お線香代とは?封筒の表書きや入れ方は?費用相場や渡し方も
最近ではお線香の代わりにお線香代を包むことが増えています。
では、お線香代とは一体どのような場面で使われるのでしょうか。
今回はお線香代の宗教別の表書きの書き方、包み方、渡す際のマナーについて説明していきます。
この記事で解決される疑問
お線香代とはどんなもの?
お線香代の相場は?
お線香代に適した表書きは?
お線香代の封筒の選び方は?
お線香代とは
まずはお線香代の意味について解説していきましょう。
お線香代 は文字通り お線香の代わりに故人へお供えするお金を包んだものです。
通夜、お葬式、法事法要時に持参するもので、家族葬の場合は、 「香典」 と言われています。
昔は、知り合いが亡くなった際に個人でお線香を用意して葬儀などに出向くのが一般的でした。
しかし、現在はお線香を持っていく風習は減り、 お線香代を渡す ことが増えています。
また仏事にこだわりを持っており、 決まったお線香を使用 している家も多くあります。
そのため お線香代を持っていき、相手方の家でお線香をお供えする ことも珍しくありません。
ここではお線香代についての基本的な説明をしていきます。
お線香代の封筒
お線香代の封筒は 不祝儀袋(香典袋) と言われるものを使います。
お線香代の封筒、入れ方について、
- お線香代の袋種類・宗教
- 水引の色
- お線香代の封筒と金額
お線香代の袋種類・宗教
などが描かれているものや、 無地 のものなどがあります。
宗教ごとで絵柄が変わる ということを覚えておきましょう。
表に 蓮の絵 が描かれており、 仏教式のお通夜・葬儀・法事法要でのみ 使います。
表に 十字架 やユリの花が描かれており、 キリスト教 でのみ使います。
宗教を問わずに 使えます。
また、 喪主の宗教が分からない 際にも使えます。
コンビニや文房具店で売られてるものには既に 文字が印刷 されているものが多いですが、問題はないので使用してかまいません。
※文字の印刷がされている場合は 「仏前」 (神道式の場合は 「御神前」 )と書かれているものが最も無難です。
水引の色
水引 には様々な色があります。
それぞれ色別での使い方を見ていきましょう。
お通夜、お葬式、法事、法要 のどの場面でも使えます。
しかし、 仏教式 は四十九日に相当する 五十日祭、一年祭まで とされているため それ以降の使用はできません 。
主に 関西地方 で使われます。
一周忌以降の法事、法要の香典を包む際 に使用します。(四十九日までは黒×白を使用)
また、 神道式のお線香代を包む際 にも使われます。
他の水引と比較して 包む金額が多い際 に使います。
お通夜、お葬式、法事、法要 のどの場面でも使えます。
水引の色に関しては、こちらの記事でも知ることが可能です。
お線香代の封筒と金額
不祝儀袋には以上の3種類があり、金額によって使い分けされています。
ここでは金額ごとの不祝儀袋の種類を見ていきましょう。
印刷 封筒タイプ
封筒の形で水引が印刷されたものです。
主に 5千円以下 で使われます。
中袋がついてないもの もあります。
印刷 多当折りタイプ
多当折り の形で、 水引が印刷されたもの です。
主に 1万円以下 で使われ、 中袋 がついています。
多当折り水引
多当折り の形で、外側から 水引 をかけたものです。
主に 1万円以上 で使われ、 中袋 がついています。
3万円以上 の場合は 双銀(銀×銀)の水引 を使います。
また、どうしても参列できない場合は 現金書留封筒に入る封筒 に 水引が印刷されたもの を使いましょう。
お線香代の表書きの書き方
書く前に注意点として、お線香代の表書きには 宗派や地域によって違いがある ため、確認してから行いましょう。
ここでは主に
仏教式
また、葬儀や故人が亡くなって 四十九日 が経っていない場合は 「御霊前」 と書きます。
神道式
神道式の場合は、 「玉串料」または「御榊料」 と書きます。
どちらも神道式では香典を持っていく際に使われる表書きです。
神道式の弔事は、 玉串 と呼ばれる 榊の枝 に 紙垂 をつけたものを お線香の代わり にお供えしていたため仏教式とは異なった書き方をします。
その他にも 「御神饌料」や「御神前」 と書いても問題ありません。
また、神道式でも 「御霊前」 は仏教式と同様に、 四十九日 が経ってない場合のみの表書きとして使いましょう。
玉串料については以下の記事で取り上げています。
キリスト教
キリスト教の場合は、 「御花料」 と書きます。
これは カトリック・プロテスタント のどちらも使える表書きです。
なお、 「御ミサ科」、「御霊前」 といってカトリック教会の葬儀の際に使える表書きもあります。
キリスト教では、亡くなった際に 霊魂 となり 神様に召される とされているため、このような書き方が使われています。
香典の表書きに関しては、こちらの記事を見て下さい。
線香代の入れ方(包み方)
中袋には お線香代の金額 と、相手方が誰から受けとったものか分かるように 自分の氏名と住所 を書きます。
中袋の入れ方 も説明していきます。
金額の書き方
金額は 中袋の中央 に書き、 漢数字 で書きます。
金額を書く前には 「金」 と書きましょう。
数字 |
漢字 |
5000円 |
金五千円 |
10000円 |
金壱萬円 |
金額は 中央に書くことが原則 とされていますが、中袋の種類によっては 書く欄が設けてある 場合があります。
その場合はそれに従って書きましょう。
氏名と住所の書き方
一般的に 裏面の左下 に、 郵便番号・住所・氏名 を書きます。
字は 楷書で正しく書く のが常識で、 略号などは一切使わない ようにしましょう。
中袋の入れ方
中袋の入れ方は、不祝儀袋を開けた際に 中袋の表が見える ようにしましょう。
中袋に関しては、こちらの記事も見て下さい。
お線香代の包み方
ここでは お札の包み方 について説明していきます。
基本的に お札の向きに決まりはないのですが、2枚以上入れる場合は向きを揃えましょう 。
包み方は以下の画像を参考にしてください。
奉書紙で包む場合の手順
お線香代の費用相場
お線香代と言って気になるのはやはり費用の相場ではないでしょうか。
ここでは お線香代の費用相場 について見ていきます。
お線香代の費用相場は各家庭で異なることがありますが、しっかりとした形で渡したいのであれば 最低でも5千円以上 とされています。
また、故人が 血縁者 の場合は 1万円~2万円 を包むことが一般的です。
元々お線香代は、 お墓を守ってくれている家に対して援助として渡す という意味があるため、あまりにも少ない金額だとよく思われないでしょう。
注意点
地域 によって お線香代を持参する習慣がある場合とない場合 があるので、先に相手方に 確認 をとると良いでしょう。
香典の金額相場に関しては、こちらも参考にしてください。
お線香代の渡し方
お線香代の渡し方にも決まりがあります。
ここでは、
の場合のお線香の渡し方と辞退された場合を説明します。
お墓参り
お線香代は相手方に直接渡すのではなく、 仏壇の前 で 袱紗から取り出して左隅に置く のが基本的なマナーです。
通夜、葬式
受付がある場合は 記帳 を済ませた後、 袱紗 から 不祝儀袋 を取り出し お悔やみの言葉 を一言添え、 一礼 してから渡すようにします。
お悔やみの言葉としては、
「この度はご愁傷さまでございます。ご霊前前にお供えください。」
などと伝えると良いでしょう。
当然ですが、不祝儀袋は相手方が 表書きを読むことができる向き で渡してください。
また、受付がない場合は、 遺族に直接渡す か、拝礼の際に 御霊前 に供えます。
この時は、 自分から見て表書きが読める ようにして供えます。
お線香代を辞退された場合
遺族からお線香代を受け取らないと言われた際は、 相手方を尊重して持参しない ことをすすめます。
お線香代のマナー・注意
- 表書き
- 包み方
- 渡し方
- 香典返しを受け取った場合
- 家族葬の場合
の順に解説していきます。
表書き
表書きのマナーで特に気を付けることは、上記で説明した通り 仏教式、神道式、キリスト教 などと 宗教別 で分かれているため、 相手方の宗派をしっかりと理解 したうえで書くことが重要です。
分からない際には 近所の方に聞く ことを忘れないようにしましょう。
また インクの濃いペン で書いてしまうと、 不幸を待っていた と思わせてしまうため、表書きに書くペンのインクは 薄いもの を使うようにしましょう。
包み方
お祝い事だと新札を渡すことが一般的ですが、お線香代を包む際に 新札 を包むと、 「不幸を待っていた」 ととらえられるため 新札ではなく旧札 を使います。
また、どうしても新札しかない場合は 折り目 を付けてから入れるといいでしょう。
しかし、あまりにも シミやしわ があるものを使うのはやめましょう。
香典に新札を包むことに関しては、以下の記事も見てみて下さい。
渡し方
不祝儀袋は 袱紗 に入れ、渡す際には 両手で丁寧に渡す のもマナーです。
香典返しを受け取った場合
香典返しを受け取る側 にも気をつけなけらばいけない点があります。
香典を受け取った際には返さなければいけないと感じる方が多いと思うのですが、 香典返しを返すことはお礼を繰り返すこと になります。
葬儀において 言葉や行為の繰り返し は 不幸を繰り返す ということになるため、香典返しを受けた時には 返すことは避けましょう 。
また、香典返しを受けた際の 報告 も繰り返しになってしまうため基本的にはやめましょう。
家族葬の場合
最近家族葬が増えているため、 「香典辞退」 という お線香代なしの葬儀 を行う事があります。
お線香代は相手方の負担にもなってしまいます。
そのため 香典を持っていくことはマナー違反 となるので持っていく必要はありません。
家族葬の香典については、こちらを参考にしてみてください。
お盆のお線香代
ここでは、お盆のお線香代について、表書き・費用相場・包み方
これら3つを説明します。
表書き
お盆の表書きの場合は、 宗教別で異なる のですが、 仏教式 では「 御香料」、「御線香料」 と書き、 神道式 では 「玉串料」 と書くことが一般的にされています。
費用相場
お線香は高いものですと結構な値段がするものです。
そのため、お線香代の一般的な費用相場は 5千円程度 とされています。
包み方
包み方も基本的には上記で説明した通りなのですが、中袋を除いて、 1枚の紙のもの を使いましょう。
ここでも 重ね言葉 がいけないように、 法事用の袋を重ねて使うことはやめましょう 。
お盆に関しては、こちらの記事を見て下さい。
お墓参りのお線香代
お墓参りをする際にお線香代を支払わなければいけないのでしょうか。
実は、お墓参りのお線香代は多くの場合 支払う必要はありません 。
しかし 地域によって異なる ため、お線香代が必要であるかどうか 確認 を取っておきましょう。
今回は、
- 他家のお墓参りをした場合
- 檀家制である場合
- 納骨堂にお墓の管理を任せている場合
他家のお墓参りをした場合
お墓参りのお線香代が必要だった場合、他家のお墓参りの場合のお線香代は、 相手方とのつきあいの深さ によって変わります。
あまりつきあいがなく形式的な付き合い であれば相手が気にかけないためにも 1000円~2000円程度 で良いと思います。
しかし 今後のつきあいが長く なると予想される場合はには 5000円程度 包むと良いでしょう。
檀家制である場合
次に、お墓の管理を寺院に任せている 檀家制 の場合について見ていきましょう。
檀家の場合は、普段の負担によって変わりますが、 年会費 を支払っているのであれば、 お墓参りの際には渡す必要はありません 。
基本的にはないのですが、お墓参りの際にお寺からお線香をいただくことがまれにあります。
檀家制度については、こちらも参考にしてみてください。
納骨堂にお墓の管理を任せている場合
次は、 納骨堂 にお墓の管理を任せている場合です。
この場合は、納骨時の他に 年会費 として 管理費 を支払っているかで変わっていきます。
管理費を含んでいない場合は、お寺同様に月会費と近い 500~1500円程度 を目安としています。
また、 法事 を行う際には、お経をしていただいた後に 1万~3万円程 と お車代5000円 を渡します。
お線香代についての理解
お供えするお線香の代わりに渡すお金を指します。お線香代を持っていき、遺族の家でお線香を上げるのが一般的です。
お線香代の相場は5000円から2万円です。故人が血縁者の場合相場は1万円以上となります。
仏教の場合は御香典、神道の場合は玉串料、キリスト教の場合は御花料と書きます。49日前の場合は御霊前と書くこともあります。
封筒は無地のものか、仏教なら蓮・キリスト教は百合の花や十字架のデザインを選びます。水引は黒白の結び切りなどを選びます。
通夜、葬式、法要法事とお線香代を渡す機会はたくさんありますが、どんな場面でも マナー、決まり を守ることはとても大切なことです。
特にお線香代は相手に送り、残るものになるので自分のためにもしっかり理解しておくとよいでしょう。
昔と比べお葬式はずいぶん単純化 されています。
だからこそ、マナーや気遣いには心がけるようにしましょう。
お線香代とは?
お線香代とはお線香の代わりにお供え代として渡すお金です。家族葬では香典と呼ばれることもあります。
お線香代の中袋の書き方は?
表面には金額を書き、裏面には住所・氏名を記入します。旧字体で漢数字を書くのもポイントです。
お線香代の相場はいくら?
相場は1万円から2万円です。最低でも5000円以上を包むことがマナーとなっています。
お線香代で新札しか包めない場合はどうする?
新札しか手元にない場合、折り目を付けることがおすすめです。また、ATMで古いお札を用意することもできます。詳しくは
こちらをご覧ください。