お盆にお供えするお菓子の選び方、金額相場は?のしのマナーも
お盆の時期に、故人や先祖のお仏壇にお供えする方も多くいらっしゃると思います。
そんなときに、お供え物として定番なのがお菓子です。
お菓子といってもたくさんの種類があります。
今回は、「どんなお菓子を持ってけばいいの?」「どこで買えばいいの?」「値段はどれくらいのもの?」など、お供え物としてお菓子を持っていく疑問についてお答えします。
お盆にお供えするお菓子の選び方
お盆にお供えするお菓子についてご紹介する前に、お盆について軽く紹介します。
7月・8月15日前後の13日~16日の期間に、先祖や亡くなった人の霊が浄土からこの世に帰ってくると考えられています。
その期間に、先祖や故人の霊を家に向かい入れ、お供え物や墓参りなどの供養を行います。
その供養行事のことをお盆と言います。
お盆には、親族が実家に集まって過ごすという方もいらっしゃるのではないかと思います。
その際にお供え物を持ち寄って、仏壇やお墓にお供えをします。
お供え物には、食べ物や飲み物、お花などが用いられます。
特に、 お菓子はお盆のお供えとして定番です。
お菓子といっても、なんでもいいというわけではありません。
お盆のお供えとして好ましいもの、ふさわしくないものがあります。
- 日持ちするもの
- 小分けできるもの
- 故人の好きなもの
- 色合いが落ち着いたもの
- 集まる人に合わせたもの
お盆のお供え物をお菓子にする際は、以上の5点に注意しましょう。
日持ちするもの
お菓子に関係なく、お盆のお供え物を選ぶ際は、日持ちするものが好まれます。
お盆のお供え物は、期間中お供えしたままのことが多いです。
すぐに賞味期限が切れてしまうようなものは避けましょう。
また、お盆は夏の時期ですので、温度が高いことも考えられます。
要冷蔵・要冷凍のお菓子は避けましょう。
常温でお仏壇に数日置いていても、腐ったり傷んだりしないものを選びます。
小分けできるもの
お盆のお供え物は、お盆が終わったら、おさがりとして家族や親族で頂きます。
お供え後、食べるまでがお供え物と考えられています。
お供え物を複数の家族が持ち寄って、多くなってしまうことがあります。
その際に集まった親族などで、 分けて持ち帰れるようなお菓子ですと好まれます。
色合いが落ち着いたもの
お菓子の色合いには注意しましょう。
お菓子の色が、 赤や黄といったあまりに派手すぎる物は、よくない とされています。
落ち着いた色合いのお菓子を選びましょう。
集まる人に合わせたもの
お供え物は、食べるまでがお供え物です。
集まった人で、お供え物を食べるといったことは珍しくありません。
例えば、チョコレート嫌いの方が多いのにチョコレートのお菓子を持っていくのは、好ましくありません。
集まる方の好みに合わせたお菓子を選ぶとよいでしょう。
故人の好きなもの
お盆のお供えのお菓子を選ぶ際に定番なのが、 故人の好きだったものです。
故人の好きなものを選ぶ際は、形式などにこだわらず選ぶことができます。
お盆にお供えするお菓子の金額相場
お盆のお供えするお菓子の相場について紹介します。
お供え物にお菓子とする場合は、 3000円~5000円程度 が相場だと言われています。
お菓子以外のお盆のお供え物・お金をお渡しする場合も同様です。
お盆にお供えするお菓子の購入場所
お盆のお供え物をお菓子にした場合、どこで買えばいいのでしょうか?
お菓子の購入場所を紹介します。
購入場所としては、以下の3つが挙げられます。
百貨店
お盆のお供えとしてお菓子を買う際は、百貨店は定番です。
百貨店ですと、実際に見て選ぶこともできますし、試食できる場合もあります。
また、 百貨店に入っている店舗であれば、ある程度有名なお店のことが多いですし、店員に質問することもできます。
そのため、お供え物として失敗が起きにくいです。
また、包装などがしっかりしていることも多いです。
通販
近年では、お供え物のお菓子を通販で買う方が増えています。
特にインターネット通販のamazonや楽天などでも多く取り扱っています。
「百貨店が近くにない」「買いに行く時間がない」などの百貨店に行けない方には、通販は非常に便利です。
ただし、商品を直接見ることができないというデメリットもあります。
お盆の時期は、注文が多くなる ので、普段よりも時間がかかることがあります。
早めに準備しましょう。
スーパーマーケット
近くに百貨店はないけど、ちゃんと見て選びたいという方にスーパーマーケットはおすすめです。
お盆の時期になると、スーパーマーケットの一部にお盆の特設コーナーなどができる場合もあります。
また、お盆用に包装やのしを行ってくれる場合もあります。
ただし、百貨店に比べて品数が少ないというデメリットもあります。
お盆にお供えするおすすめのお菓子
お盆にお供えするおすすめのお菓子を紹介します。
お供え物のお菓子として定番を以下が挙げられます。
以上のお菓子を、それぞれ紹介します。
煎餅
お盆のお供え物のお菓子として定番なのが、煎餅(せんべい)です。
煎餅ですと、老若男女、年齢に関係なく口に合わないということがありませんのでおすすめです。
また、常温でも傷むこともありませんし、日持ちもします。
煎餅は他のお菓子に比べて 賞味期限が3か月以上のものが多く、お盆の期間後もしばらく置いておいても困りません。
一つの袋に包装されているようなものではなく、一つずつ包装されたものにしましょう。
お盆後に、親族に配ることもできます。
カステラ
次に挙げられる定番のお菓子は、カステラです。
カステラも煎餅と同様、老若男女、幅広い層から好まれています。
煎餅と比べて、カステラの 賞味期限の目安はおよそ2週間ですので、早めに消費する必要があります。
カステラと聞くと、一本のまとまった商品を考える方も多いと思います。
最近では、一つずつ包装されたものもありますので、おすすめです。
仏壇にお供えする際は、お皿に盛りつけてフォークなどと一緒にお供えしましょう。
羊羹
羊羹(ようかん)も、お供え物のお菓子として定番です。
見た目が落ち着いた色合いのものが多いため、お盆のような弔事のお供え物にふさわしいです。
羊羹は、若い方には食べる機会も少なくなっています。
親族に若い方が多い場合は、羊羹食べてもらういい機会かもしれません。
羊羹もおすすめのお菓子です。
落雁
落雁(らくがん)に馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。
落雁とは、米粉などと砂糖を混ぜた干菓子のことです。
落雁は、見た目が美しいのが特徴です。
「相手方の口に合わないかも」と悩んだときは、見た目のいいお菓子を選ぶのもいいでしょう。
焼き菓子
焼き菓子も、お盆のお供え物のお菓子としてよく用いられます。
色々な種類の焼き菓子が入っており、チョコレートなど色々な味を楽しめるのセットもあります。
お子さんが親族に多い場合は、クッキーなどの焼き菓子は喜ばれます。
こちらも小分けに包装されているもの を選ぶようにしましょう。
ゼリー
最後にお盆のお供えのお菓子として挙げられるのが、ゼリーです。
ゼリーも日持ちがよく常温で置いておいても傷みにくい特徴があります。
お子さんが親族に多い場合にも、喜ばれるのがゼリーです。
見た目も美しく、色々な種類があるので、頂く側にも好まれます。
お菓子以外のお供え物に関しては、こちらも参考にしてください。
お盆にお供えするお菓子ののし
お菓子をお盆のお供え物としてお渡しする際は、そのまま商品を渡してはいけません。
のし紙を掛ける必要があります。
お盆は弔事ですので、お供え物には、のしなしの水引のみののし紙を選びます。
水引
水引とは、贈り物をする際に掛ける飾りの帯紐のことを指します。
行事によって、掛ける水引の色・結び方が異なります。
水引の色
水引の色は、地域によって異なります。
一般的に、 関東などの東日本では黒白、関西などの西日本では黄白 の水引が用いられます。
新潟や北陸でも黄白の水引を用いられることもあります。
水引の結び方
水引の結び方は、いくつか種類があります。
行事によって結び方は異なります。
お盆のような弔事では結び切りが用いられることが一般的です。
場合によっては、あわじ結び(あわび結び)を用いられることもあります。
どちらも、一度結ぶとほどくのが難しいことから、「二度と起こらないように」「繰り返さない」といった意味合いとされています。
表書き・名前
表書きとは、何のための贈り物かを記載するものです。
のし紙の中央上部、水引の上側に書きます。
仏教の場合は、故人の49日(四十九日)忌の前である場合、 「御霊前」 と書きます。
49日(四十九日)忌の後の場合、 「御仏前」「御佛前」 と書きます。
時期 |
表書き |
49日前 |
御霊前 |
49日後 |
御仏前御佛前 |
浄土真宗では、49日(四十九日)忌に関係なく、 「御仏前」「御佛前」 と書きます。
名前は、のし紙の中央下部、水引の下側に書きます。
複数人で送る場合は、連名にして送ります。
連名できる人数は、3~4名程度です。
それ以上を記載する場合は、名前の書かれた目録などを入れておきましょう。
のし紙の掛け方
のし紙の掛け方は、2種類あります。
内のし
内のしとは、 品物、のし紙、包装用紙の順に包装する方法 です。
のし紙が包装用紙の内側になります。
一番外側が包装用紙になるので、傷つきにくいというメリットがあります。
また、外見はのし紙が見えないので、何のものかわかりにくいというデメリットがあります。
品物を郵送する場合やお供え物のお返しなど、控えめな贈り物などに使われます。
外のし
お盆のお供え物にはこちらの、 外のし にするのが一般的です。
外のしとは、品物、包装用紙、のし紙の順に包装する方法です。
のし紙が一番外側になります。
のし紙が一番外側なので、「誰からの贈り物か」「なんの贈り物か」が分かりやすメリットがあります。
一方で、雑に扱うとのし紙が破れたりしてしまうので注意が必要です。
何の贈り物かわかりやすいので、大々的に行う行事の際の贈り物などに使われます。
お盆のお供えののしについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
お盆でのお菓子のお供え方法
ご自宅に直接訪問して、仏壇にお供えする方法について紹介します。
風呂敷に包む
まず、お供え物を運ぶ際は、そのままの状態で持っていきません。
風呂敷に入れて持ち運ぶのがマナーです。
風呂敷などがない場合は、紙袋などに入れて持ち運びましょう。
挨拶
ご自宅についたら、玄関先で挨拶をしお参りさせてもらうようお願いします。
お供え物を渡す
お仏壇についたら、お供え物をご遺族にお渡しします。
お仏壇に自分が直接、お供えするのは失礼にあたる場合もあります。
ご遺族にお渡しして、お供えしてもらうようお願いします。
注意点
お仏壇にお菓子をお供する場合は、他のものと山積みにしてはいけません。
邪魔にならないように空いているスペースに置きましょう。
また、お菓子の箱のままですと、先祖や故人が食べることができません。
箱から取り出して、小袋などでお供えするのが好ましいです。
箱でお供えする場合、文字の方向はお参りする自分たちが読める方向にします。
御仏壇の方向ではないので注意してください。
お盆にお供えするお菓子を郵送する時
お盆のお供えとしてお菓子を郵送する際について紹介します。
本来、お盆のお供え物は直接お渡しするものですので、なるべく直接お渡ししましょう。
まず、郵送する際はのし紙を、 内のし で掛けます。
郵送する過程でお菓子の包装が傷つく可能性もあります。
郵送のタイミング
お盆は全国的に、7月・8月の13日~16日の期間に行います。
お供え物は、初日である8月13日にお渡しするのが一般的です。
その日に届くようにするとよいでしょう。
お盆の時期は、お供えを郵送する方も多く配送が立て込み、通常よりも遅れる場合もあります。
8月10日前後 には遅くとも郵送しておくことをお勧めします。
離島などの一部の地域では、一週間以上かかることもありますので、あらかじ宅配業者に確認しておくとよいでしょう。
事前にお伝えしましょう
単純にお供えのお菓子を郵送するだけですと、相手に失礼に当たります。
あらかじめ、電話などでお伝えしておきましょう。
その際に、到着する日時もお伝えしておくと配慮となります。
また一緒にメッセージなどを付け加えておくと、温かみを感じます。
お盆にお供えするお菓子のお返し
結論から言いますと、 お菓子に関係なくお供え物のお返しはしましょう。
お盆のお供え物のお返しは、お供え物と同様に、「消えもの」が好ましいです。
「消えもの」とは、消費したらなくなるもののことです。
お供え物のお返しにおすすめなのが、 洗剤や石鹸といった日用品 です。
お菓子などの食べ物ですと相手方の好き嫌いがありますが、日用品ですと日頃使うものですし賞味期限がないので、相手方が困ることもありません。
お返しの金額相場
お返しの相場としては、 お盆のお供え物の値段の約3~5割程度 です。
お盆の供え物の相場は、3000~5000円程度ですので、お返しは 1000~2000円程度 のもの良いでしょう。
頂いたお供え物よりも高価なものをお返しにすると失礼に当たりますので、注意してください。
お返しに関しては、こちらも参考にしてください。
お菓子は親族にも喜ばれる
集まる親族のことを考えてお供えを決定しましょう。
例えば、お子さんが多い場合でしたらクッキーやゼリーなどがいいでしょう。
みんなに好まれるからといって何を選んでいいわけではありません。
お盆という弔事であることを忘れずに選んでください。
お盆に関しては、こちらも参考にしてください。