この記事の結論
弔問客は葬式の参列者・遺族の家に後日訪れる方を指します。喪主や遺族は含まれません。
遺族はたびたびなどの重ね言葉・死を表す言葉は使わずに挨拶し焼香を勧めます。手土産は半額分49日にお返しします。
弔問客とは
弔問客とは、葬式に参列する方や後日遺族のもとに弔問に訪れる方のことを指します。
そのため、故人とのお別れをするお通夜や告別式に参列する参列者の中で、故人の遺族や親族を除いた人のことを指します。
また、お葬式以外の場でも 故人の死を偲び、後日追悼の言葉を言いに来るかたも弔問客と言います。
具体的には一周忌の法事に来てくださる方も弔問客と言います。
これは、弔問に人の死を偲び、訪れて追悼の言葉を述べる意味があるためです。
弔問客は、弔問を行う人という意味になるため広い意味になります。
多くの場合、弔問客は通夜や葬式に参列できず後日訪ねてくる方のことを指します。
元来は、葬儀とお通夜の両方への参列が多い傾向にありましたが、昨今ではお通夜のみの参列が多くなっている地域も増加しています。
また、都合が合わずに参列できない場合には代理の方が参列する、弔電を送るなどによりお悔やみを伝えることがあります。
葬儀に参列できずに葬儀後に後日自宅を訪ねることがあります。
その際のもてなし方について以下で紹介していきます。
自宅での弔問客のもてなし方
方法
葬儀に参列できなかった場合に、故人を偲んだり追悼の言葉をかける場合に尋ねてくることがあります。
その際は、葬儀のように気を引き締める必要はありませんが、弔問客のもてなし方について注意点があります。
それは以下の4つです。
清潔さ
服装
玄関先で帰宅する方の対応
上がって焼香をしていただく場合
以下で見ていきます。
清潔さ
前もって弔問する予定を告げられることもありますが、人によっては仕事や出先の途中で立ち寄りの連絡をすることがあります。
慌てないよう、玄関や仏間は奇麗にしておくと無難です。
服装
対応に当たって、 喪服やダークスーツなどの略喪服の着用は不要です。
普段着で問題ありませんが、スウェットや部屋着などラフすぎる服装は避けましょう。
また、派手な色の服やアクセサリーは失礼になるため避けましょう。
弔問客側の服装
弔問客の服装は、 改まった訪問着を着用します。
訪問着は、男性の場合はダークスーツに白いワイシャツ、黒のネクタイなどを、女性の場合はダークカラーのワンピースやスーツのことを指します。
アクセサリーは結婚指輪を除きすべて外し、女性の化粧は薄くします。
また。明るい髪形は黒染めする、カラースプレーなどで対応します。
玄関先で帰宅する方の対応
遺族に気を使い、玄関先にて追悼の言葉を言った後香典を渡して帰宅しようとする方もいます。
その場合は、「よろしければお線香をあげていただけませんか」などと言葉をかけ、焼香していただくよう促してみると良いでしょう。
一回促しても断る場合は、無理に勧めなくても問題ありません。
弔問客側の玄関先で帰宅する場合の対応
次の予定があるなど、訪問先の家で線香を挙げる時間がない場合には、玄関先にて追悼の言葉を述べ、香典やお供え物を持参した場合はこちらでお渡しします。
基本的には、弔問した際にはお線香を挙げたほうが喜ばれるため、時間がどうしてもない場合を除いて お線香を挙げていかれると良いでしょう。
上がって焼香をしていただく場合
焼香していただけるよう促した後、上がってお線香をあげる方もいます。
この場合は、お茶と茶菓子を出すと良いでしょう。
子供を連れてくる場合もあるため、ジュースなども用意しておくと良いです。
この際、和菓子や洋菓子など決まりはありませんが、なるべく多くの種類をお出しすると喜ばれるでしょう。
遺族にも親しい方であれば 故人の話をしたり 、存じ上げない方の場合は どのようにお世話になったのかを話す ことでも供養になります。
焼香してすぐに帰る方もいますが、この際は無理に引き止めないことがマナーです。
弔問客側の上がって焼香する場合の対応
弔問した際に、「よろしければお線香を挙げていきませんか?」などと案内されたら、焼香する場合はそれに従いましょう。
基本的には、仏間や仏壇の前に案内されますのでお線香を挙げます。
その後、遺族の方から「よろしければゆっくりお茶でも飲みませんか」と言われた時間がある場合は是非参加して、故人の思い出などを話し偲ぶことで故人の供養になるでしょう。
弔問客の見送り方
手順・流れ
弔問客に自宅に来ていただいた場合には、 多忙な中時間を割いて訪問していただいたことへの感謝を伝えます。
また、 故人がお世話になったことへの感謝 を述べ、 「弔問していただいて故人もきっと喜んでいます」 などと伝えると良いでしょう。
また、葬儀前や葬儀中の弔問客は親族が代わりに行い、遺族は最後まで故人に付き添いましょう。
弔問客へのお茶出しなども同様に代わりに行ってもらいます。
見送りの具体例
ここまで注意点について見ていきましたが具体的な挨拶例は以下の通りです。
本日はお忙しい中、弔問に訪れていただきありがとうございました。生前は、○○(故人の名前)が大変お世話になりました。□□さんにお線香を挙げていただき○○もきっと喜んでいることと思います。本当にありがとうございました。
弔問客の手土産へのお返し
弔問客は、香典やお供え物を携えてきた場合はそれに対するお返しとして返しを用意します。
この場合の品物の金額の相場は、一般的には反返しと言われています。
反返しとは、参列者の中から 頂いた物の半分を目安 にお返しするもので、1万円の場合には5千円程度のお返しをします。
また、お返しは頂いた物の額より高価なものは失礼にあたりますので避けましょう。
高額な品物の場合は
お返しとして反返しが一般的と言われていますが、 高額な香典に対しては反返しをしなくてもよいとされています。
1万5千円程度のお返しが限界だと考える方も多く、それ以上になる場合は、3分の1や4分の1でも問題ないとされています。
当日返し
基本的には、御香典のお返しは四十九日法要に合わせてお返しします。
しかし、昨今ではライフスタイルが変化し親族が遠隔地に住んでいることやお返しの渡しそびれないように、前もって準備しておき当日にお返しを渡すこともあります。
この場合の品物の相場は 2千円から3千円です。
当日に準備しておき、それ以上に高価なものを頂いた場合には、当日返しとして渡した分を除いた金額の品物を後から贈る形が一般的です。
弔問客への挨拶
手紙
葬式など葬儀の場では 使えない言葉があります。
口に出した言葉が現実になるという考え方が日本には潜在的にあるため、人が亡くなるなどの不幸が重なる、死を連想させる意味合いを持つものが使ってはならない言葉とされています。
具体例としては以下のものになります。
かさねがさね
たびたび
またまた
ふたたび
しばしば
よくよく
返す返す
重々
再々
くれぐれも
続く
急死
自殺
4、9などの数字(死や苦を思い起こさせるため)
弔問客側の挨拶
弔問の際には、「お悔やみ申し上げます」や「この度は、ご愁傷さまです」など追悼の気持ちを伝えます。
注意点は、 故人の死因や亡くなった時の状況を細かく聞かないことです。
長い時間にわたって話すことはできるだけ避け、手短に弔いの言葉などを伝えます。
また、故人が高齢の場合は、「天寿を全うされ本人もさぞ満足でしょう」などの言葉をかける傾向にありますが、遺族にとってはそう思っていないことがあるため注意します。
【コラム】弔問の辞退方法
弔問の辞退方法として、 訃報や葬式の案内の際に連絡することが挙げられます。
訃報や葬儀の案内を伝える際に、喪主が家族葬のため、「弔問を辞退する」ことをはっきりと示すことで、わかりやすくなります。
また、連絡の際に、お通夜や葬式の会場を掲載しないとより、弔問辞退の意志が伝わりやすくなります。
その際は故人の遺志もしくは故人ならびに遺族としておけば失礼に当たりません。
連絡する範囲を限定する
訃報や葬儀の連絡する範囲を限定することが大切です。
必要以上に知れ渡ることがなければ、喪主や遺族の考えが正確に伝わりやすくなります。
この場合の連絡は、参列をお願いする方を中心にします。
最近付き合いがなかった方や遠方に住んでいる方には逝去の知らせを葬儀後に挨拶状で行う方法もあります。
故人の遺族の学校や会社関係者など、弔問を辞退するけれど連絡するべき人がいる場合、最小限の範囲で訃報を知らせましょう。
訃報や葬儀の案内をする際には、周囲の方に知らせないようお願いしましょう。
弔問客への対応まとめ
この記事では、弔問客について以下の内容で紹介しました。
弔問客とは
自宅での弔問客のもてなし方
弔問客の見送り方
弔問客の手土産へのお返し
弔問客への挨拶
【コラム】弔問の辞退方法
弔問客への対応は、故人を失った悲しみの中で行わなければならず、心理的ストレスや負担も多くあるでしょう。
しかし、自宅に時間を割いて訪問していただいたことは、生前の故人との間に大きな関係があったのではないかと思います。
その中で、故人の自分も知らなかったような話を聞いたり偲ぶことにより、故人もきっと喜んでくれるでしょう。
また、弔問客への対応は精神的に厳しいと思いますが、弔問への感謝の気持ちを伝えられると良いでしょう。