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葬儀

2024.04.30

お盆とは?意味は?お供えや由来、お盆時期のお墓参りも解説

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日本では、夏休みのお盆休みにお墓参りをする方が多いですよね。

そもそもお盆とはどのような行事なのでしょうか。なぜお墓参りや盆踊りをするのでしょうか。

今回の記事では、お盆の歴史や由来、行うべきこと、迎え火や送り火について、お彼岸との違いなどを紹介します。

お盆とは
お盆とは、「盂蘭盆会」(うらぼんえ)を略した言葉です。
ご先祖様を供養する仏教行事の一つであり、亡くなられた方の霊があの世から帰ってくる旧暦7月15日頃に行われます。

日本ではおよそ7世紀頃に宮廷でお盆の風習がはじまり、江戸時代に庶民の間でもお盆が広まりました。

そんなお盆の風習の中でも特に盛大に執り行われるが、初盆(はつぼん)です。

初盆とは
初盆とは家族や親族が亡くなり、四十九日が済んだ後で初めて迎えるお盆のことです。
呼び名は各地で様々ですが、主に東日本では新盆(にいぼん)、西日本では初盆と呼ばれることが多いです。

初盆は故人が初めてこの世に戻ってくるお盆ですので、親族や親しい間柄の方をお招きして法要や会食を行います。

また盆提灯も絵柄のあるものではなく、真っ白のものを使用します。

お盆の歴史・由来とは
日本におけるお盆の風習は、7世紀頃から始まりました。
お盆の歴史と由来について紐解いていきましょう。

お盆の歴史
お盆の由来
お盆の歴史
日本で行われた最古のお盆は、606年推古天皇が設けた「七月十五日斎」という儀式であると言われています。
「斎」とは、一定の期間自らの日常行動を制限し穢れを祓う儀式のことです。
しかし、「斎」自体は、直接お盆と関わりがあるか、わかっていません。

その後657年には、奈良県の飛鳥寺で盂蘭盆会が行われたという記録があります。
ところがこの頃のお盆とは主に宮中行事であり、一般庶民には浸透していませんでした。

お盆が庶民の間に浸透したのは、江戸時代になってからです。
先祖供養の必需品でもあるロウソクが安定供給可能になったことが、お盆の普及を後押ししました。

お盆の由来
お盆の由来は、仏教経典の一つである「盂蘭盆経」です。
盂蘭盆経では、お釈迦様の弟子にあたる目連尊者が、餓鬼道で逆さに吊るされ苦しむ亡き母を救う為に、僧侶や尼僧に供物を捧げて供養したと説かれています。

つまり「盂蘭盆経」とは、先祖供養を説いた経典だったのです。

他にも古代イランの言葉で霊魂を意味する「ウルヴァン」を語源とする説や、近年では「ご飯を乗せたお盆」が語源であるという説もあります。

お盆が地域によって異なる理由とは
理由
お盆は、行われる時期によって旧盆、新盆に分かれます。

この場合の新盆とは、先ほど説明した初盆の事ではありません。
旧盆とは8月に行うお盆、新盆とは7月に行うお盆のことを言います。

旧盆を採用している地域
新盆を採用している地域
その他の期間でお盆を過ごす地域
旧盆を採用している地域
現在では日本全国ほとんどの地域で、8月に行われる旧盆が採用されています。
元々7月だったお盆が、何故8月に行われるようになったのでしょうか。

それは、明治時代の改暦が原因でした。

日本では古来より旧暦を採用していましたが、明治時代になって新暦へと改暦が行われます。

当時の政府は、改暦による混乱が起こらないよう、全ての年中行事を新暦でも旧暦と同じ日付へと変更したのです。

ところが新暦7月は田植えの季節であり、農家にとっては一年で最も忙しい時期でもありました。

そのため7月ではなく、旧暦と同じ時期にあたる8月にお盆が行われるようになったのです。

新盆を採用している地域
7月に行う新盆を採用したのは、主に以下のような地域です。

東京都(多摩地区は除く)
横浜市
函館市
金沢市
静岡市
地域を見てもわかる通り、主に東京周辺の都市部が中心となっています。

これらの地域では改暦後に明治政府の意向に従ったため、旧暦の日付通り7月にお盆を行うようになったのです。

同じ都市部でも、東京から離れていた関西や九州では、たとえ都市部であっても新盆の風習はありません。

その他の期間でお盆を過ごす地域
お盆の時期が、旧盆・新盆のどちらの時期とも異なる地域があります。
それは、沖縄県です。

沖縄県では、現在でもきちんと旧暦の7月13日から15日にお盆が行われます。

そのため沖縄県のカレンダーには、その年のお盆の日付が印字されていることが多いのです。

7月・8月のお盆に関しては、こちらも参考にしてください。

お盆が7月と8月にある理由を解説!2020年のお盆の期間も公開

2020年のお盆の期間とは
時期
では具体的には、2020年のお盆期間はいつから始まるのでしょうか。
8月の旧盆と7月の新盆、更に沖縄県の場合に分けて、それぞれ見ていきましょう。

地域    日付
旧盆地域    8月13日から8月15日
新盆地域    7月13日から7月15日
沖縄県    8月31日から9月2日
旧盆や新盆を採用する地域では、毎年お盆はそれぞれの月の13日から15日にかけて行われます。
旧暦で行う沖縄県のみは、お盆の日付が毎年異なります。

今年は、8月のお盆休みは8月13日から16日までの4日間。
11日、12日に休暇を入れると、最大で9連休になります。

2020年のお盆に関しては、こちらも参考にしてください。

2020年のお盆・お盆明けはいつ?意味や由来、期間や送り火も解説

お盆の期間までに行うこと|お盆飾りの準備
お盆 きゅうり なす
お盆を迎える前には、仏壇のお盆飾りの準備を整えておきましょう。
宗派や地方によっても様々なお盆飾りがありますが、ここでは代表的なお盆飾りを紹介していきます。

お盆飾り
代表的なものは以下です。
宗派によって飾るものが違うこともありますが、基本となるものです。

盆棚
まこも
精霊馬
お供え物
盆提灯
盆棚
盆棚は精霊棚とも呼ばれています。
仏壇の前に設置して、その上にお盆飾りを乗せます。

盆棚の飾り方は、宗派によっても大きく異なります。
盆棚を購入する際は、お店に宗派を伝えて他に何が必要なのかを尋ねると良いでしょう。

盆棚に関しては、こちらも参考にしてください。

【図解】盆棚・精霊棚とは?飾る期間や物、飾り方、棚の購入場所!曹洞宗は?

まこも
まこもとは、盆棚に敷くござのことです。
まずは盆棚にまこもを敷き、その上にお盆のお供え物を並べます。
まこもは、かつてお釈迦様が病人をその上に寝かせて癒したことから、神聖な植物として扱われています。

また夏の暑い時期には、ござの涼し気な様子が好まれたことも、盆棚にまこもを敷く理由の一つです。

精霊馬
精霊馬とは、馬や牛を模して作る人形のことです。
主に、夏野菜であるナスやキュウリに木の棒を刺して、動物の形に見立てます。
ご先祖様があの世とこの世を往来する際に、乗り物としているのが精霊馬であると言われています。

あの世から帰ってくるときは早く戻れるように駆け足の馬で、あの世へ帰る際はゆっくり行けるよう歩く牛で。

精霊馬の形には、そのような願いが込められています。
精霊馬に関しては、こちらも参考にしてください。

お盆にきゅうりとなすで作る精霊馬とは?作り方・処分方法も解説

お供え物
仏前には、日頃は五供(ごく)と呼ばれるお供え物を飾ります。
五供とは香・花・灯明・水・飲食のことを差し、お盆の時期にも五供をお供えします。

五供以外の特別なお供え物として、果物や素麺などが挙げられます。

お供え物は地域や宗派によっても異なりますので、あなたの家庭に合ったお供え物を用意してください。
お盆のお供え物に関しては、こちらも参考にしてください。

お盆のお供え物はお菓子?お金?選び方やおすすめ商品とのしも紹介

盆提灯
お盆の時期には、仏壇か盆棚の前に一対の盆提灯を飾ります。
盆提灯とは、あの世から帰ってくるご先祖様の目印となる光です。

通常のお盆では絵柄のある提灯を、初盆の際は白提灯を用意しましょう。
盆提灯に関しては、こちらも参考にしてください。

【図解】盆提灯の意味・種類・選び方!飾り方や値段相場、処分方法も解説

浄土真宗のお盆飾り
数ある仏教の宗派の中でも、浄土真宗だけはお盆飾りが他の宗派と大きく異なります。
これは、浄土真宗ではお盆に対する考え方が他宗派と異なっているからです。

浄土真宗では、亡くなった方が霊になるという考え方はありません。

故人は皆等しく極楽浄土へと行けるので、お盆の時期に霊になってこの世に帰ってくることはないのです。

そのため、浄土真宗では、盆棚も精霊馬も必要ありません。
お盆の時期も普段と同じように仏壇を整え、仏壇飾りを行います。

盆提灯を飾る場合も、ご先祖様が帰ってくるための目印の意味合いはありません。
あなたが浄土真宗の門徒である場合は、浄土真宗の教えについてもよく覚えておきましょう。

浄土真宗のお盆の過ごし方!お墓参りや仏壇の飾り方・お供え物も解説

お盆の初日・中日に行うこととは
お焚き上げ
お盆の各日には、それぞれ行うことがあります。
まずは、お盆の初日と中日に行うことを見ていきましょう。

初日
中日
初日
お盆の初日は、午前中にお墓の掃除を行います。
ご先祖様をお迎えする前に、お墓を綺麗にしておきましょう。

また初日の夕方には、迎え火を焚いてご先祖様を家にお迎えします。
門前や玄関先で迎え火を焚くか、もしくは盆提灯を灯しましょう。

中日
初盆を迎える家庭など、お盆時期に法要を行う場合は、お盆の中日に行います。
またお墓が遠方の方や実家のお墓参りをする場合は、中日にお墓参りを行っても構いません。

お盆期間中は、ご先祖様を自宅にお迎えしています。
盆棚のお供え物も、毎日きちんと管理を行いましょう。

迎え火に関しては、こちらも参考にしてください。

お盆の迎え火・送り火とは?時期は?必要な物とやり方を解説

お盆の最終日・期間後に行うこととは
送り火
お盆の最終日とお盆の後には、ご先祖様をあの世に送り返し、お盆の片付けを行います。

お盆最終日
お盆飾りの片付け
お盆最終日
お盆の最終日の夜には、ご先祖様をあの世に送り出すための送り火を焚きます。
初日に迎え火を焚いたのと同じ場所で焚きましょう。
京都の五山の送り火など、お盆最終日には送り火に関する行事が各地で行われます。
また、長崎県の精霊流しもお盆の最終日に行われる行事の一つです。

お盆飾りの片付け
お盆飾りの片付けは、送り火でご先祖様を見送った後に行います。
送り火を遅い時間に行う場合は、翌日に片付けても構いません。
翌年以降も使える盆提灯や盆棚などは、きちんと元通り片付けます。

精霊馬やお供え物は通常のごみ分別でも処分できますが、菩提寺で焚き上げを行っている場合もあります。

お盆飾りを片付ける日に決まりはありませんが、早めに片付けるようにしましょう。

お盆とはご先祖様を迎える大切な儀式
この記事の結論は以下の通りです。

お盆とは、あの世から戻ったご先祖様を供養する仏教儀式。
日本でのお盆は、606年頃に宮中で始まったと言われている。その後江戸時代に入って、ようやく一般庶民にも浸透した。
お盆には8月に行う旧盆と7月に行う新盆、更には旧暦の7月15日に行うお盆の3つがある。
今年のお盆は、例年と異なり中止となったお盆の恒例行事が沢山あります。
お盆休みの旅行や帰省を控える方も、例年よりもずっと多くなります。

このような年であるからこそ、改めてお盆の意味を思い出し、家族で穏やかなお盆を迎えてはいかがでしょうか。

お盆とは?意味は?お供えや由来、お盆時期のお墓参りも解説

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