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お金のこと

2024.04.30

オレオレ詐欺の手口とは?受け取り方法や高齢者がすべき対策を解説

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お年寄りを中心に被害が発生しているオレオレ詐欺。
最近ではよくある詐欺の一つとまで認知されるようになりました。

あまり喜ばしい事ではありませんが、未だに騙されてしまう人もいる以上、知っておく必要があります。
オレオレ詐欺の手口や、その対処法を解説しますので、家庭の防犯にお役立て下さい。

オレオレ詐欺とは
オレオレ詐欺とは、詐欺師やそのグループの一員が電話を使って行う詐欺の手口です。
お年寄りがいる家庭を中心に身内のふりをして電話をかけ、金銭を要求するという手口です。

こうした、電話やメールで親しい人になりすましてお金をだまし取る手口の詐欺は特殊詐欺に分類されます。
特殊詐欺の中でも特に被害が大きく、有名なのがオレオレ詐欺なのです。

実際の被害についてみていきましょう。
以下の表は、警視庁の「平成30年における特殊詐欺認知・検挙状況等について(確定値版)」から得たデータを表にまとめた物です。

まずは認知件数、つまり詐欺が発覚し、警察に通報されたオレオレ詐欺の件数をまとめた表から紹介します。

年数(平成)    件数(件)
H25    5,396
H26    5,557
H27    5,828
H28    5,753
H29    8,496
H30    9,145
件数を見ると、 平成29年あたりから被害額が大幅に増えている事が分かります。
令和となった現在も、オレオレ詐欺に対する警戒は解いてはいけないのです。

次に、被害額とその推移についてです。
認知件数と同じ様に資料から情報を抜粋、まとめた表が以下のものになります。

年数(平成)    被害額(百万円)
H25    17,133
H26    17,490
H27    17,509
H28    16,715
H29    20,794
H30    18,891
表を見るとH29年が一番高くなっていますが、これは新しい手口として電子マネーを使った手口が多発した為です。
認知件数も被害額も、新しい手口が生まれると被害が大きくなりますが、それ以外の時も一定の被害が報告されています。

合わせて、最近の情報も確認しておきましょう。
日本経済新聞の記事には、オレオレ詐欺をはじめとした特殊詐欺の認知件数と被害額のグラフが公開されています。

図1

このグラフと記事の情報でも、2018年に全国の警察が確認した特殊詐欺1万6,493件の内、オレオレ詐害の件数が一番多く、9,134件となっています。
オレオレ詐欺は常に警戒が必要な詐欺だといえるでしょう。

オレオレ詐欺の手口①息子や孫など親族のふりをする
ガラケー シニア 携帯電話
オレオレ詐欺は手口が多様化しています。
しかし、その多様化も、基本の手口である家族のふりをしてお金をだまし取るという方法を変化させたものです。

それぞれの手口を知っていれば、詐欺だと気が付く事もできます。
代表的な手口は以下の通りです。

それぞれ解説していきますので、しっかり覚えておきましょう。

落とし物
上京型
キャッシュカード
現金受取型
落とし物
落とし物型とは、落とし物をした、発見したという連絡をし、そこからお金をだまし取ろうとする手口です。
この手口は劇場型と言われる手口で、まるでお芝居の様に詐欺師が以下の役割を演じ、電話に出た人をだまそうとします。

息子や孫
鉄道会社の係員
会社の同僚
手口の順序は以下の通りです。
息子等働いている家族を名乗る人 からの電話が来ます。

この時「自分の鞄を落としてしまった。中に会社で使うお金(小切手等の場合もあり)もない」と言います。
その後、 鉄道会社の係員を名乗る者 から「お宅の息子さんの鞄を拾った」と連絡が来ます。

その後、また 息子を名乗る者 から「無くした鞄の中に仕事で使うお金が入っている。今日中に必要だからお金を貸してほしい」という電話が入ります。
この時、お金の受け渡しは家族を名乗る人ではなく、なぜか 会社の同僚や先輩、上司 が受け取る事になります。

ここまで 登場した人達は全て詐欺グループの人間なのです。
しかし、公的な人間が登場し、複数の人が出てくる為、本物だと勘違いしてお金を用意し、渡してしまう人がいるのです。

手口を見てみると、色々とおかしな部分がある事が分かります。
公的な立場の人が出てきたとしても、信用しきってはいけません。

必ず家族や登場した公的機関に確認を取るようにしましょう。

上京型
上京型は被害者を電話で見知らぬ所におびき出し、お金を受け渡しさせる手口です。
手口の順序はまず、 息子等働く世代の家族を名乗った人 から電話が来ます。

「会社で使うお金(又は小切手等)を無くしてしまったので、東京(大阪等の主要都市の場合もあり)まで届けて欲しい」と言われます。
電話を受け、お金を用意して待ち合わせの所に行くと、会社の同僚や先輩、上司を名乗る人がいて、その人にお金を渡すよう言われます。

落とし物型と同じく、劇場型の手口ですが、見知らぬ土地に被害者をおびき出し、被害者が混乱している内にお金をだまし取るのが特徴です。
この様な電話が来た時は一旦電話を切り、電話をかけてきた人にこちらから電話をかけて確認するようにしましょう。

キャッシュカード
これも他の手口と同様、劇場型の手口です。
落とし物型と同じく、複数の人が名乗りを上げますが、どれも社会的信用度の高い立場の人間である事を名乗るのが、手口の特徴になります。

登場する人物は以下の2人です。  

警察官
銀行協会等、銀行に関連した団体に所属している者
まず警察官を名乗る電話がかかってきます。
電話口では「あなたの口座やキャッシュカードが悪用されている。公的団体から連絡があるので出るように」と伝えます。

その後、警察が伝えてきた団体の職員を名乗る者から電話が来ます。
電話口では以下の様に伝えてきます。

「新しいカードに交換する為、カードを取りに行きます。手続きに暗証番号が必要なのでこの電話で教えて下さい」

その後、家に職員を名乗る者が来てキャッシュカードを預かっていきます。
キャッシュカードと暗証番号を得た詐欺師は、その口座からお金を引き出してしまいます。これが目的です。

キャッシュカードやその口座が悪用されている場合、暗証番号を聞いたり、カードを受け取りにきたりといった事は、銀行は行っていません。
また、狙われるのはキャッシュカードだけではありません。

通帳
クレジットカード
プリペイドカード
電子マネーカード
これらのカードでも似たような手口が出ています。
この場合、名乗る団体や企業が違う事もありますが、カードの情報を聞き出し、カードを取り上げようとするという点は変わりません。

この様な連絡が来たらオレオレ詐欺だと判断しましょう。

現金受取型
今まで紹介したような内容でなくても、現金を直接受け取ろうとするなら、それはオレオレ詐欺の可能性が高いです。

会社の人や公的機関の人が直接お金を受け取りに来る
バイク便等の荷物運搬サービスを利用してお金を受け取ろうとする
この様に、オレオレ詐欺の手口には、直接お金を受け取らず、別の人を挟んで現金を受け取ろうとする特徴があります。
手口が変わっても、現金を直接受け取るような事を言われたら、オレオレ詐欺を疑いましょう。

手口の中には直接家まで来てお金を受け取ろうとするような手口もあるので、注意して下さい。

オレオレ詐欺の手口②公務員になりすます
ガラケー 携帯電話 女性
オレオレ詐欺の良くある手口によくあるのが、公務員や銀行関係の職員を名乗る事です。
具体的には、以下の身分を名乗る詐欺師が確認されています。

警察官や刑事
法務省や総務省、金融庁職員
銀行員
銀行協会職員
これらの職業を名乗った電話が来た時は、一度電話を切り、該当する施設や団体へ確認の電話をかけるようにしましょう。
インターネットや市のお知らせでもオレオレ詐欺に関する情報を発信している事もあります。

防犯関係のお知らせに載っている事が多いので、定期的に確認するようにして下さい。

オレオレ詐欺の手口③だまされたふり作戦
スマホ ガラケー
オレオレ詐欺の撃退方法に「だまされたふり作戦」というものがあります。
オレオレ詐欺の電話がかかってきたらワザとだまされたフリをして電話を切り、警察に連絡し、逮捕してもらうという方法です。

警視庁でもこの作戦を利用したオレオレ詐欺の協力を呼び掛けていますが、最近はこれを逆手に取った手口が生まれています。
この手口では、他の手口と同じ様に、最初にオレオレ詐欺の手口の電話がかかってきます。

だまされたふり作戦で電話を切ると、その後に詐欺師グループが扮した偽の警察官から電話が来るのです。
その時「その電話は詐欺の電話です。取りに来るタイミングで犯人を確保するので、支払うお金を預からせて下さい」といいます。

これを信用して偽の警察官にお金を渡させるのが、この手口の狙いになります。
警察官や国の省庁、銀行やその関係協会は、騙されたふり作戦をする時は、電話だけで協力を得る事はありません。

また、作戦で用意するお金は必ず模造紙幣を使います。
もし、オレオレ詐欺の電話が着た後、どこにも電話をしていないのに騙されたふり作戦の電話が来たら、警戒するようにしましょう。

高齢者がすべきオレオレ詐欺への対策
高齢者
毎年一定数確認され、手口も多様化されているオレオレ詐欺は、対策方法があります。
対策の中には、オレオレ詐欺の電話が来ないようにする予防策や、電話が来た時も慌てずに対応する対応策もあります。

主な対処法は以下の方法となります。防犯対策に役立てて下さい。

合言葉
留守電・知らない番号からの電話に出ない
警察から電話来たら家族に連絡
振込限度額を下げておく
合言葉
オレオレ詐欺の電話がかかってきた時、相手が本当に自分の家族かを確認する方法として、合言葉が有効です。
合言葉として使える内容は、以下の様な内容です。

家族や親せきでしか知らない事
学校や会社の名簿や緊急連絡先等に記載されていない事
慌てていてもすぐに答えられる事
これを実際に合言葉にすると、この様な形になります。

「○○ちゃん(孫や甥、姪)の好きな食べ物はなんだったっけ」「プリンだよ」
「△△さん(家族や親せき)の家に行ったのはいつだったかしら」「お盆だね」
「母さん(父さん)、結婚記念日がいつか覚えてる?」「○月△日だ」
この様に、個人情報に直接触れない、家族だけの情報の中でも覚えやすい事を活用して下さい。
オレオレ詐欺の電話は矢継ぎ早に用件や質問を言う傾向があるので、会話の中に自然と盛り込めるような合言葉にしておくと、言いやすくなります。

留守電・知らない番号からの電話に出ない
これは予防策です。
オレオレ詐欺の電話は、電話を取った瞬間から始まります。

逆を言えば、電話を取らなければ詐欺の被害に遭う事は無いのです。
以下の番号からの電話は取らないようにしておくと、オレオレ詐欺の電話を予防できます。

留守電
知らない、登録されていない電話番号
非通知
電話の中にはこれらの番号が来ても、つながらないように設定できる機種もあります。
その様な機能のある電話に買い替えるのも良い方法です。

警察から電話来たら家族に連絡
オレオレ詐欺の手口は警察や公的機関、銀行関係等、社会的信用度の高い立場を名乗る事が多いです。
この様な電話が来たら、まずは家族に連絡しましょう。

オレオレ詐欺の詐欺師が何か言ってきても「家族に相談するので一旦切る」とだけ言い、電話を切ってしまえば問題ありません。
電話がかかってきても、慌てずに一旦電話を切り、家族に連絡しましょう。

家族を利用したオレオレ詐欺なら、オレオレ詐欺が利用した家族に電話をかけ、無事を確認して下さい。
電話に出て、何もなければオレオレ詐欺の電話がきた事を伝えておきましょう。

その後、警察に相談の電話を入れるようにして下さい。
なお、警察に相談したい場合は、警察の専門相談窓口の電話番号である「#9110」を活用するのがおすすめです。

振込限度額を下げておく
普段からお金の送金をしていない、又はしても少額である場合は、口座からの振り込み限度額を下げておくというのも良い方法です。
銀行の口座は振り込み限度額を自分で設定できます。

この設定で最低限の金額に設定しておけば、万が一オレオレ詐欺等の特殊詐欺で口座のカードや情報が引き出されても引き出せるのはその最低額までです。
これにより、被害を最小限に抑える事ができるのです。

これはオレオレ詐欺だけでなく、以下の犯罪で財布やカードを取られた時にも有効です。

泥棒や空き巣
強盗やひったくり
オレオレ詐欺をはじめとした犯罪から身を守ろうとする時は、自分や家族、家だけでなく、銀行口座等にもしっかり対策をしておきましょう。

オレオレ詐欺のお金の受け取り方法
方法
オレオレ詐欺は、お金の受け取り方法が複数あります。
その手口に共通しているのが、お金やそれに関連した物を直接受け取ろうとする事です。

現金を直接受け取ろうとする人がいる(詐欺師の話の中では、先輩や上司、同僚)
バイク便や宅配サービスでお金を受け取ろうとする
キャッシュカード等を銀行やその関連団体の職員が受け取ろうとする
オレオレ詐欺の詐欺師は、お金をだまし取ろうとする手口が違っていても、必ず現金やそれを引き出す道具を直接受け取ろうとします。
オレオレ詐欺が出始めた頃は、ATMや銀行窓口を活用した手口が多い傾向にありました。

その為、現在銀行やコンビニ等、ATMを置いてある施設では、オレオレ詐欺に対する警戒や防犯処置がされています。
オレオレ詐欺の詐欺師は、これを避けようとして現金等を直接受け取ろうとしているのです。

手口の中にはバイク便や宅急便等、宅配サービスを使う手口もありますが、宅配サービスを使ってお金を送る事は違法行為です。
正規のバイク便や宅配業者では、公式サイト等でも現金を送れない事を明記しています。

現金を送る場合は、以下2つの郵送サービスのみ使用できます。

郵便為替
現金書留
手口によってはこのサービスを活用するかもしれませんが、どれも郵便局で追跡する事ができるので、ある程度犯人の足が付きます。
また、これらのサービスを使うよりも、銀行の振り込みを活用した方がはるかに簡単で、確実です。

その為、会社や公的機関がお金のやり取りをするなら、振り込み等の銀行を活用したサービスを使うのが一般的になっています。
お金の受け取り方が以下の条件に当てはまったら、何らかの手口である可能性が高いです。

直接的
違法行為
違和感がある
手口に思い当たりが無くても、これらの特徴に当てはまったら、オレオレ詐欺を疑いましょう。

オレオレ詐欺以外の振込詐欺
高齢者
オレオレ詐欺は振込詐欺の代表的な手口です。

オレオレ詐欺程ではありませんが、それ以外の手口もある為、その知識も持っておきましょう。
代表的な手口が以下の手口になります。

架空請求詐欺
融資保証金詐欺
還付金詐欺
震災やマイナンバー等、社会情勢を利用した詐欺
どの手口も内容そのものは違いますが、手口にオレオレ詐欺と似通った部分があります。

現金やそれを引き出す道具を直接受け取ろうとする
個人情報や銀行口座情報、クレジットカード情報等を聞き出そうとする
ATMでの手続きや振込を要求する
何を言われても、これらの操作や行動をするよう言われたら、詐欺かもしれないと警戒するようにして下さい。
少しでも疑わしい電話が来たら、一旦電話を切り、家族や公的機関の相談窓口に相談しましょう。

オレオレ詐欺を防げるかどうかは家族同士の連携で決まる
オレオレ詐欺をはじめとした特殊詐欺は、家族との連携や詐欺に関する知識が重要です。
普段から防犯について話し合ったり、情報を収集したりして、詐欺に対する警戒を強めていきましょう。

最近は、電話の機能にオレオレ詐欺対策に役立つ機能が付いていたり、自治体から対策グッズの貸し出しをしていたりと、色々な所が詐欺の対策を手助けしてくれています。

オレオレ詐欺をはじめとした振込詐欺や特殊詐欺は、一人で抱え込もうとすると問題対処も難しくなります。
普段から周りの人と手を取り合って防犯対策をするようにして下さい。

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