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葬儀

2024.04.30

改葬・お墓の引っ越しの手順・費用を紹介!お墓の移動にトラブルは?

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もっと住まいの近くにお墓があれば、永代供養のお墓に移すことができれば、など、お墓のお引越しを考えたことがある人は少なくないでしょう。

ここでは、お墓のお引越し、すなわち改葬について、詳しい手順や書類、費用など、改葬を行う上で必要となる知識について紹介します。

改葬の意味

お墓参り
改葬とは埋葬されている遺骨を、決まった手続きを行った上で、永代供養や、新しく建てたお墓、納骨堂といった、現在とは別の形のお墓に移動させることをいいます。

イメージとしては「 お墓のお引越し 」という表現が正しいかもしれません。

改葬を行う手順には、必ず墓じまいが含まれますが、墓じまいとは、あくまでも現在のお墓を撤去し、その土地を更地に戻すことをさしており、改葬とは似て非なるものです。

改葬の増加理由

改葬をする人が年々増加しています。
2017年には10万件を突破しました。

なぜこんなにも改葬数が増え続けているのでしょうか。
大きく分けて二つの要因が挙げられます。

お墓参りへのストレス
特に一般的なのが、転居など、引越しをしたことによる、現在持っている お墓へのアクセスの悪化 です。

実家を離れて、異なる土地に定住しており、今の場所のままでは、なかなかお墓参りにいけない等の理由もあります。

また、若かった頃には、通うことが苦ではなかった距離でも、年齢を重ねるにつれて、苦痛に感じるという場合もあります。

そのような際に、現在の住まいに近いところへの改葬、そうでなくとも、車でいける範囲への改装を考える人が増えているようです。

後継者不足
少子高齢化によって、 お墓の管理を後継してくれる若者が不足しているというのも大きな原因になっています。

この場合の改葬先は、高齢でも通いやすいような家の近くへ、という方も勿論いますが、管理を完全にお任せする永代供養へ改装するケースの方が多いようです。

永代供養墓については、こちらを参考にしてみてください。

改葬の手順・流れ

墓
では、改葬を行うには、どのような手順を踏む必要があるのでしょうか。

ここでは大まかに、6つに分けて流れを説明していきます。

改葬先の準備
現在の墓地の手続き
申請書の準備
遺骨の取り出し
新しい墓地への改葬
改装前の墓地の整備

1. 改葬先の準備
まずはじめに、改葬先の墓地の確保をします。

改葬先を決めたら、 その墓地の管理者から「受入証明書」もしくは「永代使用許可書」などの発行を依頼します。

また、改葬の許可を申請する人と、改葬したのちに墓地を使用する人が異なる場合には、改葬先の墓地を使用する人からの「埋蔵承諾書」が必要になるので、このタイミングで用意してしまうと良いでしょう。

2. 現在の墓地の手続き
現在、遺骨を埋葬している墓地を管理している人へ 「埋葬証明書」の発行を依頼します。

この「埋葬証明書」には、決まった書式はなく、埋葬されている遺骨の氏名、墓地を使用している者と墓地の管理をしている者の署名・押印が必要な項目となっています。

また、手順1同様に、改葬の許可を申請する人と、改葬したのちに墓地を使用する人が異なる場合には、改葬先の墓地を使用する人からの「改葬承諾書」が必要になります。

3. 申請書の準備
現在、遺骨を埋葬してある墓地の市区町村へ、改葬の申請を行う必要があります。

「改葬許可申請書」に、必要事項を記入したのち、「受入証明書」もしくは「永代使用許可書」と「埋葬証明書」を一緒に提出することで、「改葬許可証」を発行してもらうことができます。

「改葬許可申請書」は、遺骨の数に対して、1枚ずつ必要になる ので、複数の遺骨を同時に改葬する場合は、遺骨の数分の申請書を用意する必要があります。

また、市区町村によっては、「改葬許可証」の発行に手数料がかかる場合があります。

4. 遺骨の取り出し
「改葬許可証」を発行してもらったら、現在埋葬してあるお墓の管理者にそれを提示し、お墓から遺骨を取り出します。

その際には、僧侶などにお経をあげてもらう閉眼供養や、石材店に暮石を開けてもらう、という一般的に 「墓じまい」と呼ばれる手順を踏む必要があります。

5. 新しい墓地への改葬
手順3で発行してもらった「改葬許可証」を提出して、改葬を行います。

手順4の遺骨の取り出しと同様に、新しいお墓に納骨する際にも、開眼供養のための経をあげてもらったり、暮石を開ける必要があるので、前もって石材店や僧侶の方へ連絡を入れる必要があります。

6. 改装前の墓地の整備
改葬前に遺骨を埋葬していた墓地を返却する上で、その土地を購入した時の状態、更地の状態まで戻さなければなりません。

ここでも、石材店に暮石の撤去を依頼します。

また、改葬許可証に関してはこちらもご覧ください。

改葬する際の費用

改葬にかかる費用は、墓地の大きさや地域などによって若干の違いはありますが、都市部の新しいお墓への改葬であれば、 大体200万〜300万程度が目安です。

この金額は、現在のお墓を撤去して更地に戻すための費用や、改葬先のお墓の使用費、改葬の際の作業費、お布施などを含めたものです。

さらに詳しい金額の内訳は以下の通りです。

お墓の撤去費用
作業をスムーズに行えるようなお墓であれば、 1平米あたり10万〜15万円が基本です。

しかし、クレーンの入らない狭い立地であったりと、作業が困難とされる条件では追加料金が発生します。そのため一般的には、1平米あたり20万〜40万円に落ち着くことが多いようです。

心配であれば、直接、指定の石材店に連絡を入れて確認するのも良いでしょう。

改葬先の費用
立地や、公営か個人か、などの条件によって値段は変わってきます。
また、お墓を新しく建てるのか、永代供養のお墓へ改葬するのか、納骨堂への改葬か、などによっても値段には幅があります。

新しくお墓を建てる場合は、永代使用料とお墓代、工事代を合わせて120万〜300万円が相場のようです。

永代供養一式にかかる費用も、10万円以下で済む場合から、100万円以上かかる場合まで様々です。

改葬の作業費
作業費というのは、暮石の運搬や、暮石の加工、暮石の開け閉めにかかる費用のことです。

暮石の運搬というのは、改葬先に先祖代々のお墓を持っていきたい、暮石も今使っているものを使い続けたい、という、お墓そのままのお引越しを考えている際に、行われるものです。

その際には、改葬前のお墓から、改葬先のお墓までの運搬で、 100kmあたり15万〜20万程度が相場のようです。 [石材店によっては、積み込み等を手伝うことで若干安くなることもあるようです。

しかし、以前の暮石を引き続き改葬先でも用いる場合は、新しい墓地の区画に合うように暮石の加工を行わなければならないので、運搬費用が安く済んでも、加工費用を含めると結果として15万〜20万程度必要になってしまうことが多いです。

暮石の開け閉めは、遺骨を取り出す際、改葬先に納める際に、石材店に依頼するものです。両方合わせた相場は3万〜5万円程度となっています。

お布施費
改葬前の暮石から遺骨を取り出す際に行う閉眼供養と、改葬後の暮石に遺骨を納める際に行う 開眼供養のお布施は3万円〜5万円が相場となっています。

永代供養の際の納骨法要は、先ほど改葬先の費用で紹介した、永代供養一式の費用の中に含まれていることがほとんどです。

改葬の仕方

これまでの項目でも軽く触れてきましたが、改装には大きく分けて3つのパターンがあります。その3つは以下の通りです。

遺骨だけ
遺骨だけの改葬は、最も一般的なパターンで、 今までのお墓に入っていた遺骨全てを、改葬先のお墓に移すというものです。

今まで使用していた暮石は撤去し、暮石のあった土地は更地に戻した上で、改葬先で新たにお墓を建てます。

遺骨と墓石
遺骨と暮石をまとめて改葬先に移すパターンです。
これは、改葬する際の費用で説明した、暮石の運搬を行うものです。

暮石は、新しい墓地の区画に合わせて加工され、元の墓地は更地に戻されます。先祖代々の暮石を今後も引き続き使用したいという方に多い改葬です。

遺骨の一部
最後に、 「分骨」と言われる、遺骨の一部のみを改葬先に移すパターンです。
この場合は、改葬先でも新しいお墓を建てますが、遺骨の一部が残っているので、元のお墓も撤去されずに残ります。

分骨は、お墓が遠方にある場合、先祖代々のお墓も残しておきたいけれど、自分の住まいの近くでも供養したい、という人に多く見られる改葬です。

改葬の墓石の移動

先ほど改葬の仕方で、遺骨と共に暮石も改葬先に移すという方法を紹介しました。しかし、改葬の際に暮石を移動させることには、いくつかの問題点も存在します。

問題点1 墓石持ち込みの是非
葬先が暮石の持ち込みを認めているかどうかです。
ほとんどの霊園やお寺では、お墓を新たに立てることを前提として、墓地の販売、運営、を行なっています。

そのため、外部から暮石を持ち込むことを制限していることも少なくないようです。
しかし、 お寺や霊園によっては部分的に持ち込みを許可した区画を持っているところもあるようです ので、一度確認してみると良いでしょう。

問題点2 移動に伴う費用とリスク
移動に伴う費用とリスクです。
暮石の移動に伴って発生する、 暮石の運搬費用は、暮石のサイズや搬送距離によって大きく変わってきます。

暮石の運搬は、その重量も影響して、思いのほか高額につくようです。そのため、見積もりを取ってよく検討することをオススメします。

また、搬送している間に、暮石が破損してしまったりといったリスクも存在します。
暮石が破損してしまえば、思わぬ追加費用が発生しますし、結果として改葬先に新しい暮石を建てなくてはいけなくなってしまいます。

改葬のトラブル

! 注意
改葬の際には、様々な事情から関係者間でのトラブルが発生することも少なくないようです。

そこで、多く聞かれるのが、 お寺との離壇料のトラブルです。

改葬をする際には、離壇料というものが発生します。もともとは、菩提寺へ長年先祖の供養をしてい頂いたことに対する感謝の気持ちとしてお布施を包んでいました。

それが派生して、近年、「離壇料」として一般化され始めたわけです。

その離壇料を寺院から高額に請求される、というトラブルが存在するようです。

その背景としては、 地方のお寺での檀家の減少による、収入の減少などが挙げられます。

そのような理由から、改葬を申し出た人に対して、住職が、遺骨の返却を拒否したり、高額の離壇料を請求する、といったトラブルが発生するようです。

これによって、住職との関係が悪化し、改葬許可証を作成してもらえなかったり、ということに発展するケースもあるようです。

原則、墓地管理者には改葬を拒否する権利はありませんが、行政に相談するなどしても、解決につながる決定的な方法や決まりは無いようなので、住職との関係が悪化しないように改葬の相談を進める必要があるようです。

墓じまいのトラブルに関しては、こちらも参考にしてください。

【コラム】改葬と墓じまいの違い

改葬と墓じまい、よく混同されがちですが、厳密には、この二つは異なります。

イメージとしては、墓じまいが「 遺骨のお引越し 」、改葬が「 お墓のお引越し 」です。

改葬する上で、墓じまいは必ず行われます。しかし墓じまいの後、遺骨を散骨したり、手元供養を行うのであれば、それは改葬には当たりません。

墓じまいの後に、新しく建てたお墓や、納骨堂、永代供養のお墓などに遺骨を納骨する工程のことを、改葬、と言います。

墓じまいに関してはこちらを参考にしてみてください。

適切なお墓のお引越しを

様々な理由から、改葬を検討する方も少なくないと思います。

改葬することで、今現在抱えているお墓参りの問題が解決したり、お墓参りにくる人がいなくなって、お墓が廃れてしまうことを防げたりします。

しかし改葬を行うには、決まった手順があり、決まった費用がかかります。

正しい知識を持って、みなさんの希望通りの改葬が行われることを望んでいます。

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