60代からでもNISAは活用できる?新NISAを活用する上でのポイントも解説
60代を迎えてからでも、老後資金の準備を始めることは大切です。
現代で資産を守っていくためには、株式や投資信託などの相対的にインフレに強いとされている消費をあわせ持って分散投資することがよいとされています。
この記事では、60代からNISAを活用し始めても遅くないのか詳しく解説します。新NISAを活用する上でのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
60代からでも投資信託は遅くない!
「今から投資信託を始めても遅くないの?」と疑問を抱く方もいるでしょう。
60代を迎えると、子どもの独立や定年などのライフイベントを迎えることになるため、家計に余裕が生まれやすくなります。
まとまった資金を準備しやすいタイミングといえるため、資産運用に回すことで、無理なく効率的な貯蓄と運用を図ることが可能です。
新NISAとは
2024年1月から新NISA制度が始まりました。これまでのNISAとの違いは、以下のとおりです。
新NISAでは、成長投資枠とつみたて投資枠の2種類が新たに設けられているのが特徴です。
投資可能な期間や保有期限なども撤廃されており、成長投資枠とつみたて投資枠のいずれも利用可能になりました。
資金使途のパターン
新NISAを活用して資産運用する場合、むやみに行うものでもありません。まずは、資金の使途を分類化させて、どのくらいを資産運用に回すのか視覚化することが大切です。
資金使途のパターンをわけると、以下の表の通りです。
日常的に使うお金
|
・日常的な生活費
・病気やケガなどに備えるお金
|
普通預金で管理
|
使い道がすでにあるお金
|
・車の買い替え
・旅行で使うお金
・イベントで使うお金
|
定期預金や投資信託などで管理
|
使う予定がないお金
|
・用途が決まってない貯金
・相続する可能性があるお金
|
長期的に運用できる株式・投資信託で管理
|
このように分類しておけば、現状でどのくらいのお金を資産運用に回せるのかイメージしやすくなります。運用する上でのポイントも後述するため、ぜひ参考にしてください。
つみたて投資枠と成長投資枠のどちらがおすすめ?
新NISAの場合、つみたて投資枠と成長投資枠がありますが、どちらがよいのでしょうか。それぞれのおすすめの人について詳しく解説します。
つみたて投資枠
つみたて投資枠がおすすめの人は、以下に該当する方です。
・小さな金額からコツコツ投資したい方
・長期で資産運用を考えている方
・投資に手間をかけたくない方
つみたて投資枠は、少額からコツコツと資産運用できるため、投資の経験がない方におすすめです。
つみたて投資枠がおすすめの理由は、主に以下のとおりです。
・長期運用で複利効果が期待できる
・分散することで買い付け金額の平準化が可能
・銘柄をバランスよく分散して投資できる
つみたて投資枠では、運用期間が長くなるほど複利効果(運用で得た収益を元本にプラスしてふたたび再投資することで利益を得ること)が期待できます。
また、毎月決まった金額を積み立てれば、購入金額を平準化できるため、価格のぶれも抑えられます。
複数の銘柄に分けて投資することで、価格変動リスクも抑えられるため、投資初心者の方でも、つみたて投資枠はうまく活用しやすいでしょう。
長期・分散・積立することで損失のリスクを抑えることはできますが、ゼロにはなりません。投資である以上、資産が減る可能性はゼロではない点にご注意ください。
成長投資枠
成長投資枠がおすすめの人は、以下に該当する方です。
・まとまった資金で資産運用したい
・個人株やETFにも投資したい
・相場を見定めつつ、短期で大きなリターンも狙ってみたい
成長投資枠は、上場株式やETF(上場投資信託)、REIT(上場不動産投信)や公募株式投資信託など幅広い商品を購入できるのが特徴です。
投資経験をすでに有しており、資産運用に抵抗がない方におすすめといえるでしょう。
・幅広い商品への投資が可能
・スポット購入が可能
・株式投資で配当金・株主優待を受け取れる
成長投資枠では、つみたて投資枠よりも投資できる商品の選択肢が広がります。投資経験があって、リスクも許容できる投資経験者におすすめです。
また、成長投資枠では、値下がりしたタイミングで購入するといったスポット購入もできます。
成長投資枠は、投資対象の選択肢が広がる分、損失が生じる可能性も高くなります。ある程度のリスクを許容してでも大きなリターンを狙いたい方におすすめです。
60代の方がこれから新NISAを活用する上でのポイント
60代の方がこれから新NISAを活用する上でのポイントは、主に以下のとおりです。
・つみたて投資枠から活用する
・退職金の運用は分散する
つみたて投資枠から活用する
これから投資を始めてみようと考えている方は、つみたて投資枠をおすすめします。
資産運用の王道は、「長期」「積立」「分散」とされており、つみたて投資枠は長期・積立の条件を満たします。
分散・コストを軸に対象商品を選ぶことで、初めての方でもコツコツと続けやすくなるでしょう。
・インデックスファンドに絞って選択する
・全世界に分散投資している銘柄から選択する
・純資産総額が大きい銘柄を選択する
・運用管理費用が低い銘柄から選択する
投資初心者の方におすすめの銘柄として、eMAXIS Slim全世界株式やiFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり)などが挙げられるでしょう。
全世界の上場株式に分散投資している銘柄を選ぶことで、分散の面でのリスクもカバーできます。
退職金の運用は分散する
定年退職を控えている方は、退職金の運用も考えてみましょう。一度にまとまったお金が入るからといって、大きな金額で投資するのはおすすめできません。
新NISAの枠の非課税保有限度額である1,800万円の枠を上手く活用し、分散させて運用してみましょう。
例えば、毎月30万円を5年間続けることで、非課税保有限度額を5年で限界まで活用できます。
まとめ
60代だからといって、資産運用を始めるのが遅いということはありません。
新NISAを上手く活用することで、今よりも資産を増やせる可能性があります。ただし、投資をすることに変わりはないため、資産が減少する可能性はゼロではありません。
これから投資を始める方であれば、新NISAの「つみたて投資枠」を活用するのがおすすめです。
すでに投資経験があってリスクをある程度許容できる方であれば「成長投資枠」を活用してみるのもよいでしょう。
長期・分散・積立の王道を守りつつ、自分に適した銘柄を選んでみてください。