【100名アンケート】家族葬の通夜の準備
葬式
家族葬を行うことになった場合、どのような準備が必要になるのでしょうか。
一般的な葬儀とは異なる手順を踏むこともあるので一度詳しくみておきましょう。
1.参列者を決める
2.葬儀屋を決める
3.僧侶に連絡をいれる
4.日取りを決める
①参列者を決める
家族葬とは、故人の遺族や故人と関係の深い親戚、友人ら少人数が集い、小規模に行う葬儀のことを指します。
ただし、ひとえに 家族葬 とは言っても、家族、親戚を全員招待してしまうと場合によっては、大規模な式になってしまいかねません。
そこで、喪主側は 家族葬に招待する人 を選別する必要があります。
今回の記事では、どのように家族葬の参列者の範囲を決めればよいのかの説明もしてますので、後の章を参考にしてみてください。
②葬儀屋を決める
故人が亡くなったら、お世話になる葬儀屋を探し、連絡を取りましょう。
そして、お通夜や葬儀の打ち合わせを行います。
具体的には、『どこの斎場、火葬場でお通夜、葬儀を行うのか』、『家族葬の規模』、『どのような家族葬を望むのか』などを故人の意向なども踏まえながら話し合いましょう。
実際には、どのように葬儀屋は決められているのでしょうか?
そこで、第三人生編集部で133名の方に 「葬儀社を選ぶにあたって、気をつけるべきことを教えてください」 というアンケートを実施しました。
Q葬儀社を選ぶにあたって、気をつけるべきことを教えてください。
回答は以下のようになりました。
葬儀会場の設備の充実度。(40代男性)
事前にしっかりとした見積りを提示してくれるかどうか。(50代女性)
連絡がこまめかどうか。(40代女性)
追加料金などがないか。(50代男性)
こちらの要望にしっかりと応えていただけるか。(30代男性)
アンケートから、設備や料金を重要視している方が多い事が分かりました。
料金は実際に差があるため、様々な葬儀会社を比較することをお勧めします。
③僧侶に連絡を入れる
仏式のお通夜などの葬儀の際には、僧侶による読経が行われます。
そのため、故人が亡くなった旨を僧侶に伝え、葬儀をあげる旨を伝えます。
更には、僧侶の都合の良い日程を伺い、家族葬の日取りを決める際に考慮に入れるようにしましょう。
④日取りを決める
次に、家族葬の通夜の日取りを決めます。
一般的に、通夜は告別式の前日に行うものなどで、二日セットで日程を決めます。
日程を決める際に考慮すべきことは以下の点です。
遺族が参列できる日程かどうか
僧侶がいらっしゃることのできる日程かどうか
斎場、火葬場に空きがある日程かどうか
遺族が参列できる日程かどうか
家族葬を行うにあたり、なるべく多くの遺族が参列できる日程にしましょう。
その際に、遠方から来る親戚などの移動時間なども考慮に入れるようにしましょう。
僧侶がいらっしゃることのできる日程かどうか
先ほども述べたようにお通夜や告別式では僧侶による読経が行われます。
そのため、僧侶がいらっしゃることのできる日程かどうかきちんと確認しましょう。
更に、遠方から僧侶がいらっしゃる場合は移動時間や宿泊先が確保できているのかもきちんと考慮に入れたスケジューリングにしましょう。
斎場、火葬場に空きがある日程かどうか
最後に、斎場や火葬場に空きがある日程を選ぶようにしましょう。
特に、都内の斎場などは混雑することが予想されます。
そのため、故人が亡くなった段階で、だいたいの日程を決めて、斎場や火葬場の空き状況の確認や予約を行うと良いでしょう。
ただし、家族葬の場合、自宅でお通夜、告別式を行う場合もあります。
家族葬の通夜の流れ
袱紗 数珠 真珠
家族葬の通夜の流れについてみていきましょう。
親族集合、僧侶への挨拶
受付(小規模な家族葬の場合行わないことも多い)
お通夜開式
読経、焼香
お通夜閉式・喪主挨拶
通夜振舞い
1.親族集合、僧侶への挨拶
家族葬のお通夜開式に先立ち、故人と直系家族(親子、配偶者、兄弟姉妹)など関係の近い親戚は早めに集合します。
その際に、僧侶の接待を行うこともあります。
喪主は、家族葬当日までにお布施(おふせ)を用意し、読経に対する感謝の気持ちを金銭にして渡します。
更に、僧侶が遠方からいらっしゃる場合は交通費を お車代 としてお渡しします。
また、僧侶が通夜振舞いに参加されない場合は、食事の代金を 御膳料 としてお渡しします。
2.受付(小規模な家族葬の場合行わないことも多い)
基本的に、家族葬は親しい親族のみで行うものなので受付はない場合が多いです。
しかし、参列者が30人ほどの少し大規模な家族葬の場合は参列者や香典の管理のために受付が用意されることがあります。
受付に関しては、こちらも参考にしてみてください。
葬儀・葬式の受付の流れと挨拶の言葉は?服装や焼香のタイミングも解説
3.お通夜開式
親族ら参列者は開式に先立ち、斎場に入ります。
お通夜開式の時間になると僧侶が入場するので、参列者は合掌して迎えます。
僧侶の入場でもってお通夜が開始されます。
4.読経、焼香
お通夜が開始すると、僧侶による読経が行われます。
読経の時間は約40~50分程度です。
読経の途中から参列者による焼香が行われます。
一般的に、葬儀屋による合図があるのでその時の指示に従って焼香を行いましょう。
焼香に関しては、こちらもご覧ください。
焼香の正しいやり方とは?意味や回数、宗派ごとの作法も解説
5.お通夜閉式・喪主挨拶
僧侶による読経が終わったらお通夜は閉式になります。
読経の後に、僧侶からの法話がある場合があります。
僧侶が退場した後は、喪主による挨拶があります。
6.通夜振舞い
通夜振舞いとは、遺族が参列者に対して軽食を振舞いもてなす会食の儀式です。
通夜振舞いは必ずしも行わなければいけないものではないので場合によっては行われないこともあります。
通夜振る舞いに関しては、こちらも参考にしてください。
通夜振る舞いの所要時間や料理は?喪主の挨拶や参加者のマナーも解説
家族葬の通夜の服装
49日の参列者の服装
家族葬に参列することになった場合、どのような服装がふさわしいのでしょうか。
ここでは、男女別に家族葬の通夜の服装についてみていきたいと思いま
す。
その前に、一度一般的にふさわしいとされるお通夜の服装について軽く説明をします。
お通夜は『急な訃報を受けて駆け付ける』という意味合いがあるため、一般的に 必ずしも喪服を着て参列する必要はない とされています。
そのため、落ち着いた色やデザインのものであれば平服による参列も可能となっています。
ただし、一般的な傾向としては『そうはいっても喪服を着用する』というケースが多いことが事実です。
そのため、今回の記事でも家族葬のお通夜の服装を喪服として紹介します。
家族葬の通夜の服装:男性編
喪服 メンズ ダブル 準喪服
基本的に男性は ブラックフォーマルのスーツ と 白色無地のワイシャツ を着用します。
シングルでもダブルでもどちらでも良いとされています。
更に、 光沢のない黒ネクタイ を締めます。
その際に、ネクタイピンは付けないようにします。
黒色 の靴下、ベルトを着用します。
更に、 黒色の革靴 を履き、その際はエナメル素材やスエード素材のものは避けるようにします。
髪型は指定されていませんが、きちんと 清潔感 のある髪型にします。
前髪などが長い場合は、焼香や合掌の際に髪がたれてだらしのない印象をまわりに与えてしまうので、きちんとワックスなどを使いまとめるようにしましょう。
家族葬の通夜の服装:女性編
女性 準喪服
女性の場合は、 ブラックフォーマルのスーツ、ワンピース、アンサンブル を着用します。
また、スカート丈はひざ下のロングのものを選びます。
更に、 黒色のストッキング を着用します。
靴は 黒色のパンプス を履き、ヒールの低いものを選びます。
また、基本的に結婚指輪以外のアクセサリーは身に付けません。
ただし、『涙を連想させる』と言われている 真珠のアクセサリー に限り、着用しても良いことになっています。
香水は付けません。
ヘアスプレーなども無香料のものを選ぶようにしましょう。
髪型は男性と同様、 清潔感 を重視します。
髪の長い方は、黒色のゴムなどで一つにまとめましょう。
更に前髪がたれてくる場合なども、ヘアワックスやヘアピンでまとめるようにします。
また、髪色が過度に明るい場合は事前に黒色やそれに近い落ち着いた色に染めなおしておくようにしましょう。
最後に、ネイルをしている場合は可能であれば家族葬までに落としておく必要があります。
どうしても落とせない場合は、『上から地味な色のネイルを塗る』『黒色の手袋をつける』などの対応をするようにしましょう。
家族葬の服装については以下の記事で取り上げています。
家族葬の服装を身内・参列者別に紹介!平服の時は?夏・冬別にも!
家族葬の通夜の喪主側の挨拶
納骨の仕方 服装
家族葬の通夜を行う際、喪主側はどのような挨拶を行えばよいのでしょうか。
ここでは、家族葬の喪主の挨拶をするにあたり、挨拶に組み込むべきポイントと文例を説明したいと思います。
家族葬の通夜の喪主側の挨拶:ポイント
家族葬の通夜の喪主側の挨拶の内容に入れるべきポイントは、
参列に対する感謝の気持ち
故人の生前の様子
です。
家族葬は故人との関係の深い参列者が多いため、少し踏み込んだ詳しい生前の様子などを話しても良いでしょう。
家族葬の通夜の喪主側の挨拶:文例①(簡潔バージョン)
本日は、お忙しい中〇〇のお通夜に参列いただき誠にありがとうございます。
〇〇の生前のご厚情に深くお礼申し上げます。
ささやかではありますが、軽食の準備をさせていただきました。
お時間の許す限りおくつろぎください。
本日は本当ににありがとうございました。
家族葬の通夜の喪主側の挨拶:文例②(長文バージョン)
本日は突然のことにもかかわらず、父のお通夜にお集まりいただき誠にありがとうございました。
また、父の生前中にはご厚情を賜りまして大変感謝しております。
本当にありがとうございました。
父は長年、持病を患っていましたが、前向きに治療に取り組んでいました。
しかし、四日前の朝に容体が急変し亡き人となりました。
父は寡黙で大変規律を重んじる人でした。
しかし、誰よりも物事に熱意を持って取り組み、更に私たち家族のために最善を尽くすような人でした。
父が亡くなったことは未だに受け入れがたい事実ではありませんが、今後とも皆さんと力を合わせてこの悲しみを乗り越えてゆければと思います。
本日、ささやかではありますが別室にて軽食を用意させていただきました。
父との思い出話などをしながら皆さんとひとときを共有させていただきたいと思います。
本日は本当にありがとうございました。
喪主の挨拶については以下の記事で取り上げています。
喪主の場面毎の挨拶例文!話す内容や忌み言葉、読み上げの可否も解説
【100名アンケート】家族葬の通夜者の範囲
お墓参り花 菊
家族葬の通夜を行うことになった場合、どこまでの親戚を招待すべきなのでしょうか。
ここでは、家族葬のお通夜の参列者の範囲の決め方をお伝えします。
基本的に意識すべきポイントは以下の点です。
家族葬の規模
家族葬の通夜者の範囲について
故人との関係性
家族葬の予算
家族葬の規模
家族葬といっても規模は決まっているわけではありません。
その時の状況に応じて、遺族が決める必要があります。
では、実際に行われた家族葬には、どれほどの人数が参列しているのでしょうか。
そこで、第三人生編集部で実際に100名以上にアンケートをとり、家族葬の参列者の人数を調査しました。
こちらがその結果です。
あなたが経験した家族葬には何人来ましたか? アンケート
結果から、もっとも多い割合の人数は11人から20人で、その割合は全体の約4割ということがわかりました。
ですが、51名以上と答えた方にその人数を調査したところ、200人と答える方もいて、参列者の人数の幅は事情に大きいということもわかりました。
この結果を踏まえ、以下でさらに詳しく解説していきます。
家族葬の通夜者の範囲について
一般的には家族葬の参列者の人数は 約10~30人前後 と言われています。
そのため、参列者の人数を決めてから参列者を決めるという方法をとると参列者の範囲を決めやすくなるでしょう。
以下の表は、『家族葬の参列者の数』と『参列者の故人との関係性』をまとめたものです。
あくまでも一例なので、ご自身の状況に合わせて参考にしてみてください。
参列者の人数 予想される参列者
10名前後 子供、配偶者、親、配偶者の親、兄弟姉妹
10~20名 子供、配偶者、親、配偶者の親、兄弟姉妹、従妹姉妹
20~30名 子供、配偶者、親、、配偶者の親、兄弟姉妹、従妹姉妹、はとこ、甥、姪
故人との関係性
家族葬のお通夜を行う際の参列者の範囲を決めるにあたり、 故人との関係性 は重視すると良いでしょう。
たとえ故人と血縁関係になくても、家族のような付き合いを故人の生前中にしていた場合は、家族葬のお通夜に参列することは可能です。
そのため、喪主側は参列者の範囲を決める際は、単に故人との血縁関係を重視するだけではなく、故人との関係性も考慮に入れましょう。
生前中に故人が意向を示している場合もあるので、そのような情報も参考にしましょう。
家族葬の予算
場合によっては、参列者の人数が少ない方が家族葬にかかる費用が少なくなることがあります。
更に、少人数で自宅にて家族葬などを行うとなれば斎場の会場費なども払う必要はありません。
そのため、なるべく家族葬の費用を抑えたい場合は参列者も少なめに設定し、小規模な家族葬を営む傾向にあります。
家族葬で通夜なしのケース
遺骨人2
家族葬を行う場合、 お通夜を行わない というケースが見られることがあります。
もし、お通夜を行わないことになった場合、どのような形態の家族葬になるのでしょうか。
まず、家族葬でお通夜を行わない場合の主な理由を簡単に説明します。
家族葬でお通夜を行わない理由
家族葬でお通夜を行わない場合の流れ
家族葬でお通夜を行わない場合の注意点
家族葬でお通夜を行わない理由
家族葬でお通夜を行わない理由は、大きく分けて主にふたつあります。
ひとつは、 『参列者の負担を減らすため』 です。
家族葬を行う際に、親戚を多く招待するとなった場合、遠方からくる参列者も出てくることがあります。
そのような親戚が多い場合は、滞在費用や仕事との兼ね合いなどを考慮して、お通夜を行わないケースが見られます。
更に、家族葬を行う場合、参列者が高齢の方ばかりになることが多くあります。
そのような場合、お通夜、告別式と二日に渡って葬儀を行うことは、高齢者の方にとって大きな負担になってしまうことがあります。
二つ目の理由としては、 『家族葬の葬儀の費用を抑えるため』 ということが挙げられます。
当然、お通夜を行うとなるとその分の費用が掛かります。
具体的には、祭壇料や返礼品、通夜振舞い、お布施の代金などを抑えることができます。
そのため、家族葬を行う場合はお通夜を行わないという選択をするケースも多くみられると言われています。
家族葬でお通夜を行わない場合の流れ
家族葬でお通夜を行わない場合は、告別式、葬儀のみを一日で行うことになります。
その場合、故人が亡くなってからどのような流れを取るのでしょうか。
基本的な準備や流れは、家族葬でお通夜を行わない場合と同様です。
しかし、お通夜を行わないという旨を早い段階で明確に葬儀屋や僧侶、参列者に伝える必要があります。
というのも、僧侶や参列者はお通夜の日程も考慮した上でスケジュールを組んでしまう可能性があるためです。
家族葬でお通夜を行わない場合の注意点
家族葬でお通夜を行わない場合の注意点として『故人とのお別れの時間が減る可能性がある』ということが挙げられます。
通常であれば、お通夜、告別式、と二日間かけて故人との最期の時間を過ごすため、まとまったお別れの時間が確保されています。
しかし、お通夜を行わないとなると、告別式を行ったあとすぐに火葬されてしまうため、十分に心の準備ができない可能性があります。
このような点を考慮に入れて本当に家族葬でお通夜を行わなくてよいのかということを考えてみてください。
【コラム】参列者側の家族葬の通夜のマナー
マナー
家族葬に参列することになった場合、参列者はどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
香典が必要かどうか確認する
家族葬の場合、喪主側の意向で 香典不要 となる場合があります。
そのような際に香典を持参すると、喪主側の負担になってしまうのでそのようなことはないようにする必要があります。
香典が必要かどうかの確認は基本的に 訃報連絡の内容 で判断できます。
訃報連絡を受けた際に、『香典のお受け取りは固くお断りします。』など記載されている場合は香典は不要です。
香典について何も言及されていない場合は、基本的には 香典を持参 するようにしましょう。
ただし、香典を渡した際に固辞された場合は、無理に渡そうとせずにそのまま持ち帰りましょう。
勝手に他の参列者を呼ばない
家族葬の参列者は、家族葬の規模や、故人との関係性などを考慮に入れた上で喪主側の判断によってきめられています。
そのため、参列者の独自の判断で勝手に他の参列者を呼ぶことはやめましょう。
良かれと思って、他人に故人の訃報や家族葬のことについて話してしまうと思わぬトラブルにつながることもあるので気を付けましょう。
家族葬の参列については以下の記事で取り上げています。
家族葬の参列者の範囲は?服装や香典、参列しない時のマナーも
家族葬のお通夜の概要を掴みましょう
今回の記事では、家族葬のお通夜についてみてきました。
具体的には、以下のことについて詳しく説明しました。
家族葬のお通夜の準備
家族葬のお通夜の流れ
家族葬のお通夜の服装
家族葬のお通夜の喪主の挨拶
家族葬のお通夜の参列者の範囲
家族葬でお通夜を行わない場合について
家族葬のお通夜の参列者のマナー
上記のように、家族葬のお通夜を行う場合は一般的なお通夜とは異なり、いくつか心に留めておくべきことがらがあります。
そのため、喪主側も参列者側も家族葬のお通夜の概要をしっかり把握する必要があります。
トラブルを避けるためにも基本的なマナーや準備はしっかりとしておきたいものですね。