

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法要には欠かせない供養具の一つである「お線香」。宗派ごとにあげる本数やマナーに違いがあることをご存じでしょうか。この記事では、お線香の正しいあげ方と、宗派ごとのマナーや本数の違いを詳しく解説します。

【場所別】正しいお線香のあげ方

お線香のあげ方は、場所によって適切なマナーや作法が異なります。
お墓参りや自宅でのお参りなど、シーンごとに正しい方法を知っておくことが大切です。

ここでは、場所別に正しいお線香のあげ方を解説します。

お墓の場合

お墓参りでお線香をあげる際の手順は以下の通りです。
1.お墓の掃除と打ち水
まず、お墓に一礼し、打ち水をします。
このとき、墓石の汚れを落としたり目立つゴミを拾ったりと、お墓の掃除も同時に行うとよいでしょう。
掃除をする場合、お墓を硬いたわしなどで擦ると傷が入ってしまうため、柔らかいスポンジや雑巾などを使用してください。

2.生け花や故人の好物をお供えする
お墓の花立に水を注ぎ、そこに生花をお供えしましょう。
故人が好きだった果物やお菓子などを一緒に添えても問題ありません。
水鉢がある場合は、きれいに掃除し新しい水を注ぎます。

3.お線香をあげる
マッチやライターでロウソクに火をつけ、火のついたロウソクを立て、お線香に火をつけます。
お線香から煙が出たら、手で扇いで火を消しましょう。

4.合掌礼拝
お線香を立てたら故人を思いながら合掌し、一礼します。

5.片付け
お墓参りが終わったら、故人にお供えした果物やお菓子などは持ち帰りましょう。
そのまま放置しておくと動物が食べ散らかしてしまったり、墓石にサビやシミができる原因となります。
しかしながら、生花はそのままお供えしていて問題ありません。

仏壇の場合

次に仏壇でのお線香のあげ方の手順を紹介します。
1.正座・一礼
まず、仏壇の前で静かに正座し、ご本尊とご先祖様に敬意を表して一礼します。
ご遺族の方々にも、丁寧に一礼することを忘れないようにしましょう。
数珠を持参している場合は、左手に静かに持ちます。

2.ろうそく点火・お線香点火
次に、マッチやライターなどで、まずろうそくに火を灯します。
灯したろうそくの火を使って、お線香に火を移します。
お線香に直接ライターなどで火をつけるのは、できるだけ避けるようにしましょう。

3.お線香の火を消す
お線香から煙が出始めたら、火を消します。
息を吹きかけて消すのではなく、お線香を持っている手とは反対側の手を使い、軽く扇いで消しましょう。

4.香炉に立てる・合掌
火を消したお線香を、香炉の中央に丁寧に立てます。
お線香の本数や立て方は、宗派によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
お線香を立て終えたら、静かに合掌し、故人のご冥福をお祈りします。

5.おりんを鳴らす
お線香を立て、合掌を終えたら、おりんを一度だけ静かに鳴らします。
おりんの音は、仏壇周りの空間を清め、故人への供養の気持ちを届けると言われています。
ただし、葬儀や法要の場では、おりんは鳴らさないのが一般的です。

6.ろうそくを消し、下がる
おりんを鳴らしたらろうそくを静かに消しましょう。
その際、息を吹きかけて火を消すのはマナー違反とされています。
手で仰いで消す、またはろうそく消しを使って消してください。

お線香をあげる4つの理由

お線香をあげることには、4つの深い意味があるとされています。
・ ご自身の身と心を清める
・ 故人の食べ物とする
・ ご自身の心と故人の心をつなげる
・ 極楽浄土への道しるべとする

ご自身の身と心を清める

お線香には、私たちの身と心を清める役割があります。
その香りによって、日々の生活で汚れた私たちの心を浄化し、清らかな気持ちで故人を偲ぶことができます。

故人の食べ物とする

お線香は、故人の食べ物とも考えられています。

仏教の経典「倶舎論(くしゃろん)」によれば、亡くなった人は香りを食べ、善い行いをしてきた者は良い香りを、悪い行いをしてきた者は悪い臭いを食べると言われています。

そのため、四十九日が立つまでは、お線香を欠かさずに供え、故人に食べ物として捧げましょう。
お線香には、良い香りで悪いものを遠ざける効果もあります。

故人が食べるものになるため、生前好んでいた香りのお線香をあげることをおすすめします。

ご自身の心と故人の心をつなげる

お線香をあげることで、私たちと故人の心がつながります。
お線香の煙は、生者と亡者をつなぐ架け橋となり、私たちの思いを故人に届ける手助けをしてくれるのです。

お線香の香りで心と身を清めたら、故人と真摯に向き合い、ご自身の想いや近況を伝えましょう。

極楽浄土への道しるべとする

お線香の煙は、故人が極楽浄土に迷わず成仏するための道しるべとなります。

天に昇っていく煙は、天上と現世をつなぐものと考えられています。
一筋の煙が故人を導き、無事に極楽浄土へと帰る手助けをしてくれるのです。

お線香のあげ方|宗派ごとでマナーや本数が異なる

お線香のあげ方は宗派ごとによってマナーや本数が異なるため、それぞれの正しい作法を知っておくことが大切です。

以下に、代表的な宗派ごとのお線香のあげ方をまとめました。
浄土真宗本願寺派(西)
お線香の本数 :
1本を2つに折り2本に火をつける
置き方・方法 :
煙が立っている方が向かって左側に来るように香炉に横に寝かせて置く。

浄土真宗大谷派(東)
お線香の本数 :
1本を2つに折る
置き方・方法 :
火をつけず香炉に横に寝かせて置く。

浄土宗
お線香の本数 :
1~3本
置き方・方法 :
香炉の中央に立てることもあれば横に寝かせることもあり、1本を2つに折ることもある。

曹洞宗
お線香の本数 :
1~3本
置き方・方法 : 香炉の中央にまとめて立てる。

臨済宗
お線香の本数 :
1~3本
置き方・方法 :
香炉の中央にまとめて立てる。

日蓮正宗
お線香の本数 :
1~3本香炉に横に寝かせて置く。
置き方・方法 :
香炉の大きさに合わせてお線香を折ることもある。

天台宗、真言宗
お線香の本数 :
3本
置き方・方法 :
仏壇側に2本、自分側に1本の逆三角形になるように香炉に立てる
故人の宗派が不明な場合は、自分の宗派の方法で問題ありません。

お線香をあげる際の4つの注意点

お線香をあげるときには、いくつか気を付けるべき点があります。
故人やご遺族に失礼のないよう、注意点を確認しておきましょう。

お線香はろうそくで火をつける

お線香に火をつける際は、ろうそくから火を移すことが正しい方法です。
マッチやライターで直接火をつけるのはマナー違反とされています。

これは、ろうそくに「故人の道しるべになる」「不浄を祓ってその場を清める」といった意味が込められているからです。

お線香の火は手で扇いで消す

お線香の火を消す際は、口で吹き消さず、反対の手で軽く扇いで消すことがマナーです。

仏教の教えでは口は不浄なものとされており、口で火を消すのは失礼にあたります。
そのため、息を吹きかけて消すのではなく、手で扇いで消すようにしましょう。

おりんを鳴らすかは宗派による

お線香をあげる際、おりんを鳴らすかどうかは宗派によって異なりますが、一般的には2回鳴らすことが多いです。

ここでは、代表的な宗派のおりんを鳴らす回数について紹介いたします。
真言宗
2回。1回目は優しく、2回目は強めに叩く。

曹洞宗
3回または2回。お寺によって異なる。

浄土宗
読経時のみ。読経時に定められた回数鳴らす。

浄土真宗
勤行時のみ。
合掌礼拝時には鳴らさない、読経時に定められた回数鳴らす。

故人やご家族を思い、お線香を手向けましょう

お線香には、身と心を清め、故人とのつながりを持つという大切な意味が込められています。
そのあげ方は宗派によって異なり、本数や置き方にも決まりがあるため、正しい作法を知ることが重要です。

正しいお線香のあげ方を知り、心を込めて手向けることで、故人を偲び、感謝の気持ちを伝えることができます。

故人への敬意を示し、ご家族に失礼のない形で供養するために、心を込めてお線香を手向けましょう。

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